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コロナ自粛が生んだプロジェクト? AT THE MOVIES

ここ2回ほど、新型コロナによる外出自粛(もしくはロックダウン)を受けて制作されたヴァーチャル・セッション動画を取り上げてきましたが、今回もその流れのネタになります。

ヴァーチャル・セッション動画というのは基本的にはこういう「非常時」だからこその単発企画というか一発芸みたいなものが中心なのですが、今回取り上げる"AT THE MOVIES"というプロジェクトは、4月10日に1本目の動画が投稿されてから、4月16日に2本目、4月24日に3本目と、ほぼ1週間おきに新作動画が投稿され、継続的なプロジェクトの様相を呈しています。

そもそも、わざわざこれらの動画を投稿するために新たなYouTubeアカウントを立ち上げているわけですから、継続的な活動を想定していることは明らかなのですが。

このプロジェクトに参加しているメンバーは以下の通り。

Vo: ビョーン "スピード" ストリッド(SOILWORK、THE NIGHT FLIGHT ORCHESTRA)
Gt: クリス・レイニー(PRETTY MAIDS、GATHERING OF KINGS)
Gt: ポンタス・ノルグレン(HAMMERFALL)
Ba: ポンタス・エグベル(KING DIAMOND、WOLF)/アンドレアス・パスマーク(ROYAL HUNT、元NARNIA、DIVINEFIRE)
Key: モルテン・サンダガー(FIRESOUL、元PRETTY MAIDS、元MERCENARY)
Dr: アラン・ソーレンセン(元PRETTY MAIDS、元ROYAL HUNT)

いわゆる北欧人脈、といった感じですね。

このプロジェクトは、単刀直入に言えば映画音楽のカバー・プロジェクトなのですが、このコロナ隔離によって家で映画ばかり観ていたクリス・レイニーが、映画の使用曲にカッコいいものが多いことをあらためて感じた結果、隔離中の楽しみのために友人に声をかけてスタートしたものだそうです。

現在公開されているのは映画『ロッキー4』の挿入歌だったロバート・テッパーの"No Easy Way Out"、映画『フラッシュダンス』の挿入歌だったマイケル・センベロの"Maniac"、映画『セント・エルモス・ファイアー』の主題歌だったジョン・パーが歌う"St. Elmos Fire (Man in Motion)"の3曲。

どれも80年代ド真ん中という感じで、リアルタイムではなく後追いながら80年代洋楽ポップ・ミュージックのファンである私としてはニンマリしてしまう選曲。

こうなると次は『トップガン』のアレとか期待できる気がしますね(笑)。

しかしビョーン "スピード" ストリッドは近年明らかにSOILWORKよりTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAでの活動に力を入れていますし、エクストリーム・メタルより80年代型ポップ・サウンドに気持ちが向いているみたいな印象を受けますね。

いずれにせよ、これがコロナ隔離期間限定ではなく、実際にこのメンバーが集まってのライブが行なえる日が来ることを願わずにはいられません。


ライブ終演時の定番SEとしてBEAST IN BLACKのファンには浸透してる曲ですね。



この曲で歌っている女性はリンネア・ヴィクストロム、かのトーマス・ヴィクストロム(THERION、元CANDLEMASS、STORMWIND)の娘さんだそうです。


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WINGER "Better Days Comin'"のヴァーチャル・セッション動画が豪華

昨日に引き続き、多くのミュージシャンが参加するヴァーチャル・セッション動画を取り上げます。

WINGERが、2014年にリリースした現時点での最新作、"BETTER DAYS COMIN '"のヴァーチャル・セッション動画を公開しました。

参加しているメンツがなかなか豪華で、アリス・クーパーにクラウス・マイネ(SCORPIONS)といった大御所と言っていいだろう人たち(この2人はどちらもAVANTASIAにも参加経験があるし、セッション的なものに前向きなのかもしれませんね)、マーク・ファーナー(GRAND FUNK RAILROAD)、リッチー・コッツェンからアラン・パーソンズ(ALAN PARSONS PROJECT)なんていうHR/HM以外のフィールドの人まで20人以上のミュージシャンが参加しています。

