- 2012-05-13
BURRN!12年6月号の感想

先月号でいくつかの企画が終了、コラム等も大半が最終回を迎え、その後のリニューアル内容が注目されていた今月号。
結果だけ見ると、ページ数は先月号と同じ160ページながら、レイアウトを調整・変更して更なる内容の削減を推し進めた感じ。
基本的にはインタビュー、ライヴ・レポート、ニュース、新譜レビューという、HR/HM専門誌として最低限の機能に絞り込まれている。
よく言えば贅肉をそぎ落としてシェイプアップした、という言い方もできますが…。
コラムとかはともかく、特集までなくなったのはちょっとどうなんでしょうかね。
こうなると完全に雑誌作りに企画性の介在する余地がなくなり、編集部員はひたすらアーティストのインタビューをして、ライヴに行ってレポートを書き、新譜を聴いてレビューする、というルーティン・ワークだけで誌面づくりをすることになるわけですよね。
最近はあまりパッとした特集がなかった気はするものの、私がBURRN!を読み始めた頃は結構読んでためになるというか、HR/HMに対する理解や知識が深まる特集も多かったんですどね。
上記のようなリニューアルにどのような意図があるのか、普通であれば編集長のコラムでその狙いなり展望なり言い訳なりが表明されるはずですが、なんと編集長コラムまでなくなってしまったので、それらを知る術もなく。
まあ、最近の広瀬編集長のコラムはどう読んでも現在のHR/HMシーンに対する熱意と希望を失った人の文章で、違和感を覚える(というかやる気を疑う)ばかりだったからなくなってせいせいした、というのが本音ですが。
ただ、この誌面だと、完全にオピニオン・リーダーやトレンド・メーカーとしての機能は失われますね。
まあ、元々BURRN!はあまりトレンド作りは上手くなくて、この雑誌にそういうセンスがあればメロスピもゴシックもメタルコアももっと日本でビッグになれたと思うし、欧米のような「メタル復権」もあったかもしれないと思うんですが。
良くも悪くも「売れそうなものをプッシュする」というよりは、編集部員個人の嗜好で「個人的に好きなものをプッシュする」というのがBURRN!の特徴で、それはまあ編集方針としてはある意味「硬派」で好感が持てる部分でもあったのですが、そうなると編集部員の顔ぶれが固定化し高齢化してしまったために時代やマーケットとどんどん感覚が乖離してしまうという弊害が生まれ、動脈硬化の末にたどり着いたのが今回の一連の「リストラ」ということなのではないでしょうか。
まあ、私個人が必要とする機能は残っているので差し当たって困ることはないのですが、これだけあからさまに内容が薄くなって値段が据え置きってのはどうなんですかね。
まあ、こうしないと続けられなくて休刊せざるをえない、ということであれば仕方がないから私は買いますが、私とは異なる考えの人もきっといるでしょうね。
インタビューは、EUROPEやBLIND GUARDIANなども興味深かったものの、一番考えさせられたのはSONATA ARCTICAのものかな。
彼らが「脱スピード・メタル」したのはROLLING STONESのような年寄りになるまで演奏し続けていきたいから、というトニー・カッコの発言にはちょっと愕然としましたね。
そりゃまあステージを駆け回りながらテンポの速い高音域の歌を歌うのが楽なことじゃないってのはわかるけど、今からそんな楽して長く続けよう、なんて守りの姿勢でどうすんの。
「UNIA」のようなプログレッシヴで難解な方向性も「難解な曲が素晴らしく聞こえるのはソングライターの頭の中だけ、最悪の場合、曲があまりに“芸術的”すぎて、曲を書いた人間にすら理解できなくなるとかね(笑)」と言っていたのには苦笑(それが自分たちの作品のことだとは言わなかったが)。
ただ、「こんなにとことん突き詰めて作業するスタイルのどこに意味があるんだろう、もう少し楽にやりたい」と思い始めたという下りを読んで、この人の関心はもうバンドのクリエイティヴィティの限界に挑むことよりは、バンドの経済活動の面におけるサステナビリティ(持続性)に重点が移っているんだな、と感じずにはいられませんでした。
そりゃバンドの音楽からマジックが失われるのも当然だよな…。まあ、楽にやってもそれなりのものは作れてしまう才能があるからこそ、なんだろうけど…。
別にライヴでやれ、とは言わないから、書こうと思えば書けるんならまたメロディック・スピード・メタル・チューンを書いてほしいなあ。他アーティストへの提供、って手もありまっせ、カッコさん。
今月はクロスレビュー・タイトルが表紙のスラッシュのほか、合計6タイトルと多い。
ACCEPTとEUROPEは既に購入済みですが、残りのGOTTHARD、SONATA ARCTICA、WIG WAMもまあ、聴いてはみたいかな。
あとはFIREWINDと…メロスパー的にはPATHFINDERとREINXEEDあたりかな…。
最近は死ぬほど忙しくて全然音楽も聴けてないんですが…。
どうでもいいことながら、先月号でも感じましたが、広瀬編集長は点数インフレの提灯レビューをやめたみたいですね。
こっちが本音に近いんだろうなぁ。でもその方が信頼できるというか、参考にはなるかも。
◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011206








