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KISKE/SOMERVILLE / Same

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イタリアのメロディアス・ハード・レーベル「Frontiers Records」お得意のコラボ企画プロジェクト。

PLACE VANDOMEに飽き足らずマイケル・キスクを使い倒すつもりらしい(?)「Frontiers」の名物オーナー、セラフィノ・ペルジーノによる「マイケルと女性シンガーをデュエットさせる」ということをコンセプトに作られたプロジェクト。

デュエット相手は一応複数候補があったようだが、INDIGO DYINGの「Breath In The Water」という曲で既にデュエット経験があり、両者ともAVANTASIAへの参加実績があるなどの縁もあってかアマンダ・サマーヴィルが選ばれている。

当初、女性シンガーとのデュエット・アルバムと聞いて非常にヴォーカル・オリエンテッドでポップなアルバムをイメージしており、実はあまり期待していなかった。

しかしこのプロジェクトをバックアップしているのはマット・シナー(B)とマグナス・カールソン(G)のPRIMAL FEARコンビだけに曲は悪くないはずという信頼感はあり、せっかくこの12月にはAVANTASIAで来日してくれるんだから、というご祝儀気分で(?)購入に踏み切った。

そして聴いてみると、これが予想外に良い。

オープニングを飾る#1「Nothing Left To Say」なんてメロディック・パワー・メタル的とさえいえる勢いがあり、アマンダ・サマーヴィルが中心となって作曲に関わった#4などもかなりエッジが効いている。

一方で#2や#5などはクラシカルかつシンフォニックなアレンジがドラマティックな曲調とあいまって心惹かれるし、他の曲も上質なメロディアス・ハード路線で、特に#3、#6は名曲クラス。

BURRN!のレビュー(評者は伊藤政則氏)で指摘されている通り、特に女性とのデュエットである必然性のない音楽であることは事実ながら、曲調が良く言えば統一感があり、悪く言えば似通っているので、2種類の声が使われることで単調になることを少し防げている、くらいのメリットは出ていると思う。

「Frontiers」のプロダクトに関しては「安定感はあるけどスリリングさに欠ける」というイメージがあり、本作もまあそういう傾向は無きにしも非ずなのだが、意外とメタル魂(最近のPRIMAL FEARに通じる)が感じられることもあって、個人的な印象はかなり良い。

HELLOWEEN脱退後にリリースされたマイケル関連のアルバムでは(AVANTASIAや単発のゲスト参加を別にすると)一番イイかも。マイケル・キスクのファンなら必聴です【85点】




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