ロニー・ジェイムズ・ディオが胃ガンに

HR/HM史上最強ヴォーカリスト、ロニー・ジェイムズ・ディオが胃ガンと診断され、入院したそうです。

幸いにも初期のようなので、転移さえしていなければ大事には至らないと思われます。

本人もステージへの復帰を切望しているとのことですが、さすがの歌神といえど、しばらくは腹から声を出すことは難しいかもしれませんね(笑…っている場合じゃありませんね)。

でもまあ、67歳? 普通の会社員ならとっくに定年退職ですよね。
いや、ロニー翁ほどの方であれば役員として会社に残ってても不思議ではありませんが(笑)。

年齢を考えれば驚異的なレベルながら、やっぱり衰えは隠せないし、これを機に引退して静かな余生を送ってもいいんじゃないかな…なんて気もするんですけどね。先日HEAVEN AND HELLで最後の(?)ひと花咲かせたことですし。

彼がこれまで生み出してきた数々の名曲・名盤からの印税はもちろん、先日も2000年に発売されたRaino編集のベスト・アルバムがほぼ10年がかりでアメリカでゴールド・ディスク(累計50万枚セールス)に達した、なんて話もあったので、老後の生活も心配ないでしょうし。

「生涯現役」を目指すにはやっぱHR/HMってしんどい音楽ですよね…。

しかし先日はピーター・クリス(Dr:元KISS)が男性なのに乳ガンに罹っていた、というニュースがちょっと話題になっていましたが、こうなるとHR/HM界の高齢化を感じずにはいられませんねぇ…。

何はともあれ、ロニーの一日も早い回復を祈りたいと思います。


◆ニュースソース
http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=131004
スポンサーサイト

LORD来日公演@新宿ANTIKNOCK

DUNGEONの遺志を継ぐ、オーストラリアを代表するメロディック・パワー・メタル・バンド、LORDの来日公演を新宿アンチノックで観てきました。

LORDの来日公演といっても、出演するのはLORDだけではなく同じくオーストラリアのTRUTH CORRODED、日本のGRIM FORCE、VIGILANTE、ARGUMENT SOULと、計5バンドが出演する実質対バン形式のイベントです。

おかげさまで17時開場、17時半開演にもかかわらず終了したのは22時過ぎでした。
明日も仕事だっつーの。

まあ、私は本日ヤボ用があって車で木更津方面に行っていたので、会場に着いたのは18時過ぎでしたが。
その時点で最初のバンドであるGRIM FORCEが「最後の1曲」をプレイし始める寸前でした。

以下、各バンドの感想というか印象をツラツラと。

GRIM FORCE

会場自体が大学のバンドサークルのイベントで使われるような規模のライヴハウスで、ちょっと懐かしかったのですが、このバンドのパフォーマンスもちょっと学生バンドを思わせました…(前述の通り1曲しか観てませんが)。

基本はスラッシュ・メタルだと思いますが、さわやかなルックスにマイルドな声質のVoが曲に致命的に合っていないように思います。特に時折聴かせるか細いハイトーン・シャウトはかなり厳しい…。

【GRIM FORCEのMySpace】
http://www.myspace.com/grimforce


VIGILANTE

伝説の「メロディック・メタル・フェスティバル」でLORDの前身と言ってもいいDUNGEONと共演しており、LORDのデビュー作の日本盤ボーナス・トラック(Xの「Silent Jearousy」のカヴァー)では、このバンドのVo、丹羽英彰がVoを務めている、という縁で本日の参加になったと思われます。

このバンドは実は知っていて、デビュー作(と言っても10年近く前ですが)の「CHAOS-PILGRIMAGE」は買ってました。
そのときから日本のバンドにしてはレベル高いな、と思っていましたが、本日もなかなかのパフォーマンスでした。

特にVoの丹羽英彰が素晴らしく、デス声からラップめいた歌唱まで幅を広げつつ、とにかくハイトーンの伸びが日本人離れしていました。

目をつぶって聴いていれば「Inside Out」あたりからCDをリリースしている欧州のプログレッシヴ・メタル・バンドと遜色ない感じです。

あえて難癖をつければ、MCはもっとゆっくりしゃべった方がいいと思います。

【VIGILANTEのMySpace】
http://www.myspace.com/vigilantemetal


ARGUMENT SOUL

また学園祭バンドのノリに逆戻り。なんでこのバンドの出演順がVIGILANTEより後なんだ? と思いましたが、確かにこのバンドのほうがファンも多い感じで、盛り上がっていました。

