TRIXTER "One In A Million"のMV

なぜか最近YouTubeの「あなたへのおすすめ」にやたらと出てくるので、TRIXTERの1990年リリースの、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムからのシングル曲"One In A Million"のMVを取り上げてみます。

このYouTubeのパワー・プッシュは、現在JOURNEYとのジョイント・ツアーを行なっているDEF LEPPARDから家族の問題でフィル・コリン(G)が一時離脱している穴を、このTRIXTERのスティーブ・ブラウン(G)がピンチヒッターで埋めているからですかね?(多分関係ない)

さて、1990年といえば、HR/HMの大衆ポップ化が行きつく所まで行ったタイミングだけに、こちらも超ポップで健康的。

とはいえこの楽曲クオリティ、このルックスで全米28位のスマッシュ・ヒット、ゴールド・ディスクがやっとだったのですから、やはりもう飽和しきっていたということなのでしょう。

今となっては『Frontiers Music Srl』に所属するしかない、絶滅危惧種みたいなサウンドですが、個人的にはこの手の音が流行っている時代に物心がついた世代なので、軟弱メタルと言われようと、嫌いにはなれない音だったりします。



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AMANDA SOMERVILLE'S TRILLIUM "TECTNIC" が6月22日国内盤発売

AVANTASIAへのゲスト参加やマイケル・キスクとのKISKE-SOMERVILLEをはじめ、欧州メロディック・メタル・ファンの間ではよく知られているであろうアマンダ・サマーヴィル姉さん(と言っても私より1歳年下のようですが…)のプロジェクト、TRILLIUMの、2011年にリリースされたデビュー作以来約6年半ぶりとなる新作"TECTNIC"がの日本盤がキングレコードから6月22日(金)にリリースされます。

元AFTER FOREVERのサンダー・ホマンズ(G, Vo)が楽曲制作はバックアップしており、音楽的にはいわゆるゴシック系メロディック・メタルということになるのだろうと思います。

『BURRN!』誌の点数は冴えないものでしたが、『Frontiers Music Srl』のプロダクトだけあってその手のファンであれば納得できるクオリティは備わっている感じがします。



映画『サラエボの叫び』感想

久々に映画の感想です。

シネマート新宿で6月9日から1週間限定上映されている映画『Scream for Me Sarajevo(サラエボの叫び)』を観てきました。

IRON MAIDENのヴォーカリストとして知られるブルース・ディッキンソンが、93年に一度IRON MAIDENを脱退した後、ロイ・Z(TRIBE OF GYPCIES)と共に制作した"BALLS TO PICASSO"(1994)リリース後に、当時ほぼ無名な若いメンバーと結成したSKUNKWORKS。

この映画はそのSKUNKWORKSのメンバーと共に94年、内戦中のユーゴスラヴィア(当時)の都市サラエボで行なったライブにまつわるドキュメンタリーである。

『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』の成功以降、メタル・バンドのドキュメンタリー映画みたいなものがやたらと制作・公開された時期があったが、近年はそれも落ち着き、『We Are X』を除くと個人的には久しぶりの「メタル映画」である。

とはいえ、実は「メタル映画」を期待して観に行ったわけではない。むしろ「戦争映画」を期待していた。

幸いなことに、この文章をお読みになっている方の大半と同様、私は戦争を体験したことはなく、戦争についての知識は本や映画で触れた情報にとどまる。

ただ、そういうメディア越しの情報というものは俯瞰的だったり、あるいは脚色されていたり、そもそも主人公自体が軍人あるいはちょっと特別な存在だったりしてリアリティに欠ける。私のような一般人が現代の戦争に巻き込まれた時にどうなるのか、私が知りたいのはそういうものだった。

これも映画ではあるが、ドキュメンタリーであり、かつハリウッド映画のように多額の予算をかけていないだけに、逆に「演出」のない生々しい「戦争」が垣間見えるのではないかと思ったのだ。

そして実際、現地のメタル・ファンに対するインタビューを中心に構成される映像は、私が期待していたものに近いものではあった。

実際に身近な人間が亡くなったり、自分に被害が及ぶまでは、なかなか「ここが戦場である」という実感が持てなかった、という声などは、きっとそうなんだろうな、と思えるものだった。

