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Wacken Metal Battleで2年連続日本のバンドが優勝

世界最大級のメタル・フェスティバルとして日本でも有名な『Wacken Open Air』で行われる若手バンドのコンテスト、『Wacken Metal Battle』で、日本代表として参加したPhantom Excaliverが優勝、昨年優勝したSABLE HILLSに続き、2年連続で日本のバンドが優勝するという事態になりました。

正直、SABLE HILLはともかくPhantom Excaliverは日本人にしか理解されないと思っていたので驚きです(笑)。

ちなみにこれまで『Wacken Metal Battle』で優勝したバンドとその出身国は以下になります。

2004年 RECKLESS TIDE(ドイツ)
2005年 GORILLA MONSOON(ドイツ)
2006年 DRONE(ドイツ)
2007年 TORTURE SQUAD(ブラジル)
2008年 THE FADING(イスラエル)
2010年 BATTLE BEAST(フィンランド)
2011年 HAMMERCULT(イスラエル)
2012年 HAMFRED(フェロー諸島)
2013年 CRIMSON SHADOWS(カナダ)
2014年 IN MUTE(スペイン)
2015年 VESPERIA(カナダ)
2016年 ZOMBIES ATE MY GIRLFRIEND(南アフリカ)
2017年 JET JAGUAR(メキシコ)
2018年 DIE FROM SORROW(中国)
2019年 VARANG NORD(ラトビア)
2022年 SABLE HILLS(日本)

日本でもある程度有名と言えるのはBATTLE BEASTくらいですかね…。これに優勝したからといってすぐにスターダムにのし上がれる、というものではなさそうです(苦笑)。

日本のバンドが参加するようになったのは2012年からで、これまでHone Your Sense(2012年)、Mysterious Priestess(2013年)、HELLHOUND(2014年)、Ethereal Sin(2015年)、VIMOKSHA(2016年)、END ALL(2018年)、VANISHING(2019年)が出演していますが、5位以内に入ったバンドは優勝したSABLE HILLSだけでした。

以前はレコード契約やマネジメント契約がないバンドだけが出場対象だったようですが、現在はそういう縛りがないようで、SABLE HILLSもPhantom Excaliverもそれなりにキャリアがあるにもかかわらず、自腹で出演しているようです。

いずれにせよこれが日本のバンドのレベルや評価が上がってきたことを示す結果だとしたらめでたいですね。これに触発されて次々と国際的な舞台にチャレンジするバンドが出てきたら、日本のメタルの未来も少し明るくなるかもしれません。




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元STRATOVARIUSのティモ・トルキが、新バンド(?)TIMO TOLKKI’S STRATO結成

5月28日の和田誠氏のラジオ番組、FM大阪『CAPTAIN-ROCK+PURE』(日曜22:30~23:00)にて、ティモ・トルキ(Vo, G)が、新たにTIMO TOLKKI’S STRATOというバンド(?)を結成し、10月27日にアルバム"RETURN TO DREAMSPACE"をリリースすることが発表されたそうです。

メンバーはティモ・トルキ(Vo, G)の他、トゥオモ・ラッシーラ(Dr)、アンティ・イコーネン(Key)の3名だそうで、一部ニュースサイトでは「ファーストアルバム『Fright Night』から『Twilight Time』『Dreamspace』『Fourth Dimension』までの4枚をリリースした3人」などと報じられているが、これは「この3人が含まれていた」という意味では事実だが、この3人だけでリリースしたわけではないので、盛り過ぎにも程がある言い方。

日本盤のリリース元であるワーナーミュージック・ジャパンの「メロスピ・レーベル」、"a quarter century flame"3rdアルバムのTwitterアカウントでは「『Dreamspace』時のオリジナルラインナップ」と謳っていますが、これもまた嘘で、"DREAMSPACE"(1994)の時にはこの3人の他にベーシストのヤリ・カイヌライネンがいました。



この3名だけがメンバーとしてクレジットされていたのは2nd "TWILIGHT TIME"(1992)で、そういう意味ではアルバム・タイトルは"RETURN TO TWILIGHT TIME"が適切だったのでは。

ただ、そもそも論としてですね、この"RETURN TO DREAMSPACE"の話が出たのは今に始まったことではないんですよ。「3人は2022年の夏に会い、ファーストアルバム当時のオリジナルメンバーでバンドを組むことを決め、2023年初頭からリハ―サルを行い、新曲を書いてきた」なんて、あたかも昨年始まった話かのように言ってますが。

このブログの過去ログをさかのぼると、2009年に既にこのプロジェクトの話は出ています。

ティモ・トルキが元STRATOVARIUSのメンバーとアルバム制作?

