DVD 「LIVE AT WACKEN 2007」

dvdwacken2007.jpg

世界最大級のメタル・フェスティバルとして知られる、ドイツの「ヴァッケン・オープン・エア」の昨年の模様を記録したDVD。

2006年のものから発売されているが、メンツが微妙だったので購入には至らず。世の中的にも売れたとは思えないのにこうして今年も発売されたのは、単に複数年契約になっているからではないかと踏んでいます(笑)。

この2007年については、BLIND GUARDIAN、SAXON、DIMMU BORGIR、リッパー在籍時のICED EARTH、オーケストラと共演したRAGE、LACUNA COIL、TURISASなど、ちょっと観てみたいバンドがかなり収録されていたので買ってみました。

本来90バンド以上が出演しているのですが、一部のアーティストについては権利関係で収録ができなかった(STRATOVARIUSやAMORPHISが漏れているのが残念)ようです。しかしそれでも58バンド、トータル470分、DVD3枚組に及ぶ大ボリューム。

値段は7,350円(税込)とやや高めだが、実際にヴァッケンに行ったら10万ではきかないので(笑)よしとしましょう。

これだけバンドが多いと、印象に残らないバンドも多いだろうと思っていたが、意外とどのバンドもそれなりに記憶に残り、最後まで見通すことができた。

特にDISC1の、会場周辺の様子をレポートする映像は、フェスティバルの雰囲気を生々しく伝えており、楽しめる。

8時間の渋滞に巻き込まれても「気にならない。来れて嬉しい」という当地のメタル・ファンを見ていると、LOUD PARKでクロークや物販の行列がどうこう不満を垂れている日本のメタル・ファンが小さく思えるね。

前掲のバンドをはじめ、見所は多いが、ベースの女の子が激萌えな台湾のブラック・メタル・バンドCHTHONICと、コーラスとストリングスの女性が美人揃い(絶対顔で選んでるだろ)のHAGGARDは全くノーマークでしたが、いいもの見せてもらいました(って、女だけか)。

日本からもDIR EN GRAYとELECTRIC EEL SHOCKが出演しているのですが、どちらも他のバンドに比べて明らかに出音がショボく、ちょっと恥ずかしい気持ちになってしまいました(苦笑)。

いずれにせよ、色々なメタル・バンドのライヴ映像を観たい、と思っている方にはオススメのDVDです。
IRON MAIDENやAVANTASIA、NIGHTWISHなどが出演した今年のものもぜひ発売してほしいですね(IRON MAIDENは権利関係がシビアそうだが…)。

しかし、なんで発売元がジェネオンなんでしょう?メタルのリリース実績なんてほとんどないのに。
むしろそれでしがらみがないのがいいのかな。


■商品紹介ページ
http://www.geneon-ent.co.jp/music/WACKEN/gnbp1012/index.html
スポンサーサイト

BURRN!08年12月号の感想

burrn0811.jpg

BURRN!12月号を読みました。

表紙は予想と違ってBFMVとA7X。
編集長のコラムで語られている通り「あえて抜擢した」のか、単にAC/DCが押さえられなかっただけなのか定かではないが、個人的には好ましいことだと思う。

白黒2ページとはいえ、DIR EN GRAYを取り上げたのもこの雑誌なりの革新への歩み寄りなのでしょう。レビューはもの凄く上っ面で、無難にまとめた感がアリアリですが(笑)。

同様に、A7Xのライヴ・レポートで「Bat Country」を「3rdアルバムのタイトル曲」呼ばわりしている辺りにも、ホントにこのバンドが好きなのかという疑念が拭えない(苦笑)。

いずれにせよ、BURRN!の購買層が30代以上のオールド・ファンが大勢を占め、BFMVやA7Xを支持する層は「情報はネットからタダでとればいい、雑誌なんて立ち読みはしても買わない」というアティテュードだとしたら逆に部数を落とすかもしれず、この試みがこの雑誌にプラスと出るかどうかはわからない。

最近伝統ある雑誌の休刊が相次いでいるだけに、編集長コラムの「何冊も買って売り上げに貢献するとかね…いや冗談ですが」という言葉が個人的には全く冗談に聞こえない。

あれこれ言いつつも、この雑誌がなくなったら個人的にも困るし、シーンにとっても良くないと思うのでぜひ売れて「やっぱり若いバンドを表紙にしたほうがいいんだ」という流れになるといいですね。

蛇足ですが、覆面座談会形式による特集企画は、編集部のランチ時の雑談を録音して文字に起こしただけの手抜き企画にしか思えません。

EDEN'S CURSE / THE SECOND COMING

edenscurse03.jpg

前作となるセルフ・タイトルのデビュー作が、BURRN!誌での高評価を受け、マニアの間で話題となったEDEN'S CURSEのセカンド・アルバム。

前作発表後、プロモーション企画の一環として7曲入りのアコースティック・アルバム「SEVEN DEADLY SINS -THE ACOUSTIC SESSIONS-」が本作の制作と平行して制作され、アメリカで一足早くリリースされている。

私も前作の高得点でその存在は気になっていたものの、基本的な音楽性がメロディアス・ハードと形容されていたため、これまでB!誌のメロディアス・ハードの高得点には何度も騙されてきたため(苦笑)、敬遠していた。

しかし、こうして聴いてみると、食わず嫌いを全力で謝りたくなるほど素晴らしい。

音楽の骨格は初期のFIREHOUSEやSLAUGHTERのようなアメリカン・メロディアス・ハードに近いが、メロディ・センスには欧州的な哀愁・叙情味も多分に含まれており、非常に私好み。