学園祭バンドっぽく感じた理由のひとつであるVoは、どうやら本日MCでもチラッと言っていたように不調だったようで、MySpaceの音源を聴く限り、本調子のときはマトモな歌唱を聴かせてくれるようですね。

それでも、グダグダのMC、ショウ運びは、決して褒められたものではないと思います。
ただ、本日はなんでもドラマーさんが脱退する最後のライヴという、彼らにとって「特別な日」だったようで、ある意味イレギュラーなライヴだったことがグダグダになった原因かもしれません…?

曲はちょっとモダンな要素のある勇壮なパワー・メタルといった感じで、割と好みな感じでしたが。

このバンドのアルバムにLORDのロード・ティムが参加しており、LORDの新作にこのバンドの丸山善康が参加するなど、このバンドもVIGILANTE同様に縁あっての今回の競演のようです。

【ARGUMENT SOULのMySpace】
http://www.myspace.com/argumentsoul


TRUTH CORRODED

全然知らないバンドです。デス・メタルの要素の強いメタルコア、あるいはメタルコアの要素の強いデス・メタルといった感じの、かなりブルータルな音でした。

音楽性の違いもあるとはいえ、正直これまでの日本のバンドとは出音が違っていて、ひょっとして出音と体格って関係あるのか、なんてバカバカしいことを考えてしまいました。

個人的にはまったく好みではない音楽でしたが、フロアはモッシュやらサークル・ピットやら(といっても暴れていたのは10人くらいですが)で盛り上がっていましたし、実を言えば本日一番プロフェッショナルな印象のショウでした。

MACHINE HEADの「Davidian」のカヴァーもプレイしていました。

【TRUTH CORRODEDのMySpace】
http://www.myspace.com/truthcorroded


LORD

そして本命、LORDの登場。ずっと立ちっぱなしで脚がスティックのようだぜ。

MEGADETHやANGRAといった一線級のバンドのサポートを務めた経験もあるだけに、意外とレベルの高いパフォーマンスが観れるのでは、と期待していましたが…残念なことにやっぱりB級でした(苦笑)

セットリストは以下の通り。

01.Redemption
02.100 Reasons
03.Paradise(*)
04.Legend Of Huma(*)
05.Insanity's Call(*)
※Guitar Solo
06.Set In Stone
07.Resurrection(*)
--アンコール--
08.I Am Death(*)
09.Limb From Limb

(*)はDUNGEONの曲で、なぜか「RESURRECTION」アルバム(あるいはEP「RIGING POWER」)収録曲に偏っていました。
個人的には「Don't Leave Me」と「Against The Wind」が聴きたかったのですが。

ロード・ティム(G)とマーク・ファートナー(G)の掛け合いコントめいたギター・ソロ・タイムで、マークがかなりのバカテクの持ち主であることが明らかに。

アンコールの「I Am Death」では、彼らの新作にも参加していたARGUMENT SOULの丸山善康(G)がステージに上がってギターをプレイし、さらにラストの「Limb From Limb」ではTRUTH CORRODEDのメンバー全員がステージに上がり、ただでさえ狭いステージに大柄なオーストラリア人が10人近くひしめいて大変なことになっていました(笑)。

このバンドのB級っぽさというのはひとえに中心人物であるロード・ティム(Vo, G)の歌声の細さによる所が大きく、これで強力な専任シンガーがいたらだいぶ違うはずなのに…と残念に思いました。

書く曲はカッコよく、ギターもかなり上手い、という意味で、個人的にはロード・ティムには私が敬愛するカイ・ハンセン(元HELLOWEEN~GAMMA RAY)通じるものを感じており、勝手に「オーストラリアのカイ・ハンセン」と認定しています(楽曲に先達のパク…いや、オマージュが感じられる所も含めて:笑)。

なまじちょっと歌えるもんだから自分で歌おう、と思ってしまうんでしょうけど、カイ・ハンセンのいたHELLOWEENだってマイケル・キスクが加入したからこそあそこまで成功したわけで、やはりブレイクを狙うには強力なフロントマンが欠かせない気がします。

最新作「SET IN STONE」は過去最高と言っていいほどの仕上がりだけに、こんな小さいライヴハウスで、100人にも満たない(しかもそのうち結構な人数が出演者とその関係者っぽい)オーディエンスの前でライヴやってるのはもったいないと思います。

