DRAGONFORCE/ULTRA BEATDOWNのチャートアクション

オリコン初登場9位で話題騒然の(?)DRAGONFORCE/ULTRA BEATDOWNのチャート動向です。

日本:9位(洋楽チャート2位)
カナダ:15位
アメリカ:18位
イギリス:18位
オーストラリア:18位
アイルランド:47位

上記のエリアは(日本を除き)どれもメロディック・パワー・メタルが弱いとされてきた地域で、やはりゲーム効果の大きさを感じさせます。

そしてやはり言葉や出身国の問題というのは、特に英語圏では大きいのだなあ、というちょっと残念な感も強いです(アメリカ人にRHAPSODYやSTRATOVARIUSを聴かせると、「訛りで笑ってしまう」ようです)。

もちろん、彼らの音楽自体も孤高の魅力を持っていることは確かで、それがきっかけはゲームであれ、正当に評価されるのは喜ばしいことですが。


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METALLION Vol.31 の感想

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8月28日売りの「METALLION Vol.31」を買いました。

発売日の翌日には入手していたのですが、忙しかったのと、けっこう個人的には読む所の多い内容で読破に時間がかかり、こうして感想を書くまでに間が空いてしまいました。

基本的にはイングヴェイ特集号で、イングヴェイ本人と、イングヴェイのバンドのニュー・シンガーであるティム・“リッパー”・オーウェンズによる新作についてのインタビューがメイン。

そして興味深いのが、イングヴェイのバンドの歴代のシンガー(ジェフ・スコット・ソートを除く)と、イェンス・ヨハンソン、マルセル・ヤコブ、そしてイングヴェイの実姉であるルイーズ・“ロロ”・レナーバックによるイングヴェイについてのインタビュー。

どのインタビューもイングヴェイに多少なりとも思い入れがある人であれば興味深い内容ですが、中でもやはり彼の若い頃を知る実姉、イェンス、マルセルのインタビューは面白かった。やっぱ若き日の苦労話みたいなのが一番おもしろいですね。

当時スウェーデンの楽器屋の万引きの50%はイングヴェイで、残り50%はマルセルだったので二人が渡米してからは万引きがなくなった、とかRISING FORCEの1stアルバムがFBIに押収されかけた、なんて話が読めるのが楽しい。

とりあえず全証人の証言を照合する限り、有罪なのは今も昔もマネージメント、という感じで、皆イングヴェイ本人については多少フォローもしておりますが、やはりイングヴェイ自身もビジネス・パートナーとしてはあまり関わりたくない性格の持ち主としか思えません。

まあ、みんなが認めている通りそれでもイングヴェイ自身は凄いギタリストで、彼がHR/HMギターに与えた影響はエディ・ヴァン・ヘイレンに匹敵する「革命」級のものであったことはいささかも否定されるものではありませんが。

個人的にはYouTube等に上がっている最近のライヴ映像を観る限り、あまりリッパーは(少なくとも彼の過去の楽曲に)フィットしているようには思えず、ルックス的にも彼のバンドのメンバーとしては違和感アリアリで、ニュー・アルバムについても期待半分・不安半分といった感じです。


あと、ポール・ギルバート、マイケル・アモット、アレキシ・ライホ、DRAGONFORCEのハーマンとサム、ガス・G、そしてSyuといった人気ギタリストたちのルーツとなったお気に入りギター・アルバム紹介も面白かった。

DRAGONFORCEのメンバーが、STRATOVARIUSのようないわゆるメロディック・パワー・メタルに影響を受けたことをネガティブに表現していることは個人的にはあまりいい気分がしませんでしたが…。

この世代のギタリストになるとやはりジミ・ヘンドリックスだのジェフ・ベックだのといったギタリストを直接のルーツとして挙げることはなく(ポール・ギルバートは挙げていますが)、マイケル・シェンカーやゲイリー・ムーア、そしてイングヴェイやスティーヴ・ヴァイといった名前が挙がるんですね。

個人的にはSyuとの音楽的嗜好の被りっぷりに苦笑してしまいましたが、彼は「ジャーマン・メタル」に対する思い入れは薄そうで、その辺は私との3歳という年齢差の問題でしょう。

