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H.E.A.Tからエリク・グロンウォールが脱退、ケニー・レクレモが復帰

スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンド、H.E.A.Tからヴォーカリストのエリク・グロンウォールが脱退し、オリジナル・シンガーであったケニー・レクレモが復帰することがバンドのFacebook上で発表されました。

今年発表された最新アルバム"H.E.A.T II"は個人的に今年度のベスト・アルバム有力候補の快作で、同作の充実にエリクのエネルギッシュなヴォーカルは大きく貢献していたと思うだけに残念ではあります。

ケニー・レクレモも、むろん良いヴォーカリストなのですが、「華」という点ではエリク・グロンウォールに及んでいない印象で、H.E.A.Tがまた「良質な北欧メロディアス・ハードのOne Of Them」になってしまわないかが危惧されます(ケニーのファンにとっては大きなお世話でしょうが…)。

こうなると3月に予定されていた来日公演が延期になってしまったことが本当に残念です。アルバムが素晴らしかったので絶対観に行こうと思っていたのですが…。

エリクの脱退がソロ・キャリアの追求とか、他のバンドへの移籍ということなら「もう少しH.E.A.Tに残ってくれよ…」と繰り言も言いたくなりますが、エリクのFacebookによると、彼がこれから取り組むのはアフリカでエンターテインメント企業を起業し経営すること、ということで、どうやら音楽シーンの表舞台からは実質引退するということのようです。

これはなかなか夢のあるチャレンジという感じで、なかなか否定しづらい選択だな、というのが個人的な感想です。

かつてバンドで活動していた人がミュージシャンを引退して裏方に回るという選択をした例は他にもありますし、レーベルの社長を兼ねているメタル・ミュージシャンというのもいますが、それでも基本的にメタル界隈にとどまっている人が多い中、アフリカで非メタル(もしかするとそういう音楽も扱うのかもしれませんが、彼が興したという会社のサイトを見る限り少なくともそれがメインではなさそうです)のエンターテインメント・ビジネスに乗り出すというのは相当な野心と勇気がないとできない気がします。

実際のところ、今はロック・バンドで大きな成功をつかむことは望みづらい状況で、よほど「金にならなくてもこれをやり続けたい」という強い想いがなければバンドなんて続けてられないよな、むしろ今どきミュージシャンを目指すなんて経済的合理性の観点からは完全に非効率で、みんな生活や世間体もあるだろうによくやるよな、と思っていたので、ここまでカッコいい夢の追い方をするかどうかはともかく、職業ミュージシャンを諦めるという選択は今後広がっていくのではないかと推測されますし、それは無理からぬことだと思います。

とりあえずH.E.A.Tには最新作で達成したクオリティを維持・発展していくことを、エリク・グロンウォールには新たなフィールドでの成功を願うのが模範的なファンというものでしょうか。

※結局体験することがかなわなかったエリク在籍時のH.E.A.Tの2018年のライブ映像


"Back To Life"というこの曲がエリクのいるラインナップで最後に公開されたビデオになったのも、今考えるとちょっと意味深なような。


エディ・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)が死去

もはや完全に「一般ニュース」になっていたので、この文章を目にする皆さんご存知かと思いますが、VAN HALENのギタリストにして、ロックという音楽ジャンルを代表するギター・ヒーロー、エドワード・ヴァン・ヘイレンが2020年10月6日、癌で死去したことが息子であるウルフギャング・ヴァン・ヘイレンのTwitterで報じられました。

7日の朝、Twitterを開いて最初に飛び込んできたのがこのニュースで、思わず「マジかよ」と声に出してしまいました。

いや、癌を患っていることは知っていましたが、とはいえ危篤、とかステージいくつ、みたいな話は聞いていなかったので。

私がHR/HMを聴き始めた90年代初頭の段階で、もはやエディは神格化されていて「聴いてない奴はモグリ」扱いだったので、ちょうどその頃リリースされた2枚組ライブ・アルバム"LIVE : RIGHT HERE, RIGHT NOW"(1993) を購入して聴いたのが私のエディ・ヴァン・ヘイレン初体験で、当時はギターの何たるかなんて全くわかっていませんでしたが、そのギター・サウンドが放つエナジーが尋常でないことは素人にもすぐにわかりました。

