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SWEET OBLIVION Feat. GEOFF TATE "RELENTLESS"が4月9日(金)国内盤発売

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『Frontiers Music』による、「ジェフ・テイト(元QUEENSRYCHE、現OPERATION MINDCRIME)にメロディックな曲を歌わせる」プロジェクト、SWEET OBLIVIONのセカンド・アルバム"RELENTLESS"が4月9日(金)にマーキー・インコーポレイティドから日本盤リリースされます。

セカンド・アルバムと言っても、ジェフ・テイト以外の参加メンバーは前作から全員入れ替わっており、前作はDGMのシモーネ・ムラローニ(G)を中心に制作されていましたが、本作ではSECRET SPHEREのアルド・ロノビレ(G)が中心となって制作されています。

前作のキーボードはこれまたDGMのエマニュエーレ・カサーリで、さながら「DGMをバックにジェフ・テイトが歌ってる」という状態でしたが、本作のキーボードはSECRET SPHEREの現キーボーディストではなく、前キーボーディストであるアントニオ・アガテがプレイしており、個人的には初期SECRET SPHEREのKeyアレンジが大好きだったので、本作のラインナップはなかなか魅力的(リズム隊はSECRET SPHEREではなく、他のイタリアのプログレッシヴ・メタル系バンドのメンバーです)。

制作スタッフが変わったとはいえ、先行公開されているMVなどを視聴する限りサウンドに全く影響はなく、"OPERATION : MINDCRIME"から"EMPIRE"にかけての時期におけるQUEENSRYCHEの雰囲気を持ったメロディック・メタル・サウンドで、言われなければきっとメンバーが変わっていたことに気付かなかったことでしょう(苦笑)。

作り手が変わっても方向性やクオリティは維持できるという辺りが『Frontiers Music』の安定感ですね。それはまるで工業生産品のような話で、音楽がそれでいいのかという気はしなくもないのですが、『Frontiers Music』はトラディショナルなメタル・ファンのストライクゾーンの狭さをちゃんと理解し、そこにある意味誠実に応えているということなのでしょう。

きっとレーベル・オーナーのセラフィノ・ペルジーノ氏は、前作を手掛けたシモーネ・ムラローニにも、本作を手掛けたアルド・ロノビレにも、"EMPIRE"の次にQUEENSRYCHEが作るべきだった作品を作れ、とディレクションしているに違いありません(笑)。





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映画『ロード・オブ・カオス』感想

ブラック・メタル黎明期の出来事を、MEYHEMのギタリストであり、BURZUMのカウント・グリシュナック(ヴァーグ・ヴァイカーネス)に刺殺されたユーロニモスを主人公に描いた映画、『ロード・オブ・カオス』を観てきました。

原作は『ブラック・メタルの血塗られた歴史』という本で、これも読んだことがありましたが、関係者インタビュー集のような本で、ほとんど頭に残っていなかったというのが実際のところ。

ただ、このユーロニモス殺害に至るエピソードというのは『BURRN!』誌でも掲載されたことがあったし、この映画の字幕監修をしている川島未来氏がやっていたSIGHのホームページ(当時)などにも情報が記載されており、事実としてのアウトラインは把握していた。

そして本作のストーリーはほぼそのアウトラインに沿って展開しており、登場人物の性格や関係性、細かいエピソードなどについては脚色されているにせよ、「きっとこんな感じだったんだろうな」と納得できるものになっている。

基本的にはイキりたいだけの若者だったユーロニモスが、デッドやヴァーグ(ヴァイカーネス)のような本当にヤバい奴が寄ってきてしまったことで破滅する物語で、教会を燃やすのも、殺人事件も、ひと昔前の不良少年の「誰が一番ワルか」を競うようなメンタリティと変わらない。

どれだけイキろうと、結局警察に見つかったら終わり、という時点で大した存在になれていないということを認識できないのが若さというものなのでしょうか。

そういうリアルな面が描かれていることで、ブラック・メタルを神聖視(悪魔崇拝を打ち出す音楽に対してこの言葉を使うのも妙な話だが)し、ユーロニモスやヴァーグを本気で崇拝しているようなコアな筋からは批判もあるようだが、そういう新興宗教じみた所も含めて本作はある種の真実を浮かび上がらせている。

ただ、個人的にはそのリアルさは正視に耐えないもので、R-18なのも納得。特にデッドの自傷シーンの生々しさは思わず目を閉じずにはいられませんでした。

このサイト/ブログを長年お読みいただいている方であればご存知の通り、私はブラック・メタルを愛好する人間ではなく、90年代にはちょっと面白いと思って半ば怖いもの見たさでBURZUMやEMPEROR、DARKTHRONE、MURDUKなどを聴いてみたりもしましたが(周囲に好きな友人がいたことが大きいですが)、結局魅力を感じたのはCRADLE OF FILTHやDIMMU BORGIRなど、シンフォ・アレンジによってメロディ的なフックが備わっていたバンドくらいでした。

そんな私でも、この映画は人間社会の中で、特に閉じられた狭い集団の中でどのような狂気が起きうるかを描く、ある意味普遍的な内容として考えさせられるものがありました。ここまで過激な挙には及ばないにせよ、インナー(ブラック)・サークルは様々な組織、企業、学校の中に存在していると思います。

なお、個人的に本作にまつわる情報を集めて一番驚いたというか感銘を受けたのは、この映画の監督であるジョナス・アカーランドが、元々は元祖ブラック・メタルとされるBATHORYのメンバーで、その後映像監督に転身し、マドンナやポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズやレディー・ガガ、メタリカなどのMVを手掛ける売れっ子監督になったという事実。この界隈の出世頭ですね。



▼本作の撮影中に、本作のキャストやセットを使って撮影されたMETALLICA "Manunkind"のMV


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ARION "VULTURES DIE ALONE"が4月7日(水)国内盤発売

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STRATOVARIUSのマティアス・クピアイネン(G)の実弟、トピアス・クピアイネン(Dr)が在籍していることで知られる…という枕詞はもはや不要かもしれない、フィンランドの新世代メロディック・パワー・メタル・バンド、ARIONのセカンド・アルバム"VULTURES DIE ALONE"の日本盤が4月7日(水)にマーキー・インコーポレイティドからリリースされます。

デビュー・アルバムの時点ではよくあるフィンランド型メロディック・パワー・メタル・バンドという感じでしたが、ヴォーカリストを変えた前作"LIFE IS NOT BEAUTIFUL"(2018)で一気にクオリティを上げてきました。

フィンランドらしいメロディック・パワー・メタルのスタイルをベースとしつつも、適度にモダンな要素が導入され、イマドキっぽいエモさもあって、ポピュラリティの高さを感じます。

単純に曲もいいし、このバンドはもっと人気が出てもいい。

本作ではゲストに母国フィンランドの人気メタル・バンド、BATTLE BEASTのノーラ・ロウヒモの他、同国で最近注目を集めているというオルタナティブ・ロック・バンド、CYAN KICKSのスザンナ・アレクサンドラ(Vo)が参加、2人ともMVに参加しているわけですが、ノーラ・ロウヒモはともかく、オルタナティブ・ロックにカテゴライズされているバンドとも共演できてしまうのがこのバンドの新世代たる所以と言えそうですね。

まあ、オルタナティブ・ロックとメタルが水と油状態だった1990年代から四半世紀が経ち、もはや境界線がなくなったということなのかもしれませんが。