そして当時のプロジェクト名は"PROJECT STRATO"でした。

ティモ・トルキが PROJECT STRATO を始動

この時にはちゃんとヤリ・カイヌライネンもメンバーに名を連ねていたので、ちゃんと(?)"RETURN TO DREAMSPACE"だったわけですが、その後、法的な問題で"PROJECT STRATO"という名前が使えなくなったので発売延期、というニュースが出た後、アンドレ・マトスとのSYMFONIA結成の話が持ち上がってうやむやになってしまいました。

その後のティモ・トルキというのはご存知の通り(?)『Frontiers Music』がバックアップしたTIMO TOLKKI'S AVALONがちょっと成功したものの、自分で立ち上げようとしたINFINITE VISIONSなんていうこれまた後ろ向きな名前のプロジェクトはクラウドファンディングでの資金集めに失敗して空中分解、当時書かれたマテリアルはどういう因果か日本のMAJUSTICEに下げ渡しされています。

本作をリリースするというワーナーミュージック・ジャパンのメロスピレーベル"a quarter century flame"というのは、これまた12年前の2011年に立ち上げられ、数枚のB級パワー・メタルを国内リリースして活動を停止していたレーベルだったのですが、まさか今になって再始動できる余地があったとは驚き。

ぶっちゃけた話、ティモ・トルキが歌っていた頃のSTRATOVARIUSというのは相当にB級で、マニアであれば楽しめるものの、広く一般的なメタル・ファンにオススメできるようなクオリティではありませんでした(『BURRN!』誌の前田氏には「激ダサの極致」とまで言われてしまっていました/苦笑)。

日本で1000本の指に入るであろうSTRATOVARIUSファンの私でも、今この2023年に"DREAMSPACE"クオリティのアルバムを出されても、ちょっと困惑を禁じ得ないというのが正直な所です。

"a quarter century flame"の発起人である「ジャーマン藤井」こと藤井之康氏は、以前同レーベルからリリースした作品の特典として作成された冊子に掲載されていた「メロスピチューンTOP10」のラインナップを見る限り相当なB級趣味で、初期STRATOVARIUSもきっとお好みなのでしょうが、個人的にはこの人のセンスでメタル・アーティストを発掘すると商業的には爆死するイメージしか湧きません。

J-POPのフィールドではかなり成果を出した人のようなので、おとなしくそのフィールドでご活躍されていた方がご本人のためなのでは…というのは大きなお世話なんでしょうね。

まあ、このブログ的には「恰好のネタ」であることは確かなので(?)、むしろありがたがるべきなのかもしれません(笑)。

とりあえず9月1日に発表予定だという1stシングル、"(is this the)brave new world ?"を首を長くせずに待ちましょう。

Timo Tolkki’s Strato 公式サイト

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ヘルゲ・エンゲルケが死去

4月28日に、FAIR WARININGおよびDREAMTIDEのギタリストとして知られるヘルゲ・エンゲルケが亡くなったというニュースが飛び込んできました。

これまでヘルゲ・エンゲルケが何歳なのか考えたこともありませんでしたが、61歳だったそうで、まだあまりにも早すぎる死でした。昨年DREAMTIDEのニュー・アルバムもリリースしていただけに、まだまだ元気なのだと思っており、完全に不意打ちを食らった気分です。

なんでも、2日前に発見されたばかりの結腸腫瘍の合併症で病院で亡くなったとのことですが、そんな急な話もあるものなんですね…。

やはりミュージシャンというのは健康診断とか人間ドックのようなものは受けないのか、と思ってちょっと調べたら、ドイツではミュージシャンに限らず定期的に健診を受けるという意識が一般的ではない(病院というのは悪くなってからかかればいい、という考えが一般的)そうなので、恐らくヘルゲもその例にもれなかったということなのでしょう。

私のように90年代にメロディアスなHR/HMを好んでいた人であればFAIR WARNINGは避けて通れない存在で、本国ドイツですら全く無名にもかかわらず、日本ではデビュー・アルバム発表年に『BURRN!』誌の年間投票でブライテスト・ホープに輝き、セカンドは当時13万枚、サードは14万枚を売り上げる大ヒットを記録しました。

単に曲が良いだけ、演奏や歌が上手いだけのバンドとは一線を画す「特別な何か」を感じることができた数少ないバンドで、私も当時非常に愛聴しており、デビュー作からサードまでの3作は当サイトの年間ベストでも上位に選出しています。

正直、再結成後のアルバムにはかつてのような「熱さ」が感じられず、今一つのめりこめませんでしたが、それでもやはり彼らは私にとって特別なバンドであることは間違いなく、ヘルゲはその重要なピースのひとつでした。