しかしやはりWINGERのファンであるという世代にとって懐かしいのは下記の人たちではないでしょうか。

チップ・ズナフ(ENUFF Z'NUFF)
ジェフ・スコット・ソート(YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE, TALISMAN, SONS OF APOLLO)
トニー・ハーネル(TNT)
ミレンコ・マティアヴィッチ(STEELHEART)
ダニー・ヴォーン(TYKETTO)
スティーヴ・ホワイトマン(KIX)
ロバート・メイソン(LYNCH MOB, WARRENT)

これぞ80年代HR/HMファンにとっての"We Are The World"…と言ったら言い過ぎでしょうか。言い過ぎですね。すみません、前のエントリーに引っ張られました(笑)。

その他、STEEL PANTHERのマイケル・スターとか、ちょっと意外な所ではH.E.A.T.の初代シンガーだったケニー・レクレモなどの参加も目につきます。



ご覧いただけばわかる通り、最大の見どころというか萌えどころは、レブ・ビーチの後ろで歌いながら踊っているお嬢さんです(笑)。

"Better Days Comin'"自体はそんなに有名な曲ではないかもしれませんが、"There a light at the end of your tunnel"(トンネルの終わりには光がある)とか "All around the world, Better Days Comin'"(世界中により良い日がやって来る)と歌われるこの曲は、今の世界情勢にピッタリと言えるでしょう。

メタル版"We Are The World"

メタル版の"We Are The World"と聞けば、80年代リアルタイム組の方なら「ああ、ロニー・ジェイムズ・ディオが主宰した"Stars"のことね、と思われることでしょうが、今回取り上げるのはさにあらず、あの"We Are The World"「そのもの」のカバーです。

逆に80年代を通過していない人にとってはそもそも"We Are The World"とは何じゃい、という感じかもしれないので補足しておくと、それは1985年に当時問題になっていたアフリカの飢餓と貧困に対する寄付を行なうために多数のアーティストが集まって"USA For Africa"名義で発表されたチャリティ・キャンペーン・ソングです。

作曲を手掛けたのマイケル・ジャクソン(と、ライオネル・リッチー)ということで、マイケル・ジャクソンの大ヒット・アルバムを手掛けたクインシー・ジョーンズがプロデュースを担当し、ボブ・ディラン、スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、レイ・チャールズ、ブルース・スプリングスティーン、ダイアナ・ロス、シンディ・ローパーなど、45組に及ぶ錚々たるメンバーが終結した一大プロジェクトで、4週連続全米No.1を記録、750万枚を売り上げた大ヒット曲です。

チャリティという趣旨的にも、スケールが大きすぎて気軽に取り上げられないという意味でも、その有名さに対してあまりカバーされない曲でしたが(カバーされた例がないわけではない)、なんとメタル界隈でこれをカバーする猛者が現れたわけです。

そう聞くと、すわ、ついにロブ・ハルフォードやオジー・オズボーンあたりがメタル界の有名ミュージシャンを集めて、とか、企画プロジェクトに強い『Frontiers Music』あたりが、と思ってしまいますが、さにあらず。このプロジェクトを主宰したのはマリウス・ダニエルセンというノルウェー人ミュージシャン。

…誰?。

寡聞にして存じ上げなかったのですが、DARKEST SINSというバンドや、Marius Danielsen's LEGEND OF VALLEY DOOMというプロジェクトなどで活動している人だそうで、それらのプロジェクト名の文字面はなんとなく見覚えがあります…という程度の認知度。

そのMarius Danielsen's LEGEND OF VALLEY DOOMというのが、いわゆるAVANTASIA的なメタル・オペラ・プロジェクトのようで、作品にはマイケル・キスク(HELLOWEEN)、ティム・オーウェンズ(元JUDAS PRIEST, ICED EARTH)、ブレイズ・ベイリー(元WOLFSBANE, IRON MAIDEN)、マーク・ボールズ(元YNGWIE MALMSTEEN, RING OF FIRE)といった割とメジャーな人たちから、ミケーレ・ルッピ(元VISION DIVINE, 現SECRET SPHERE)やダニエル・ハイメン(元LOST HORIZON)、マティアス・ブラード(FALCONER)など、なかなか魅惑の顔触れが参加しており、己の無知を恥じました。

