WITHIN TEMPTATION / BLACK SYMPHONY

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先日紹介したLACUNA COILをイタリアを代表するバンドと呼ぶのであれば、こちらもまたオランダを代表するバンドと言って間違いないであろうWITHIN TEMPTASIONのライヴCD+DVDのセット。

欧州では9月に発売されているので熱心なファンの方は既にチェック済みだろうが、DVD1枚、2枚組、2CD+2DVDスペシャルエディションなど様々なフォーマットが発売されており、日本ではこうしてCDメインでDVDはボーナス、的な見せ方になっているのはマーケティング上の戦略でしょう。

しかし、商品としての体裁はどうあれ、本作の目玉はやはり何といっても映像。

オランダの大都市ロッテルダムにある1万人収容の「アホイ・アリーナ」で行なわれたオーケストラとの共演ライヴである本作には、かつてスティーヴ・ヴァイとも共演した実績のある60人編成のメトロポール・オーケストラ、そして35人のクワイアを迎え、ただでさえ荘厳な彼らの音楽が圧倒的なスケール感で迫ってくる。

ステージセットも豪華で、大聖堂を思わせるセットにパイロ、ライティングも素晴らしく、映像も駆使して彼らの音楽世界をより劇的に彩る。

1万人収容のアリーナを埋め尽くした観客の盛り上がりも素晴らしく、まさに非の打ち所のないお膳立てだ。
オーディエンスに若い女の子やカップルが多く見受けられるのも、当地での高い人気を感じさせられる。

もちろんこれだけのシチュエーションにバンド側も気合が入っており、もともと安定して良いショウを提供するバンドだが、明らかにこれまでの映像や、LOUD PARK 06で観たときよりも緊張&高揚した面持ちで熱演する。

ゲストも参加しており、アルバムにも参加していた元LIFE OF AGONYのキース・カピュートが"What Have You Done"の際に登場。

シャロン・デン・アデル(Vo)も含め、メンバーがおしなべて長身なこともあるが、それと比較せずともキース・カピュートの小ささは尋常ではなく、HYDEかプリンスかホビットか、といった感じで、LIFE OF AGONYの歌詞があれほど暗かった理由がわかった気がした。この小ささじゃイジメられっ子確定でしょ…。

いや、歌はハードコア出身とは思えないほど上手いですけどね。

あともう一人、元THE GATHERING、現AGUA DE ANNIQUEのアネク・ヴァン・ガースバーゲンがアコースティック・バージョンの"Somewhere"に参加。

元々THE GATHERINGのフォロワーといってもいい存在だったWITHIN TEMPTATIONのショウにアネクが参加するというのはなんか微妙な気もするが、個人的にはまさにこの曲が本作のハイライト。

アネクはかつて(だいぶ前だが)欧州のメタル雑誌で「お嫁さんにしたいミュージシャン」No.1に選ばれただけあるチャーミングさを今なおキープしており、大胆なミニで露出した太腿につい萌えてしまいました(笑)。

いや、歌声も個人的にはシャロンより好みです。

英国のKERRANG!誌において「この地球上で最高のショウ」と絶賛され、最高点(5K)を献上されたのも納得の素晴らしい映像作品。

あえて難癖をつけるのであれば、シャロンのパーマがちょっとオバサン臭いような…(笑)。ま、実際もういい歳なんですが。

いや、マジでこれなら彼女はおろか親にも見せられるような気がするよ。
かかっている金に相応しい感動を提供してくれる本年度ベストDVDです。

◆本作のトレーラー映像
http://jp.youtube.com/watch?v=yCxb8FwhzK8


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LACUNA COIL / VISUAL KARMA (DVD)

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イタリアを代表するゴシック・メタル・バンド、いや、もはや全世界的な成功の度合い、知名度においては紛れもなくイタリアNo.1のロック・バンドといえるLACUNA COIL初となる映像作品。

メインとなるのはWACKEN OPEN AIR 2007およびLOUD PARK 07でのライヴ映像で、購入動機は自身が観に行ったLOUD PARKでのステージが観られること。

ステージの印象も良かったし、やっぱ自分が観に行ったライヴが商品化されるというのはそんなにあることじゃないですからね。

LOUD PARKで観たときも思ったが、やっぱりこのバンドのライヴはなかなか良い。
特別何か凄いというバンドではないのだが、紅一点の女性Voクリスティーナ・スカビアという華があり、もう一人の男性Voアンドレア・ファロ(通称ノブナガ)もエネルギッシュにオーディエンスを煽り、盛り上げる。

