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フィル・モグがUFOの終了を宣言

1970年にアルバム・デビューし、マイケル・シェンカー(G)が在籍していた70年代中期に人気と評価を高めたイギリスのベテラン・ハード・ロック・バンド、UFOの中心人物であるフィル・モグ(Vo)が『Ultimate Classic Rock』のインタビューにおいて、UFOに今後の予定があるかと訊かれ、「いや、ない。結論に達したと思う。新型コロナウイルスの直前、2019年に最後のイギリスツアーを行った。それで終わったようなもので、その時が来たんだ」と答え、バンドが既に終了したことを認めました。

本当は2022年に欧州全土を回るフェアウェル・ツアーが予定されていたようですが、2022年の8月にフィル・モグが心臓発作を起こし、医師にプレイすることを止められたことによって中止になってしまい、2022年7月16日にドイツで開かれた『Lieder am See 2022』フェスティバルへの出演が、UFO最後のライヴ・パフォーマンスになってしまいました。

UFOは全英チャートの最高位はマイケル・シェンカーの(初回)脱退直前の名演を捉えたライブ・アルバムの名作"STRANGERS IN THE NIGHT"(1979)の7位、全米チャートの最高位は"LIGHTS OUT"(1977)の23位と、商業的には「そこそこ」で、ゴールド・ディスクは一枚も獲っていないという意味では「ビッグなバンド」とは言い難く、レジェンド扱いされることもあまりないバンドです。

ただ、彼らの代表曲のひとつ"Doctor Doctor"をライブの定番SEとして使用しているIRON MAIDENをはじめ、JUDAS PRIEST、DEF LEPPARD、EUROPEといったクラシックなHR/HMバンドから、SLAYERやTESTAMENTのようなヘヴィなバンド、意外な所ではOFFSPRINGやALICE IN CHAINSのような90年代のバンドまで、幅広いアーティストが彼らからの影響を口にしており、そういう意味でHR/HM史における重要バンドであることは間違いありません。

実際の所、2019年にはポール・レイモンド(Key / G)が、そして2020年にはポール・チャップマン(G)とピート・ウェイ(B)というバンドのクラシック期を支えたメンバーが相次いで他界しており、そういう意味でもバンドの終わりが近そうな雰囲気は漂っていたわけですが、まさか正式なフェアウェル・ツアーさえ行なうことなく終焉を迎えるとは、何回も「フェアウェル・ツアー」をやっているバンドもいる中、ちょっと寂しい話ではあります。

とはいえ、実際の所華々しいフェアウェル・ツアーと共にキャリアを終えられるのは幸運なひと握りのレジェンド・バンドだけで、こういう「状況的な結果としてもう続けられないという判断になる」ケースというのが現実なのかもしれません。

※ニュースソース:フィル・モグ、UFOの終焉を認める(BARKS)



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C.J.スネア(元FIREHOUSE)が死去

90年代初頭に人気を博したアメリカのハード・ロック・バンド、FIREHOUSEのヴォーカリストとして知られるC.J.スネアが4月5日に亡くなったそうです。

まだ64歳ということで、現代の平均寿命を考えると若すぎますが、2020年9月にステージ4の大腸ガンと診断されていたそうで、2021年に受けた手術で一旦は持ち直し、2021年には27回、2022年は39回と、決して少なくない数のライブもやっていましたが、2023年10月に二度目の手術をした後一気に衰弱し、今回の訃報となったようです。

FIREHOUSEはC.J.スネアの体調が悪化した後はネイト・ペックなるシンガーを迎えてツアー活動を続けており、C.J.スネアが亡くなった4月5日もテキサスでライブをやっていたとか。

今回の訃報を受けてあらためてYouTubeでFIREHOUSEの曲を検索してみると、全米5位まで上昇した彼ら最大のヒット曲である"Love Of A Lifetime"は9,000万回以上、それに続く全米8位のヒットとなった"When I Look Into Your Eyes"が3,800万回以上、そして何とグランジ/オルタナティブの台頭によってHR/HMの人気が凋落していた1995年にリリースされ、全米66位という成績に終わったアルバム"3"収録の"I Live My Life for You"が7,500万回以上、"Here For You"が2,400万回以上も再生されていることに驚きました。

これはリアルタイムで同レベルの成功を収めていたWARRENTやWINGERのヒット曲を大きく上回る数字であり、何なら彼らより大きな成功を収めていたPOISONよりも上と言える再生回数です(2024年4月時点)。

FIREHOUSEは純粋な新曲によるアルバムは2003年の"PRIME TIME"以降20年以上リリースしていませんが、これだけ過去のヒット曲(バラードばかりですが)に求心力があるのであれば、ライブでこれらの曲を聴きたいというニーズは(アリーナ規模ではないにせよ)コンスタントにあったことでしょう。

