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私の好きなイングヴェイ・マルムスティーンのベスト5曲

今月売りの『BURRN!』2021年9月号でやっていた企画に乗っかってみます。

近年『BURRN!』誌がよくやっている企画ですね。このブログでも昨年ロニー・ジェイムズ・ディオのものに便乗しました。

『BURRN!』誌では10人の選者が5曲ずつ、計50曲が選ばれているわけですが、"Rising Force"、 "You Don't Remember, I'll Never Forget"、 "Motherless Child"の3曲は5人に選ばれ、"Far Beyond The Sun"が4人と、この4曲に人気が集中していた印象。

"Rising Force"、 "You Don't Remember, I'll Never Forget"、 "Far Beyond The Sun"は恐らく自他共に認める代表曲だと思いますが、 "Motherless Child"の人気は意外。

いや、実際イングヴェイのスピード・チューンの中でもトップクラスの完成度を誇る名曲なのですが、ライブでプレイされることもほとんどない(セットリスト・データベースサイト "Setlist.fm" によると3回だけ)こともあり、あまり語られていない印象ですが、皆さん「ちょっと他の人が選ばないような隠れた名曲入れとくか」と思って意外と被ってしまった感じでしょうか(笑)。

一番多くの曲が選ばれていたアルバムは、代表作との呼び声も高い"TRILOGY"が6曲ピックアップされていて1位なわけですが、2位が5曲ピックアップされていた"ECLIPSE"というあたり、実は今再評価が進んで「実は地味に(?)"ECLIPSE"いいよね」ということになっているということでしょうか(実際いいですよね、あのアルバム)。

まあ実際の所、初心者が知っておくべき代表曲を並べると"Rising Force"、 "You Don't Remember, I'll Never Forget"、 "Far Beyond The Sun"の3曲に、歌モノなら"I'll See The Light Tonight"と"Heaven Tonight"、インストなら"Black Star"に"Trilogy Suite : Op5"のどれか2曲を選んでください、という感じになるのでしょうね。

私も何も考えずに選べばそうなる気がしますが、それならこのブログで書く意味もないので、あえて逆張りというか、『BURRN!』誌で選ばれていなかった曲の中から、個人的な思い入れ含めてピックアップしたい5曲を選びます。

1. Never Die ("SEVENTH SIGN" 1994)

私がHR/HMに本格的にハマってから最初に出たイングヴェイのアルバムのオープニング・ナンバー。私の地元である埼玉某市のイトーヨーカドー内にあった新星堂で初回限定盤を購入した思い出があります。「凄い速弾きギタリスト」くらいの認識で手に取った若輩者の期待というかイメージにバッチリ応えてくれる最高のオープニング曲でしたね。




2. Teaser ("FIRE AND ICE" 1992)

私がHR/HMを聴き始めた時点で最新のアルバムだったこともあり、友人に貸してもらって聴いた「人生初イングヴェイ・アルバム」に収録されている、イングヴェイとしては異例のポップ・ナンバー。当時HR/HM初心者だった私にとっては、こういう曲があったからこそイングヴェイを「メジャー・アーティスト」として認識したという面がありますね。今聴くと、ちょっとVAN HALENを意識してプレイしているのかな、という印象。




3. Hunger18, Area 51 ("ALCAMY" 1999)

恐らく日本のファンの要望に応えてマーク・ボールズを再起用したにもかかわらず、あまり評価されていない時期の作品ですが、近年の作品を踏まえて聴けば、声域の広いヴォーカリストが様式臭溢れる楽曲を歌っているというだけで感謝すべきでしたね。この曲なんかも彼なりに日本のメタル・ファンの嗜好を踏まえて作ったんじゃないかという気がしています。




4. Now Is The Time ("ODYSSEY" 1988)

イントロがとっても80年代な感じでLOVE。歌メロもBON JOVIみたいでイングヴェイとしては異色の曲ですが、こういう曲も入れてくれるとアルバムにメリハリがつくと思うんですよね。"ODYSSEY"アルバムの#7 "Deja Vu"、#8"Crystal Ball"、そしてこの"Now Is The Time"という並びは、ジョー・リン・ターナーとのケミストリーが発揮された強力な流れだと思います。




