DESTINIA / METAL SOULS

destinia03.jpg
デビュー・アルバム”REQUIEM FOR A SCREAM”がメロディック・メタル・ファンの間で好評を博し、『BURRN!』誌の2014年BRIGHTEST HOPE(最優秀新人)にも選出された若井望(G)率いるプロジェクトの、ミニ・アルバム” ANECDOTE OF THE QUEENS”(2015)に続くセカンド・アルバム。

本作よりレコード会社をキング・レコードからワードレコーズに移籍、そして海外では『Frontiers Music Srl』と契約し、ワールドワイド・デビューを果たす。

前作までは一部楽曲に参加していたロブ・ロック(Vo : IMPELLITTERI他)を除くと日本人のミュージシャンを起用し、ヴォーカルは曲によって使い分ける、いかにもギタリストのソロ・アルバム的な作品だったが、本作はVoを今最も売れっ子なメタル・シンガー、ロニー・ロメロ(RITCHIE BLACKMORE'S RAINBOW, LORDS OF BLACK)に固定することで、バンド然とした統一感のある内容に仕上がっている。

リズム・セクションはトミー・アルドリッジ(Dr : 元OZZY OSBOURNE, WHITESNAKE他)、ベースにマルコ・メンドーサ(B : 元BLUE MURDER, DEAD DAISIES他)というベテランの名手を起用。2000年代WHITESNAKEのリズム・セクションがこのプロジェクトを支えていると言っても過言ではないだろう。

参加ミュージシャンだけでなくサウンド・プロダクションの面でも、ミックスはフレドリック・ノルドストローム、マスタリングはイェンス・ボグレンという2000年代のメタルを代表する人物が担当するなど、あらゆる意味で「グローバル・スタンダード」な作品である。

実際、本作を何の前情報もなく聴いて日本のミュージシャンの作品だと判別できる人はそう多くないだろう。もちろんそれと知って聴けば楽曲のメリハリのつけ方やメロディのセンスにジャパメタ的というか歌謡曲的なセンスを感じ取ることは可能だが、それは日本人にとっては聴きやすさに貢献こそすれど、歌唱・演奏・サウンドの「本物感」がジャパメタならではのダサさ(個人的には嫌いじゃないですが)を感じさせない。

楽曲も捨て曲なしのクオリティの高さで、減点法で見た場合満点と言ってもいいアルバムだが、逆にその「隙のなさ」が「優等生」な印象を醸し出してしまっていて、ロックならではのスリルに欠ける、というのはもはや言いがかりか(笑)。

いや、実際「この曲はアグレッシブに」「この曲はキャッチーに」みたいな「狙い所」が見えすぎるんですよね。恐らく狙い通りの曲になっている辺りは非常にプロフェッショナルで、その作曲スキルは高く評価されるべきなのですが、バンドならではのケミストリーとかマジックみたいなものは感じられず、「良くできた工業製品」みたいな印象を受けてしまうあたりは非常に『Frontiers Music Srl』的と言えるかもしれない(苦笑)。

とはいえ、どの曲にもフックというか「聴かせ所」があってアルバム通してテンションが落ちる場面がなく、飽きることもなく、それでいて2回目聴く頃にはもうなんとなく曲を覚えてしまっているあたり、そのソングライティングの才能は並ではない。

新たなギター・ヒーローとして注目している人も多いであろうギター・ソロも、インタビューによるとこれまでよりアドリブ色が強いそうだが、それでも充分にメロディックに構築されて聴こえるのは、若井望というギタリストの確かな音楽センスを示すものだろう。

まあ、これだけの作品なのに手放しで褒める気にならなかったのは、最近ロニー・ロメロの歌声をあちこちで聴きすぎて、やや食傷気味なだけかもしれません(苦笑)。元々個人的な趣味からするとちょっと暑苦しいと感じる声ですし(苦笑)。【87点】





関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

ロメロ

お久しぶりです。
こっちのロニーさん、PrettyMaidsのロニーさんとまではいかずとも、曲やパートごとにもう少し声をつかいわけられるとよいのにな。
フリーメンも残念だったし。

素晴らしい(*´∀`)♪

>歌唱・演奏・サウンドの「本物感」がジャパメタならではのダサさ(個人的には嫌いじゃないですが)を感じさせない

まったくジャパメタらしいところが無い処が、私の大好きなブレイキングアローズを彷彿させます。勿論音楽性はまったく違いますし、こちらの方がBURRN!読者受けが良さそうですね(*´∀`)♪

No title

前2作の「作りもの感」が払拭された快作だと思いました。
バンドとしてのカタチが整ったことが大きいと思います。
ロニーのヴォーカリストとしてのポテンシャルを一番上手く引き出せてるのは彼なのでは?とも思ってしまいます。
自分の中で今年買った中で最も再生回数が多いアルバムですね〜。

どうでも良いことなのですが、若井さんってアベンジャーズのロキに似てませんか?
上のMVのサムネなんか特に(笑)

>metal88さん

熱唱一直線なのでちょっと聴き疲れする面はありますね(苦笑)。

ソフトな歌唱に味わいを出せるようになるとさらに優れたシンガーになれる人だと思います。

>ゆうていさん

BREAKING ARROWSってまだ活動しているんですか?

本作はかなり「洋楽っぽさ」にこだわって作られている感じですね。その辺も含めてBURRN!コア読者層にとってド真ん中な音だと思います。

>元学生メタラーさん

私もロニー・ロメロ参加作の中ではこれが一番いいのではないかと思っています。

アベンジャーズのロキ…言われて画像検索してみると似ているように見える角度はたしかにありますね(笑)。