一方で、そういう現ボスニア・ヘルツェゴビナの人たちのインタビューが中心の構成というのは、なかなかに地味であり、正直途中で眠くなってしまった瞬間もあったことを告白する。

いや今週割と根詰めて企画書などを作ることが多くて寝不足だったんですよね(言い訳)。

きっとライブのシーンがメインではないのだろう、と予想はしていたが、その予想以上にライブ・シーンは少なく、当時のバンドはIRON MAIDENの曲もプレイしないので、「映画館の音響でメタルが聴ける」ことを期待して観に行った向きには期待外れだったことだろう。

『FLIGHT 666』の映画館上映は最高だったし、IMAXの音響で観た『スルー・ザ・ネヴァー』は、もう一生これ以上の音響でメタルを聴くことはないだろう、と思わせる素晴らしさだっただけに、その点はちょっと残念。

映画の内容に立ち戻ると、多少なりとも国連軍のフォローはあったとはいえ、命の危機がある場所にバンドを連れていくというブルース・ディッキンソンの判断が適切なものだったのかというと、賛否両論あると思う。

バンド自身はもちろん、観客が集まるコンサート会場に、テロリストが一人紛れ込んでいたら、大きな悲劇につながった可能性もあるわけで。

結果論で言えば、ブルースのライブは無事に行なわれ、集まった現地のメタル・ファンを大いに勇気づけたようで、お話としては美しくまとまっているが、個人的には釈然としない部分もあったのが正直な所。

まあ、ロック・バンドなんて無茶をしてナンボという面もあるのは事実で、ブルース・ディッキンソンは頭のいい人だけに、そういう「話題作り」のために敢えてリスクをとったのかもしれません。

結果として、ブルース自身にとって印象深い体験となり、こうして映画のネタにもなったという意味ではリスクをとった甲斐はあったということなのかもしれませんが、SKUNKWORKSは売れませんでしたね…。



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UNIVERSE INFINITY / ROCK IS ALIVE

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当時日本盤リリースさえなかったものの、80年代北欧メタルの名盤特集などでは常連的な存在となっているUNIVERSEの再結成アルバム。

なお、「UNIVERSE」というのがあまりにありがちというか、もはやGoogleで検索不能なバンド名だからか、UNIVERSE INFINITYに改名している。

私がUNIVERSEの残した唯一のアルバム”UNIVERSE”(1985)を聴いたのはぶっちゃけYouTubeに上がっていた音源を通じてでしたが、確かにB級ながらマニアの間で名盤として語り継がれるのも納得の魅力があり、なぜこれが当時日本盤リリースされなかったのか理解に苦しみました。もっとアレなアルバムがたくさん日本盤リリースされていたはずなのに。

ライナーノーツによると、ギターのミカエル・クリングは若い頃ジョン・ノーラムとカヴァー・バンドをやっていた、もう一人のギターのペル・ニルソンは昔ジョーイ・テンペストのバンド仲間だった、キーボードのフレドリク・クリストレムが以前在籍していたバンドの前任キーボーディストはミック・ミカエリだった、とのことで、完全に「EUROPEのニアミス・バンド」であるようだ(苦笑)。

UNIVERSEはアルバム1枚でレコード契約を失い、1988年にひっそりと解散、メンバーはみな音楽業界から身を引いていた。

しかし、メンバー各人の交友は途絶えることなく、2002年に一堂に会した際、セカンド・アルバム用に書いていたマテリアルもあるし、再結成しよう、という話が持ち上がったそうだ。

そして実際にリリースが実現したのは今年、2018年。

まあ、堅気の仕事をして家庭も持っている大人が5人いたら、なかなか都合も合わず、いつの間にか10年以上の時が流れてしまった、というのは、学生さんには理解できないと思いますが、自分が40歳になった今となってはわからなくはありません。

“UNIVERSE”で歌っていたシェレ・ヴァレンは解散前に脱退しており、その後任として加入し、解散までヴォーカルを務めていたヤンネ・オーストレムはミュージカルの世界で成功していたため今回の再結成には不参加。替わって本作で歌っているのは元HOUSE OF SHAKIRA、というのが北欧メタル・マニアには通りがいいであろうアンドレアス・エクルンドである。

