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2018年度上半期を終えてみて

この4月から9月までの2018年度上期、このブログとしては異常な更新頻度でエントリーをアップしてみました。

3月末の『PUMPKINS UNITED』効果でメタルに対するモチベーションがここ数年でかつてないほど高まっていたのと、仕事的にちょっと「仕込み期間」的なタイミングだったこともあってこういうことができたわけですが、やってみてあらためて分かったこともありました。

近年、当ブログのUU数、PV数というのは、一番多かった時期の約半分といったところでした。

それはまあ更新頻度も下がっていたので仕方がないと思っていたのですが、更新頻度を上げてみてもせいぜい10%~20%くらいしか増加しなかったので、これは更新頻度の問題ではないのだなと。

エントリーのクオリティの問題、という可能性もありますが、この期間SmartNewsの「音楽」カテゴリーにキュレーションされる頻度もこれまでより高かったので、そういうことでもないのではないかと思いたいです。

ちゃんとした調査をしたわけではないので、推論でしかありませんが、恐らく理由は3つかと思います。

1つは、メディア環境の変化ですね。スマホの普及とSNSや動画サイトの発達です。

「いい音楽を探したい」という、ごく普通の音楽ファンにとって、もはや長文でレビューを書くようなスタイルのブログを読むのは情報源として非効率的であるということです。

文章そのものがエンターテインメントだったりイデオロギーの表明になっているようなブログであればともかく、普通のレビュー文を読むよりは、直接YouTubeで視聴したり、SNSで「良かった」「イマイチだった」程度の感想を数多く拾ったほうが、特定のレビュアーの偏った意見を聞くより精度が高く、手っ取り早いわけです。

2つ目は、音楽の聴かれ方の変化ですね。21世紀になっても他の国に比べればパッケージとしてのCDがよく売れていた日本ですが、いよいよ本格的に定額制の音楽サービスが普及してきた感がありますし、そもそもYouTubeなど無料で聴けるわけで、パッケージとしての「アルバム」という概念は終焉を迎えつつあります。

私自身は世代的に「アルバム単位で聴く」というスタイルに思い入れがありますが、冷静に考えればアルバムという概念は、アナログレコードやCDというメディアに収録時間の限界があったために誕生しただけで、バッハやベートーベンにはアルバムという概念は(当然ですが)なかったわけです。

そう考えると、「アルバム」というパッケージが無価値化していく流れは止められないでしょうし、必然「アルバム・レビュー」というスタイルも時代遅れなものになります。

実際、きっと若い人ほど「いいアルバムじゃなくいい曲を知りたい」と思っているのではないでしょうか。これだけインターネットを介して無料もしくは安価で接触できる娯楽が多様化すると、腰を据えて1時間音楽を聴く暇もないでしょうし。

3つ目は、単純に世代的な問題ですね。このブログで扱っている音楽はメロパワ、メロハー、メロデスといった所がメイン所なわけですが、その辺の音楽に親しみがあるであろう30代から40代の世代というのは仕事や子育てが忙しい時期で、よっぽどの好き者でなければ、なかなか新しい音楽を探し求めることに時間を割けないのではないでしょうか。

上記の推論は元々仮説として持っていて、実際に更新頻度を上げることでの変化値を見て個人的にはある程度裏付けられたと思っています。

まあ、その仮説に対応するためにコンパクトで、曲単位で扱うようなスタイルを模索した結果、「新譜情報」「MV紹介」「公演情報」といった、4月以降に新たに設定したカテゴリーでエントリーをアップするようになったわけですが、結局私の趣味を逸脱するジャンルのものは扱わないので、新しい読者の獲得というのは限界があることでしょう。

一方で、本当はもっと減らそうと思っていたアルバム・レビューは意外と減りませんでした。

もはや「積極的に褒めたい、広めたい」と思うようなアルバムしかレビューしないぞ、と思っていたのですが、この期間そういうクオリティの高いアルバムがコンスタントにリリースされていたためです(笑)。