それらの曲がYouTube上で公開された2010年以降もずっと聴き継がれるタイムレスなクラシックになったのは、曲の良さもさることながら、その曲の良さを完璧に引き出すことができたC.J.スネアが歌ったからこそだと思います。実際、80年代以降数多く出てきたアメリカの人気ハード・ロック・バンドの中で、歌唱力という点では抜きん出ていましたね。

本当に早すぎる死でした。ご冥福をお祈りします。








SLAYERが再結成

つい先日、ケリー・キングがSLAYERのような音楽を続けるためにソロ・プロジェクトKERRY KINGをスタートさせた、というニュースが発表された矢先、SLAYERの再結成が発表されました。

とはいえ再結成と言っても、新作を作るとかツアーをやるとか、そういう本格的な活動再開ではなく、あくまでフェスの出演など、単発のライブをいくつか行なう、というだけの話のようですが。

SLAYERが解散を決めた主な理由はトム・アラヤがこれ以上の活動を望まなかったことのようですが、トム・アラヤの奥さんがしつこくまたプレイすることを勧め続けて、根負けしたトム・アラヤがそれに応じたようです。

メンバー(すなわちケリー・キング)に直接ではなく、SLAYERのマネージャーに対してライブをやる意志がある旨を申し入れたということで、ケリー・キングには伝わっていなかったということなのでしょうか。

むしろ、SLAYER再結成がある、と知ったらケリー・キングが新しい音楽を作ることをやめそうなので、マネージャーとしてはあえて黙っていたのかもしれません(笑)。

とりあえず9月に米国で行われる2つのフェスティバルに出演することだけが決まっているようですが、個人的に思うこととしては、JUDAS PRIESTと再結成SLAYERとARCH ENEMYさえいれば、あとのバンドは極論数合わせでもLOUD PARK(Downloadになっちゃうんですかね?)がやれるな…ということでした(笑)。

▼ニュースソース
スレイヤー再結成 9月開催の2つのフェスティバルに出演決定(amass)

スレイヤー再結成、トム・アラヤの妻が演奏をやめた夫に対して「1年以上しつこく言って悩ませた」結果、同意したことから動き始める(amass)

ヴィタリ・クープリ(ARTENSION, RING OF FIRE)が死去

日本ではARTENSIONやRING OF FIREでの活躍でネオクラシカル系メロディック・メタル/プログレッシヴ・メタルのファンの間ではよく知られるキーボーディスト、ヴィタリ・クープリが49歳の若さで亡くなったとのことです。

日本ほどARTENSIONやRING OF FIREが知られていない欧米では、興行的に大成功を収めているTrans-Siberian Orchestraのキーボード奏者が亡くなった、という形で報じられているようです(実際、彼の収入面でのメインはTrans-Siberian Orchestraだったと思われます)。

ていうか、私が大学生になった年にはもうARTENSIONはデビューしていたので、結構年上なのかと思っていましたが、私と3歳しか違わなかったんですね…。死因は明かされていませんが、いずれにせよ早すぎますね。

90年代というのは本当にキーボーディスト不遇の時代で、ワールドワイドでマトモに評価されたのはDREAM THEATERのキーボード奏者くらいのものだったのではないかという印象でした。

そんな中、メロディックなメタルが世界で唯一人気を博していた日本では、ROYAL HUNTのアンドレ・アンダーセンと、ARTENSIONのヴィタリ・クープリは数少ない実力派キーボーディストとして、その手の音楽を好むファンに評価されていたと記憶しています。

アンドレ・アンダーセンはロシア人、ヴィタリ・クープリはウクライナ人というのが今となってはなんだか微妙な感じですが、当時もはやそういう「ロック辺境出身者」しかHR/HMキーボーディストを志す人がいなかったのかもしれません(?)。

ヴィタリ・クープリは旧ソ連の全連邦ショパン・コンクール(All-Union Chopin Competition)で最年少1位を、キエフ音楽院コンクール(Kyiv Conservatoire Competition)で金賞を受賞するなど、クラシックの道でもかなりの評価を受けていた実力者で、近年のメタル・バンドのキーボーディストも皆それなりの腕前であることが多いですが、このレベルの演奏者はもうHR/HMのフィールドでは出てこないかもしれません。

実はヴィタリ・クープリはウクライナ解放運動家という一面があって、プーチンに暗殺された、ということでないことを願いたいですね。半分冗談ですが、プーチンならやりかねないというのが恐ろしい所です。

▼ニュースソース
アーテンション/リング・オブ・ファイア等で活躍 キーボーディストのヴィタリ・クープリ死去(amass)



ケリー・キング(元SLAYER)の新バンド、KERRY KINGのデビュー・アルバムが5月リリース予定

2019年に解散したSLAYERのギタリスト、ケリー・キングのソロ・プロジェクト、KERRY KINGが今年5月にデビュー・アルバム"HELL FROM I RISE"(プロデューサーは過去にKORNやLAMB OF GOD、AVENGED SEVENFOLDなどを手掛けたジョシュ・ウィルバー)をリリースすることが発表されました。