そういうメタル・オペラ・プロジェクトを制作した経験を生かして、総勢50人(!)ゲストを集めて制作したのがこのMV。



参加メンバーの名前を列挙するだけで長くなるので、このブログに登場したことがあるような人たちだけで言っても、ジェイク・E(元AMARANTHE, 現CYHRA)、リック・アルツィ(元AT VANCE, MASTERPLAN)、スティーヴ・グリメット(GRIM REAPER, 元LIONSHEART)、エリサ・C・マルティン(元DARK MOOR)、ニクラス・イスフェルト(DREAM EVIL)、トビー・ヒッチコック(PRIDE OF LIONS)、マルコ・パストリーノ(TEMPERANCE, 元SECRET SPHERE)、ガス・モンサント(HUMAN FORTRESS, 元REVOLUTION RENAISSENCE)、ハービー・ランガンス(元SEVENTH AVENUE, SINBREED, 現FIREWIND)、クリスチャン・エリクソン(元TWILIGHT FORCE, 現NORTHTALE)など、人によっては(笑)豪華と感じる顔触れが集まっています。

オリジナルの"We Are The World"は、参加者が全員ハリウッドのA&Mスタジオに集まってレコーディングされるという、ある意味そのやり方自体が一番豪華なんじゃないかって方法で録音されていますが、こちらは多国籍、かつこの新型コロナのご時世ということもあり、最近やたらと流行っているバラバラに撮った動画を編集するバーチャル・セッション的な映像になっています。

ちゃんと歌える人たちばかりを集めているので、参加者の知名度は微妙ながら、オリジナルのスケール感を損なわない、聴きごたえのある内容になっています。

アレンジには全くヒネリがないので、ほぼカラオケ状態ですが、これだけ大人数が参加するカラオケもそうはないと思いますので、それでも充分に価値のある試みでしょう。

オリジナルはチャリティ・ソングでしたが、このカバーの収益は新型コロナ対策のために寄付される…とかそういうことではないようです(笑)。

しかしこの謎のキャスティング能力、ノルウェーのメジャーとは言い難いミュージシャンが何故…?

かつてTRIBUZYというバンドのアルバムを聴いた時にも同様の疑問を感じましたが、実家が太いのか、あるいは他に音楽とは関係ないビジネスをやって儲けているのか謎ですね。

それとも今日び、コミュニケーション能力が高くて、コンタクトを取る手間を惜しまないマメさ、そして相手を動かすパッションがあれば、意外とギャラとは関係なくゲストを集めることができたりするものなのでしょうか…?

▼オリジナルの"We Are The World"の映像


▼マリウス氏がやっているプロジェクトのトレーラー映像


METALITE "Hunting High And Low"のMV

スウェーデンのモダン・メロディック・メタル・バンド、METALITEが、STRATOVARIUSの名曲、 "Hunting High And Low"のカヴァー動画を公開しました。

発売当時、自分がアルバイトしていたCDショップの試聴機でこの曲の鮮烈なイントロを聴いた時の衝撃は今でも生々しく覚えているのでそれほど昔の曲という気はしていないんですが、考えてみればもう20年も前の曲で、カヴァーされるのも納得の立派なクラシックです。

いや、別に新しい曲をカヴァーしてはいけないという決まりはないんですが、なんとなく10年以内にリリースされた曲をカヴァーされると時期尚早な気がしないですか?(誰に同意を求めているのか)

MVは、メンバーが揃って演奏するシーンのない「コロナ仕様」な映像で、最近多くのミュージシャンがやっている「ライブできないので動画作ってみました」的な性格のものとなっています。

そういう意味ではバンドで揃ってアレンジを詰めました、という感じのない割とヒネリのない「コピー」で、METALITEの個性がちゃんと出ているかというとやや疑問なのですが、単純に好きな曲を楽しくプレイしてみました、という雰囲気があって好感が持てます。

そしてそもそも、好きなバンドの好きな曲がカヴァーされているというだけでなんとなく嬉しくないですか?(誰に同意を求めているのか)



