2018年 新年ご挨拶

遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。

2017年は、理屈ではなく素直に「これ良いじゃん」と思える作品が多く、個人的には豊作な年でした。
前エントリーでピックアップしたアーティストは、どれも学生時代に聴いていたら今以上にドハマリしたであろう、素晴らしい作品群だったと思います。

ただ一方で、客観的にはというか、ワールドワイドな音楽ビジネス上においては、2017年のHR/HMはあまり活況だったとは言い難い年だったような気もします。

全米チャートでTOP10に入ったHR/HM系の作品というとQUEEN OF THE STONE AGEの「VILLAINS」(3位)、MASTODONの「EMPEROR OF SAND」(7位)、STONE SOUR「HYDROGRAD」、EVANESCENCE「SYNTHESIS」(8位)くらいで、いずれも過去最高位ではなく、当サイト/ブログの読者的には「そもそもそいつらってHR/HMなん?」という感じのバンドばかりです。

まあ、単純に2016年のMETALLICA、BON JOVI、MEGADETHのような大物アーティストのリリースがなかったから、と言ってしまえばそれまでですが、そういう「リリースの谷間の年」ができてしまう程度の層の厚みしか、もはやHR/HMというジャンルには役者が存在していないというのは一面の事実です。

2000年代以降にデビューしたバンドで、全米TOP10にランクインした実績があるAVENGED SEVENFOLDやFIVE FINGER DEATH PUNCH、MASTDONといったバンド群も、かつてそれこそBON JOVIやMETALLICAが獲得したようなマスな大衆的人気を持っているとは言い難く、あくまで熱心なファンをある程度のボリュームで抱えているだけ、という感じです。

今年話題になった若手バンドとしてはCODE ORANGEやPOWERTRIPなどが挙げられると思いますが、この辺もマニア受けの域を出ず、彼らが今後全米TOP10に入るようなバンドに育つかというと(バンドのポテンシャルの高さとは関係なく、世情的に)甚だ疑問で、2010年代のHR/HMは2000年代よりさらにマニアックな方向に向かっている気がします。

STEREOGUMやPitchfolkといった有名音楽Webメディアでメタルとして高く評価されているバンドの多くは、前世紀に確立された「クラシック・ロック」としてのHR/HMが好きな人間にとってはあまりピンと来ないことが多く、こういう音楽が「メタル」として認知されるようになると、いわゆる『BURRN!』読者的な意味でのHR/HMファンと新世代のファンの間に、かつてそういう「オールド・ウェイブ」なメタル・ファンがNU METALやメタルコアに対して感じた以上の、大きな断絶が生まれる気がしてなりません。

アメリカ、日本に続く世界第3位の音楽市場であるドイツではKREATORがデビューから30年以上の時を経て初のチャートの1位に輝き、ビッグ・イン・ジャパンだと思われていたARCH ENEMYの新譜が3位にランクインするなど、比較的オールド・ファッションな意味でのメタルというジャンル自体が他の音楽マーケットに比べて強い印象ですが、それも結局は熱心なメタル・ファンが発売と同時に購入するからであって、そこから大衆に広がっていく、ということはまずありません。

そういう意味で、このストリーミングを中心とした新しい音楽ビジネスのスキームの中で、HR/HMというのは完全にマニア向けの音楽というポジションに収まってしまったのだと思います。

とはいえ、それはHR/HMに限ったことではなく、一部の現在トレンドな売れ線のサウンドを除くと、ほぼあらゆるジャンルが現在そういう状態になっており、一定以上にディープな要素がある音楽は全てマニア向けの物になっていると言えるでしょう。

レコードやCDというパッケージで音楽を保有していた頃は、お金や保管場所の問題で聴ける音楽が限られ、それが逆に自分の持っている音楽、自分が選んだ音楽への愛着を生んでいましたが、聴きたい音楽がネット環境さえあればいつでもいくらでも聴ける状況では、次から次へと新しい音楽(それは必ずしも最新の音楽を意味せず、その人にとって未知の、過去のカタログも含む)に触れることができてしまいます。

そうなると、あらゆる音楽が良くも悪くもフラットに感じられ、特定のサウンド、アーティストへの偏った思い入れというのが生まれづらくなるのは仕方のないことでしょう。

ある意味それは、変なこだわりを持たずに偏見なしで音楽に向き合えるということにつながりますし、自分が知っている(購入できる)狭い世界に閉じこもることなく新しい音楽に触れることができるという意味で、健康的な状態であるとさえ言えます。

