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NHK-FM 「今日は一日ヴァン・ヘイレン三昧」

昨日2021年9月23日(木・祝)、NHK-FMで「今日は一日ヴァン・ヘイレン三昧」をやっていました。

この日私は午後から夜にかけての大半の時間帯を自動車を運転しなくてはいけない用事があり、「用事があるので聴けないな…」と思っていたのですが、よく考えたらクルマの中なんて一番ラジオを聴くのに適した空間。

というわけで結構な時間この番組を聴くことができました。

まあ、単なるドライブではなくあくまで用事があっての移動手段としての運転だったので聴けてない時間帯も多いのですが("Jump"も"Dreams"も聴き損ねました/苦笑)、VAN HALENのカラッとした音楽は晴れた日のドライブにはなかなか相性が良かったです。

個人的な嗜好では、サミー・ヘイガー時代の曲の方がラジオ・フレンドリーな音(死語かもしれませんが)で、聴いていて気持ちよかったですね。

一方でVAN HALENって結構マニアックというかある意味プログレッシヴな曲もちょいちょいプレイしていて、それでもあんまりマニアックな印象を与えない所がバンドのキャラクターですよね。

番組ではその辺もちゃんと拾っていて、エディ・ヴァン・ヘイレンがファンだったことで知られるアラン・ホールズワースつながりでBRUFORDなんて割とマニアックな音楽が流れたのも面白かった(ドライブ・ミュージック向きとは言い難かったですが/笑)。

ちょっと運転疲れが出てきた時間帯にDOKKENの"Paris Is Burning"とかOZZY OSBOURNEの"Mr.Crowley"みたいなメタリックな曲が流れて活を入れてくれたのもありがたかったですね(笑)。

番組の解説は『BURRN!』誌や『YOUNG GUITAR』誌でライターとしてよく名前を見かけるJUN KAWAIこと川合純行氏だったのですが、この人の喋りはちょっとボソボソしていて運転しながらだと殆ど聴き取れませんでした(苦笑)。

しかし、奏法解説ではKAWAI氏が自らギターをプレイしていて、氏としては天下のNHKラジオで自らのギター演奏を披露するというのは一世一代の晴れ舞台だったのではないでしょうか。

番組的なハイライトとしては恐らく高崎晃(LOUDNESS)のインタビューで、タッカンのプレイを聴けばエディ・ヴァン・ヘイレンの影響を多大に受けていることは明らかで、そのトークはかなり愛情に溢れていましたね。

エディ・ヴァン・ヘイレンに捧げたというLOUDNESSの新曲もオンエアされましたが、サウンド面でも随所にVAN HALENっぽさはありつつ、歌詞があまりにも「まんま」でちょっと気恥ずかしくなりました(笑)。

そんなわけでほぼ半日、楽しくドライブできたわけですが、あらためて思ったのは「こんなダイナミックな音を出すロック・バンドはもう出てこないんだろうなあ」ということと、「VAN HALEN以外に『今日も一日三昧』をやれるようなHR/HMバンドっていくつあるだろう?」ってことでした。

あと、"FOR UNLAWFUL CARNAL KNOWLEDGE"(1991)アルバムはあんまり取り沙汰されない気がするけど、単純にカッコいい曲多くて好きだな、ということもあらためて感じましたね。



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TBSラジオ『アフター6ジャンクション』でメタル特集

前回のエントリーで取り上げた書籍『「メタルの基本」がこの100枚でわかる!』に絡めて、TBSラジオの『アフター6ジャンクション』でメタル特集がオンエアされました。

といっても実際のオンエアは4月5日で、私は今さらRadikoで聴きました。

『アフター6ジャンクション』はライムスターの宇多丸がメインパーソナリティを務めるサブカルチャー番組で、同局の『アシタノカレッジ』(平日22時)のパーソナリティを務めている武田砂鉄氏(同書の原稿を一部執筆している)をゲストに迎え「武田砂鉄のヘヴィメタル入門」と題して放送されました。

宇多丸がパーソナリティを務める番組でメタルが取り上げられるのは実は2度目で、2011年の11月に「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」でちょっとしたメタル特集が行なわれていた(このブログにも当時の感想が書かれている)ので、実に10年ぶり。

