5月28日の和田誠氏のラジオ番組、FM大阪『CAPTAIN-ROCK+PURE』(日曜22:30~23:00)にて、ティモ・トルキ(Vo, G)が、新たにTIMO TOLKKI’S STRATOというバンド(?)を結成し、10月27日にアルバム"RETURN TO DREAMSPACE"をリリースすることが発表されたそうです。
メンバーはティモ・トルキ(Vo, G)の他、トゥオモ・ラッシーラ(Dr)、アンティ・イコーネン(Key)の3名だそうで、
一部ニュースサイトでは「ファーストアルバム『Fright Night』から『Twilight Time』『Dreamspace』『Fourth Dimension』までの4枚をリリースした3人」などと報じられているが、これは「この3人が含まれていた」という意味では事実だが、この3人だけでリリースしたわけではないので、盛り過ぎにも程がある言い方。
日本盤のリリース元であるワーナーミュージック・ジャパンの「メロスピ・レーベル」、"a quarter century flame"3rdアルバムのTwitterアカウントでは「『Dreamspace』時のオリジナルラインナップ」と謳っていますが、これもまた嘘で、"DREAMSPACE"(1994)の時にはこの3人の他にベーシストのヤリ・カイヌライネンがいました。
この3名だけがメンバーとしてクレジットされていたのは2nd "TWILIGHT TIME"(1992)で、そういう意味ではアルバム・タイトルは"RETURN TO TWILIGHT TIME"が適切だったのでは。
ただ、そもそも論としてですね、この"RETURN TO DREAMSPACE"の話が出たのは今に始まったことではないんですよ。「3人は2022年の夏に会い、ファーストアルバム当時のオリジナルメンバーでバンドを組むことを決め、2023年初頭からリハ―サルを行い、新曲を書いてきた」なんて、あたかも昨年始まった話かのように言ってますが。
このブログの過去ログをさかのぼると、2009年に既にこのプロジェクトの話は出ています。
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ティモ・トルキが元STRATOVARIUSのメンバーとアルバム制作?そして当時のプロジェクト名は"PROJECT STRATO"でした。
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ティモ・トルキが PROJECT STRATO を始動この時にはちゃんとヤリ・カイヌライネンもメンバーに名を連ねていたので、ちゃんと(?)"RETURN TO DREAMSPACE"だったわけですが、その後、法的な問題で"PROJECT STRATO"という名前が使えなくなったので発売延期、というニュースが出た後、アンドレ・マトスとのSYMFONIA結成の話が持ち上がってうやむやになってしまいました。
その後のティモ・トルキというのはご存知の通り(?)『Frontiers Music』がバックアップしたTIMO TOLKKI'S AVALONがちょっと成功したものの、自分で立ち上げようとしたINFINITE VISIONSなんていうこれまた後ろ向きな名前のプロジェクトは
クラウドファンディングでの資金集めに失敗して空中分解、当時書かれたマテリアルはどういう因果か
日本のMAJUSTICEに下げ渡しされています。
本作をリリースするというワーナーミュージック・ジャパンのメロスピレーベル"a quarter century flame"というのは、これまた
12年前の2011年に立ち上げられ、数枚のB級パワー・メタルを国内リリースして活動を停止していたレーベルだったのですが、まさか今になって再始動できる余地があったとは驚き。
ぶっちゃけた話、ティモ・トルキが歌っていた頃のSTRATOVARIUSというのは相当にB級で、マニアであれば楽しめるものの、広く一般的なメタル・ファンにオススメできるようなクオリティではありませんでした(『BURRN!』誌の前田氏には「激ダサの極致」とまで言われてしまっていました/苦笑)。
日本で1000本の指に入るであろうSTRATOVARIUSファンの私でも、今この2023年に"DREAMSPACE"クオリティのアルバムを出されても、ちょっと困惑を禁じ得ないというのが正直な所です。
"a quarter century flame"の発起人である「ジャーマン藤井」こと藤井之康氏は、
以前同レーベルからリリースした作品の特典として作成された冊子に掲載されていた「メロスピチューンTOP10」のラインナップを見る限り相当なB級趣味で、初期STRATOVARIUSもきっとお好みなのでしょうが、個人的にはこの人のセンスでメタル・アーティストを発掘すると商業的には爆死するイメージしか湧きません。
J-POPのフィールドではかなり成果を出した人のようなので、おとなしくそのフィールドでご活躍されていた方がご本人のためなのでは…というのは大きなお世話なんでしょうね。
まあ、このブログ的には「恰好のネタ」であることは確かなので(?)、むしろありがたがるべきなのかもしれません(笑)。
とりあえず9月1日に発表予定だという1stシングル、"(is this the)brave new world ?"を首を長くせずに待ちましょう。
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Timo Tolkki’s Strato 公式サイト