そう、クオリティの高い作品というのは今なお次々とリリースされている。にもかかわらずお金を出して音楽を買うようなファンは減り続けている。これが最大の問題なんですよね。

最近のエントリーでボヤいた、マイケル・ロメオのソロやSTRATOVARIUSの企画盤が国内リリースされないといった事象は、そういう状況を端的に表したものなのだろうと思います。

まあ、もはや私にとってこのサイト/ブログは読者を増やすことが目的ではなく、ライフワークみたいなものなので、この半年のいわば「実験/検証期間」で何がわかろうとも好きなようにやるだけなのですが。
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ココロ惹かれる80年代洋楽サウンドの決定盤

「80年代風」というワードは、特に『BURRN!』誌に掲載されるタイプのHR/HMを語る際にはよく使用されるものである。

へヴィ・メタルという音楽自体、基本的には80年代に成立したジャンルなので、同誌が使う際には基本的に「古き良き時代」というニュアンスで使われることが多い。

ただ、実際に「80年代風な音」と言われた時にイメージする音というのは、人によって微妙に異なるのではないかと思われる。

冷静に考えれば、IRON MAIDENだって、BON JOVIだって、SLAYERだって80年代に登場・活躍したバンドなのである。さすがにSLAYERの音を「80年代っぽい」と形容する人は見たことがないものの、「80年代っぽい」と言われてイメージする音が人によって異なっていたとしても無理はない。

とはいえ、実際には(少なくとも80年代に物心がついていた以上の世代の人間は)「ポップでキャッチーなメロディ」とか、「デジタル・シンセサイザーの音色」「エコーの効いたゴージャスなサウンド」といった要素をして「80年代っぽい」と感覚的に判断していると思うし、そういう意味では上記に挙げたバンドで該当するのはBON JOVIだけだと言えるだろう(一部IRON MAIDENも該当するが)。

私自身がHR/HMを聴き始めたのは90年代に入ってからなので、80年代を原体験しているとは言えないのだが、80年代の前半には物心がついていたので、テレビや街角で流れている音楽を通して「80年代の音楽」に触れていたし、自分の音楽的な嗜好のベースを作ったのはこの時期の音楽だと感じている。

というか、80年代というのは私の小学校時代とほぼ重なっており、その時期は私にとって日々起こる何もかもが新鮮で、中学校や高校時代のような受験のプレッシャーもなく、イノセントに毎日が楽しかった記憶の時代だったりします(かなり美化されていますが)。

そして当時の日本はいわゆるバブル景気の時期で、(今思い返すと)世の中に活気があったし、両親の仕事や健康にも何の問題もない、「全てが上手くいっている。これからもきっと上手くいく」と思える幸福な時代でした。

実際にはそれは色々な意味で錯覚だったわけですが、そういう客観的な事実とは関係なく、私にとって「80年代のサウンド」というのは、「楽しかった時代の幸福な感覚」、いわばポルトガル語でいう「サウダージ」(温かい家庭や両親に守られ、無邪気に楽しい日々を過ごせた過去の自分への郷愁や、大人に成長した事でもう得られない懐かしい感情を意味する言葉―Wikipediaより)を呼び起こすものなのです。

と、私以外の人には心底どうでもいい80年代サウンドへの思い入れを語ってきたわけですが、そんな「80年代サウンド」を理解する上では、HR/HMだけを聴いていると、本質が見えてこない部分があります。

まあ別に本質などわかっていなくても何ひとつ困らないのですが、私のように「80年代サウンド」に惹かれる人間にとっては、当時流行っていたポップ・ミュージックの全てに「ときめきのエッセンス」が感じられるわけです。

80年代タイプのHR/HMを中心に扱っている当サイト/ブログの読者であれば、私と同じニュアンスではないにせよ、同じように80年代のポップ・ミュージックにも思い入れのある方も多いのではないかと思っているのですが、そんな方に最高のコンピレーション・アルバムが本日発売になりました。