そしてそれはポジティブに考えれば、HR/HMもかつて90年代に受けたような疎外と迫害を受けることなく、フラットに受け入れられる可能性がある、ということだと思いますし、実際、最近の若い人はリアルタイムで80年代、90年代を体験した人に比べ、メタルという音楽に対する偏見は薄いように感じます。

とはいえ、自主的に音楽を深く掘らないような普通の人がHR/HMに興味を持つ「きっかけ」になるような、多くのメディア(SNSなども含む)で注目を集めるようなスターが生まれないことには、永遠にマニアックなままでしょう(そういう意味で、BABYMETALやX JAPANがいる日本はまだマシなのだと思います。真面目な話)。

そんな状況であっても、現時点においては私の好きな音楽(メロディックなHR/HM)は充分に供給されているので、ある意味問題はないのですが、長期的に見れば、HR/HMのファンが減少していくとやはりバンドが食えなくなって供給も細っていくと思いますし、新しいバンドがデビューし、活動していくのも難しくなっていくと思いますので、HR/HMにはもっと人気が出て売れてもらわないと困ります。

こういうHR/HMについてのブログなどをやっていても、「自己満足でやっているだけで、他の人に薦めているわけじゃないよ」というスタンスでレビューなどの文章を書いている方も多く見かけます。というか私自身基本的にはそういうスタンスです。そういうスタンスの方が責任がなくて楽ですからね。

ただ、とはいえ自分の書いた文章がきっかけでそのバンドに興味を持った、メタルがもっと好きになった、という人がいたら嬉しいですし、自分の好きなものが外部の人たちに高く評価されたら誇らしい、と感じる程度には俗物なので、できれば私が好きなタイプのメタルがもっと知られてほしいなあ、と思います。

なんだか書いていて思いのほか話が大きくなってしまったので、パーソナルなレベルに話を戻すと、昨年はACCEPTやDREAM THEATER、EVOKEN FESTなど、観たいライブを仕事の都合などでかなり見逃してしまいました(EVOKEN FESTは単にチケットが取れなかっただけですが)。

今年は既に発表されているだけでも、ARCH ENEMYや、『THUNDERSTEEL』30周年のRIOT、それにMYRATHが出るPAGAN METAL HORDEや、BEAST IN BLACKが出るSUOMI FEST、さらにNOCTURNAL RITESをはじめメロディック・パワー・メタル・ファン垂涎の顔触れが発表されているEVOKEN FESTなど、行きたいライブが目白押し。もちろんHELLOWEENの「PUMPKIN UNITED」ツアーは言わずもがな。

アルバムも、ANGRAをはじめ、昨年より大物感のあるバンドのリリースが多そうな気がします。STRATOVARIUSなんかもそろそろでしょうか。

昨年はサイトの更新に使っていたPC(古いOSでないと動かないサイト作成ソフトを使っています)が壊れたこともあって、本サイトの更新がまったくできませんでしたが、代替機を入手したので、今年はそちらも更新できるといいな、と思っています。

そんなこんなで「ご挨拶」というにはやたらと長くなりましたが、こんな文章を最後まで読んで下さるような方は今年もよろしくお願いいたします。
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コメント

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胸に愛を刻むぜ

あけましておめでとざいます。
本年も、当サイトの更新を楽しみに過ごしたいと想いますので、よろしくお願いします。

昨年末の「BEAST IN BLACK / BERSERKER」は9回裏ツーアウトからの逆転劇のようなドラマチック過ぎる1枚で、当サイトのフォローしていて本当に良かったと感じたものです。

ジャニーズ事務所あたりが若手のメタルバンドを、かつての男闘呼組的な扱いで(たぶんTOKIOが当初はそうなんだったんでしょうけど・・・)デビューさせてくれたら、メタルブームってのも有り得るんじゃないかと思ってますが難しいでしょうね笑

今年はプードルズが初来日するので、これを機にメロハー組が息を吹き返さないかと密かに期待してます。

明けましておめでとうございます。

生活環境の変化でHM/HRをほとんど聞かなくなりましたが、こちらのサイトで知ったSERENITY IN MURDERの3rdアルバムはとても心に残る作品でした。
こちらを拝見していなければこのバンドを知ることも無かったと思います。
adoreさんにとって良き一年になりますよう申し上げます。

