FC2ブログ

TRICK OR TREAT “THE LEGEND OF THE XII SAINTS” アルバム・レビュー

trickortreat06.jpg

現TWILIGHT FORCEのヴォーカリストでもあるアレッサンドロ・コンティを擁するイタリアのメロディック・パワー・メタル・バンド、TRICK OR TREATの通算5作目となるオリジナル・アルバム(アニメ・ソングのカヴァー・アルバム”RE-ANIMATED”を除く)。

本作は2018年から徐々にオンライン上でリリースを続けていた、日本の漫画/アニメ作品『聖闘士星矢』に登場する十二宮を守護する黄金聖闘士をモチーフにした楽曲を集めたコンセプト・アルバムとなっている。

イタリアでは『聖闘士星矢』が大人気だったそうで、実際過去にもHIGHLORDのようにその主題歌である”Pegasus Fantasy (ペガサス幻想)”をカヴァーした例もあるが、彼らもまた『聖闘士星矢』に心酔したクチのようだ。

私自身も小学生の時分に大流行していたので『聖闘士星矢』にはかなり強い思い入れがあり、主題歌の『ペガサス幻想』を歌っていたのがメタル・バンドであるMAKE-UPであったのは単にその時期メタルの人気が高かったからということでしかなかったのではないかと思うものの、同作の世界観・熱さはなんとなくメタルに通じるものがあるのは間違いないと感じている。

黄金聖闘士はそれぞれ出身地などにも特色があり、非常に個性豊かなので、楽曲の世界観のモチーフにするには格好の素材だったのではないかと思われるが、中国出身という設定のライブラ(天秤座)の童虎の必殺技「廬山百龍覇」をタイトルに持つ#8 ”LIBRA One Hundred Dragons Force”にオリエンタルなアレンジが施されていることを除くと、それ以外の楽曲にそこまで各聖闘士の個性が反映されているかというと「言われてみれば」という程度。

強いて言えば、黄金聖闘士中で最もゴツいイメージだったタウラス(牡牛座)のアルデバランの曲#3 “TAURUS Great Horn”が一番ヘヴィな印象なのと、バルゴ(乙女座)のシャカの曲#7 “VIRGO Tenbu Horin”がプログレッシヴ・メタル調の緊張感を湛えているのはなんとなくそれっぽいかな、というくらい。

そういう意味で、『聖闘士星矢』の世界観を彼らなりに尊重した結果、「ハッピー・メタル」を標榜してきた彼らにしてはややシリアス度が高いものの、基本的にはTRICK OR TREATがこれまで発表してきた作品のサウンドから大きく逸脱はしていない。

特にモチーフとなる作品『聖闘士星矢』に思い入れがない人にとっては適度にバラエティのある良質なメロディック・パワー・メタル作品として楽しめることだろうが、個人的には『聖闘士星矢』の世界を描くにはこのバンドの音はちょっと軽すぎるというか、「熱さ」が足りないと思ってしまったり(笑)。

ちなみに#4 “GEMINI Another Dimension”にはBEAST IN BLACKのヤニス・パパドプロス(Vo)がゲスト参加。ギリシャ人である彼を招いたのは、もちろん作品の舞台を踏まえてのことなのでしょうね。

しかし、HELLOWEENタイプのメロディック・パワー・メタルという、かつて日本人好みと言われたスタイルのバンドが日本のコミックをモチーフにした作品をリリースしたというのに、どうやら日本盤はリリースされないようです。むごい…。

きっとこの作品が90年代前半にリリースされていたら相当話題になったのではないでしょうか。【83点】



スポンサーサイト



MYRATH "LIVE IN CARTHAGE"が6月26日(金)国内盤発売

myrath_live01.jpg

チュニジアのプログレッシヴ・メタル・バンド、MYRATHのライブ作品、"LIVE IN CARTHAGE"が6月26日(金)にワードレコーズから日本盤リリースされました。

カルタゴ、なんて紀元前にチュニジアで繁栄し、ローマ帝国に滅ぼされた都市の名前をタイトルに使うあたりに歴史ロマンを感じられます。

チュニジアの人口は1000万人くらいと、日本の1/10くらいのはずですが、結構大きな会場でやってますね。ステージセットもなかなか豪華だし、日本だったら横浜アリーナとかさいたまスーパーアリーナでやっているくらいの感覚かもしれません。

オーディエンスもいかにもメタル・マニアばかりという感じでもなく、若い人や女性も多く見受けられて、彼らの現地での人気が広範なものであることが窺い知れます。

音楽がいいのはもちろん、演奏やパフォーマンスも素晴らしいし、ザヘル(Vo)の人懐こい笑顔も素敵なので、我々日本人と違って彼らのアラビアンなメロディにより親しみを覚えるであろう現地で人気が高いのは納得がいきますね。

来日公演の際もベリーダンサーがいたものの、1人だけだったのはステージが狭いからかと思っていましたが、ステージが広くても1人なんですね。

複数人いた方がよりゴージャスなステージになりそうですが、さすがに演奏しているメンバーが動く際に邪魔になるということなのでしょうか(笑)。







HOUSE OF LORDS "NEW WORLD - NEW EYES"が6月24日(水)国内盤発売

houseoflords12.jpg

HOUSE OF LORDSの通算12作目となるオリジナル・アルバム、"NEW WORLD - NEW EYES"の日本盤が6月24日(水)にキングレコードから日本盤リリースされます。

バンドの創設者、グレッグ・ジェフリアが去って以降、基本的にはジェイムズ・クリスチャン(Vo)のバンドという色彩が強いこのバンドは、アメリカのバンドにもかかわらず、バンド名といい、アルバムのアートワークといい、どこか欧州風の雰囲気を漂わせていて、欧州派(なんだそりゃ)である私にとって毎回「ちょっと聴きたい気持ちにさせられる」バンドです。

しかし実際に聴いてみると、毎回良質なメロディアス・ハード作ではあるものの、やはり良くも悪くもアメリカのバンドらしいフィーリングが支配的で(欧州風味が全くないわけではないのだが)、「うーん、80点台前半だなあ…」という、ツボの2センチ脇を押されているような気分になるバンドでした。

いや、好きか嫌いかで言えば間違いなく好きなタイプのバンドなんですけどね。ジミ・ベルなるギタリストのギター・ソロもかなり耳を引き付けられるし。

そんな彼らの新作、やはり今回もちょっと気になるわけですが、この発売直前のタイミングで公開されたMV曲、"The Both Of Us"が、蒸し暑くなるこれからの時期にピッタリな爽やかメロハー曲で好印象。なんだかんだで今回もチェックしちゃうんだろうな。