てか、ぶっちゃけこの日本ツアーってほとんど自腹なんじゃないの?
この規模でとても儲かるとは思えないんですけど…。

【LORDのMySpace】
http://www.myspace.com/lordaus


あと、本日バンドとバンドの間の場内BGMがとってもメタルマニアな選曲でいい感じでした。
メジャーどころのIRON MAIDENの「Aces High」やAC/DCの「Highway To Hell」なんかではお客さんの合唱も起きていましたね。

LORDが終わった後に流れたのがKANSASの「Dust In The Wind(すべては風の中に)」だったのもツボでしたね~。連休の終わりをしんみりと締めてくれました。

『Rolling Stone』日本版 09年12月号の感想

rollingstonemagazine0911.jpg

「ローリングストーン日本版」12月号の特集見出しは「誰も知らないB'z」。

先日稲葉浩志がスラッシュ(元GUNS N' ROSES~VELVET REVOLVER)のシングルに参加し、洋楽として2002年7月8日付でヴァンゲリス「アンセム~2002FIFA WORLD CUP公式アンセム」が5位を獲得して以来、7年5ヵ月ぶりとなるオリコンTOP5ヒット(4位)を記録しましたが、きっとそのタイミングだからこそ、の我らが伊藤政則センセイによるB'zインタビュー。

あえてインタビューという形式を放棄し、「日常会話的雑談」形式にしてみたとのことだが、まあ結構普通のインタビューです(笑)。

そういう形式にしたことに深い意味はない、とのことですが、邪推するに伊藤政則氏はそれほどB'zに詳しくないので、これまで数々のHR/HM系バンドに対してしてきたような鋭いインタビューができそうもなかったために、こういう言い方をしたのではないでしょうか。

まあ、B'zを聴きまくっている伊藤政則なんて想像つかないし、「こんな伊藤政則は嫌だ!」って言われそうだから別にいいですけどね(笑)。

HR/HMを聴いている人の中にはなぜかB'zを嫌っている人が多いように思いますが、こういう半雑談のような話を聞いて(読んで)いると、彼ら2人は「それほどマニアックではない、普通のHR/HMファン」という感じで親近感が湧きます。

松本孝弘は「僕は稲葉よりも世代が上だから“アンチ・アイアン・メイデン派”なんですよ」だったのが、映画「フライト666」を観て好きになっちゃった、なんて話もいかにもありそうな話だし、インタビュー中で稲葉にiPodに入れるメイデンのアルバムを選んでもらっている光景なんかも微笑ましい。

ちなみに、B'zのお二人が選ぶアルバム5選は以下のようなもの(たぶん順不同)。

【松本孝弘が選ぶ5枚】

◆マイケル・シェンカー・グループ「神(帰ってきたフライング・アロウ)」
◆UFO「UFOライヴ」
◆ディープ・パープル「カム・テイスト・ザ・バンド」
◆レッド・ツェッペリン「フィジカル・グラフィティ」
◆スティーリー・ダン「幻想の摩天楼」

ツェッペリンとパープルのチョイスが渋すぎる。
…ホントにこれが人生の5枚ですかぁ? 通ぶってるんじゃないですか?などと言ってみたくなったり(笑)

【稲葉浩志が選ぶ5枚】

◆アイアン・メイデン「鋼鉄の処女」
◆ジェフ・ベック「ワイアード」
◆クイーン「シアー・ハート・アタック」
◆レッド・ツェッペリン「永遠の詩(狂熱のライヴ)」
◆エアロスミス「ロックス」

ヴォーカルなのにジェフ・ベックというのが謎ですが、ギターのメロディを全部歌えるほどハマったそうです。
学生時代にコピー・バンドをやっていたラウドネスがないのが意外でしたが、その辺はオシャレ系である雑誌のイメージを意識したんですかね(笑)。

ちなみにこの号には、その稲葉浩志と共演したスラッシュのインタビューも見開き2ページだけですが載っているし、「ゾンビ解体新書」と題した4ページのロブ・ゾンビの分析記事、さらになんと8ページにおよぶレミー(MOTORHEAD)へのインタビューまで掲載されており、幅広いHR/HMファンにとって楽しめる号になっている。