いや、実際に素晴らしいギタリストで、セカンドまで使っていたスカイギター、その後オリジナルで開発したハイフレットのギターを駆使した「天空フレーズ」の数々には何度も胸を熱くさせられました。

どんなに素晴らしいものを作っても正当な評価を受けるとは限らない、という「世の中は不条理である」という真理を教えてくれたのがFAIR WARNINGというバンドでした。

何しろYouTubeでオフィシャルにMVを観ることさえできないのですから…(正直、彼らのMVは彼らの音楽に不釣り合いなチープな仕上がりで、わざわざ観る価値は薄いというのも事実ですが…)。









LOUD PARK 2023 第3弾アーティストが発表に

LOUD PARK 2023の追加ラインナップはジャーマン・スラッシュの帝王KREATORとイギリスのメタルコア・バンド、BREED FROM WITHINでした。

告知ビジュアルのバンド名(ロゴ)位置からして、トリ前がKREATORですかね。

KREATORもここ3作は母国ドイツのチャートでTOP5にランクインしていますが、世界的に見るとNIGHTWISHの方が売れていて、日本でもKREATORよりNIGHTWISHの方が人気ありそうな気がするのですが、そこはキャリアの長さの差を尊重してのトリ前でしょうか。

そうなるとメロディック・メタル・ファンはKREATORの前に帰路についてしまうような気がしますが、どうなんでしょう。

まあ、近年のKREATORはかなりメロディックなので、そのことがちゃんと伝わっていればいいのですが。

とりあえず、私のフェイバリット・チューンである"PHANTOM ANTICHRIST"(2012)収録の" Victory Will Come"の音源を貼っておきますね。



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LOUD PARK 2023 追加ラインナップ発表

3月に開催されるLOUD PARK 2023の追加ラインナップが発表されました。

■3/25(土)インテックス大阪

PANTERA
NIGHTWISH
STRATOVARIUS


■3/26(日)幕張メッセ

PANTERA
NIGHTWISH
STRATOVARIUS
CARCASS
AMARANTHE
OUTRAGE
H.E.R.O.
JASON RICHARDSON & LUKE HOLLAND

ちょっと東京(千葉ですが)と大阪のバンド数格差が気になりますが(せめてCARCASSはどうにかならなかったのでしょうか)、STRATOVARIUSとNIGHTWISHが出るというだけでこのブログをご覧になっているようなメロディック・メタラー諸兄は足を運ばざるを得ないでしょう(?)。

私は出演ラインナップがどうであろうと行こうと腹を括っていましたが、もはやこの後の追加ラインナップが期待外れの極みであったとしても現時点のラインナップだけでチケット代分の満足はほぼ確定したようなものだと思っています(笑)。

ラインナップ的には私のような90年代にメタルを聴き始めたようなリスナーがターゲティングされている感じで、これまでのLOUD PARKはなんだかんだ言ってメタル黄金時代だった80年代のバンドがメインディッシュ的な扱いを受けていたことを考えると、この5年くらいでいろいろ状況が変わったと感じさせられます。

それが80年代のバンドが一部の大御所バンドを除くと、もはや集客力が望めないロートル化してしまっているというアーティスト側の問題もあるのでしょうし、集客が望めない原因となっている、ファンの高齢化によってオールスタンディングの長時間フェスへの来場が期待できない、というオーディエンス側の問題もあるのでしょう。

特に今回、1週間後にKNOTFEST JAPANがあるということで、2000年代以降のメタル・ファンはそっちに持って行かれることを前提とした「棲み分け」ラインナップになっているという気がします。

オールスタンディングのフェスに相性がいいのはより若い「KNOTFEST組」なのだろうと思いますが、絶対数としての人口ボリュームが多いのは「90年代メタル組」だろうと思いますので、その辺でなんとかバランスをとって共存を狙う感じでしょうか。

本当は90年代HR/HMの中心的なファン層だったMR.BIGとかEXTREMEとかその辺のアメリカのバンドもあるとよりビジネス的には手堅いのでしょうが、ヘッドライナーがPANTERAということを考えるとちょっと難しいかもしれません。中途半端なポジションのアメリカン・ハード・ロック系のバンドが呼ばれてもステージ前スカスカの飯タイムになってしまうことは想像に難くないですし(苦笑)。

メロディック系とエクストリーム系のバランスに対する配慮も見られますし、「あのバンドが見たい」「なんでこのバンドが出るの」といったことを言い出したらキリがありませんが、このブログを読んでいるような方であれば迷わず足を運ぶべきでしょう。