SCHONBERG / SPLENDID ROSA BIRTH ~華麗なるロサ、誕生~

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日本のシンフォニック・メタル・バンドの、本日7月20日発売となるデビュー・アルバム。

本作に先立って2009年に発売されたオムニバス『SAMURAI METAL Vol.5』への参加実績があり、これまでにEARTHSHAKERや大村孝佳の前座としてライヴを行なった経験があるという。

このバンドの中心人物であり、全曲の作曲を手掛けるギタリストの星野学氏は、本サイトからもリンクしている(残念ながら相互リンクではありませんが/笑)「ROCKS ON THE ROAD」というWebzineの運営者でもあり、その星野氏から音源をお送りいただき、この記事を書いています。

当初「シェーンベルク」というバンド名を見たときには、近代クラシック音楽家のシェーンベルクが思い浮かび、もしシェーンベルクのような無調の難解なサウンドだとしたら私の手には余るなあ、と思っていました。

しかし実際聴いてみると、近代音楽というよりはむしろロマン派の音楽で、私にとってはなじみやすいシンフォニックなメロディック・メタルでした。

あまりHR/HMからの影響を感じさせない女性ヴォーカリストの個性と、自ら「劇的ロマネスク・メタル・ワールド」と形容する欧州型メタル寄りのサウンドのマッチングは、あえて形容するならALI PROJECT+ANGRAといった印象。

速い曲については特にANGRAっぽいおおらかなメロディが疾走する感じで、ネオ・クラシカルなギター・プレイともあいまって、ツボに入る人も多いのでは。

浮世離れした日本語の歌詞(時に語りも)を乗せ、メロディックに疾走する楽曲ではDRAGON GUARDIANなどを思わせる瞬間もあるが、ミドルテンポの楽曲についてはユーロ・ロックからの影響も感じられ、より多彩な音楽的バックグラウンドを感じさせる。

このゴシック全盛なメタル界にあって、あえて「ルネサンス」を標榜する耽美的な歌詞世界も独特で、一歩間違うとMALICE MIZERやVERSAILLESのようなV系宝塚世界寸前ながら、こういう欧州ロマン的な世界観を愛する人も結構多いのではないでしょうか。

クラシカルかつキャッチーなメロディの充実に対し、惜しむらくはプロダクションの貧弱さで、音質の悪さが世界観の完成度を損ない、艶のある情感豊かなせっかくのヴォーカルをちょっと浮き上がらせてしまっている。

次作ではより良い制作環境を獲得し、より完成度の高いロマネスク・メタル・ワールドを表現してくれることを期待したい所です。

◆シェーンベルクのMySpace
http://www.myspace.com/schonbergband


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BURRN!11年8月号の感想

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いやー、先月から今月にかけては本当に忙しいっす。プレゼンの嵐で、平日の半分は会社で夜明かししているような気がします。

休日も半分以上出勤で、休日出勤で徹夜、というのを初めて経験しました(それも2回)。
6月の勤務時間数は350時間を超え、今月もおそらくそれに匹敵する数字になるでしょう。
恐らくこれは人生でも最大級の忙しさになるのでは…というかこのレベルを超えたら死にます(苦笑)。

というわけでBURRN!を読む時間もなく、もはや日課ならぬ月課となっている感想を書くのも遅くなりました。

表紙はなぜにオジー? と思ったらOZZY OSBOURNEがランディ・ローズ(G)と組んで制作したデビュー作である「BLIZZARD OF OZZ」と「DIARY OF A MADMAN」の30周年記念盤にまつわるインタビューが巻頭特集でした。

まあ、確かにそれらは偉大な名盤ですが、30年前の話がトップニュースになってしまうあたりが現在のHR/HMの厳しい所ですね。

その特集に続く若手(?)筆頭格TRIVIUMの記事を見ると、新作の内容は良さげながら、メガネ&短髪のマット(Vo&G)にはオジーのようなカリスマ性は全く感じられず、こういうプライオリティになってしまうのもしょうがないか、という感じ。