しかしこのミュージシャンの並びの中に梶山章を入れるのは、編集長の思い入れによるものなのでしょうが、逆に本人にとって気の毒なような気も…。
見事に彼のページだけ読み飛ばしてしまいました。


しかし、イングヴェイもほとんど友達のいない少年時代だったようだし、マイケル・アモットも「スポーツはさっぱり」で、ハードコア・パンクやらスラッシュ・メタルやら、周りの人間が誰も聴いていない音楽を聴いて悦に入る中二病ぎみの「イタい子供」だったようなので、やっぱギター・ヒーローになる奴なんてのは本質的に「クラスの人気者」とは無縁の存在なんだなぁ、なんてことを思ったり(笑)。

映画 『グローバル・メタル』 感想

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2日連続で映画の感想を。

本日は『メタル~ヘッドバンガーズ・ジャーニー』でメタル・ファンにはおなじみ(?)サム・ダン監督によるメタル・ドキュメンタリー第2弾。

前作はメタルのルーツを求める旅だったが、今回はメタルがどのように世界に広がっているかを取材する旅で、取材地はブラジル、日本、インド、中国、インドネシア、イスラエル、アラブ首長国連邦といった国々。

今回の取材地の多くの国々においてメタルは政治や宗教といった社会的な問題に対する「はけ口」あるいは「意志表示」であって、そういった問題と全く無縁な日本の状況は極めて異質に映されている。

正直この作品のコンテクストの中では能天気に映る日本人のファンは、言葉も生でわかるだけに観ていてちょっと気恥ずかしいのだが、他の国の人々にとってどう映っているのだろうか。

女の子のファンが多いように見えるので、羨ましがられるかな(笑)。

まあ、今回の取材国の中では日本だけが「平和な先進国」なので、単純に他の国々と比較されても困るのだが…。

いずれにせよ、他の国のメタル・ファンのピュアさ、アツさにはなかなか心打たれるものがあり、単なるエキゾチシズムに終わらない連帯感を感じずにはいられない。

日本人だって、政治や宗教については大して悩まないにせよ、個人的なレベルではいろいろな問題を抱え、そのフラストレーションややり場のない想いに対するはけ口としてメタルは存在しているはずなのだから。

楽しい時間を彩る音楽は時とともに移ろいゆくけれども、つらい時、苦しい時を支え、怒りや悲しみといったマイナスの感情と共鳴した音楽は一生の友になるはず。メタルはそういう音楽なんだと、僕は思っている。

なお、あえて茶々を入れるなら、この映画においてはメタルが各地域で独自の根付き方をしているように描いているが、同時に進んでいるはずの「均質化」に近い意味での「グローバル化」についてはほとんど焦点が当てられておらず、その辺は人類学の研究としてはやや片手落ちな気がする。

とはいえ、そんな小難しい話はどうでもよくて(?)、マックス・カヴァレラが「DESTRUCTIONのメンバーのガンベルトを真似したくて、乾電池をベルトに貼り付けて遠くから撮影した」なんて笑えるエピソードも聞けるし、単純に映画館の大きな画面と音響でメタルを見聞きできるというだけでも、メタルファンにとっては必見の映画であることは間違いありません。

とはいえ、渋谷のアミューズCQN単館で、しかもレイトショーだと地方の人はなかなか観れないよねぇ…。

メタルは実は地方で強い音楽なので、遠方から来た人の終電が危うくなるような時間に上映するのは商業的にあまり良い判断とは思えないのですが。

今日も雨の日曜日という悪条件もあって、正直ガラガラでした。ザッと数えて30人くらいしかお客さんいなかったと思う。

何回も観たいと思える映画だけに、このお客さんの入りではすぐに終わってしまいそうなのが残念です。

ちなみに、本作における話題のひとつであるX JAPANのYOSHIKIのインタビューは、全て英語です。ずっとアメリカで暮らしている割にはジャパニーズ・イングリッシュですが…。


映画『グローバル・メタル』日本語公式サイト