まるで通販番組みたいな流れですが(笑)、私は別にレコード会社からお金をもらっているわけではなく(Amazonへのアフィリエイトリンクは貼っていますが)、純粋にその選曲に感激したのでこうしてわざわざ長文を書こうと思ったのです。

そのコンピレーション・アルバムのタイトルは「ナンバーワン80s PERFECTヒッツ」。

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3枚組で、それぞれ「全米・全英でNo.1を獲得した大ヒット曲」「日本で大ヒットした洋楽曲」「その時代の映画主題歌として広く知られた曲」というテーマで分類されてまとめられており、この編集が素晴らしい。

海外ではそれほどでもなくても、日本では大ヒットという「BIG IN JAPAN」現象はこの頃から(いや、ベンチャーズの昔からですが)明確に存在したので、この整理の仕方こそが、当時日本にいた洋楽ファンにとって「流行った曲」を網羅できるベストな方法なのではないでしょうか。

以下、楽曲リストをそのままソニーミュージックの公式サイトから転載したもの。

▼DISC1:GLOBAL HITS<全米&全英両シングル・チャート1位獲得曲>
01. ビリー・ジーン|マイケル・ジャクソン         
02. ウキウキ・ウェイク・ミー・アップ|ワム!  
03. ギヴ・ユー・アップ|リック・アストリー         
04. へヴン・オン・アース|べリンダ・カーライル
05. カーマは気まぐれ|カルチャー・クラブ         
06. すてきなSomebody|ホイットニー・ヒューストン
07. ザ・リフレックス|デュラン・デュラン         
08. アイ・オブ・ザ・タイガー|サバイバー         
09. ハロー(出逢いの扉)|ライオネル・リッチー  
10. 愛の残り火 |ヒューマン・リーグ         
11. コール・ミー|ブロンディ                
12. アイ・ウォナ・ノウ|フォリナー         
13. レッド・レッド・ワイン|UB40         
14. ダウン・アンダー|メン・アット・ワーク         
15. カモン・アイリーン|ディキシーズ・ミッドナイト・ランナーズ
16. 愛のかげり|ボニー・タイラー         
17. ロック・ミー・アマデウス|ファルコ         
18. ふたりの世界|ティファニー          
19. 胸いっぱいの愛|バングルス     
    

▼DISC2:JAPAN HITS<オリコン・シングル・チャート(洋楽部門)1位獲得曲)>
01. ダンシング・シスター|ノーランズ
02. 君の瞳に恋してる|ボーイズ・タウン・ギャング
03. BAD|マイケル・ジャクソン
04. ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン|シンディ・ローパー
05. アイ・ライク・ショパン|ガゼボ
06. オーバーナイト・サクセス|テリー・デサリオ
07. ギヴ・ミー・アップ|マイケル・フォーチュナティ
08. サイキック・マジック|G.I.オレンジ
09. ファイナル・カウントダウン|ヨーロッパ
10. 愛は吐息のように~トップガン・愛のテーマ|ベルリン
11. ラッキー・ラヴ|カイリー・ミノーグ
12. エリー・マイ・ラヴ~いとしのエリー|レイ・チャールズ 
13. ロックバルーンは99|ネーナ
14. ダンシング・ヒーロー(素敵なハイエナジー・ボーイ)|アンジー・ゴールド
15. カサブランカ|バーティ・ヒギンス
16. ステイ・ウィズ・ミー|エイス・ワンダー
17. トイ・ボーイ |シニータ
18. ニューヨーク・シティ・セレナーデ|クリストファー・クロス


