映画『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』感想

metallica_movie.jpg

「METALLICAの映画」として話題の『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を観てきました。

当初は公開初日に観に行こうかと思っていたが、学生時代にメタル好きだった友人2人に声をかけてみると「観たい」というので、予定を合わせて観に行くことにした。

しかし、お互い別の会社に勤める社会人だけに、なかなか日程が合わせられず、公開から2週間が経ってしまった。

メタルの世界ではビッグなMETALLICAとはいえ、一般人にとっての存在感はそれほどでもないだけに、映画の興行自体はパッとせず、東京ではもともと3館しかなかった上映館は2週間目にして2館になっており、社会人の勤務時間後に観られそうなのは109シネマズ木場しかなかった。

その109シネマズ木場の開始時間も、終電までの労働を常とする私にとってはなかなかハードルの高いもので、仕事を振り切るように会社を飛び出し、小走りに移動してどうにか間に合ったという感じだ(途中駅での乗り換えも結構距離があったし、駅からイトーヨーカドーの中にある映画館までもそこそこ距離がある)。

友人のうち一人は先に着いていたが、もう一人は15分ほど遅れるとのことだったので、先に館内に入り、着いたらケータイに連絡をもらって迎えに出ることにした。

いくつかの予告編が上映された後、映画が始まる。スペシャルなアリーナ・ライブという設定のもと、ちょっとしたストーリーのイントロの後、バンドの演奏が始まる。

オープニングは「Creeping Death」だ。曲が名曲であることに異論はないが、とにかく音の良さに度肝を抜かれる。

いや、これまで何度かIMAX 3Dの映画は観たことがあって(直近では『パシフィック・リム』で観た)、そのサウンドの迫力は予想していたが、これは予想以上だ。こんなに素晴らしい音響は、実際のライブはもちろん、大型家電店にあるホームシアターの体験コーナーでCDを聴いたときでさえ体験することができなかった。

この曲のプレイ中に遅れてきた友人が来たが、とてもこの曲が終わるまでは迎えに出ることができませんでした(笑)。それほどに衝撃的な音響だった。

この映画には『アメイジング・スパイダーマン2』などに出演していたデイヴ・デハーンが演じるバンドのツアー・スタッフ(いわゆるローディー?)のトリップなる青年が、バンドの大切な荷物を積んだ車がガス欠で来れなくなっているので、ガソリンを届けてこい」というお使いのミッションを受けるストーリーが、バンドのコンサートの裏で展開している。

しかし、正直な所、ライヴ・ビデオを映画として構成するためのアレンジ以上のものではなく、全体的にストーリーが意味不明であり、主人公がほぼひと言もしゃべらないこともあって、ある種ドラマ仕立ての音楽PVのようなもの、という印象を受けた。

とはいえ、ライブを楽しむにあたっての邪魔になるような退屈な映像というわけでもなく、「Master Of Puppets」から「Battery」というショウのハイライトとクロスしているシーンなどはかなりスリリングだった。

日本では大人気アイドルくらいでしか実現しない360度全方位型のステージに、パイロがド派手にバンバン上がり、楽曲に合わせて「MASTER OF PUPPETS」のジャケットを思わせる十字架が生えてきたり、ショウの途中で「…AND JUSTICE FOR ALL」のジャケットに描かれている女神像が組み上げられて崩壊してみたりと、日本ではなかなかお目にかかれない豪華なステージ・セットをIMAX 3Dの迫力で観ることができるというのも見所。

ついでに、ラーズ(Dr)の頭頂部を映し出すことを恐れない(笑)、上方からのアングルも豊富に使用したダイナミックなカメラワークも臨場感と迫力たっぷりで、この映画の狙いだったという「映画館の観客をステージに上げてみる」というコンセプトはほぼ完璧に成功していると言えるのではないか。

上映終了後、遅れてきた友人が「ストーリーがイマイチよくわからなかったんだけど、アタマから観ればわかるの?」と訊いてきたが、それに対しては「大丈夫、最初から観てもよくわからない」と二人で断言できました(笑)。

「バンドの大切な荷物」とは何だったのか、結局明かされませんしね。

まあ、本作に関してはとにかく極上のサウンドでMETALLICAを楽しめる、ということが最大の魅力じゃないですかね。いかにオーディオ・マニアな方でもさすがにIMAX 3Dクラスの音響設備が自宅にある人はまずいないでしょうし(笑)、これはやはりいつかBlu-Rayが出るのを待とう、というような代物ではなく、ライブ同様、実際に映画館に足を運ぶことで一番楽しめるものじゃないですかね。