過去のインタビューで、ケリーはSLAYERの解散に乗り気ではなかったそうで、恐らく解散を望んでいたのはケリー・キングが「最終公演以降、メールのひとつすらない」と言っているトム・アラヤ(Vo, B)だったのでしょう。

バンド、KERRY KINGのメンバーは以下の通り。

ケリー・キング(G)元SLAYER
マーク・オセグエダ(Vo)DEATH ANGEL
フィル・デンメル(G)元VIO-LENCE, MACHINE HEAD
カイル・サンダース(B)元HELLYEAH
ポール・ボスタフ(Dr)元FORBIDDEN, EXODUS, TESTAMENT, SLAYER

ポール・ボスタフは長年SLAYERのドラマーを務めた人物だし、フィル・デンメルもSLAYERのラスト・ツアーからゲイリー・ホルトが一時離脱した際に代役を務めたギタリストなので、そういう意味ではトム・アラヤの穴をマーク・オセグエダとカイル・サンダースで埋めた、という感じでしょうか。

この発表に合わせて公開された新曲"Idle Hands"は、米ローリング・ストーン誌のインタビューによるとSLAYERのラスト・アルバム"REPENTLESS"の制作セッション時に生まれてアルバムに収録されなかった2曲のうちの1曲(もう1曲は"Rage")だそうで、たしかに後期SLAYERっぽい曲です。

ケリー・キングは過去のインタビューでSLAYERの続きなのか、それとも別の方向に向かっているのか?」と訊かれた際に、以下のように答えており、そういう意味では"REPENTLESS"のアウトテイクを使用するのも自然なことなのでしょう。

「もし何か違うことに挑戦するとしたら、その時だと思う。でも、違うことをしたいとは思わない。もしSLAYERに参加していなかったら、俺はSLAYERのファンだったと思う。だから、SLAYERの延長線上にあると思うし、多くの人が次のアルバムになったかもしれないと思うだろうね。おそらく80%はそうなっていただろうし、もしかしたら、このアルバムとまったく同じ内容になっていたかもしれない。俺の目には、これは間違いなく"REPENTLESS"の延長線上にある作品だと映っている」

この発言にある「もしSLAYERに参加していなかったら、俺はSLAYERのファンだったと思う」はなかなかの名言なんじゃないですかね。

ケリー・キングの名言といえば、かつて(だいぶ前ですが)インタビューでハンバーガーからわざわざタマネギを抜くほどの野菜嫌いであることを表明した際に、インタビュアーに野菜も食べた方が健康にいいのではと指摘され「ポテトは食うぜ。ポテトは野菜だろ?」と答えていたことが今でも印象に残っていますが、今回のソロ・デビューに当たって出ているいくつかのインタビュー記事の中で以下の2つは個人的にツボで、思わず笑ってしまいました。

◆オリジナル・ドラマーだったデイヴ・ロンバードとの関係について

前述のトム・アラヤとは一切連絡を取っていない、という話の流れの中でデイヴ・ロンバード(Dr)との関係について訊かれて答えた「(デイヴは)俺の中では死んでいる」という答え。ギャラを巡って相当モメ散らかして決裂したようですが、もうケリーの脳内では抹●してしまったんですね(笑)。


◆バンド名を自分の名前であるKERRY KINGにした経緯

「長いことKING'S REIGNにするつもりでいたんだ。実にクールな名前だからね。一方で、他の連中には『俺はうぬぼれた奴じゃないし、自分の名前を入れたくはない』って言っていた。それで、BLOOD REIGNにするのはどうかと話し合ってたんだけど、上手くいかなかった。それ以外は、何かクールな名前を思いつくと、必ず東欧のよく判らないバンドにすでに取られていた。それでKERRY KINGになったんだ。ロゴが凄く気に入ったんでね」

バンド名を思いつく度に弁理士に商標調査を依頼して、その度に「東欧のバンドに取られていました」という報告を受けるケリーの表情(特に3回目以降)を想像すると、個人的には相当おもしろかったです。

偏見ですが、ポーランドとかハンガリーあたりのブラック・メタルやデス・メタル・バンドにSLAYERの曲名みたいなバンド、多そうな気がします(笑)。

イングヴェイなんかもそうですが、こういう面白いことを言う人がいなくなったのがHR/HMの人気がなくなっていった原因のひとつなんじゃないですかね(?)。



▼ニュースソース
ケリー・キング ソロ・デビュー・アルバムは「スレイヤーの延長線上にある...間違いなく『Repentless』に続く作品だ」(amass)

元スレイヤーのケリー・キング ソロ・デビュー・アルバム『From Hell I Rise』を5月発売 1曲試聴可(amass)

元スレイヤーのケリー・キング、トム・アラヤとは最終公演以来「メールすらない」/デイヴ・ロンバードについては「俺の中では死んでいる」と語る(amass)