▼DISC3:MOVIE HITS<80年代大ヒット映画の主題歌>
01. デンジャー・ゾーン|ケニー・ロギンス
02. ネバーエンディング・ストーリーのテーマ|リマール
03. グーニーズはグッド・イナフ|シンディ・ローパー
04. 愛はとまらない|スターシップ
05. 愛と青春の旅だち|ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ
06. ココモ|ビーチ・ボーイズ
07. セント・エルモス・ファイアー(マン・イン・モーション)|ジョン・パー
08. ゴーストバスターズ|レイ・パーカー,Jr.
09. フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング|アイリーン・キャラ
10. ステイ・ウィズ・ミー|ピーター・セテラ
11. タイム・オブ・マイ・ライフ|ビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズ
12. スタンド・バイ・ミー|ベン・E.キング
13. べスト・キッド~ザ・モーメント・オブ・トゥルース|サバイバー
14. ポリス・ストーリーのテーマ|ジャッキー・チェン
15. コブラのテーマ~アメリカズ・サンズ|ジョン・キャファティー&ザ・ビーバー・ブラウン・バンド
16. ラ・バンバ|ロス・ロボス
17. フットルース~メイン・テーマ|ケニー・ロギンス
18. イン・ディス・カントリー~明日への勝利|ロビン・ザンダー
19. バーニング・ハート|サバイバー
20. ランボー 誓いのテーマ|ビル・メドレー


わかる人にはわかると思いますが、これは強力なラインナップですよ。今まで数多くの80’Sオムニバスを購入してきた私にしてみれば、最初からこれを出してくれ、と言いたくなるまさに決定盤。

まあ、よく見てみるとマドンナ、プリンス、ボン・ジョヴィ、U2という、入っていてもおかしくない、というか入っているべきビッグ・ネームの曲が欠けているのですが、個人的な思い入れを抜きにして、客観的には入っているべき楽曲はかなり網羅的に押さえられているのではないかと思います。

いや、ポリスの「見つめていたい」は外して欲しくなかったかな…。まあいい。

HR/HM系の音楽は多くありませんが(というか明確に該当するのはEUROPEのアレくらいで、フォリナーとかサバイバーなんてのは『BURRN!』に載ってこそいたもののHR/HMとは言い難いですね)、「80年代」というワードに心ときめく方はぜひ。

でも実際の所どうなんですかね。私はある意味後追いなのでこうして素直に「良いなあ」と思えるわけですが、本当にリアルタイムに80年代からメタルにどっぷりだった、という人にとっては「ケッ、こちとらこんな軟弱な音楽聴いてらんねーからメタル聴いてたんだよ!」って感覚なのでしょうか。

でも、そんな人も今聴いたら素直に懐かしいと思えたりするのではないでしょうか。

※本コンピレーション収録曲の中でも、特に個人的に「80年代っぽい」と感じる2曲





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HMVのメタル担当者のTwitterが(ある意味)すごい

私がやっているTwitterアカウントというのは、基本的にメタルの情報発信をしているアカウントを複数フォローして、自分が気になった、引っ掛かった情報をリツイートする、という運用をしています。

そんな私がリツイートする頻度が高い2大アカウントは、謎のカルチャー情報サイトamassのものと、HMVのメタル担当者のアカウントです。

海外のメタル・ニュースを素早く日本語に訳して紹介してくれるamassが一番役立つ情報源であるとは思うのですが、個人的に最近すごいと思っているのは実はHMVのメタル担当者のアカウントだったりします。

というのも、いわばビジネス用のアカウントであるにもかかわらず、商売っ気よりもメタル愛をはるかに強く感じるからです。

普通、CDショップのSNSアカウントの役目というのは基本的にリリース情報と入荷情報を発信することだと思います。それだけに徹しているかどうかはともかく、ディスクユニオンやタワーレコードのアカウントなどはまずそこを押さえています。

もちろんHMVのアカウントもそれはやっているのですが、まったく網羅的ではなく、むしろ「こんなマニアックなもの紹介していったい何枚売れんの?」というものをプッシュしているのが目立ちます。

今日び、5000枚売れたらかなりのヒットとされるHR/HMの界隈で、マニアックなタイトルの売り上げ枚数なんて確実に3桁だと思います。しかもHMVのチャネルを通して売れる枚数なんて下手したら2桁台前半でしょう。1枚平均2500円で売っているとして、CDショップの取り分が3割くらいとしたら、儲けの金額なんて知れたもの。