5. Attack! ("Attack" 2002)

イングヴェイの楽曲として特別光るものではないと思うのですが、何故だか個人的に妙に耳に残っていて、近年の脳内リピート率でいったら1位なんですよね…。以前のエントリーにも書きましたが、歌詞が最高です(笑)。




いや~、こうしてあらためて聴き返してみると、やっぱりいい曲が多いですね。音質とかアレンジとか弾き過ぎとか(笑)、いろいろ完璧ではない曲が多いのですが、それでも何故か聴いてしまう、耳に残ってしまう魅力があります。こんなギタリストはもう出てこないのかもしれませんね…。

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私の好きなロニー・ジェイムズ・ディオのベスト5曲

本日2020年5月16日はロニー・ジェイムズ・ディオの10回目の命日ということで、今月売りの『BURRN!』誌でやっていた「私の好きなロニー・ジェイムズ・ディオのベスト5曲」に乗っかってみたいと思います。

『BURRN!』誌では編集部員、ライターさん、国内外のミュージシャンなど40人くらいがセレクトしているのですが、結構選曲の被りは多かった印象です。

同じ企画をオジー・オズボーンでやってもロブ・ハルフォードでやっても、70年代から80年代の曲に集中するであろうことは想像に難くないのですが、ロニーの場合、特に自分のバンドであり、一番長いキャリアを過ごしたDIOの楽曲が割とキラーとそうでない曲に明確に分かれていたことがその原因かな、と思います。

そういう意味で、私の選曲もベタなものにならざるを得ませんが、変に通を気取って微妙な曲をセレクトしても意味がないので、素直に選ぶと以下の5曲ですね。

1. Stargazer (RAINBOW "RISING" 1976)

これはヴォーカル・パフォーマンスという1点においては、HR/HM史上最高といっても過言ではない曲なのではないかと思います。クライマックスの絶唱は何度聴いても鳥肌が立ちます。




2. Kill The King (RAINBOW "LONG LIVE ROCK 'N' ROLL" 1977)

ほぼ同時期に発表されたJUDAS PRIESTの"Exciter"と共に、「元祖パワー・メタル」と言える名曲ですね。理屈はいらない、問答無用のカッコよさ。




3. We Rock (DIO "THE LAST IN LINE" 1984)

これも「これぞヘヴィ・メタル!」と感じさせてくれるアンセムですね。そういう意味では"Stand Up And Shout"なんかもそうですが、この曲の方がロニーの歌唱が映えている気がして好きです。




4. Die Young (BLACK SABBATH "HEAVEN AND HELL" 1980)

実は個人的に近年一番聴く頻度が高いロニー関連の曲って、シンプルで単純にアガれる"Neon Knights"だったりするのですが、メロディや展開など、最も完成度が高いのはやっぱりこの曲かなと。




5. Rock 'N' Roll Children (DIO "SACRED HEART" 1985)

ロニーの歌うキャッチー系の曲で好きなのはこれと"Rainbow In The Dark"ですが、こちらの方が洗練されていて好きですね。"Mystery"とか"Hungry For Heaven"まで売れ線狙いの臭いが強くなると、ちょっとロニーには合わないと感じてしまいます。




ロニー・ジェイムズ・ディオというヴォーカリストの真骨頂はやはり大仰な歌い上げであって、そういう意味では1位に選んだ曲以外は必ずしもロニーのベスト・ワークを選んだというより、単純に自分が好きなタイプの曲を選んだ感じです。

ロニーの歌い上げを堪能するという意味では、やはりBLACK SABBATHの"Heaven And Hell"とか、DIOの"Holy Diver"、"Last In Line"、"Sacred Heart"あたりが挙げられると思うし、特に前2者は欧米でディオの代表曲扱いされている気がします。

『BURRN!』誌の特集を見て思ったのは、BLACK SABBATH時代の"The Sign Of The Southern Cross"と、DIOの"Don't Talk To Strangers" の人気が意外と高いな、ということでした。これらの曲に上記で選出した曲並みの魅力を発見できていないのは、私の聴き込みが足りないのかもしれません(笑)。