一部の映画館では12月7日限定で「スタンディングOK、ヘッドバンギングOK、シャウトOK」な「ライヴスタイル上映」が行なわれると聞き、「シャイな日本人が映画館でそんな恥ずかしいことできるのかね?」と思っていましたが、この素晴らしさならむしろ私も立ち上がってアタマを振り、声を出したかったですね。

いつまで上映が続くかはわかりませんが、METALLICAのファンはもちろん、「音が良い」ということはどういうことかを体験したいメタル・ファンにはぜひともIMAX3D上映をしている映画館に足を運んでほしいと思います。

◆『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』日本語公式サイト
http://metallica-never.jp/

◆本作の予告編映像


◆インタビュー&メイキング映像


◆サマソニでコラボ(?)したBABYMETALによるプロモ映像

たしかに「IMAX 3Dで観なきゃダメ、ゼッタイ」ですね。


スポンサーサイト

映画『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』感想

先日、日本武道館で来日公演を行なったJOURNEYのドキュメンタリー映画「ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン」を観に行ってきました。

公開初日である3月16日、18時20分の回という割といい時間で、新宿ピカデリーの中ではあまり大きくないスクリーン5(157席)が8割くらいの埋まり方。あんまりロングランは期待できないかも。

入口でステッカーをもらったけど、場内の観客の年齢層の高さ(40代~50代が大半だと思われる)を考えると、ステッカーなんかもらっても使いどころがないのでは(苦笑)。

基本的には資料映像とインタビューをつなぎ合わせたいわゆる「ドキュメンタリー」で、ANVILのように「映画」として作られた作品という印象はなく、どちらかというとファン向けの作品という感じ。

とはいえ、ファンならずとも現在JOURNEYのフロントマンを務めるアーネル・ピネダの生い立ちや人柄には胸を熱くさせられることはたしかで、「JOURNEYのヴォーカルはスティーヴ・ペリー以外認めない」という人でも、この映画を観て彼に対して悪意を持つことは難しいのではないだろうか。

フィリピンの貧しい家庭に育ち、母親の病死によって、医療費のために住んでいた安アパートを追い出され一家離散、13歳で親元を離れてホームレス生活を送っていた時期があるという、およそ日本ではありえない貧乏のどん底から、40歳にしてアメリカでも屈指のビッグなロック・バンドのフロントマンに抜擢されるという、ほとんどありえないような現代のシンデレラ・ストーリーは、現実でありながら確かにそれ自体映画のようなお話。

しかもそれが自らJOURNEYのヴォーカルになろうとオーディションに応募したというわけではなく、友人が彼の実力を少しでも多くの人に知ってもらおうと、通信環境の悪いネットカフェから1日がかりでYouTubeにアップロードした動画が、シンガーを探していたニール・ショーン(G)の目に留まって、JOURNEY側からアプローチされる、なんていうのがなんともインターネット時代ならではの奇跡。

そして何より胸を打つのは、アーネルの人柄だろう。上記のように貧乏のどん底を経験し、その後麻薬中毒になったり、離婚を経験したり、声が出なくなって医者に歌うことを諦めろと言われるなど、普通の人であれば立ち直れない、少なくとも人格が少しばかりねじ曲がってしまってもおかしくない経験をしていながら、アーネルはあくまでもポジティブで、明るく人懐こい笑顔を絶やさない。

有名なロック・バンドのフロントマンとして毎晩のように何万というオーディエンスの前で歌うようになっても、決して増長することなく、常に謙虚な態度でいることも、これまで苦労をしてきたからこそなのだろう。

この映画を観て、アーネル・ピネダのWikipediaを調べてみると、映画で語られる彼の過去は、やや不幸な面ばかりがフォーカスされている観があり、それは演出上のものだろう。

彼、もしくは彼がフィリピンでやっていたバンドは、フィリピンのメジャー・レーベルに所属していたし、ちょっとしたヒット曲なども出してはいたようだ(そういう経験がなくては、いかに歌が上手かろうとさすがにJOURNEYのフロントマンは務まるまい)。

1990年にはINTENSITY FIVEというバンドで来日して、ヤマハのコンテストで最優秀ヴォーカリスト賞を受賞していた、などというのは、映画中では語られないが、今となっては知る人ぞ知るエピソードだろう。