それでも手間暇かけてプッシュする。これはもう愛としか言いようがないですね。もちろん全てのアーティストをプッシュしているわけではないので、プッシュされなかったバンドにとっては愛が足りてないのかもしれませんが(笑)。

もし私がこの方の上司だったとしたら、こういう趣味的な仕事の仕方は生産性が低いのでやめろと言うでしょうし、アカウントを見るとかなり早い時間から遅い時間まで働いていらっしゃるようですが、このアカウントに費やしている時間は業務時間とはみなさないので残業時間から引いておくぞ、と器の小さいことを言わざるを得ないと思います。しかし、いちメタル・ファンとしては、各CDショップ横並びで同じような新作リリース情報を発信されるよりも読んでいて面白い。

このカテゴリーにおける実売枚数としてはバカにできないであろう『BURRN!』誌がプッシュしているような嬢メタル・バンドとか、ましてやBABYMETALなんてガン無視ですからね(笑)。それで日本盤もリリースされないようなエクストリーム・メタル・バンドのアルバムや、曲がりなりにも25年くらいメタル・ファンをやっているにもかかわらず名前すら聞いたことがないようなNWOBHMバンドの再発音源の紹介に力を入れるという偏りっぷり。

これとか。


これとか。


しまいには自社のプライスを高いとか言っちゃったり(笑)。



現在HMVを経営する株式会社ローソンエンタテインメントの社長がこのアカウントの運用状況を知ったら、「お前の給料BABYMETALの売上から出とるんやぞ。仕事ナメとんか」(なぜか関西弁)と怒られてしまうのではないか、と心配ですが、そんな社内の重圧(?)に負けず頑張ってほしいです。

そして、このアカウントがほぼ毎日のようにやっている「本日X月Y日はZZ年前に(バンド名)の(アルバム名)がリリースされた日です」みたいなツイートは、そのアルバムを「久しぶりに聴いてみるか」と思わせる、なかなか良い企画だと思います。



こんな小ネタも勉強になります。


紹介したアルバムが果たして実際にHMVで買われるのか、というとやや疑問ですが、自分が若い頃に好きだったアルバムを聴いて再びメタル愛が再燃し、「久しぶりにメタルのCD買うか」という気分になるかもしれませんからね。短期的な成果を狙う販促施策としてはやや迂遠ではありますが、中期的な視座におけるマーケティング施策としては意外と侮れないのではないかと。

惜しむらくは、これだけ熱を入れて運用しているにもかかわらず、競合であるタワーレコードのHR/HMアカウントはおろか、ほぼ東京にしかないディスクユニオンのHR/HMアカウントにさえフォロワー数で後れを取っていること(2018年8月11日現在)。後者なんて最近はビールとかグッズの情報ばかりなのに…(苦笑)。

まあ、このマニアックな運用だとフォロワー数を追求するのは難しいとは思いますが、なかなか面白いアカウントだと思いますので、もしTwitterのアカウントを持っていて、まだフォローしていないという人はフォローしてみてはいかがでしょうか。

ぶっちゃけ私とはメタルに関する趣味のベクトルはかなり違う気がしますが、だからこそ発見があったりします。以下、最近「発見」させてもらったバンドのMVをいくつか貼っておきます。

◆THE CRUEL INTENTIONS

いわゆる北欧スリージー・ロケンロー系だが、なかなかフックがある。ソロをはじめ、ギター・ワークに北欧のDNAが感じられるのがいい。Voの声はアクが強いが、聴いているとクセになる。これは日本盤が出ていいレベル。

◆VODUN

これはメタルというよりヘヴィ・ロックと呼ばれる音かもしれませんが、途中にスラッシュ・メタル的なパートがあったり、意外とメタルの影響は明確に感じる。いずれにせよ、メタルとしてもヘヴィ・ロックとしても圧倒的な個性(女性シンガーの風貌も…)。これはマジで新しくて、インパクトは近年でNo.1。ちなみにアフリカのバンドではなくイギリスのバンドです(笑)。