この10年の間に2回ほどラジオに関するエントリーをこのブログに書いていますが、いずれもTBSラジオで、もしかすると伊藤政則氏が番組を持っている局を別格にすると、TBSが一番メタルに前向きなラジオ局なのかもしれません(?)。

こういう普段メタルを扱わないメディアでメタルを扱うと、どうしてもメタル・ファンには物足りない総花的な内容になりがちで、まして今回『「メタルの基本」がこの100枚でわかる!』という、割と入門書的な書籍きっかけということで、よりそういう内容になるのかな、と思いきやさにあらず。

オープニングこそOZZY OSBOURNE の"Crazy Train"やJUDAS PRIESTの "The Ripper"といった、いわゆる「古典」のような楽曲が流れましたが、その後は現在のメタルが抱える3つの問題、と題して「今のアメリカ社会にうまく参画できているのか」「日本とドイツが最大市場なのに、日本で全然知られていない」「バンドの高齢化問題」をテーマに割とマニアックなトークが進みました。

メタルはアメリカでは政治的には保守寄りの人に好まれる音楽ということで、先日のアメリカ連邦議会襲撃事件にICED EARTHのジョン・シェイファー(G)が参加していた話とか(トークのバックとはいえ、今ICED EARTHの楽曲をオンエアするラジオ番組というのは世界広しと言えどこの番組だけなのではないでしょうか)、東日本大震災の翌年にNAPALM DEATHが被災地でライブをやった話とか、大局的なメタルの話とは関係なさそうな話を中心に番組が進行。

政治とメタル、という切り口から台湾のCHTHONICがオンエアされたり、小岩のライブハウスなんていうおよそ外タレがライブをしないような場所でライブをやった、という切り口からスラッジ/ドゥームのPRIMITIVE MANなんて相当にマニアックなバンドがオンエアされたり、最後には「メタルの魅力を伝える1曲」としてオンエアされたのがVADERの"Into Oblivion"という超ブルータルな曲で、20時台という、テレビでいえばゴールデンタイムにこれだけエクストリームなサウンドが流れたのはある意味画期的。

私個人の趣味に合致したアーティストはほとんど出番なしでしたが、なかなか濃い内容であったことは間違いないと思います。

一応番組告知上は「ヘヴィ・メタル入門」となっていましたが、これをきっかけにメタルに入門する気になった人がいたのかどうかは神のみぞ知る、という感じですね(笑)。




Eテレ 『ららら♪クラシック「メタル loves クラシック!?」』 感想

Eテレ(NHK教育)で1月15日(金)に放送された『ららら♪クラシック』を観ました。

というのも、「メタル loves クラシック!?」と題してクラシックとヘヴィメタルの関係性を探る内容になっていると聞いたからです。

作曲家・音楽博士の中村匡宏氏が中心となってメタルとは何か、クラシックとの共通点は何かを解説し、ギタリストのケリー・サイモンズ氏がメタル側の観点から補足説明したり、中村氏のピアノとケリー氏のギターで実演したりする内容。

冒頭に中村氏とケリー氏によるモーツァルトの「トルコ行進曲」、ラストはベートーベンの「悲愴」を演奏することが番組のレギュラー・ファンに対する「言い訳」となりつつ、意外とディープな所にも突っ込んでいて、思いの外楽しめました。

とにかく、Eテレで(フル尺ではないとはいえ)以下のような楽曲が流れたというのが痛快。

JUDAS PRIEST "Painkiller"
IRON MAIDEN "The Trooper"
METALLICA "For Whom The Bell Tolls"
聖飢魔Ⅱ "蝋人形の館"
NAPALM DEATH "You Suffer"
STRATOVARIUS "Black Diamond"
DEEP PURPLE "Burn"
ANGRA "Nova Era"
ANGRA "Spread Your Fire"
HELLOWEEN "Eagle Fly Free"

当然と言えば当然ながら、HR/HMにクラシックを持ち込んだ存在としてリッチー・ブラックモアとイングヴェイ・マルムスティーンの存在はフォーカスされ、イングヴェイのスウィープ奏法やハーモニック・マイナー・スケールの話にも踏み込んでいる。

ハイトーン・ヴォーカルとオペラ歌唱との共通点について触れる際には、オペラ歌手としても活躍するトーマス・ヴィクストロム(CANDLEMASS, STORMWIND, THERION)が出演するなど、妙にマニアックな所を掘り下げていたのは笑いました。