その後RAMMSTEINのアメリカにおけるライヴ・レポートとインタビューが載っていたり、『SAUNA OPEN AIR』や『DOWNLOAD FESTIVAL』といった海外フェスのレポートを載せているのはいいですね。

かつてのBURRN!に日本のメタル・シーンを左右するほどの影響力があったと仮定するなら、こういう国際的な視野に立った記事がなかったことが90年代以降日本のメタル・マーケットをダメにしたと思うんですよね。

しかし、表紙にTHE DARKNESSとDEF LEPPARDというバンド名を記載しておいて、両バンドが登場するのがその『DOWNLOAD FESTIVAL』のライヴ・レポの中だけって、ちょっとサギじゃね?(JUDAS PRIESTも…)

CHTHONIC、HEAD PHONE PRESIDENT、MIDNATTSOLの3バンドが、RHAPSODY OF FIREやSYMPHONY X、ANTHEMといった、キャリアや商業的実績では恐らく上を行くだろうバンドを差し置いてカラーでフィーチュアされているのは、きっと「女性メンバーのいるバンドをカラーでフィーチュアしていこう」という「編集方針」の表れなのでしょう。

LIV MOONの「GOLDEN MOON」限定盤のジャケ写がポスター(カレンダー)になっているのも、その「編集方針」の流れなんでしょうね。新たな撮影を必要としない手抜き企画ですが(笑)。

どうでもいいけどHEAD PHONE PRESIDENTのVoってラルクのHYDEにちょっと似てませんか。

今月の読み飛ばし所は奥野記者の趣味全開なHELL(とその関連コラム)モノクロ6ページと、幅記者の趣味全開なマイケル・モンロー&HARDCORE SUPERSTARのライヴ・レポート&インタビュー、合計カラー12ページ。

まあ、前者がほぼ奥野記者恒例のマニア趣味のひけらかしに過ぎないのに比べれば、後者にはそれなりの読者ニーズがあるんだと思いますが。

後半のカラー見開きの並びがNIGHT RANGER、HIBRIA、QUEENSRYCHE、THE BLACK DAHLIA MURDER、ANVIL、RIVAL SONSと、うまいこと新旧で並んでいるのは偶然なのか意図的なのか。

まあ、バラエティ感があっていい感じだとは思いますが、THE BLACK DAHLIA MURDERがカラーで、RHAPSODY OF FIREやSYMPHONY Xがモノクロってのは、ファンとしてはちょっと編集側の悪意を感じなくもありませんが(苦笑)。

先月が個人的ビッグタイトルのリリース・ラッシュだったのに比べると、今月のリリースは「谷間」ですね。
てか今更SEPULTURAがクロスレビューのトップって…。

とりあえず今日STORMWARRIORとLOVEXの新譜を買ってきました。
本当はCHTHONICの新作も一緒に買おうと思っていたのですが、売り切れでした。

◆発行元であるシンコーミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011108

VERSAILLES / HOLY GRAIL

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前作「JUBILEE」で私を魅了した“薔薇の末裔”VERSAILLESのメジャー第二弾となるフル・アルバム。「聖杯」ってタイトルがまたメタルだね。

本作もオープニングを飾る#1「Masquerade」から、どこぞで聴いたことがあるような魅惑のシンフォニックなKeyアレンジによるイントロについ胸躍らせてしまう。

彼ららしさが凝縮されたその「Masquerade」から、先行シングルでもあったメロディック・スピード・メタル・チューンの#2「Philia」への強力な流れで本作も良盤確定。

そして実際、捨て曲なしの力作に仕上がっているわけだが、前作までに比べダークさというか、ゴシック・シンフォっぽい雰囲気が薄れ、よりストレートなメタルに近づいているのが本作の特徴。

バラードの#5から、前半が歌謡曲のような#6という中盤のせいもあって、これまでよりも彼らの「明」の側面がやや強調されている印象もある。

前作までに比べると全体的にやや大仰さが控え目になった感があり、その辺は個人的にやや物足りないのだが、それでもアルバムのクライマックスをなすのは16分に及ぶ大作曲#12「Faith & Decision」。