◆TRAGEDY OF MINE

ドイツのメロディック・デス/メタルコア・バンド。マイナー・レーベルからのデビュー作とは思えないほどにMVのクオリティが高い。サウンドもまだ個性は薄いものの、新人離れした完成度。

こういう趣旨のエントリーなので、いつものようにAmazonへのリンクを貼るのは自粛しておきます(笑)。


しかしどうやってこんなマイナーなバンド発掘しているんでしょうねえ。マジで取り扱うメタル系のCD全部チェックしてるんでしょうか。そんなことしてたら時間がいくらあっても足りないと思いますが…。

なお、私もかつてはゴールドメンバーズカード会員だったのですが、今ではしがないPontaカード保有者です。
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Greta Van Fleetという存在からLED ZEPPELINの位置づけを考える

昨日に続いて独り言を呟きます。いや呟きというには長いのでもはや公園のベンチに座って繰り言をブツブツ言い続ける危ないオッサン状態になっているわけですが(苦笑)。

Greta Van Fleetが予定されていたサマーソニック2018への出演をキャンセルした、というニュースがあったので、それをきっかけにこの文章を書こうと思いました。

現在アメリカで最も注目されるロック・バンドと言われるGreta Van Fleetですが、日本のHR/HMファンにどれくらい知名度があるのかはわかりません。

ミシガン州の人口わずか5000人の町から、3人兄弟とその友人で結成し、昨年2017年に平均年齢19歳の若さでデビューしたばかりの新人バンドである彼らのサウンドは、普通に聴けば初期LED ZEPPELINそのもの。

ロバート・プラント翁も「公認」状態で「21世紀のLED ZEPPELIN」との呼び声も高い存在です。

そして、初期LED ZEPPELINといえば、ハード・ロックという音楽の雛型を作った存在として、ロック史的には「元祖ハード・ロック」的存在として語られます。

しかし、現状HR/HMのファンがGreta Van Fleetの存在を充分に認知・評価しているかというと、そうは言えないというか、完全に「守備範囲外のバンド」という扱いのような気がします。

その原因は主にレコード会社のプロモーションの方針というか、HR/HMではなくもっと広義のロック・バンドとして彼らを売っていきたい、という意識があるからだと思います。

そして実際、この時代において「HR/HMファン」をやっているような人がGreta Van Fleetの音をハード&ヘヴィだと感じるかというと、必ずしもそうは感じないことでしょう。

私自身、LED ZEPPELINというバンドはカッコいいと思っていますが、HR/HMとして評価していたかというと、そうではありませんでした。

だってSLAYERやPANTERAはおろか、HELLOWEENやMOTLEY CRUEと比べてさえ表面的なハードさには欠けるというか、むしろのどかで古めかしい音だと感じたからです。少なくともスタジオ音源を聴く限りは。

とはいえ、少なくとも80年代末の段階では、HR/HMのフィールドで語られていたはずなんですよね、KINGDOM COMEとかそれっぽい音を出しているバンドもいましたし。

逆にパンク/ニューウェーブの流れから出てきたTHE MISSONなんかが元LED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズをプロデューサーに迎えて、それっぽい要素のあるアルバムを出したら「HR/HMに媚びを売っている」と批判された、という話も聞いたことがあります。

まあ、KINGDOM COMEはKINGDOM COMEで、当時メッチャ叩かれていたようですが。ロック・バンドとして神聖不可侵なLED ZEPPELINの音を敬意なしにパクって金儲けしようしている連中、みたいな扱いで。

これはフロントマンだったレニー・ウルフのビッグマウスな人徳のなさが原因だったような気もしますが、まだLED ZEPPELINが解散してから10年も経っておらず「ほとぼりが冷めていない」タイミングだったというのもあるのでしょう。

