fc2ブログ

ファビオ・リオーネがチリのカラオケ・バーでパフォーマンス

元RHAPSODY OF FIRE、現ANGRAのヴォーカリストとして知られるファビオ・リオーネがチリにあるカラオケ・バーでパフォーマンスした時の映像が公開されています。

と言ってもさすがにカラオケ音源をバックに歌っているわけではなく、どうやら地元のアマチュア・バンドと思われるメンバーの演奏をバックに歌っています。

セットリストは以下の通りで、基本的にはRHAPSODY OF FIREを中心とした、ファビオ・リオーネのグレイテスト・ヒッツ・ショウといった感じの趣。

01. Lux Triumphans
02. Dawn of Victory
03. Wisdom of the Kings
04. March of the Swordmaster
05. Holy Thunderforce
06. Eternal Glory
07. Village of Dwarves
08. Lamento Eroico
09. Land of Immortals
10. Unholy Warcry
11. Nova Era
12. Wasted Years
13. Emerald Sword

ファビオの歌唱はだいぶラフな感じではありますが、名曲揃いなのでなかなか楽しめます。音源もちゃんとラインで録音されているもののようですし、映像も複数カメラで撮影されたものが編集されており、クオリティ的にも問題なく楽しめます。

バックの演奏はさすがにANGRAには程遠いですが、「上手いアマチュア・バンド」というレベルには達しており、破綻なく楽しめます(ファビオも、ANGRAの"Nova Era"をプレイした際に、「この曲はプレイするのが簡単な曲ではないが、彼らは見事にやっている」と称賛しています)。

IRON MAIDENのカヴァーである"Wasted Years"をプレイする際には、自身がVISION DIVINEで彼らのショウの前座を務めた際に、遅刻して会場に駆け込んできたブルース・ディッキンソンにぶつかられた(「タックルされた」と表現しています)という思い出を語っています。

そして"Emerald Sword"はファビオやルカ・トゥリッリにとって、DEEP PURPLEの"Smoke On The Water"のように「バンド最良の曲ではないが、常にファンが聴きたがるためプレイせざるを得ない曲」になっていて、あまり好きではない、という思いも語られます。

そんなMC内容も含めてファンであれば楽しめるライブではありますが、「イタリアン・メタルの至宝」とも呼ぶべきファビオほどの男がわざわざチリのカラオケ・バーで、地元のローカル・バンドをバックに歌う、なんて所謂「ドサ回り」をしないと食べて行けないのだとしたら、あらためてメロディック・メタル/シンフォニック・メタルというのは厳しい世界だなあと思わざるを得ませんね。

ファビオとしては、「昼の仕事」をするくらいならドサ回りでも歌っていたい、ということなのかもしれませんが。



スポンサーサイト



ANGUS McSIX "Master Of The Universe"のMV

昨年GLORYHAMMERを解雇されたアンガス・マクファイフことトーマス・ウィンクラー氏が、アンガス・マクシックスと名前をカウントアップさせてソロ活動を開始、第1弾シングルとして"Master Of The Universe"のMVを公開しました。

解雇のニュース絡みでトーマス・ウィンクラー氏がスイスで法律事務所を経営するエリート実業家であることを知り、彼のメタル・バンドのフロントマンらしからぬ髪型に納得すると共に、それはメタル・バンドのヴォーカリストは(少なくとも収入面では)「副業」にしかならないだろうし、バンド側としては副業感覚の人間とはやってられない、みたいなことだったのかな、と勝手に思っていました。

ただ、こうしてANGUS McSIX名義で発表された楽曲そしてMVを視聴すると、彼が自分をメール1本で解雇したというGLORYHAMMERの音楽に対して情熱と愛着を持っていたことは明らかで、GLORYHAMMERの後任シンガーの印象が「可もなく不可もなし」というものだけに、なんだかちょっともったいないな、という気がします。

MVの冒頭、ボロボロの状態で横たわり、起き上がってハンマーを投げ捨てる様が何を意味しているかはあからさま過ぎるほどですが、逆に言うと今でも彼はGLORYHAMMERと同じ世界観、いわばマーベル・ユニバース的な設定の中にいるのでしょう(それは所属レーベルが同じ『Napalm Records』のままだから実現できたのかもしれません)。

バックを務めるORDEN OGANのセバスティアン・レバーマン(B)、元FROZEN CROWNのタリア・ベラゼッカ(G)、元RHAPSODY OF FIREのマヌ・ロッター(Dr)というメンツもなかなか魅力的で、最新作を母国ドイツのチャートで3位に送り込んだ人気バンド、ORDEN OGANの中心人物がなぜこんな副業をやっているのかという謎はありつつ、個人的にはFROZEN CROWNのライブで非常に魅力的だったタリア・ベラゼッカ嬢のシーン復帰が嬉しい。

音楽性は言うまでもなく(?)まんまGLORYHAMMERで、いわばHELLOWEENとGAMMA RAY、BATTLE BEASTとBEAST IN BLACKのような、ファンにとっては楽しみ2倍の状況になりそうで、4月に予定されているデビュー・アルバムに期待が膨らみます。