『BURRN!』誌の特集で印象に残ったことをもう一つ。ライターの増田勇一氏が「それ(ロニーの歌唱)によってごく平凡な仕上がりになりそうな曲が、キャラクターを持ったフックに富んだものになる」と言っており、編集部の藤木氏も「(DIOの曲は)シンプルだからこそ並みのシンガーでは曲が“持たない”のだ」と言っている。

これは、言い方を変えればロニーはあまり曲に恵まれなかったということであり、その結果が冒頭に述べた選曲の被りの多さにつながっているのだと思います。

もしかするとロニーは、平凡な曲を自分の圧倒的な歌唱力でどこまで魅力的にできるか、ということに一種のやりがいを見出していたのかもしれません(?)。

しかし、このエントリーを書いてからもう10年とは、光陰矢の如しですね…。



2010年代の私的ベスト・チューン15選

もう松の内も明けていますし(関東地方では)、年明け最初のエントリーというわけでもありませんが、あらためまして新年あけましておめでとうございます。

いつも読んでくださっている方は本年もよろしくお願いいたします。初めましての方は今年からよろしくお願いいたします(笑)。

今年もこのブログがお読みいただく方と自分にとって、どうすればより有益なものになるか試行錯誤しながら、無理のない範囲でやっていきたいと思ってます。

先日のエントリーで2010年代のベスト・アルバムを選出しましたが、ここではそのエントリーでは触れられなかったアルバムの楽曲を中心に、2010年代のベスト・チューンを選んでみたいと思います。

順位は付け難かったのでアーティスト名のアルファベット順で。

ARCH ENEMY "The Race" (2017)

基本、メロディックな歌ものメタルが好きな私ですが、こういうリフで力押しするアグレッシヴな楽曲も好きです。




BATTLE BEAST "Beyond The Burning Skies" (2017)

BEAST IN BLACK推しな私ではありますが、BATTLE BEAST本家も今なお楽曲が素晴らしい。このサビとか絶品です。イントロもいいですね。




BLOOD STAIN CHILD "Stargazer" (2010)

近年EDM調のメタルというのも珍しくなくなりましたが、彼らはAMARANTHEより早かったんですよ。その点はもっと評価されていいと思うんですよね。




CAIN' S OFFERING " I Will Build You A Rome" (2015)

スピード・チューンなのにハートウォーミングでホープフルな、「ウェディング・ソングに使えるメタル」。




GALNERYUS "Raise My Sword" (2015)

"Destiny"や"Angel Of Salvation"と共に、彼らが2010年に生み出したマスターピースのひとつ。アニソンみたいな歌詞だがそれがまた良い。




GYZE "Horkew" (2017)

IN FLAMESの"The Hive"にハマって以降、こういう印象的なギターのメロディが歌のバックで繰り返されるタイプのメロデスは私のツボです。




H.E.A.T "Living On The Run" (2012)

メロディといい構成といい超完成度の高い、2010年代北欧メロディアス・ハードの代表曲でしょう。




ICED EARTH "Dystopia" (2011)

この劇的なイントロ、そして勇壮なサビのコーラス、こういうメタルを私は求めている。




KREATOR "Victory Will Come" (2012)

KREATORらしい曲なのかどうかはさておき、アドレナリンを出したい時に聴くには最高の曲です。




LIV MOON "アマラントスの翼" (2011)

日本が生んだシンフォニック・メタルの神曲。この文章を書くにあたってまずこの曲がパッと思い浮かんだという意味では、私にとっての2010年代ベスト・ソングはこの曲かもしれません。歌詞含め、この曲には力付けられましたね。4:05あたりからのクライマックスで毎回鳥肌が立ちます。




SERENITY "Legacy of Tudors" (2013)

これぞ欧州ロマン。シンフォニック・メタルというスタイルであればこそ描けるドラマがここにある。フォーキッシュなメロディの導入も絶妙。




SERENITY IN MURDER "Land Of The Rising Sun" (2017)

「和」の要素を取り入れたメタルというのも珍しくないご時世ですが、最も私の琴線に触れたのはこの曲でした。お国のために命を投げ出してもいいという気持ちにさせる危険な曲です(笑)。




STRATOVARIUS "Unbreakable" (2013)