その大作の前半は7分に及ぶインスト大会で、バンドの演奏力の高さを見せつけるものになっているが、歌の入りがやや唐突なのと、様々な要素を詰め込み過ぎてやや散漫に聴こえるのがもったいない。煽情的なパートは多くて聴き応えはあるんだけど。

なお、新加入のベーシストMASASHIは、前任のJasmine Youとはだいぶ雰囲気の異なる人物だが、ベースの腕は確かで、本作でもかなり存在感の強いプレイを披露している。

ダークな曲がやや類型的なV系っぽい雰囲気を醸し出していたり、#1と共に映画『ヴァンパイア・ストーリーズ』のタイアップ曲であるという#12「Vampire」をはじめ、全体的にコンパクトな楽曲が増えていたりと、これまでより広いリスナー層にアピールしていこうという意識を感じるのはメジャーに所属するバンドとしては当然のことながら、無駄に華麗で大仰な音世界こそが彼らの独自性だと思うので、その辺は今後も追求していってもらいたいというのが個人的な思いですね。【85点】

◆本作収録「Philia」のPV



QUEENSRYCHE 「DEDICATED TO CHAOS」のチャート成績

QUEENSRYCHEのニューアルバム、「DEDICATED TO CHAOS」のアメリカにおける初週セールスは8,000枚、ビルボードのチャートは70位だったそうです。

ビルボード初登場70位というのは2007年に発売したカヴァー・アルバム「TAKE COVER」(173位)を除くと過去最低位で、QUEENSRYCHEというブランドの失墜、新作に対する期待の低下を感じさせられざるをえないチャート成績です。

ここ数作の彼らのアルバムの初週セールスとランキングは以下の通り。

1999 「Q2K」 46位 28,000枚
2003 「TRIBE」 56位 20,000枚
2006 「OPERATION:MINDCRIME II」 14位 44,000枚
2009 「AMERICAN SOLDIER」 25位 21,000枚
2011 「DEDICATED TO CHAOS」 70位 8,000枚

んー、2000年代半ば以降CDが売れないというのが業界問題化していたけど、QUEENSRYCHEに関してはすでに90年代末の段階でかなり深刻なセールスな落ち込みがあったんですねえ…。

1990年の「EMPIRE」なんてそれだけで300万枚以上売れていたわけだし、あの地味で大衆的とは言いがたい「PROMISED LAND」さえプラチナム(100万枚)を記録していたというのに…。

上記のリストを見る限り、「OPERATION:MINDCRIME II」という企画にはやはりそれなりの「効果」があったことが見て取れますが、全盛期の数字に比べると微々たるもので、ここまでセールスが落ちても解散しないのはQUEENSRYCHEという「看板」があればある程度ライヴのブッキング/集客が望めるだろうからで、それがなければ恐らくバンド活動自体が成立しないだろうなあ…と、あらためて音楽産業に関する厳しい現実を感じさせられた次第です。

◆ニュースソース
http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=160354


SYMPHONY X 「ICONOCLAST」のチャート成績

SYMPHONY X、約4年ぶり待望のニュー・アルバム「ICONOCLAST」のチャート・アクションは以下の通り。

ドイツ:25位
スイス:25位
オーストリア:42位
アメリカ:76位
日本:76位(洋楽チャート19位)
カナダ:105位
イギリス:167位

大衆性もなければ若者を熱狂させるエクストリームなサウンドでもないストイックな音楽ながら、前作に比べて格段にチャート成績を上げてきています。
本国アメリカでのTOP100入りは初めてですね。

しかも2枚組という売りにくいフォーマットでこれですから、いかに着実に支持を積み上げてきているか、という感銘を受けます。

まあ、彼らも既にデビューから15年以上のキャリアを積むベテラン、むしろ彼らほどの実力を以ってしてこのくらいの支持を得るのにここまで年月を要したことの方が「不遇な時代を過ごしてきた」ということなのかもしれませんが。

とにかく、しつこいようですがLOUD PARKに出てほしいバンドNo.1です。
とか言って忙しくてこの新作はまだほとんど聴き込めていないのですが。

◆ニュースソース
http://www.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=160168