メチャクチャ明るくてパワフルで、アメリカ人らしい音だなー、と思ったものですが、後日エディ・ヴァン・ヘイレン自身はオランダ出身で、オランダ人とインドネシア系のハーフと知って驚いたものです。

ちょうどその頃、私もエレクトリック・ギターを買い、当時購読していた『バンドやろうぜ』という雑誌に掲載されていた"Eruption"のタッピング・フレーズをコピーして悦に入っていたのは甘酸っぱい思い出です(笑)。

ライトハンド奏法(日本独自の呼び方なのは承知ですが、結局この訃報の際にもNHKなどの一般ニュースではこう呼ばれていたので、日本ではこの呼び方でいいのでしょう)は、ちゃんと弾けているかどうかを無視すれば、ギターを買ったばかりの初心者でもアンプにつないでいればとりあえず音は出るので、なんか「凄いプレイをしている感」があって楽しいんですよね(笑)。

そのライトハンド奏法をはじめとするエディのハイ・テクニックは、トリッキーでもあるのでリアルタイムでは色物扱いする人もいたようですが、今となってはジミ・ヘンドリックスと並ぶロック・ギターの革命者として、ハード・ロック・ギタリスト史上最高のギタリストの一人であることを認めない人はいないでしょう。

とりあえず、結果的に最後の来日公演となってしまった2013年の来日公演を観ることができてよかったな、と思っています。

私は「ロック通」ではないので、VAN HALENで好きなのはサミー・ヘイガー時代、一番好きな曲は"Dreams"というポップ野郎ですが、それでもやはりVAN HALENで一番好きなアルバムは、と訊かれたら"1984"と答えますね。

エディ・ヴァン・ヘイレンが最後にオーディエンスの前でプレイしたのは5年前の2015年10月4日にロサンゼルスのハリウッド・ボウルで行なわれた公演で、そのラストの曲はやはり"Jump"だったそうなので、ここにひとつMVを貼るなら、やはりこの曲なのでしょう。ご冥福をお祈りします。


およそ訃報には似つかわしくないというか、ひょっとしたら世界一明るいかもしれない曲ですね。好き嫌いはともかく、一度聴いたら忘れられない名曲です。


やはり私の世代だとこの曲も外せない。



2020年 ドラマー死に過ぎ問題 2

今年の1月に、RUSHのニール・パートを皮切りに、HR/HM系ドラマーの訃報が相次ぎ、「2020年 ドラマー死に過ぎ問題」というエントリーを書きました。

その後はさすがにHR/HM系ドラマーの訃報を耳にすることはなかったのですが、2020年の折り返し地点を過ぎ、夏も終わりに差し掛かる8月20日に、主にQUIET RIOT、そしてW.A.S.P.の活動で知られる、L.A.メタルを代表するドラマーの一人、フランキー・バネリが亡くなりました。

クワイエット・ライオットのフランキー・バネリ、闘病の末68歳で死去(MUSIC LIFE CLUB)

クワイエット・ライオットのドラマー、フランキー・バネリが死去(amass)

そしてその1ヶ月後、9月19日には主にURIAH HEEPで活動し、OZZY OSBOURNEの初期2作、"BLIZZARD OF OZZ" (1980)、"DIARY OF MADMAN" (1981)でプレイしていたことで知られるドラマー、リー・カースレイクの訃報が届くなど、ここに来て再びHR/HM系ドラマーの訃報が立て続き、こうして第2弾のエントリーを書くことになりました。

ユーライア・ヒープ/オジー・オズボーンのドラマー リー・カースレイクが死去(amass)

両者とも、フランキー・バネリは昨年すい臓がんのステージ4であるということが報じられていましたし、リー・カースレイクも昨年、前立腺がんが全身に転移しており末期がんであるというニュースが報じられていたので、そういう意味では前触れはあったのですが…。

オジー・オズボーン、余命数ヶ月のリー・カースレイクの願いを叶える(BARKS)

「めったに起こらないことが、ある一時期に集中して起こる」ことがあることは統計学的にも説明されていますが、さすがにこのタイトルのエントリーの第3弾を書かずに済むことを願わずにはいられません。ご冥福をお祈りします。

タイの10歳の女の子ヴォーカリスト/ギタリストがカッコかわいい

この所、2回続けて訃報についてのエントリーが続き、「ああ、やはりもうHR/HMは年老いて死にゆく音楽なのか…」(大げさ)と暗い気分になっていた所に、“タイの10歳の女性ギタリスト/ヴォーカリストによるモーターヘッドのカヴァー「Ace Of Spades」が話題に”というニュースが目に入ってきました。