とはいえ、映画中で彼が「山あり谷ありの人生だった」と語る「山」の部分でさえ、JOURNEYでの活躍に比べれば、子供が砂場に作る程度のもので、JOURNEYでの活躍とは比べるべくもない。

そしてそのJOURNEYでの活動も、決して全てが喜びに満ちているわけではない。彼を認めないJOURNEYファンからの中傷、そして何千何万というオーディエンスの期待を裏切れないというプレッシャー、そして愛する家族と離れ、異国で長期のツアーに出なくてはならないという苦労。

作中でアーネルが睡眠導入剤とステロイド剤をやめられない、とこぼしているシーンがあるが、それはJOURNEYのシンガーというポジションがいかに精神と肉体の両面に負担をかけるものであるかを端的に伝えるものだろう。

さらに、JOURNEYにおいては「アーネル・ピネダ」としての個性は求められず、あくまでスティーヴ・ペリーのクローンに徹しなくてはならないという立場も、考えようによっては辛いことだろう(彼は「その方が仕事として割り切れてよかった」と述懐しているが…)。

この映画中では完全に「なかったこと」にされているが、アーネル・ピネダの前任シンガーだったジェフ・スコット・ソートがバンドに定着できなかったのは、きっと彼にスティーヴ・ペリーのクローンとしてやっていける資質がなかったから、ということなのだろう(むろん、それはジェフ・スコット・ソートというヴォーカリストの力量を否定するものでは一切ない)。

本作をキレイにまとめると「歌を諦めずに、世界レベルの実力を養い続けたからこそ、チャンスをものにできたサクセス・ストーリー」ということになり、それは一面の真実である。

ただ、アーネル・ピネダは別にJOURNEYに加入することを夢見て頑張ってきたわけではないだけに、本人も言っているように「宝くじに当たった」ような話で、このストーリーから何か教訓めいたメッセージを見出そうとしてもいささか無理がある。

とはいえ、そんなものを求めずとも、観て素直に「よかったね!」と思える「いい話」であることは確かで、音楽が好きで、世の中にはまだまだ夢があることを諦めたくない人にはぜひ観てもらいたい映画です。

ところで、本作の終わりに、本作のタイトルにもなっている彼らの名曲「Don’t Stop Believin’」は20世紀の楽曲で最もダウンロードされた数が多い楽曲である、ということが表示されるが、それってマジですか? 楽曲単位とはいえTHE BEATLESやマイケル・ジャクソンを超えているのだとしたらそれは相当すごいことですね。

当サイト/ブログはHR/HMをメインにしているサイトなので取ってつけたように付け足しておくと、HR/HMの中でもメロディアス・ハードと呼ばれるような音楽のファンであれば、そのオリジネイターというべきJOURNEYの名曲群は、ベスト・アルバムでも何でもいいので、ぜひ一度聴いてみてもらいたいな、と思います。

◆映画『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』公式サイト
http://journey-movie.jp/


◆映画『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』予告編映像 [YouTube]


◆ラスヴェガスでの「Separate Ways」のライヴ映像 [YouTube]


◆マニラでの凱旋公演における「Don't Stop Believin'」のライヴ映像 [YouTube]

映画『ロック・オブ・エイジズ』感想

rockofages_movie.jpg

BURRN!の9月号でも特集が組まれていた映画『ロック・オブ・エイジズ』を観てきました。

9月20日に公開されてからずっと観たいと思っていましたが、忙しくてなかなか時間がとれず、1ヶ月以上も経ってようやく観ることができました。

場所は品川プリンスシネマ。私の住んでいる所からは比較的遠いエリアなので普通であればこの映画館に来ることはないのですが、何しろもう主だった映画館での上映は終了してしまっており、私が行ける時間帯に公開をしているのがこの映画館だけだったのです。

ただ、初めて来たのですが、なかなかいい映画館ですね。落ち着いて観られる、アメニティの高い映画館で、また来たいと思いました。

公開当初からあまり客入りは良くなかったとネット上の評判で聞いていましたが、今日もガラガラでした(日曜日のレイトショー、というのもあるかもしれませんが…)。

まあ、日本では一般にミュージカル映画というのはヒットしにくい上、「洋楽ロックもの」というのも既に「洋楽ファン」というものが絶滅危惧種になっている状況では厳しいというのは想像がつき、トム・クルーズ主演(?)作でなければ日本公開さえされなかったのではないかと思います。