レニー・ウルフ的にはGreta Van FleetがLED ZEPPELINそのままな音を出して絶賛されている状況は「なんでやねん」という気分かと思いますが、解散から30年の時が流れほとぼりが冷めたのと、ほぼ同世代だったKINGDOM COMEには辛辣な評価をしたリアルタイム組の人たちも、息子のような年齢の若者がやっているとなれば、自身も歳をとって丸くなったこともあり、微笑ましく見守りたい気分になったということなのでしょう。

まあ、そもそも90年代、HR/HM逆風の時代に、NIRVANAのカート・コバーンを始め、当時トレンドだったオルタナティブ・ロックのミュージシャンたちもLED ZEPPELINはリスペクトしていたんですよね。そのせいでLED ZEPPELINというロック史における最重要カードのひとつは、その後欧米でメインストリームなロックとなったオルタナティブ・ロック系の手に渡った感があります。

実際の所、90年代以降、コアでエクストリームな方向に向かうか、80年代的なサウンドに固執するかという二極化したHR/HMのフィールドでLED ZEPPELIN的なサウンドを出しているバンドはほぼ皆無でしたし、基本的には70年代のロックをベースとするオルタナティブ・ロック勢に「LED ZEPPELINをルーツとする音楽」の座を奪われるのもやむを得なかったのかもしれません。

LED ZEPPELIN的なサウンドをHR/HMというジャンルから疎外してしまったことが、HR/HMが「ロックの王道」から外れる大きな原因になってしまったのではないかなあ、みたいなことをGreta Van Fleetのサウンドを聴いて考えた、というのがこの文章で言いたかったことですね。

まあ、私自身LED ZEPPELINの音楽から感じるカッコよさと、いわゆるHR/HMを聴くときに期待するカッコよさはいささか異質だったりするのでそれも仕方がないのかな、という気もするのですが。

とりあえず、今年はLOUD PARKがないので久しぶりにサマソニに行こうかな、という気持ちもあったのですが、お目当てのひとつであるGreta Van Fleetがキャンセルだったのでその気もなくなりました。フェスの魅力は偶然出会ったバンドの魅力を見つけるセレンディピティにあるとはいえ、さすがに1日に3バンドくらいは「観たいバンド」が欲しいので。


この曲を初めて聴いたときには素直に「おっ、これはまんまZEPだけどカッコいいな」と思いました。

GYZEがX JAPAN の「Forever Love」やレリゴーのカバー動画を公開している件について

北海道出身のメロディック・デス・メタル・バンド、GYZEが、X JAPANの名バラード「Forever Love」のカバー音源をMV化して公開していました。



パンク風メタル・カバーという謎の説明がなされており、バラードだった原曲がアップテンポになっています。

動画の説明文を見ると、「彼らへのリスペクトと一人でも多くの方にGYZEのスタイルの音楽を認知してもらうために作ってみました」とのことで、ご本人たちとしては、広告業界的な言い方をすると「認知拡大施策」のつもりでカバーをしてみたようです。

まあ最近、YOSHIKI絡みでX JAPANがメディアで話題になることも多いですし、小泉元首相のおかげで「Forever Love」は「紅」と並んで、彼らの楽曲で最も有名なものの一つであることは確かでしょう。

この動画の存在に気付いたのは、たまたまYouTubeの「あなたへのおすすめ」に出てきたからですが、どうやら最近これ以外にもいろいろとカバー音源映像を公開している様子。