個人的な気持ちとしてはACCEPTの"Metal Heart"みたいなわかりやすい「引用」や、NIGHTWISHやRHAPSODY OF FIREみたいなバンドも紹介してほしかったし、STRATOVARIUSに触れるなら、ベーシストがシベリウスの曾孫であることも伝えて欲しかったが、まあ「クラシックっぽいメタル・バンドを紹介する」という企画ではないし、30分しか番組尺もないのでやむを得ないところか。

「メタルとクラシックに共通点がある」という言説は、メタルが音楽的に高尚であるということを主張したい手合いがよく口にすることではありますが、実際のところそういうアーティストは限られているので、あくまで低俗で非音楽的なものと蔑まれがちなメタルのファンのコンプレックスの裏返し的なものに過ぎないと思っています。

ただ、大衆の共感を求めない世界観や、横ノリの黒人的なグルーヴを重視しないジャストなリズム、楽器演奏パートでテクニカルな要素をひけらかすことが良しとされる点など、他のポップ・ミュージックに比べクラシックを取り入れやすい素地のある音楽であることもまた確かでしょう。

私自身、ピアノやバイオリンを習っていたというようなガチ勢ではないのですが、学校の音楽の授業で聴かされるクラシック音楽が(退屈している生徒も多い中)割と好きだったというタイプで、そういう所もメタルを好きになる素地だったのかな、などと思っています。

実際、ピアノなどをやっていた友人は比較的メタルを気に入る確率が高かったというのが高校・大学時代、周囲の友人たちに「布教活動」を行なっていた私の実感でもあります(笑)。

1月21日(木) 午前10:25〜午前10:55に再放送もあるようなので、見逃した方はぜひ。

※ららら♪クラシック「メタル loves クラシック!?」番組ページ

TBSラジオ『ACTION』に伊藤政則氏が出演(8/26)

本日、Radikoでラジオを聴くのが趣味の上司に「昨日、TBSラジオの『ACTION』て番組のゲストに伊藤政則が出てメタルについて語ってたぞ」という話を聞き、私もRadikoでタイムフリー聴取してみました。

『ヘドバン!』にも原稿を書いている武田砂鉄さんというライター/作家の方が、本来の水曜パーソナリティであるDJ松永さんの代打で出演した関係で、伊藤政則氏をゲストに招いたそう(武田砂鉄氏がパーソナリティーを務める金曜日は、伊藤政則氏が大阪でラジオをやっている関係でゲストに呼べなかったとか)。ゲストと言っても、時節柄リモートでの出演でしたが。

伊藤政則氏登場の前フリとして(?)METALLICAの新作、"S&M2"から"For Whom The Bell Tolls"がオンエアされました。平日水曜の午後にAMラジオでMETALLICA。それも割と渋めの曲。シュール。

伊藤政則氏の登場時間は意外なほど長尺で、結構じっくり話が聞けました。もちろん『Power Rock Today』みたいな専門番組でするようなマニアックな話ではなく、伊藤政則氏をある程度知る人(つまり長年『BURRN!』を読んできたような人)ならなんとなく聞いたことがあるような話が中心ながら、武田砂鉄氏にちゃんとメタルの素養と伊藤政則氏へのリスペクトがあり、バランス感覚のあるトークで伊藤政則氏の話を引き出したおかげで、なかなか聴き応えのある内容になっていました。

話の途中で、「日本のメタル・ファンの気質(真面目でこだわりが強く、自分の好きなものを熱く語りがち)を作ったのは伊藤政則さんだと思うんですよ」というようなことを武田砂鉄氏が言っており、それは確かにそうかもしれないなあと、必ずしも伊藤政則氏に対して肯定的な見方をしていない私でさえそう思いました。

まあ、真面目でこだわりの強い、世の中的に言うとちょっと不器用な人の感性にメタルという音楽や伊藤政則氏の妙に熱い物言いがたまたまハマったということかもしれず、どっちが鶏でどっちが卵かという話なのかもしれませんが。

ちなみに武田砂鉄氏の「METALLICAに代わるような存在って今後現れるんですかね?」という問いに対し、伊藤政則氏は「出ません」と断言されていらっしゃいました。今やっているトークイベントのタイトルが「遺言」であるというのも、単に自分の年齢的なものというより、そういう意識に基づくものなのでしょう。