あらすじはそのBURRN!の特集にも書かれていましたし、今日びネット上にいくらでも書かれていると思うので割愛しますが、ミュージカルならではの高揚感に満ちた楽しい作品で、終演後斜め後ろに座っていたマダムが「あ~面白かった!」とおっしゃっていましたが、まさにそのひと言に尽きる映画でした。

まあ、私はリアルタイム世代ではないにもかかわらず、ほとんど全ての曲を知っていたのでより楽しめたわけですが、曲を全然知らない人がどこまで楽しめるかはわかりませんが…。

一方でリアルタイムを経験し、ここで流れる往年の80年代ロック・ナンバーに青春の思い出を託してきたような方々にとってはトキメキが止まらないんじゃないですかね。

GUNS N’ ROSESの「Paradise City」によるオープニングから、ストーリー開始直後の「Sister Christian」(NIGHT RANGER)、「Just Like Paradise」(DAVID LEE ROTH)、「Nothing But A Good Time」(POISON)の3連発で、ツカミはバッチリ。

時代設定とかは微妙にいいかげんな感じもしますが(この時点じゃまだ発表されてないだろ、って曲もあったり/苦笑)、まあその辺はご愛嬌。

アクセル・ローズ(GUNS N’ ROSES)を思わせるロック・スター役を演じるトム・クルーズは、この映画のためにかなりのヴォーカル・トレーニングを積んだそうで、もし本当に彼が歌っているのだとしたら結構マトモな歌声を聴かせてくれます。

今までトム・クルーズに「男の色気」みたいなものを感じたことはありませんでしたが(単に私が男だからかもしれませんが)、今回のような陰のあるロック・スター役は、これまでの彼のステレオタイプなイメージとは異なる魅力を引き出していたように思います。

しかし、まさかヒップホップソウルの女王だったメアリー・J・ブライジがPOISONの曲(「Every Rose Has It’s Thorn」)を歌う日が来るなんて、90年代には想像もつきませんでした。

てか、この映画、POISONの曲が3曲も使われていて、なんか贔屓されてるな、と思ってしまいました(笑)。

「Juke Box Hero」(FOREIGNER)と「I Love Rock ‘N’ Roll」(JOAN JETT & THE BLACKHEARTS)の組み合わせや、「Heaven」(WARRANT)と「More Than Words」(EXTREME)の合体、「We Built This City」(STARSHIP)と「We’re Not Gonna Take It」(TWISTED SISTER)の合体など、いわゆる「マッシュアップ」的なアレンジが聴けるのも楽しいですが、これらこそ元ネタを知らないと「こういう曲」なのかと思ってしまいそうですね(笑)。

どうでもいいですが、JOURNEYやFOREIGNER、REO SPEEDWAGONといった「産業ロック」と、BON JOVIやPOISONといった「ヘア・メタル」がこの映画で使用されている音楽なわけですが、両者は当時からファン層は被っていたんでしょうか?

なんとなく後追いである私の印象では前者と後者は、もちろんファン層の重なりはあれど、微妙にテイストが違っているし、ひょっとするとお互いを「認めない」人たちさえいたのではないかという気がしているのですが…。

まあ、いずれにせよこの時代のロックにはメジャー感と大衆性があり、この時期HR/HMが商業的に一番勢いがあって、日本でも洋楽ロックの人気が一番高かったというのは故なきことではないとあらためて感じさせられました。

◆映画『ロック・オブ・エイジズ』日本語公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/rockofages/


◆本作の予告編映像その1


◆本作の予告編映像その2




映画『オジー降臨』感想

ozzy_movie.jpg

オジー・オズボーンのドキュメンタリー映画「オジー降臨」を観てきました(この文章を書いているのは18日ですが、観に行ったのは公開初日である昨日17日です)。

場所は昨年の今頃「極悪レミー」やOUTRAGEのドキュメンタリー映画を観に行ったシアターN渋谷。

聞く所によるとやはりロック好きな人が関係者にいるみたいですね(その際聞いた話ではメタルというよりはパンク/ハードコアを好む方のようですが)。

オジーの息子であるジャック・オズボーンの企画・製作による映画ということで、単なる親の七光り映画になっているのではないかと思っていたが、やはりオジー・オズボーンという個性が圧倒的なインパクトを備えているため、なかなかに面白い。

