映画『ボヘミアン・ラプソディ』感想
今更ですが、大ヒット中の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきました。2日連続で。
2日とも東京ミッドタウン日比谷にあるTOHOシネマズ日比谷で、昨日の土曜日に最新・最高の音響設備であるドルビー・アトモスで1回目を、そして本日の日曜日に「応援上映」で2回目を観てきた次第です。
とはいえ実は私はQUEENの大ファン、というほど熱心なファンでもないのですが、アルバムはあらかた聴いたことがあるし、当時の上司がファンだったので、新宿コマ劇場で上演されたミュージカル、『ウィ・ウィル・ロック・ユー』も2005年と2006年の両方観ています。
この映画のタイトルである「Bohemian Rhapsody」や、そのミュージカルのタイトルである「We Will Rock You」なんて、あまりに個性的過ぎて、もはや好きとか嫌いとかいう領域を超えて耳に、記憶に、心に残ってしまうとんでもない曲です。
THE BEATLESなどと共に、史上最も伝説的なロック・バンドのひとつだけに、恐らくこれを超えるロック・ムービーというのは今後なかなか出てこないだろう、ドルビー・アトモス上映や応援上映が行なわれる音楽ムービーが(私の興味の持てるジャンルで)どれだけ出てくるだろうか、と考えると、2日連続鑑賞というイレギュラーな行動に出たのもやむを得ないことでしょう(?)。
ストーリーについては、伝記ものなのでネタバレもクソもないというか、このブログを読むくらい音楽を愛している人なら、当然QUEENのヒストリー的なものはなんとなくは知っていると思いますし、そもそも公開から1ヶ月経っている大ヒット映画なので皆さんご覧になっているでしょう。
フレディのバックグラウンドが軽く描かれた後、QUEENのメンバーおよびメアリーとの出会い、QUEENの成功とから、フレディの孤独感による迷走と、バンドメンバーとの衝突、そして和解からのLIVE AIDという流れは、多少の脚色(LIVE AIDの前の活動停止状態は完全に史実とは異なるが)や時系列の変更はあれ、基本的に実話ベースなので、「プロが考えた作り話」である一般的な映画ほどにドラマティックなわけではない。
とはいえやはりロック好き、特にバンド経験者にとっては共感できるシーンも多くて興味深いし、何と言っても役者が演じているとは思えないライブ・シーンの迫力は見事なもので、ラストのLIVE AIDのシーンは否が応でも感動させられてしまう。
極論すれば、それまでのエピソードは全て最後のLIVE AIDのシーンで感動するための材料だったのではないか、という気さえするんですよね。観客は徐々に温められて、最後のステージで沸騰する、という仕組みです。
そしてドルビー・アトモスは期待通りの素晴らしい音響で、かつて『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を観た時以来の極上音響でした。
翌日の「応援上映」はドルビー・アトモスではなかったわけですが、まあ新しい劇場だけに充分いい音ではありました。違いがわからないというほど耳が肥えていないわけではありませんが。
「応援上映」を観るのは初めてなので、どんなものかとやや身構えて最後列で観ましたが、開演時(あの20世紀FOXのジングルがQUEENっぽいギター・サウンドで鳴らされる)に拍手が起こり、あとはライブ・シーンでサイリウムがチラホラ振られたり、手拍子が起こったりという程度(あとは演奏シーンが終わると拍手が起こる)で、てっきり大合唱が起こるのかと思っていたのでちょっと拍子抜け。
まあ、隣の人の微妙な歌声(かどうかわかりませんが)を聴かされるのもアレなので、ある意味安心しましたが…。
これは日比谷という民度の高いエリアの劇場だったからおとなしかったのか、それとも公開から1ヶ月経って、本当に熱心なファンはもう気が済むまで観終わっていて来場していないからなのかは不明です。大合唱だった、という劇場もあるんでしょうか。
私は割と空気を読む方なので、ほどほどに手拍子するにとどめておきました(笑)。
「QUEENの映画」というよりは「フレディ・マーキュリーの映画」ではありますが、70年代・80年代は現役のバンドとして人気があり(当時を知る人によればやや色物っぽい存在感だったようですが)、90年代はフレディ・マーキュリーの死によって伝説になり、2000年代はドラマの主題歌で大ヒット、そして2010年代はこの映画が大ヒットと、この50年間で最も継続的に日本人の関心を集めた海外のロック・バンドはQUEENだったと言えるかもしれません。
そもそもQUEENってこのサイト/ブログで扱うようなHR/HMアーティストなのか、という疑問を持つ方がいそうなくらいにビッグで伝説的な存在になっているわけですが、まあハード・ロックだった時期がある、あるいはハード・ロック的な楽曲がある、ということは言えると思いますし、少なくともハード・ロックの要素があったことは間違いないと思うので、このサイト/ブログで扱うべきアーティスト、映画であると考えています。
ということで、万が一HR/HMではないので興味がない、などと思っている方は上映しているうちに映画館で観て、その音楽の持つエネルギーを感じていただきたいと思います。
細かい話ですが、『ウェインズ・ワールド』のウェイン役だったマイク・マイヤーズが「Bohemian Rhapsody」に難癖をつける役で出演しているのは、きっと偶然ではないのでしょうね(笑)。
なお、この『ボヘミアン・ラプソディ』についてのエントリーの前のエントリーがイタリアの「ラプソディ」についての内容になっているのは偶然です(笑)。
◆映画『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト
こちらはオリジナルのLIVE AIDにおけるQUEENのステージですが、これを観るといかに映画が「完コピ」であるかということがよくわかります。

2日とも東京ミッドタウン日比谷にあるTOHOシネマズ日比谷で、昨日の土曜日に最新・最高の音響設備であるドルビー・アトモスで1回目を、そして本日の日曜日に「応援上映」で2回目を観てきた次第です。
とはいえ実は私はQUEENの大ファン、というほど熱心なファンでもないのですが、アルバムはあらかた聴いたことがあるし、当時の上司がファンだったので、新宿コマ劇場で上演されたミュージカル、『ウィ・ウィル・ロック・ユー』も2005年と2006年の両方観ています。
この映画のタイトルである「Bohemian Rhapsody」や、そのミュージカルのタイトルである「We Will Rock You」なんて、あまりに個性的過ぎて、もはや好きとか嫌いとかいう領域を超えて耳に、記憶に、心に残ってしまうとんでもない曲です。
THE BEATLESなどと共に、史上最も伝説的なロック・バンドのひとつだけに、恐らくこれを超えるロック・ムービーというのは今後なかなか出てこないだろう、ドルビー・アトモス上映や応援上映が行なわれる音楽ムービーが(私の興味の持てるジャンルで)どれだけ出てくるだろうか、と考えると、2日連続鑑賞というイレギュラーな行動に出たのもやむを得ないことでしょう(?)。
ストーリーについては、伝記ものなのでネタバレもクソもないというか、このブログを読むくらい音楽を愛している人なら、当然QUEENのヒストリー的なものはなんとなくは知っていると思いますし、そもそも公開から1ヶ月経っている大ヒット映画なので皆さんご覧になっているでしょう。
フレディのバックグラウンドが軽く描かれた後、QUEENのメンバーおよびメアリーとの出会い、QUEENの成功とから、フレディの孤独感による迷走と、バンドメンバーとの衝突、そして和解からのLIVE AIDという流れは、多少の脚色(LIVE AIDの前の活動停止状態は完全に史実とは異なるが)や時系列の変更はあれ、基本的に実話ベースなので、「プロが考えた作り話」である一般的な映画ほどにドラマティックなわけではない。
とはいえやはりロック好き、特にバンド経験者にとっては共感できるシーンも多くて興味深いし、何と言っても役者が演じているとは思えないライブ・シーンの迫力は見事なもので、ラストのLIVE AIDのシーンは否が応でも感動させられてしまう。
極論すれば、それまでのエピソードは全て最後のLIVE AIDのシーンで感動するための材料だったのではないか、という気さえするんですよね。観客は徐々に温められて、最後のステージで沸騰する、という仕組みです。
そしてドルビー・アトモスは期待通りの素晴らしい音響で、かつて『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を観た時以来の極上音響でした。
翌日の「応援上映」はドルビー・アトモスではなかったわけですが、まあ新しい劇場だけに充分いい音ではありました。違いがわからないというほど耳が肥えていないわけではありませんが。
「応援上映」を観るのは初めてなので、どんなものかとやや身構えて最後列で観ましたが、開演時(あの20世紀FOXのジングルがQUEENっぽいギター・サウンドで鳴らされる)に拍手が起こり、あとはライブ・シーンでサイリウムがチラホラ振られたり、手拍子が起こったりという程度(あとは演奏シーンが終わると拍手が起こる)で、てっきり大合唱が起こるのかと思っていたのでちょっと拍子抜け。
まあ、隣の人の微妙な歌声(かどうかわかりませんが)を聴かされるのもアレなので、ある意味安心しましたが…。
これは日比谷という民度の高いエリアの劇場だったからおとなしかったのか、それとも公開から1ヶ月経って、本当に熱心なファンはもう気が済むまで観終わっていて来場していないからなのかは不明です。大合唱だった、という劇場もあるんでしょうか。
私は割と空気を読む方なので、ほどほどに手拍子するにとどめておきました(笑)。
「QUEENの映画」というよりは「フレディ・マーキュリーの映画」ではありますが、70年代・80年代は現役のバンドとして人気があり(当時を知る人によればやや色物っぽい存在感だったようですが)、90年代はフレディ・マーキュリーの死によって伝説になり、2000年代はドラマの主題歌で大ヒット、そして2010年代はこの映画が大ヒットと、この50年間で最も継続的に日本人の関心を集めた海外のロック・バンドはQUEENだったと言えるかもしれません。
そもそもQUEENってこのサイト/ブログで扱うようなHR/HMアーティストなのか、という疑問を持つ方がいそうなくらいにビッグで伝説的な存在になっているわけですが、まあハード・ロックだった時期がある、あるいはハード・ロック的な楽曲がある、ということは言えると思いますし、少なくともハード・ロックの要素があったことは間違いないと思うので、このサイト/ブログで扱うべきアーティスト、映画であると考えています。
ということで、万が一HR/HMではないので興味がない、などと思っている方は上映しているうちに映画館で観て、その音楽の持つエネルギーを感じていただきたいと思います。
細かい話ですが、『ウェインズ・ワールド』のウェイン役だったマイク・マイヤーズが「Bohemian Rhapsody」に難癖をつける役で出演しているのは、きっと偶然ではないのでしょうね(笑)。
なお、この『ボヘミアン・ラプソディ』についてのエントリーの前のエントリーがイタリアの「ラプソディ」についての内容になっているのは偶然です(笑)。
◆映画『ボヘミアン・ラプソディ』公式サイト
こちらはオリジナルのLIVE AIDにおけるQUEENのステージですが、これを観るといかに映画が「完コピ」であるかということがよくわかります。

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