とまあ、くだくだとライナーノーツみたいなこと書きましたが、もう1曲目「Start Give All Your Love」のKeyによるイントロが流れた瞬間に思わず「これぞ北欧…」と呟きましたね。

聴き進むと、メロディアス・ハード色の強い曲から、ヘヴィ・メタリックな曲、まんまDEEP PURPLE、みたいな70年代色の強い曲まで様々なタイプの楽曲が収められており、それが「バラエティ豊か」というよりはやや散漫な印象を与えてしまうのは、プロフェッショナルなプロデューサーの下での制作経験がないためだろう。

とはいえ、個々の楽曲にはちゃんとフックがあって、メンバーの確かな音楽的センスを感じさせる。そして何より随所で聴かれる、我々日本のメタル・ファンが「北欧的」と感じる哀愁のメロディ、そして適度にマイルドな歌声がこれまた何とも北欧的で、私の感性のツボを絶妙に刺激してくる。

これらの曲は基本的に80年代に書かれていたものらしいが、質・量ともにこれだけの楽曲がストックされていたのだとしたら30年越しで再結成を諦められないのも無理はない。

これ、93年~98年くらいにゼロ・コーポレーションから出てたら、今回売れた枚数の10倍くらいは売れたんじゃないかなあ。本作が実際何枚売れてるのか知りませんが。【85点】


冒頭ドラマパートで動画サムネイルの女性が聴いているのは"UNIVERSE"収録の「Stories From The Old Days」で、オールド・ファンへのサービス的な演出でしょう。オリジナル・メンバーたちの風貌は完全に「ただのオッサン」ですが(苦笑)。Voの人はさすがにミュージシャンやってただけあって、多少「らしい」雰囲気がありますね。


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DEICIDE / THE STENCH OF REDEMPTION (2006)

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ラルフ・サントーラ追悼エントリーその3。この週末はラルフ・サントーラ関連作漬けでした。
いや、陰陽座の新譜も聴いてましたが。

ラルフ・サントーラのデス・メタル本格デビュー作ですね。93年の時点でDEATHのツアー・メンバーなどもやっていましたが、デス・メタル・バンドの正式メンバーとしてアルバム制作に携わったのは多分本作が初だと思います。

DEICIDEは言わずと知れた(?)、デス・メタル第一世代とでもいうべきフロリダの古参。最もアンチ・キリスト色を強く打ち出し、命を狙われることもしばしばだったという危険極まりないバンドである。

ラルフ・サントーラ自身は敬虔なカトリックの家庭に育ったようだが、その辺はビジネスとしての「大人の割り切り」だったのか、EYEWITNESSやMILLENIUMが成功せず、世界を呪いたい気分になって自暴自棄になっていたのかは定かではありません(笑)。

音楽的にはデビュー時から大きく変わらぬピュアなデス・メタル・サウンドが展開されているわけですが、やはりラルフ・サントーラ加入効果はてきめんで、ギター・ソロについては私のようなメロディアスなHR/HMを好む人間が聴いても楽しめる構築美に溢れたスリリングなギター・ソロが楽しめる。

楽曲自体はコンパクトにまとまっており、全9曲と収録曲が少ないこともあって、私のような「メロデス以外のデス・メタルはちょっと…」という軟弱なリスナーでも耐えられる、というか結構楽しめる。その辺は素人にはあまり区別がつかないこの手のジャンルにおけるベテラン・トップ・アーティストならではの力量が出ているということなのだろう。

ラルフ・サントーラの加入によるメロディックなギター・ソロの導入がこの手の本格(?)デス・メタルを愛する人にとってどう受け止められたのかは知る由もありませんが、本作は海外のレビューでも評価が高く、商業的にも割と成功したようなので、ラルフ・サントーラの貢献は真性(?)デス・メタラーにも評価されたものと思われます。

しかし、MILLENIUMみたいなある意味誰でも聴ける音楽よりも、こういう音楽の方がビジネスとしては儲かるなんて、凄い時代になったものですね…。