BLACK SABBATHでの若くしての成功から、酒とドラッグに溺れる日々、そしてクリーンになった現在まで、家族やスタッフ、過去のバンドメンバー、オジーに影響を受けたミュージシャンたちのインタビューを交えつつ振り返る。

BLACK SABBATHのサウンドがああいうものになった理由が、いつも映画館の前のスタジオ(?)で練習していて、人々がわざわざ怖い映画を観に映画館へ足を運ぶのを目にしていたトニー・アイオミ(G)が「怖がらせるような音楽をやろう」と言い出したことがきっかけであるとか、当初トニー・アイオミは同じ学校の「ウザいヤツ」だったオジーをバンドに入れたくなかったが、当時高価だったPAをオジーが持っていたことが加入の決め手になったこと、BLACK SABBATHで最初にもらったゴールド・ディスクではオジーの名前 のスペルが間違っていた(OSSIEになっていた)ことなど、ひょっとしたらオールド・ファンなら知っているのかもしれないが、私にとっては初めて知るネタもいっぱい。

圧巻なのはそのドラッグやアルコールへの溺れっぷりで、私のようにあまり酒が強くない人間にはホントなんで生きてるのか不思議なレベル。TV番組「オズボーンズ」が大ヒットしたのなんてほんの10年くらい前だと思いますが、その時点でもあれほどラリってたなんて驚きです(私は観ていなかったので)。

トミー・リー(MOTLEY CRUE)が語る、オジーとニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)が高級ホテルのプールサイドに放尿し、お互いの小便をなめ合い、部屋に戻ると今度は部屋に脱糞、その排泄物をホテルの壁に塗りたくる…なんて話を聞くとそのクレイジーっぷりに私のような「日本の真面目な(?)サラリーマン」としてはあきれるを通り越してドン引き(笑)。

両親や兄弟など家族は割と普通そうな人なのにどうしてこんな風に育ってしまったのか。

失読症の劣等生でいじめられっ子だった人間が短期間に若くして大成功してしまったことで精神的なバランスを失ってしまったということなのでしょうか。

BLACK SABBATH時代からソロの時代まで、貴重なライヴ映像も多く、そういう意味でも楽しめる。
中でも「DIARY OF A MADMAN」ツアーの様子がカッコよくて、この時期に観たかったなあ、と思いました。

ジェイク・E・リーが一切出てこないのが、あの時代のオジーがかなり好きな人間としては残念ですが。

今では酒もドラッグもタバコもやめて5年になり、エアロバイクをこいだり縄跳びをしたりとエクササイズに努め、ステージ前には発声練習も欠かさない様子が映し出され、それはいささか滑稽にも映るのだが、そういった地道なケアに目覚めたことが還暦を過ぎた今でもツアーを続けられる理由なのだろう。

こういうクレイジーな人間はもう少なくとも先進国から出てくるとは思えないあたり、やはりオジー・オズボーンはHR/HMのみならず、ロック史上のレジェンドと呼ぶべき存在なのだと思います。

ちなみに17時の回に行ったのですが、初日だというのに結構ガラガラ。102席というキャパの半分どころか3割くらいしか埋まっていなかったかも。

映画のパンフレットは初日に来場した人だけにプレゼントされるはずだったのですが、かなり余っているのがチケットカウンターごしに見てとれ、案の定というかその後も先着順でプレゼントされることになったようです。

◆映画『オジー降臨』公式サイト
http://www.ozzy-movie.com/

◆シアターN渋谷 公式サイト
http://www.theater-n.com/movie_ozzy.html





映画『シャイン・オン-トラベローグ・オブ・アウトレイジ』の感想

outrage_shineon_movie.jpg

日本を代表するスラッシュ・メタル・バンド(と、単純にカテゴライズするのは微妙なのだが)、OUTRAGEのドキュメンタリー映画「シャイン・オン -トラベローグ・オブ・アウトレイジ-」を観てきました。

場所は、先日「極悪レミー」を観に行ったばかりのシアターN渋谷。
ただ、「極悪レミー」が75席のシアター1だったのに対し、こちらは102席のシアター2だ。

とはいえ21:10からのレイトショーのみなので、公開規模はこちらの方が小さい(当たり前かもしれないが…)。

公開開始から既に一週間以上たっているので、熱心なファンの方はもう一通り観てしまって、今日などはもうガラガラなんじゃないかと思っていたが、まあまあ入っている。6割ちょっとくらい? 当然ながら男性客ばかり、平均年齢高め。