めちゃくちゃテクニシャン揃いなのに、こういう完全に歌モノな曲をやってくれるからこそSTRATOVARIUSはビッグになれたと思ってます。この哀愁…たまりません。




VERSAILLES "God Palace -Method of Inheritance-" (2010)

2010年代に発表された10分超えの曲の中で一番グッと来たのはこの曲でした。「孤独こそ永遠の愛、そう信じ生きてきた」…なんて中二病な歌詞!(笑) だがそれがいい。




WORK OF ART "The Rain" (2011)

AOR系の曲では個人的にこれがダントツでした。10年近く経った今でもコンスタントに聴きたくなります。爽快!だけどなぜだか泣きたくなるんです。




いろんな評価軸があるアルバムという単位より、こういう楽曲単位のセレクトの方が自分の感性が素直に出た、嘘のないものになる気がしますね。

これらの曲はきっと一生聴いていくことになるでしょう。2020年代もそんな特別な曲に数多く出会えるといいな、と思ってます。

それでは今年も皆さんにとって良いメタルに出会える年になりますように。

2010年代のベスト・メタル・アルバムを選んでみました

以前2000年代のベストを選出した時には、2010年代のベストを選べる時期までこのブログを続けているかどうかあまり確信がありませんでしたが、(私の体感では)意外とすぐにそのタイミングが来てしまいました。

人生、歳を重ねるごとに時の流れの加速が止まりません。ジャネーの法則というやつですね。

2000年代はパワー・メタルやメタルコアなど、私が良いと思えるタイプのメタルがそれなりに人気があって、メタル・ファンやメタル・シーンにおけるトライブ/派閥の一員として存在できている感じがあり、おこがましい言い方をすれば私のセレクトがそういうトライブの意見をある種代弁できるようなものになっていると思えました。

しかし、2010年代は私が好むタイプのメタルというのは、個々のバンドや作品のレベルではともかく、シーン全体としてはかなり低調というかありていに言うと人気がなくなり、自分のセレクトはメタラーの中でもかなり少数意見というか、パーソナルな印象のものになってしまいました。

まあ、元々単なる個人ブログなのでそれでいいっちゃいいのですが、一応こういうサイト/ブログを長年やっている身として、それなりにアンテナは張って、できるだけ広くメタル・シーン全体をウォッチというかチェックしようとはしてきたので、3パターンの「2010年代ベスト」を作成してみました。

10ではなく15ずつ選んでいるのは、単に候補作が多くて絞り切れなかっただけです(笑)。

『BURRN!』誌っぽいベスト15

01. JUDAS PRIEST "FIREPOWER"(2018)
02. METALLICA "HARDWIRED... TO SELF-DESTRUCT"(2016)
03. IRON MAIDEN "THE BOOK OF SOULS"(2015)
04. MEGADETH "DYSTOPIA"(2016)
05. DREAM THEATER "DISTANCE OVER TIME"(2019)
06. SLAYER "REPENTLESS"(2015)
07. ARCH ENEMY "WAR ETERNAL"(2014)
08. MR.BIG "WHAT IF..."(2010)
09. BLACK SABBATH "13"(2013)
10. ACCEPT "STALINGRAD"(2012)
11. CARCASS "SURGICAL STEEL"(2013)
12. MOTORHEAD "BAD MAGIC"(2015)
13. ANTHRAX "WORSHIP MUSIC"(2011)
14. DEF LEPPARD "DEF LEPPARD"(2015)
15. VAN HALEN "A DIFFERENT KIND OF TRUTH"(2012)

どれも円熟したベテランならではの良いアルバムですが、ここにバンドの最高傑作と言い切れるアルバムがあるかというと、その点に弱さがありますね…。


グローバルスタンダードっぽいベスト15

01. SLIPKNOT "WE ARE NOT YOUR KIND"(2019)
02. BRING ME THE HORIZON "SEMPITERNAL"(2013)
03. TOOL "FEAR INOCULUM"(2019)
04. GOJIRA "MAGMA"(2016)
05. GHOST "MELIORA"(2016)
06. DEAFHEAVEN "SUNBATHER"(2013)
07. BEHEMOTH "THE SATANIST"(2014)
08. BARONESS "GOLD AND GRAY"(2019)
09. AMON AMARTH "JOMSVIKING"(2016)
10. AVENGED SEVENFOLD "NIGHTMARE"(2010)
11. SABATON "CAROLUS REX"(2012)
12. BABYMETAL "METAL RESISTANCE"(2016)
13. HIGH ON FIRE "ELECTRIC MESSIAH"(2018)
14. VOLBEAT "OUTLAW GENTLEMEN & SHADY LADIES"(2013)
15. BETWEEN BURIED AND ME "COMA ECLIPTIC"(2015)