MVも続き物になっているようですが、数年後、GLORYHAMMERに復帰することまで既にシナリオ化されていたりしたら、凄いコンセプトだな、と思いますが、さすがにそれはないですかね(笑)。

THE BIG DEALによるカバー曲MV選曲がとても北欧

前エントリーで紹介したセルビアのメロディアス・ハード・ロック/メタル・バンド、THE BIG DEALはオリジナル曲のMVだけでも既に4曲発表していますが、それ以外にカバー曲のMVもいくつか公開しています。

ぶっちゃけ、私が彼(女)らのことを認知したのも、むしろそのカバー曲の選曲が気になったからでした。

狙っているのかたまたまなのか、カバーしているのは北欧出身のアーティストばかりで、とはいえEUROPE、NIGHTWISH、ABBAは、どれも(特に欧州では)超メジャー級のアーティストばかりなので偶然かな、とも思っていました。

しかし数日前に新たに公開されたのが母国ノルウェーではビッグだったとはいえ、国際的にはそれほどでもないTNTの"Intuition"だったので、これはもう完全に「北欧しばり」をやってるな、と確信しました(いや、偶然なのかもしれませんが/笑)。

まあ、いずれも選曲がベタ過ぎるし、さほどアレンジにヒネリもないので、カバーというよりは上手いコピー・バンドの演奏を聴かされているような感じではありますが、いずれの曲も名曲なので楽しめることは間違いありません。

この寒い季節に北欧の音楽はピッタリだと思うので(?)、お時間ある方はぜひ聴いてみてください。









ハロウィンにはHELLOWEENの"Halloween"

ようやくコロナ禍による外出規制も緩和されてきて、今週末は渋谷もかつてほどではないにせよかなり盛り上がっていたようですね。

私は渋谷には行きませんでしたが外出はしていて、コスプレをした人たち(特に子供たち)をよく見かけました。

日本以上にイベントとしてのハロウィンが盛んだという韓国では人混みの度が過ぎて痛ましい事故も起きてしまったようですが、ここ数年ですっかり日本でも定着してきたハロウィン、このタイミングでメタル・ファンがやるべきことはコスプレではなくHELLOWEENの名曲、"Halloween"を聴くことに限ります(?)。

"Halloween"には一応MVがあるのですが、5分程度に編集されてしまっていて、「美味しいところ」がゴッソリ削られてしまっています。



そのことを嘆いた(?)ファンの人が、当時のブート・ライブ映像を使ってフル・バージョンのMVに編集した動画もYouTubeには投稿されていて、これはこれで素晴らしい。



しかしまあ、せっかくマイケル・キスクとカイ・ハンセンが復帰した"UNITED ALIVE"のライブ映像がオフィシャル公開されているのですから、こちらを視聴するのが「正統派」のファンというものでしょうか(?)。



いやー、曲全体聴き所だらけですが、個人的にはやはり10分あたりの、ブラームスの「ハンガリー舞曲」のオマージュと思しき(?)ツイン・リードのギター・ソロがたまりませんね。

メタルに大作曲は数あれど、35年経った今でも構成力の妙において"Keeper Of The Seven Keys"とこの曲を超えるものはないと思っています。

ちなみにカボチャのおばけ(ジャック・オー・ランタン)とトリック・オア・トリート(いたずらかお菓子か)の唱え言葉(脅し文句)に代表される、ハロウィンのイメージはアメリカで形成されたもので、ドイツをはじめとするヨーロッパ由来のものではないそうな。

まあ、もはや日本では単なるコスプレ・イベントになっている観がありますが(苦笑)。

HR/HMがイケてた頃を思い出す

先週、HR/HMがメインストリームのイケてるロックだった最後の時代をダイレクトに思い出させてくれる動画が2つ、YouTubeにアップロードされていました。

ひとつはMOTLEY CRUEの"Kickstart My Heart"のMVのHDリマスター。映像自体は以前から公開されていましたが、リマスターされることで聴き返すきっかけになりますね。

この曲の持つドライブ感は、本来HR/HMに求められる要素のひとつを極めたものだと思います。サビの「Oh! Yeah!」の箇所なんてライブで盛り上がるイメージしか湧かないですよね。



もうひとつは、GUNS N' ROSESの"You Could Be Mine"の1991年5月のライブ映像。頂点を極めた彼らの、もはや風格さえ感じるパフォーマンスです。



この数ヶ月後、1991年9月にNIRVANAの"NEVERMIND"がリリースされ、その後1年ほどの間でロックにおける「カッコよさ」の定義が180度転換してしまったわけですが、私は転換された後の価値観にアップデートできなかったクチなので、このMVにおけるカッコよさが今でも「カッコよさの基準」です。

この頃のアクセル・ローズ(Vo)のカッコよさは半端じゃなかったですね。日本でもバンダナや短パンなど、真似しやすい所から真似する輩がプロアマ問わずあちこちで見られましたが、これは「ただしイケメンに限る」を通り越し「ただしアクセルに限る」という唯一無二のカッコよさだったと思います。

そんなアクセル・ローズも今は見る影もなく、HR/HMというとおじさんを通り越してもはやおじいさんがやっている音楽になってしまいましたが、これを原体験で刻み込まれてしまった人は一生このインパクトを超えるカッコよさに出会うことはないのではないでしょうか。