全内容を文字起こしするにはかなりボリューミーなので、ご興味がある方はぜひRadikoでどうぞ。

伊藤政則×武田砂鉄、ハードロック・ヘヴィメタル熱量対談(TBSラジオホームページ)





『タモリ倶楽部』「アフリカ大陸で発見!こんなところにデスメタル!?」 

 4月22日(金)深夜放送の『タモリ倶楽部』で放送された「アフリカ大陸で発見!こんなところにデスメタル!?」 、HDDに録画していたのを観ました。

昨年『デスメタルアフリカ: 暗黒大陸の暗黒音楽』という本が出版され、一部で話題になっていたのは認識していました。

なかなか興味深いと思いつつ、手を出せずにいるのですが、恐らくその本がネタ元だろうと思っていたら案の定でした。

アフリカ出身といえば、先日チュニジアのMYRATHという、欧米のバンドと比べても遜色ないどころか、下手すると今年のベストかもと思ってしまうほど素晴らしいアルバムを出したバンドによって関心が増していたこともあって、わざわざ録画して観てみました。

実際観てみると、ベスト10形式で紹介されているにもかかわらず、10位のバンドに多くの時間が割かれ、むしろ5位以上のバンドはサラッと流されてしまう不思議な構成で、しかもそもそも我々日本のメタル・ファンの感覚でデス・メタルと呼べるバンドは6位の「サーコトロフィア」と3位の「オーバースラスト」の2つしか出てきませんでしたが、結構楽しめました。

いや、恐らく一般的な視聴者は一種のゲテモノ趣味で楽しむのでしょうけど、私は普通に「結構いいバンドばかりじゃん」と思いました。

もちろん欧米や日本の一線級のバンドとは比べられるようなレベルではなさそうなのですが、インディーズのバンドと考えれば充分楽しめるレベルに達しているバンドが多かったです(もちろんある程度オンエアに耐えるバンドを選んでいるからでしょうが)。

以前私はこのブログ上で「HR/HMが今後飛躍的に発展する可能性というのは、現在の発展途上国エリア以外には見出せない」ということを書きましたが、「キャッチーなハード・ロックをプレイしているのにブラックメタルのメイクをして、デスメタルを名乗る」みたいな破天荒なバンドは、「メタルのお作法」が確立してしまった欧米よりからは出てこないと思います。

BABYMETALも「アイドル×メタル」という欧米人にはなかなか思いつかないサウンドで話題になっているわけですが、そういう「予想を裏切る新しいサウンド」みたいなのは、むしろメタルの歴史が浅いエリアの方が生まれやすい気がします。

まあ、私は辺境メタル・マニアではないし、別に今の様式化した欧米のメタルに不満があるというわけでもないので積極的にアフリカのバンドを発掘していこうというつもりはありませんが、先日のMYRATHのような例もありますし、アフリカのメタルに対してもオープンな気持ちで向き合っていきたいな、と思います。

◆ALLKINIAH 「Setrin'ny Fahotana」のMV

個人的な趣味的にはやはりメロディック・パワー・メタルをプレイしているこのバンドがツボでした。
マダガスカル出身でまだ20代前半の若いバンドのようですが、結構レベル高いです。
見た目はアマチュアっぽいですが、現地の感覚ではイケメン揃いらしく、女性ファン(グルーピー?)が多いとか。この手の音楽をやってモテるとは素晴らしいですね(笑)。

◆ARKA'N 「 As I can breathe (feat H.WEAPONS)」

トーゴのバンドで、番組中でマーティ・フリードマンに唯一褒められ、タモリに「アフリカっぽい」と評価されていました。
個人的にはアメリカの黒人音楽の要素が強いことを果たして「アフリカっぽい」と言うべきなのかということについては疑問があるのですが、実際アフリカではロックよりヒップホップなどの人気が強いと聞きますし、少なくとも我々先進国の人間が「アフリカ出身」と聞いて納得しやすいのはこういうサウンドでしょうね。

◆AMPERUS ALEGOR「Ny devolinao」

1位に選ばれたのはこのバンド。音だけ聞いたら欧米のブラック・メタルと区別つかないくらいのクオリティがあります(見た目もかなり本格的)。これもマダガスカルのバンドらしく、マダガスカルはなかなかレベルが高そうです。