まずは、「暑中見舞い」と称して、大ヒット映画『アナと雪の女王』のテーマ・ソングだった「Let It Go」をカバーしている。



まあ、北海道のバンドとして雪と親和性も高いので、と言いたい所ですが、これまたご本人たちとしては認知拡大を狙った「ネタ作り」でしょう。

さらには、先日ロシアで行なわれたサッカーのワールドカップのタイミングに合わせて、ロシア民謡「カチューシャ」のカバーなども公開していたり。



まあ、北海道はある意味ロシアと接していますし…というのはさすがに苦しい、時事ネタに便乗した話題作り。

しかも、この夏のさなかにRyojiがソロ名義でヴィヴァルディの「四季」から「冬」のカバーも披露していたり。



これは一般受けを狙ったというよりはギタリスト受けを狙ったものだと思いますが。

そんな中、先日このブログでも取り上げた「龍吟」を、DRAGONFORCEのVo、マーク・ハドソンが日本語で(!)歌っているバージョンのMVも公開されている。



動画タイトルに「English ver.」とありますが、これ、日本語バージョンですよね…? いや、「英国人が歌っているバージョン」という意味であれば確かに「English ver.」ですが…。

てか、そもそも日本語で歌わせる必要あったんですかね? 楽曲の完成度を損なうだけのような…。

…とまあ、最近やたらとツッコミどころのある動画を次々とアップしている彼ら。

もちろん、状況や立場によって例外はあるにせよ、「動かないよりは動いた方がいい」というのは人間社会における基本。

そういう意味で、彼らのこういうアクションを前向きなものと捉えることは可能でしょう。

しかし、いち広告屋として言わせてもらうと、「順序が違う」。

有名な人が変わったことをやれば、それは話題になります。例えばX JAPANが「Let It Go」をカヴァーしたら、それはかなりの話題になるでしょう。

しかし、ベースとなる認知がない人が変わったことをやっても、普通は誰も興味を持ちません。見ようと思いません。

つまり、

変わったことをやる→話題になる→有名になる

ではなく

有名になる→変わったことをやる→話題になる

なのです。

新垣結衣が変なダンスを踊るから話題になるのです。無名の女の子が変なダンスを踊っても、それは単なる変な子でしかありません。

このことは、先日の「だんご3兄弟」カバー、「めたる3兄弟」がスベった(と、本人たちが思っているかどうかはわかりませんが、少なくとも当初期待していたほどの再生回数には達していないはず)ことで学習していると思っていたのですが…。

たしかにX JAPANが有名になるきっかけは、バラエティ番組に出演するという「変わったこと」でした。ただ、それは圧倒的な人数に観られることが保証された「変わったこと」でした。視聴率が10%を超えるようなテレビ番組でプレイするのであれば、オリジナル曲よりも、「めたる3兄弟」や「Let It Go」や「Forever Love」の方が話題になることでしょう。

しかし、興味のない情報でも届けてしまうプッシュ型のメディアであるテレビと違って、インターネットは基本的にはプル型のメディアなので、せめてTrue Viewやプロモツイートなどで広告しない限り、単に動画を公開しただけでは、既存のファンが見るだけで、新規層は開拓できません。

そして私のような「既存のファン」が望み、広めたいと思うのは、余興のようなカバー動画ではなく、彼らの才能が表現されたオリジナル作品です。

例えば、最新作からのこのMV(リリック・ビデオ?)、これは上記で紹介したどのカバー動画よりも私の心を震わせます。



もちろん私個人はファンなのでカバー動画も楽しみました。ファン・サービスとしてはこういうのもいいと思います。

ただ、もしこれらの動画で新しいファンが獲得できることを期待しているとしたらそれはいささか甘い考えで、新しいファンを開拓したいのであれば、オリジナルで新たな名曲を書くことに邁進し、より多くの人の目に触れる場でライブをすべき、というのが私の意見です。

ネタがネットでバズって通知が止まらん、みたいな話に比べると遠回りな話に聞こえるかもしれませんが、才能のあるバンドにとって実はそれが一番確実な成功への道だと思います。「本業」の時間を削って「ネタの仕込み」をするなどというのは「才能の無駄遣い」以外の何物でもありません。

一介のサラリーマンが彼らのような才能ある若者に言うのもおこがましいのですが、彼らにはイギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの「高みに上る人は、皆らせん階段を使う」と、「一番の近道は、たいてい一番悪い道だ」という言葉を贈りたいと思います(えらそうですみません。しかし言わずにはいられませんでした)。