2010年代以前から高い人気を誇っていたSLIPKNOTやDISTURBED、RAMMSTEINなどを超えるような存在は出て来ず、評論家やマニア筋に評価されたのはスラッジ・メタルやブラックゲイズなど、ポップ・チャートでの成功は望めないようなバンドばかりで、メタルがアンダーグラウンドに向かっていった印象の10年間でした。

アンダーグラウンドこそがメタルに相応しい、という価値観もあるとは思いますが、メタルがジャンルとして大きくなったのはアンダーグラウンドに留まらない魅力を備えたバンドが登場することでリスナー(ひいては将来のプレイヤー)の裾野が広がったからだと思っているので、やはり「入口」になるような人気バンドが出てきてほしいなあ、というのが私の希望です。


個人的ベスト15

01. BEAST IN BLACK "BERSERKER"(2017)
02. THOUSAND EYES "DAYS OF SALVATION"(2018)
03. HELLOWEEN "STRAIGHT OUT OF HELL"(2013)
04. DOLL$BOXX "DOLLS APARTMENT"(2012)
05. AVANTASIA "MOONGLOW"(2019)
06. STRATOVARIUS "NEMESIS"(2013)
07. WITHIN TEMPTATION "THE UNFORGIVING"(2010)
08. BLOOD STAIN CHILD "EPSILON"(2010)
09. CAIN’S OFFERING "STORMCROW"(2015)
10. ACCEPT "BLOOD OF THE NATIONS"(2010)
11. MYRATH "LEGACY"(2016)
12. GALNERYUS "RESURRECTION"(2010)
13. PRIMAL FEAR "RULEBREAKER"(2016)
14. Unlucky Morpheus "CHANGE OF GENERATION"(2018)
15. BLESSED BY A BROKEN HEART "FEEL THE POWER"(2012)

こういう、長い期間の中から選ぶとなると、作品の出来もさることながら、自分の記憶とどう結びついているかも選出基準に影響してきますね。

例えば、ACCEPTの"BLOOD OF THE NATIONS"を選んでいるのは、LOUD PARK10で観たライブ・パフォーマンスが人生で優に100本以上観ているライブの中でも1、2を争うほどの感動というか高揚感を得られたことに起因しています(いや、アルバム自体も強力なリフ満載の名盤ですが)。

そういう意味だとBABYMETAL、特に1stは上記のリストを超越した特別な存在ですね。あえて上記のリストには入れませんでしたが、サウンドや楽曲の良し悪しを超越した「特別枠」だとお考え下さい。

だって、2011年にWeb上で発見し、2012年に600人しか入らないO-WESTで、しかも3曲だけのイベント出演を観た彼女らを、特に追う気持ちもなかったのにROCK IN JAPAN、サマソニ、フジロック(もちろんラウパも)とフェスでどんどん大きくなっていくのを目撃し、しまいには特にメタルに興味のない会社の人に誘われて東京ドーム公演を観に行くことになり、アルバムはアメリカのビルボードで13位って、そんな「奇跡の軌跡」を目撃できたことってやっぱり超特別ですよ。 

あとは陰陽座も、2010年代に発表されたアルバムどれもが上記のリストに入ってもおかしくない傑作揃いだったと思うので、こうして本文で補足しておきます。

※関連エントリー

2000年代のベストを選んでみました

HR/HMアルバム各年代ベスト11

HR/HMの全英No.1獲得作品

SLIPKNOTの通算6枚目となる新作"WE ARE NOT YOUR KIND"が全米・全英チャートともに初登場1位を獲得したというニュースが話題ですが、それとともに全英チャートでメタル系のアルバムが1位になるのは2015年にリリースされたIRON MAIDENの"THE BOOK OF SOULS"(2015)以来で久しぶりで、めったにないレアなことだ、と報じられていました。