さらにギターが2人、ベースと、フロントに5人も人がいるため、横一線に並んでヘッドバンギングしたときの迫力もかなりのもの。
WackenもLOUD PARKもステージが大きいからこそのパフォーマンスですが、やはり長期の全米ツアーで鍛えられただけある、充実したライヴです。

2ステージでプレイしている曲は同時期ゆえほとんど被っているが、見比べができて面白いと言えば面白い。

DISC2はメンバーのパーソナリティに迫る映像で、クリスティーナが関わっている、アフリカの貧しい村に井戸を掘るというボランティアについて語ったり、Drが趣味というか特技である太極拳を披露したりという、ファン向けの映像を収録。

こういう音楽と関係ない余裕の映像を出してくるあたりが大物の風格というやつなんでしょうね。

特別ファンというわけではない私でも楽しめたので、ファンであれば必携でしょう。

◆本作のトレーラー映像(YouTube)



NICKELBACK / DARK HORSE

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BURRN!で95点を獲得したカナダ出身の人気バンドNICKELBACKの5作目のアルバム。

一応このバンドのことは、彼らのブレイク作である「SILVER SIDE UP」の頃から知っていたが、「ああ、アメリカ人が好きそうなバンドだね」くらいの印象しか持っていなかった。

それだけにBURRN!誌の点数を見たときには、「ちょwwwニッケルバックなんてHR/HMじゃねえだろwww。個人的に好きなのは結構だけど、点数は自重www」と思ってしまった。

しかし長らくBURRN!厨をやってきた悲しい性で、ふと立ち寄ったCDショップの試聴機にこのアルバムが入っているのを見て、つい再生ボタンを押してしまった。

聴こえてきた1曲目"Something In Your Mouth"のリフを聴き、「ほら、やっぱ全然好みじゃないリフ…」と思ったのも束の間、入ってきたドラムのサウンドを聴いて一気に惹き込まれた。

このエコーのたっぷり聴いたドラムの音…紛れもなくジョン“マット”ラングのサウンド。私の大好きなタイプのサウンドだ。

聴き進むと、サビも相当にキャッチー。イイネイイネ。

3曲目の"Gotta Be Somebody"は、あまり熱心な洋楽ポップリスナーではない私でさえ「あ、これ聴いたことある…」という大ヒット曲で、そのキャッチーさと来たら5年に1曲クラスの名曲ぶり。

ここまで聴いてレジに持って行きました。

その他の曲も完成度が高く、個人的にはちょっと地味な曲もあったけど、かなりの満足度。

個人的に「ポスト・グランジ」に括られるバンドがここまでコマーシャルなプロダクションを受け入れたことに「時代は変わった」と感慨深いものを感じずにいられなかった。

たぶん、これまでの彼らが好きだった人の中には「やりすぎ」だと思う人もいるだろう。

でも、私はこれくらいキャッチーになってようやくハマれる。
その人がファンをやめるなら、私が代わりにファンになる。バンドにとってはそれでいいはず。

きっと、この変貌をボロカスに叩く評論家もいるに違いない。
でもそれは、「大衆が好きなもの」を否定することでしかアイデンティティを示せない淋しいひねくれ者だと思う。

だって、このアルバムを聴いて、バンドの本質が変わってしまったとは思えないから。
チャド・クルーガーのタフな声質もあって、ポップな曲でさえもちゃんと骨太なままだ。

このアルバムが21世紀の「HYSTERIA」になるかどうかはやや疑問だが、私の今年の年間ベスト選びにおけるダークホースであることは間違いない。


◆NICKELBACKのMySpace
http://www.myspace.com/nickelback

GUNS N' ROSES / CHINESE DEMOCRACY

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そろそろほとぼりも冷めてきた感じがするので、実質17年ぶりとなるガンズの新作、「CHINESE DEMOCRACY」の感想でも。