オリジナルのMVも貼っておきます。


イタリアのメタル系ミュージシャンによるコロナチャリティプロジェクトによる"#UNITEDWESTAND"のMV

昨今の新型コロナウィルス騒動で、既に10万人以上の感染者を出し、最も大きな被害を受けている国の一つ、イタリアのメタル系を中心としたミュージシャンが集結したプロジェクト、Italian Rock Unionが、チャリティ・シングル「#UNITEDWESTAND」のミュージックビデオを公開しました。

イタリアの『Volcano Records&Promotion』なる、おそらくはインディーズ系のレコードレーベルによる企画で、HANGARVAINというバンドのギタリストであるAlessandro Liccardoという人が作曲を手掛けています。

参加しているミュージシャンの一覧は以下の通り。

◆ヴォーカリスト(MV中の登場順)
Sergio Toledo Mosca (HANGARVAIN)
Marco Basile (DGM)
Giacomo Voli (RHAPSODY OF FIRE)
Marco Pastorino (TEMPERANCE)
Branco
Valerio Bruner
Tiziano Spigno (EXTREMA)
Alessandro Liccardo (HANGARVAIN)
Iacopo Meille (TYGERS OF PAN TANG)
Rosario Vasile (17 CRASH)
Alessia Scolletti (TEMPERANCE)
Michele Guaitoli (TEMPERANCE)


◆演奏
Alessandro Liccardo (Hangarvain) - ギター
Gabriele Sinatra (Hangarvain) - ベース
Marco Basile (DGM) - キーボード
Mirko De Maio (The Flower King) - ドラム

このブログを定期的に読んでいただいているような方であれば、RHAPSODY OF FIREやDGM、そしてTEMPERANCEあたりはご存じなのではないでしょうか。TYGERS OF PAN TANGの現Voもイタリア人でしたね。

同国のメタル・シンガーの中では最も国際的に有名なクリスティーナ・スカビア(LACUNA COIL)やファビオ・リオーネ(ANGRA)などはキャスティングできないあたりがマイナー・レーベル企画ゆえという感じでしょうか。

とはいえなかなかエモーショナルな良い曲で、どのヴォーカリストもちゃんと上手いので聴きごたえがありますね。個人的には元SECRET SPHERE、現TEMPERANCEのマルコ・パストリーノの歌声が白眉だと思いました。



外出禁止の時期だけに、皆自宅みたいな所で撮影した(スマホで録ったものと思しきものも)映像を編集した、現代ならではの制作手法で作られているのがある意味イマドキですね。

イタリア赤十字への寄付ページ

そういえばこういうチャリティ企画、東日本大震災の際に日本の『Black-Listed Records』も"Metal bless JAPAN"という名義でやっていましたね。

そちらもまた、関与した人数は多いものの、ネーム・バリュー的にジャパメタ・オールスターズというにはちょっとマイナーな顔ぶれ(失礼)で、果たして実際にあの活動で集められた金額がいかほどなのかという疑問はありますが(というか制作費をペイできたのでしょうか…)、こういうことはまずアクションを示すことが重要ですよね。

以下のMVは2016年に公開/発売された第3弾のもので、震災の直後だけでなく、継続した活動になっているのが素晴らしいですね。その志に対し、再生回数はいささか寂しい感じですが…。




そしてもちろんこういう「メタル・チャリティ・ソング」の元祖にして究極は故ロニー・ジェイムズ・ディオ主催のアフリカ飢餓救済チャリティ・プロジェクトHear N' Aidの"Stars"。



正直これはLIVE AIDとか"We Are The World"のような当時の「チャリティ・ブーム」の乗っかった、話題作りとメタルのイメージ改善を狙ったちょっと下心を感じるプロジェクトですが、今回の新型コロナ騒ぎは、これくらいのビッグ・プロジェクトにしてもいいくらいの話になりつつあるような気がします。

もちろんこうして大人数が一堂に会して、みたいなことは絶対に無理(というか集まっちゃダメ)ですが、最近、ライブが次々と中止になってやることがなくなったミュージシャンが次々と自宅で録ったような動画をアップしていることからもわかる通り、動画の制作・投稿自体は気軽にできる時代ですし、今日び実際に顔を合わせずともネットを介してコラボをすることが容易な時代なので、誰かビッグ・ネームが音頭を取れば実現はそれほど困難ではない気がするのですが、どうなんでしょう。