レミーのインタビューは「BURRN!」でも毎回クールなのですが、ここでもクールな話をたくさん聞くことができる。

セックス・ピストルズのシド・ヴィシャス(B)がレミーをクラブで捕まえてはベースのレッスンを頼んでいた、なんて話も興味深いが、その件について「芸術的才能がなかったんだろう」とバッサリ斬り捨てているあたりもまた痛快。

その他、クロマニヨンズやU2などの記事も載っており、これくらいのアーティストならHR/HMファンの中にも好き、って人は結構いるんじゃないでしょうか(私もU2は好きです)。
3連休の暇つぶしには悪くない一冊でした。


◆Rolling Stone 日本版公式サイト
http://www.rollingstonejapan.com/

DEAD END東京公演 @渋谷AX

うまいこと仕事から脱け出せたので、行ってきましたDEAD END東京公演@SHIBUYA-AX。
当日券はちゃんと出ていましたが、場内はほぼ満員。

私はフロア前半の中央後方で観ていたのですが、周りは7:3から8:2くらいの割合で男が多かった感じです。

じかし、ショウが始まってみると、前方からは女性の声が多く聞こえてきたし、帰りがけに会場から出てくる観客を見るとかなり女性が目立ったので、実際は男女半々くらいだったのでは。

HYDE、清春、河村隆一、Janne Da Arcなど、彼らに影響を受けたと思われる大物ミュージシャン達からの花輪が物販スペースの前に飾られており、目を引いていました。

あと、なぜかALI PROJECTからも花輪が。接点は何でしょう?

清春のものが断トツで大きく、隣に置かれたHYDEのものがショボく見えてしまってお気の毒でした。

本日は2階席が関係者席になっており、その清春をはじめ、Janne Da ArcやSEX MACHINGUNS、La'cryma Christiのメンバー、そしてSUGIZOなど、錚々たるメンツが来場していたようで、関係者席をチラチラ見上げる人の姿も目立ちました。

開演前のBGMでジョン・サイクスの「Please Don't Leave Me」やGUNS N' ROSESの「Welcome To The Jungle」などがかかっており、少なくとも気持ちの上ではこういう音楽との接点は捨てていないのかな、などと勝手に思ってみたり。

定刻の19時を少し過ぎたころ客電が落ち、青~紫の幻想的なライティングと共に、ニュー・アルバムに収められているインスト的な「疑似ヴィーナス」が流れ、メンバー(と、ゲスト・ドラマー扱いの真矢)が登場。

セットリストはたぶん以下の通り。

01.擬似ヴィーナス
02.摩天楼ゲーム
03.テレパシー
04.Dress Burning
05.神猿
06.FRENZY
07.Danse Macabre
08.Psychomania
09.I Can Hear The Rain
10.Promised Land
11.The Godsend
12.Kill Me Baby
13.Guillotine
14.Perfume Of Violence
15.Devil Sleep
16.冥合

--1st アンコール--
17.Princess
18.I'm In A Coma

--2nd アンコール--
19.BEYOND THE REINCARNATION
20.Song Of Lunatic

--3rd アンコール--
21.The Awakening

YOU(G)とクレイジー・クール・ジョー(B)は、だいたい新作の曲と、解散前の曲で楽器を取り換えていた感じ。

ただ、新作の曲でも一番ハードな#15「Devil Sleep」のときだけは、YOUは主に解散前の曲で使用していたポジションマークが光るピンクのフライングVを使っていた。

リハが充分ではなかったのか、ちょいちょいミスと思われる箇所も散見されたが、YOUのギターのトーンはかなり素晴らしかった。

女性の黄色い声が多く、皆が競い合うようにメンバーの名前を叫ぶなど、私が普段行き慣れたメタルのライヴとは若干異なる観客のノリもあり、全体的にはヴィジュアル系っぽい印象を受けざるを得なかった本日のライヴにおいて、HR/HM的なカタルシスを放っていたのはYOUのギター・プレイだけだったと言っても過言ではない。

いや、ジョーのベースも良かったけど、なんかもっとエグいプレイをする人なのかと思っていたら意外とフツーでちょっと肩透かしというか(笑)。
小柄と言ってもいいくらい細かったのも、個人的には意外でした。

急遽ツアーへの不参加を表明した湊雅史に代わってゲストとしてプレイした真矢のドラムは、悪くはなかったものの、なんかちょっと味気ないんですよね。

私はLUNA SEAはかなり好きなんですが(大学時代コピーバンドをやったこともあるくらいです)、当時からその印象は変わりません。

ただ、先輩バンドでのプレイというプレッシャーの強い状況で、しかもやたらキメが多くて難易度の高いDEAD ENDの曲を20曲以上もかなり短期間でマスターしなくてはならなかったことを思えば健闘していたと思うし、充分役割を全うしたと言っていいのでは。

そして何と言ってもMORRIE(Vo)のカッコよさは圧巻でした。本当に中年?