見てみると、話題に、というかMOTORHEADの公式SNSアカウントが紹介しましたよ、というだけの話で、さほど盛り上がっている感はないのですが、たしかにあどけなくもなかなかカッコいい。歌だけでなく、ギターも弾いているというのがポイント高いですね。



パッと見るとパンク・ロッカーに誘拐された女の子みたいですが(笑)、年齢も性別も国籍も超えたカッコいい3ピース・バンドになっています。「太鼓の達人」が出てくるのも日本人的にはポイント高いですね(笑)。

この"Petty Rock"なるタイの10歳の女の子、5歳の頃からYouTubeに歌の動画を上げており(実際に上げているのはご両親とか大人なのでしょうけど)、このMOTORHEAD以外にもAC/DCやらMETALLICAやらDEEP PURPLEやら、親父殺しな(笑)楽曲を多数アップしています。

このIRON MAIDENの"The Trooper"のカヴァーなんか、歌はさすがにパワー不足ですが、パフォーマンスとしてはちょっとしたアクションや表情もちゃんと様になっていて華がある。眼ヂカラもあるし、これは絶対美人になりますね。



別にHR/HMだけというわけではなく、THE BEATLESとかEAGLESとか、はたまた地元のバンドの曲と思しきものまでいろいろカバーしているのですが、ちょっとビックリしたのはギター・インスト、それもかなりテクニカルなものにチャレンジしているということ。こういう曲を練習してきているなら、そりゃMOTORHEADくらい余裕で歌いながら弾けるでしょうね。

王者イングヴェイの代表曲であるアレとか。


日本のLi-Sa-Xもカヴァーしたコレとか。


誰が教えたのかヴィニー・ムーアまで。ライブ録音ではなさそうですが、この時7歳ですってよ(驚)。


まあもちろん巧いと言っても「幼女にしては」というものでしかないのですが、この歳でこれだけ弾ければ、普通に努力を重ねたら大人になる頃にはプロの腕前になれることはほぼ間違いないでしょう。

ただ、大人になってしまうと「ただのギターが上手い女性」でしかなく、高校あたりから始めてもセンスがある子はあっという間に上手くなるので希少性はなくなっていくわけですが、彼女の場合、「ルックスの良いヴォーカリスト」でもあるというのが大きいですね。スター性を感じます(現時点では歌よりギターの方が上手いですが)。

彼女の場合現地のオーディション番組などにも出ている、ある意味「完全プロ志向」のようなので(笑)、新たなHR/HMスターがタイから登場することを期待したいですね。

元UFOのベーシスト、ピート・ウェイが死去

UFOのオリジナル・メンバーとして知られるベーシストのピート・ウェイが8月14日に亡くなったそうです。69歳でした。

2ヶ月前に事故で生死に関わる怪我を負い、結局そのまま回復することなく、妻に看取られて息を引き取ったとのこと。

2008年にUFOを脱退した後は、彼のバンドであるWAYSTEDも、80年代はともかく、2000年代以降は日本では(海外でも?)ほとんど注目されていませんでしたし、事故に遭ったことさえ報じられていませんでしたが、ブリティッシュ・ハード・ロックの歴史を語る上では避けて通れない伝説的なバンドであるUFOの、フィル・モグ(Vo)と並ぶキーマンとして、ここに取り上げないわけにはいかないでしょう。

2エントリー連続で訃報ネタというのはいささか胸が痛みますが、こればかりはタイミングを選べませんから、やむを得ません。

あまりベーシストとしての評価を聞いたことはありませんでしたが、スティーヴ・ハリス(IRON MAIDEN)やニッキー・シックス(MOTLEY CRUE)など、多くのミュージシャンが彼の影響を口にしています。

今回の訃報に接してちょっとググってみて見つけたこの記事などは、彼の人柄やキャラクターを伝える貴重な文章なのではないでしょうか。

ご冥福をお祈りいたします。


IRON MAIDENのライブでおなじみの曲。あえてマイケル・シェンカーがいない時期のテレビ出演映像を。


UFO脱退後にピートが結成したバンドの曲。ぶっちゃけ初めて聴きました(観ました)が、とても80年代的でいいですね。