つか、ほとぼり冷めるのが早すぎる気もするけどね(苦笑)。
ビルボードも登場2週目にして18位に急降下だし。
そもそも初登場1位で当然と思ってたのに最高3位って。

でも、やっぱ17年は長いよ。17年間変わらずにいられる人なんてそう多くない。どんな想いも色あせておかしくない。そら神通力も落ちるわ。

で、個人的な感想はというと、METALLICAやWHITESNAKEやEXTREMEといった今年こぞってアルバムをリリースしたベテラン組の諸作と同じく、「悪くない。でも全盛期には遠く及ばない」というもの。

まあ、「APPETITE FOR DESTRUCTION」は「瞬間の奇跡」みたいなアルバムだったと思うので、それを期待はしてなかったし、本作のバラエティに富んだ内容は「USE YOUR ILLUSION」の次作としてごく順当な作風だ。リリース・インターバルの異様な長さを別にすれば…。

一時期NINE INCH NAILSのようなサウンドになる、という噂が流れたが、結局#2など一部の楽曲やアレンジにそういった面影を残すにとどまった。

どうせ売れないなら、ニール・ヤングの「TRANCE」もビックリの黒歴史作を出してみるのも面白かったと思うのだが。

メランコリックな#3など、結構気に入った曲もあるが、いささか気になるのは明らかにVoが前に出て演奏が抑えられたミックス。

こりゃたしかに「ガンズではなくアクセル・ローズ・バンド」と言われるのも無理ないよ。このミックスはハッキリ言って本質的には歌謡曲と同じだ。
結構達者なギター・ソロとか聴こえてくるけど、バンド・メンバーの顔も見えないし。

「USE YOUR ILLUSION」は完成度の高いアルバムではなかったが、少なくともバンドの音をしてたし、あれはあれでスリリングな「ロック」だった。

もちろん、ここ15年の音楽シーンを見ていて、果たして自分の音楽が受け入れられるのか不安になる気持ちはわからないでもない。
かつて天文学的なセールスを記録したバンドとしてプレッシャーが尋常ではなかったのもわかる。

でも、ビクビク引きこもっているには、17年という時間は長すぎるよ。常考。
なまじそれができるだけの経済力を得てしまっていたことが問題なんだろうけど、普通のバンドならアルバム5、6枚出して地球を何周かしてるぜ。

例えセールスが多少落ち込んでも、普通にアルバム出してツアーする「ビッグネームのロック・バンドのワンオブゼム」になってしまっても、きっとその方がアクセルの人生は豊かになったと思うなあ。大きなお世話なんだろうけど。

BLESSED BY A BROKEN HEART / PEDAL TO THE METAL

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この曲名かアルバムのタイトルと間違えそうなバンド名を持つBLESSED BY A BROKEN HEART(以下BBABH)はカナダ出身のバンド。

基本的なスタイルとしては一応メタルコア…ということになるのかもしれないが、全編に漲る80’Sテイストが類型的なメタルコアとは一線を画している。

キャッチーなギター・リフに覚えやすいコーラスはダイレクトに80年代のHR/HMバンドからの影響を感じさせるし、特にアルバム全編で鳴り響くKeyのサウンドがここ数年ついぞ耳にすることがなかった黄金の80年代サウンド。

HR/HMファンにわかりやすいようにいうとVAN HALENの名曲「Jump」で聴けるようなキラキラしたKeyサウンドが満載、ということなのだが、ウソかマコトか、本作で使用されているキーボードはエディ・ヴァン・ヘイレンから直接購入したものだとか。

しかもそのKeyサウンドは単に80’Sメタルからの影響というにとどまらず、リック・アストリーのようなPWLサウンドに代表される80年代ディスコに影響されたものだそうで、サビなどは下世話なほどのポップさを発散し、時にダンサブルでさえある。

私自身は恥ずかしながら(?)高校時代にはユーロビートにハマった経験があるので意外とこのサウンドを素直に気持ちイイ、と思ってしまったが、やり過ぎだと思う人もいるかも。

マジなのかネタなのか80’Sへア・メタル・バンドのようなケバいルックスといい、お世辞にもセンスがいいとは言えないアルバム・ジャケットといい、イロモノっぽさ全開だが、キャッチーな曲作りのセンスと演奏力はかなりのもので、時代の流れとプロモーション次第では化けるかも。

ちなみに、これもマジなのかネタなのかわかりませんが、彼らはクリスチャン・メタル・バンドだそうです。【85点】

◆BBABHのMySpace
http://www.myspace.com/blessedbyabrokenheart

◆「Move Your Body」のPV [YouTube]