そこで、このブログではかつて全米1位に輝いたHR/HM系のアルバムをまとめたことがありましたが、今回は全英1位を獲得したHR/HM系のアルバムがどれだけあるのか調べてみました。

調べたといっても、ウィキペディアで1位になっていそうなアーティストをしらみつぶしにチェックしただけなので、抜け漏れはあるかもしれません。もし抜けているアーティスト、漏れているアルバムがあったらご指摘いただけると幸いです。

なお、タイトル末に★マークが付いているアルバムは、全米1位も獲得していることを表しています。

■AC/DC
・BACK IN BLACK(1980)
・BLACK ICE(2008)★

■ALICE COOPER
・BILLION DOLLER BABIES(1973)★

■AVENGED SEVENFOLD
・HAIL TO THE KING(2013)★

■BLACK SABBATH
・PARANOID(1970)
・13(2013)★

■BON JOVI
・NEW JERSEY(1988)★
・KEEP THE FAITH(1992)
・THESE DAYS(1995)
・CRASH(2000)

■DEEP PUEPLE
・FIREBALL(1971)
・MACHINE HEAD(1972)

■DEF LEPPARD
・HYSTERIA(1987)★
・ADRENARIZE(1992)★

■GUNS N' ROSES
・USE YOUR ILLUSION II(1991)★

■IRON MAIDEN
・THE NUMBER OF THE BEAST(1982)
・SEVENTH SON OF A SEVENTH SON(1988)
・FEAR OF THE DARK(1992)
・THE FINAL FRONTIER(2010)
・THE BOOK OF SOULS(2015)

■LED ZEPPELIN
・LED ZEPPELIN II(1969)★
・LED ZEPPELIN III(1970)★
・LED ZEPPELIN IV(1971)
・HOUSE OF THE HOLY(1973)★
・PHYSICAL GRAFFITI(1975)★
・THE SONG REMAINS THE SAME(1976)
・PRESENCE(1976)★
・IN THROUGH THE OUT DOOR(1979)★

■METALLICA
・METALLICA(1991)★
・LOAD(1996)★
・DEATH MAGNETIC(2008)★

■MOTORHEAD
・NO SLEEP 'TIL HAMMERSMITH(1981)

■SLIPKNOT
・IOWA(2001)
・WE ARE NOT YOUR KIND(2019)★

JUDAS PRIESTやWHITESNAKEはおろか、AEROSMITHやKISS、VAN HALENといった超メジャー・バンドでさえイギリスでは1位を獲っていないんですねえ。

BON JOVIの"SLIPPERY WHEN WET"(1986)やGUNS N' ROSESの"APPETITE FOR DESTRUCTION"(1987)といった、世界で数千万枚売れたメガヒット作が1位になっていないのもビックリでした。

アメリカでは大人気で、ビルボードNo.1に輝いた作品も多いNU METALもイギリスではKORNやDISTURBEDすら1位は獲れておらず、わずかにLIMP BIZKITの"CHOCOLATE STARFISH AND THE HOT DOG FLAVORED WATER"(2000)くらいです(LINKIN PARKは3作が1位になっていますが、既にメタル色が後退してからの作品ばかりです)。

ポスト・グランジまで含めてもNICKELBACKの"SILVER SIDE UP"(2001)とSTAINEDの"BREAK THE CIRCLE"(2001)くらいでしょうか。 あ、FOO FIGHTERSは4作も1位になってますね。凄い。

ちなみにQUEENは7枚のアルバムが1位になっていますが、ここにはカウントしていません。「QUEENはHR/HMではない」という立場に立つとLED ZEPPELINなんかもHR/HMにカテゴライズしていいのかという問題が出てくるのですが(そんなこと言ったらBON JOVIも?)。

いずれにせよ50年に及ぶHR/HMの歴史でたったこれだけであることを考えると、ヒットチャートの1位を獲るというのがいかに至難の業であるかがよくわかりますね。

そういえば先日BRING ME THE HORIZONの最新作"AMO"が全英1位になっていましたが、もはやメタル色は皆無だったのであれはノーカンですかね。