ショウの途中、モニターの上に立ち、照明によって映し出されたシルエットは、まさに現代に降り立った堕天使そのもの。
「冥合」での後光が差すようなライティングの中で歌うその姿は、神々しささえ感じたほど(厳密には真矢の後ろから後光が差していたのですが:笑)。

ただ、MCも少なく、アクションも決して多くないそのパフォーマンスは「ただしMORRIEに限る」って感じの、かなり生来のカリスマ性に依存したものではないかと思います。

歌唱自体の説得力は必ずしも完璧ではなかっただけに、もし、DEAD ENDが解散しなかったら、あるいは解散後も別の形でずっとシーンにとどまり、ライヴ経験を重ねていたら、この人はどういうフロントマンになっていたのか、などと考えても詮無い思いが脳裏に去来しました。

途中ショウの後半で、ドラムキットに上り、ギター・ソロ中に真矢のビートに合わせて激しく頭を振ってみせたのが本日唯一と言ってもいい「熱い」アクションでしたね。

ただ、だからというわけでもないと思うが、実際の所今夜の観客のノリは今一つだったように思う。

活発に腕が上がっていたのはかなり前の方だけで、私の周りでは軽く身体を揺らすだけの人ばかり。

むろん年齢層が高めなことはあると思いますが、この手のバンドのノリってもっと熱狂的なものだと思っていたので、ちょっと意外でした。

途中、MORRIEが「20年前から来てる人」という問いかけに場内の3割強くらいの手が上がったのに対し、「今回が初めての人」という問いにもほぼ同じくらいの手が上がったので、必ずしも年齢の問題だけでもないような気がするんですけどね。

ていうかぶっちゃけ、今日初めて観て、このバンドが売れなかった理由ってやっぱりちょっと近寄りがたいムードが強すぎるからじゃねーの?って気がしたな。まあそれはカリスマ性の裏返しなんだけど。

一度客電がついた後の3回目のアンコールでは、クレイジー・クール・ジョーが「Tigers」と書かれた黄色のTシャツを着て登場し、MORRIEに「虎キチ、タイガー・ジョーです」と紹介されるなど、お茶目なシーンもあったのですが、きっと解散前はこういうのもなく、ひたすらストイックにカリスマ的なムードを振り撒いていたのでは、と推測します。

90年代に売れてたヴィジュアル系のバンドって、なんだかんだ言ってもっとファンに歩み寄っていましたからね。
まあ、それが良いことかどうかは価値観の問題ですが。

DEAD END / METAMORPHOSIS

deadend05.jpg

8月15日に幕張メッセで行われた「JACK IN THE BOX2009 SUMMER」で再結成を果たしたDEAD ENDの、89年発表の「ZERO」以来、実に20年ぶりとなるニュー・アルバム。

先日のエントリーで取り上げた「DEAD LINE」の再発盤と一緒にAmazonで注文していたのだが、いわゆるkonozama状態によって手元に送られてくるのに時間差が生じてしまった。

割引率がかなり高かったことに釣られて普段新譜の購入には使わないAmazonを使った報いですが、まあ、とりあえず「DEAD LINE」だけでも早々に送ってきたことは評価します。

そんな話はさておき、DEAD ENDはアルバムによって音楽性がかなり異なり、しかもこれまでリリースしてきた4作それぞれに独自の魅力がある。

何しろ私が彼らの曲で特に好きなのはデビュー作である「DEAD LINE」の1曲目「Spiders In The Brain」と、解散前最後の音源となった「Good Morning Satelite」だが、アルバムとして一番いいと思うのは3rd「SHAMBARA」というバラバラっぷりだ。