毎週水曜日はこの映画館のサービスデーで料金が1000円に割引されるので、それを狙って来た人も結構いるのかな?(私はたまたまこの日にしかスケジュールの都合がつかなかっただけで、別に割引を狙ったわけではないですが)

予告編が15分と結構長い…しかも2月公開のbloodthirsty buchersのドキュメンタリー映画以外は特にロックと関係ない普通の映画の予告編ばかり。

ミニシアターだけに、B級っぽい作品が多い。R15、R18指定の映画が多かったように思うのはOUTRAGEファンの属性を踏まえて、でしょうか(多分考え過ぎ)。『孫文の義士団』がちょっと面白そうだった。

映画は、「アンヴィル!」のヒット以降、色々なバンドがドキュメンタリーを制作しているようで、これもそのひとつ、ということになるのだろう。

初期の彼らについてはほとんど映像素材が存在しないらしく、最初は写真のスライドショー状態。このまま最後までこんなんだったらどうしようと思いましたが、さすがにそれはなかった。ただ、相当安く作っているのは素人目にも明らか。

メインで語られるのはメンバーたちの「現在の心境」で、ファンにとっては色々と感慨深いだろうと思うが、正直彼らに関心のない人がこれをどう受け止めるかは微妙な所。

かなり赤裸々な実生活が描かれているので、ある種の共感を覚えるかもしれないし、なんとなく「地元に根差しつつ、地道に頑張って、自分たち的にはそれなりに満足してます」的な「ほどほど感」を「あまりロックっぽくない」と考える人もいるかもしれない。

もう少しライヴ・シーンを充実させて、ライヴ・ビデオ的な仕立てにすればファン向けのDVD映像作品としてはなかなか面白いものになったかもしれないが、いずれにせよ「映画」としてはちょっと平坦な感が否めない。

恐らくそれは、彼らにのキャリアにメタルについて知識のない人でも単純に凄いと思えるような「明確なハイライト」が無いからなんですよね。
もちろん80年代後半から90年代初頭の彼らにはそれなりの栄光と可能性があったことをファンは知っているけど、客観的に世界はおろか日本でも「ブレイクした」とは言い難い。

橋本直樹が脱退してから10年、解散せずに3人で耐え抜いたのは本当に凄いと思います。
かつて世界進出を本気で狙える所まで行ったバンドが、1桁~十数人の客を相手に地方のライヴハウスをドサ回りして、時に泊るホテルさえもない、なんて境遇、20歳かそこらならともかく30代、40代でそれですからね。よほどの信念がなくては耐えられません(一方で、大した成功を経験しなかったからこそ、その状況に耐えられたという面もあるのかもしれませんが)。

この辺についてはANVILにも負けない「どん底の苦労話」になり得るはずなのですが、彼らの場合そのどん底と対比するような「栄光」がないせいで、今ひとつそのエピソードが引き立たない。単純に「橋本直樹が戻ってよかったね」で終わってしまう。

そもそも事情を知らない人には何故橋本直樹が脱退するに至ったのかがこの映画を観ているだけではよくわからない、というのが問題。

私のようにリアルタイムで彼らの動向を見てきた人にとっては当時の彼らが抱えていたであろう「行き詰まり感」がなんとなくわかるのだが、映画としてオープンに公開する以上、そういう昔からのBURRN!読者でなくてはわからない事情を「これを観に来るような人は皆知ってるでしょ?」みたいな感じで流してしまってはいけないと思う。その辺の葛藤を描くのは「物語」を作り上げる上では結構重要だったんじゃないでしょうか。

そういう意味でやはり映画としては「アンヴィル!」とは比較にならないなあ、という感じ。
現在進行形のバンドとしてはANVILより勢いがあると思いますけどね。

まあ、それでもOUTRAGEが好きなら結構楽しめることは確かなんですけどね。
丹下さんのお母さんが微笑ましいなあ、とか、橋本さんの奥さんはかわいらしいなあ(でも意外と気が強そう:笑)、とか。

ただ、これを面白いと言ってしまうなら、それなりのキャリアがあるバンドで、栄光と苦悩があり、現状が悪くなければどのバンドでもそれなりに面白いドキュメンタリー映画は作れるということでもあるんですが。

個人的にはLOUDNESSのドキュメンタリーを観てみたいのですが、バンドの現状が良いとは言い難いだけにどうオチをつけるかが問題になりそう(苦笑)。

◆OUTRAGE公式サイト
http://www.outrage-jp.com/