>学生気分2018さん

あけましておめでとうございます。タイトルは「TIME ZONE」ですね(笑)。

HNの数字が急に増えましたね(笑)。今年も学生気分、ということでしょうか。

BEAST IN BLACKは良かったですよね。今年はそれ以前に「勝って」いたので、逆転というよりダメ押しというのが個人的な印象ですが。

メタルというのはジャニーズ的なものに反発するような男性が好む音楽だと思うので、果たして第二の男闘呼組が送り出された所でうまく行くか、やや疑問です(マジレス)。

今年はPOODLESやH.E.A.T.など、メロハー系も何気にアツいですよね。

更新についてはどこまでご期待に沿えるかわかりませんが、今年もよろしくお願いします。

>まかさん

HR/HMをほとんど聴かなくなったのにSERENITY IN MURDERのようなメジャーとは言い難いバンドを聴いているというのは、なかなか珍しいですね(笑)。

生活環境の変化というのは結婚とか出産とか転職とかそういう大きなライフイベントでしょうか。

またHR/HMを楽しむことができる環境を手に入れられることを願っております(それがまかさんにとっていいことなのかわかりませんが…)。

No title

明けましておめでとうございます!
今年も拝見するのを楽しみにしています。

ARCH ENEMYとHELLOWEEN UNITEDはライブに行くことが確定してますので、どっかでニアミス出来る事を(笑)

KEE OF HEARTSは非常に良かったです!
出会わせてくれて感謝です(≧▽≦)

>珍獣メガネコアラさん

あけましておめでとうございます。
珍獣メガネコアラさんは本当に長いこと当サイト・ブログをご覧いただいてますね。

それだけにARCH ENEMYやHELLOWEENに限らず、これまでにもきっと数多くニアミスはしているのだと思います(笑)。

KEE OF HEARTSは良かったですね。
最近は購入する枚数も紹介する枚数も絞っていますが、いい出会いのきっかけになると幸いです。


本年も10日以上経ってしまいましたが、明けましておめでとうございます。本年も引き続き、adoreさんのブログやTwitterで情報収集させて頂ければと思いますのでよろしくお願いいたします!

以前arch enemy の記事にコメントさせて頂いたんですが、その際にお勧め頂いた2枚と1st、2nd、black earth のライブDVDを購入しまして、只今大いにハマっております。とんでもない沼でした。。。20年以上メタル聴いてきて、何やってたんだ、わたし。
このままテンション上げて、来月のライブは楽しみますよ。

私は、1度聴いて自分に合わないかな…と感じたらそこで聴くのをやめてしまう事が多いので、今年はadoreさんのブログも参考にさせて頂きながら興味の幅を広げていけたら良いなと思っています。

>とうもろこしさん

情報収集というには情報量の少ないブログになってしまっていますが、ARCH ENEMYに関しては良い出会いを提供できたようで嬉しいです。

でもやっぱりあのおススメ2枚から1st、2ndに進んだあたり、やはり女性Voよりは男性Voの方がお好みのようですね(笑)。

彼らの場合、ライブはきっと楽しめるものを提供してくれると思うので、テンション上げていきましょう。

いまごろコメ入れて本当にすいません。。

お久しぶりです。
どのタイミングでどの記事にコメント入れようか迷い、年始のご挨拶に入れてます。笑
今年行きたいと書かれていたEVOKEN FEST 2018に北海道から参戦します。
東京の2DAYS行きます。
9月は台風の時期なので飛行機が無事飛べばですが。。
adoreさんと同じ空間で盛り上がりたいと思っています~

>なな吉さん

別にいつどのエントリーにコメントいただいても結構ですよ(笑)。

あまりにもたくさんコメントが付いた時には埋もれてしまって見逃すかもしれませんが、最近は幸か不幸かそれほどコメントも多くないですし。

EVOKEN FEST、行きたかったPAGAN METAL HORDEや、SUOMI FESTも仕事が入って行けなかっただけに、9月の予定なんて全然見えないのでちょっと及び腰でしたが、とりあえず土曜日のチケットは取りました(笑)。

台風が来ず、私の仕事が入らなかったら一緒の空間で盛り上がりましょう(笑)。

(^O^)

わーい!
evoken fest土曜日のチケット取られたんですね。
私は飛行機の関係で途中(多分16時くらい?)入場します。
お互い仕事が入らず、飛行機が無事飛んでイベントに行けるといいですね^^

>なな吉さん

お互い何事もなく来場できることを願いましょう。

ひとつだけアドバイスしておくと、東京の9月は着物姿だと暑いですよ(笑)。