しかもギターがかなりいい仕事をしており、その思いの外ハード・エッジなサウンドは「メタリック」という印象を受けるほど。

メロディアス・ハードで必要以上にギターが頑張ると野暮ったくなりがちだが、Voがパワフルであるのと、曲調がメロディアスではあってもポップではないため、絶妙にハマっていてむしろ心地よくさえある。

音楽性に対してギター・ソロは弾き過ぎという感もあるが、それもまたハード・ロックの醍醐味。バカテクというほどではないが、テクニックとエモーションを兼ね備えた理想的なHR/HMギターだ。

中盤ちょっと甘さに流れて中だるみするし、後半はちょっとメロディが弱い気もするが、それはアルバム前半の充実が半端ではないからで、楽曲は粒揃い。
この手の音楽で久々に心躍りました。

メンバーのルックスに華がないことや、昨今のトレンドを考えると、これほど高品質なアルバムであっても「マニア受け」で終わってしまいそうなことが非常に惜しまれる。

近年メタル復権の気運は高まっているが、こういう音楽が見直されないのではちょっと片手落ち、って気がするんですけどね…。

#3にデュエットでQUEENSRYCHEの「OPERATION : MINDCRIME」で知られる女性シンガー、パメラ・ムーアが、その他コーラスでドゥギー・ホワイト(元RAINBOW~YNGWIE MALMSTEEN~CORNERSTONE他)やトニー・ハーネル(元TNT他)が参加。【86点】


■MySpace
http://www.myspace.com/edenscurse

SYMPHONITY / VOICE FROM THE SILENCE

symphonity01.jpg

かつて03年にNEMESISというバンド名で「GODDESS OF REVENGE」というアルバムを発表、日本のクサメロ・マニアの間で評判となったチェコのバンドが、バンド名をSYMPHONITYに改めて発表したアルバム。

母国チェコには英語で強力に歌えるシンガーがいないということで、元DIONYSUSでRHAPSODYのギタリストであるルカ・トゥリッリのソロ・アルバムでもおなじみのオラフ・ヘイヤーを正式メンバーに迎えている。

音楽性は、L.M.P.レーベル所属でサシャ・ピートがプロデュース、といえばわかる人にはわかる、典型的なメロディック・パワー・メタルをプレイしている。

ここまでピュアなメロスピは5~6年前はゴロゴロしていたものの、今となってはむしろ珍しく、この手のマニアにはたまらない音なのではないか。

ちょっとDrが微妙だが、Gが時折差し挟んでくるネオ・クラシカルなパッセージがかなり効いており、その辺りもマニア心をくすぐってくることだろう。オラフ・ヘイヤーの声質・歌唱もあってか、NEMESIS時代に比べてクサみが減退し、明朗さを増したように感じられ、その辺が評価を分けるかもしれない。

個人的にはチェコのバンドもだいぶレベルアップしてきたなぁ、という感慨は抱きつつ、やはり西欧・北欧の一線級に比べるとまだまだ類型的で詰めが甘い、という印象も拭いきれない所です。

まぁ、現状でもマニアであれば楽しめるクオリティは充分にあるので、今後に期待、といった所でしょうか。【80点】


■MySpace
http://www.myspace.com/symphonity

AC/DC / BLACK ICE

acdc17.jpg

全米・全英とも初登場1位に輝いた、ラスト・アルバムとも噂される作品。

日本でもソニー・ミュージックの精力的なプロモーションの甲斐あってか洋楽チャート1位、総合チャートでも3位を記録。

効果のほどは?な施策も含め、洋楽でここまでキメ細やかなプロモーションをしてた例ってあんま思い出せないだけに、その甲斐があった感じですね。

私自身は彼らの大ファンというわけではなく、『エンパイア・レコード』という映画の中で彼らの「If You Want Blood(You've Got It)」に合わせて主人公たちがエア・バンドをやっているシーンを観て興味を持ち、同曲が収録されている「HIGHWAY TO HELL」を聴いてみたら結構気に入り、ついでにロック・クラシックとして有名な「BACK IN BLACK」も聴いてみた…という程度の初心者です。

余談ですが、『エンパイア・レコード』は他愛もない映画だけど、大きめのCD屋でバイトしてた経験のある人なら楽しめると思う、個人的にお気に入りの映画です。

てなことはさておき、そんな初心者の感想として言わせていただければ、今回のアルバムは結構いいのではないでしょうか。

一応私がHR/HMを聴き始めて以降にリリースされた「BALLBREAKER」と「STIFF UPPER LIP」も耳を通していますが、本作の印象はその2作に比べて格段にいい。

ブレンダン・オブライエンによるプロデュースが効いているのか、単純に聴いてて気持ちいいライヴ感のあるサウンドだ。

特に前半イイ感じのノリの曲が続いて、iPodで聴きながら歩いていると自然に早足気味になって溌剌と歩ける感じ。特に#3、#5、#8とかイイね。#4も意外なほどキャッチー。

本当にラスト・アルバムになるかどうかはともかく、「後期の代表作」と呼ばれることになりそうな会心作。
でも、たしかに言われてみるとアルバムラストのタイトル曲の歌詞は「こいつでオシマイだ」って言ってるようにも読めるから不思議なもんですね。


■ソニー・ミュージックによるスペシャルサイト
http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Special/acdc/index.html