そのため、私のように特定の時期に個人的な思い入れのない後追いファンには、正直ニュー・アルバムに何を期待していいのかわからなかった。

ましてや「例えどんなアルバムでも、出してくれるだけで感動っス!」というほどの熱狂的な「信者」ではないだけに尚更である。

しかし実際の所、このアルバムが届いてから今日まで、私は憑かれたようにこのアルバムばかり聴いている。
今年出たアルバムで、収録曲全ての曲名を自然に憶えられたのは本作だけだ(日本語の、それもかなり個性的なセンスのものであることも大きいが)。

正直、基本的にHR/HMの話題を書くことにしているこのブログで本作を取り上げることには若干の躊躇がある。
なぜなら、本作で聴かれる音楽は、おそらく大多数の日本人にとっては「ヴィジュアル系」に聴こえるサウンドだからだ。

こんなことを言うと、古参のファンの方からは、「ヴィジュアル系の連中なんて、みんなDEAD ENDの出来損ないの物真似じゃ! 一緒にすんなヴォケ!」と罵倒されるに違いない。すみませんすみません。

事実DEAD ENDはLUNA SEA、L'Arc-en-Ciel、黒夢といったいわゆる典型的なヴィジュアル系ロックの雛型を作ったバンドたちのサウンド/ルックス両面に直接的な影響を与えており、X JAPANをヴィジュアル系の「表の元祖」とするなら、DEAD ENDは「裏の元祖」と呼ぶべき存在だ。

X JAPANは音楽的にはかなり正統的なHR/HMだったので、後続のヴィジュアル系に対する音楽的な影響という意味ではDEAD ENDの方がはるかに大きいと言っても過言ではない(X JAPANのヴィジュアル系ロックに対する貢献は主にビジネスモデル的な面と、YOSHIKIが女性的なメイクを「アリ」にしたことだ)。

実際、私は先日仕事の関係で清春(元黒夢~SADS)のコンサートを観たのですが、MCで「DEAD ENDを観に行きたい。ライヴ行って、MORRIEさんカッコいいな~って思って帰りたい」というようなことを言っており、その存在が彼の中で未だに大きいことを感じさせていた。

とはいえ、そんな歴史的知識のない人が本作を聴けば、恐らくヴィジュアル系のOne Of Themに聴こえてしまうと思う。

それは解散前に比べてアクが薄れ、艶っぽいディープな歌声になったMORRIEのヴォーカル・スタイルの変化が大きい。
正直私も曲によっては「なんかGacktっぽいな」とか思ってしまった瞬間があった。

それだけに、学生時代は結構好んでV系のバンドを聴いていたとはいえ、社会人になってからは年をとったのかV系独特の青臭いナルシズムを恥ずかしく感じるようになっていたので、本作にこれだけハマったのは自分でも意外だった。

1曲目「摩天楼ゲーム」の意外なラウドさにハッとさせられ、2曲目「Dress Burning」の素晴らしさにいきなり昇天。これは名曲だ。

そして3曲目「テレパシー」が放つ淡々としているようで麻薬的な魅力にヤられ、4曲目「Devil Sleep」ではまさかの高速ビートと、ギター・ソロの一人ツイン・リードに鳥肌。

これ以上は冗長になるのでいちいち書きませんが、どの曲にもそれぞれ個性と魅力があり、捨て曲が見当たらない。

MORRIE独特の歌詞世界も健在ですが、私はその辺にはあまり惹かれない(むしろちょっと中二病っぽいと思っていたり)ので、あくまで音楽が魅力の全てです。

たぶん、全体的にはV系っぽくとも、元々はメタル上がりである各メンバーの素養が私の感性に訴えるのでしょうね。
サウンド的にはダウンチューニングだし、結構モダンなヘヴィ・ロックからの影響もダイレクトに出ているのですが、このギターのトーン、リズムのグルーヴ、どれもイマドキのバンドにはない「芯」がある。

仕事抜けられるようなら、明日(てか今日)当日券狙いで渋谷AXに行ってみようかな…。
Drは湊雅史ではなく真矢(元LUNA SEA)らしいけど。

なお、当サイト/ブログをコンスタントにご覧いただいている方は割とメロディアスで正統的なHR/HMを好む方(つまり私と感性が近い方)が多いと思いますので念のために申し上げておくと、本作は決して「そういう音楽」ではなく、たまたま今の私の波長にピッタリ合ってしまっただけだと思うので、他の人にこのアルバムを薦めよう、などというつもりは毛頭ありません。


◆DEAD ENDのMySpace
http://www.myspace.com/deadendofficial