KAMELOTのニュー・シンガーが決定

KAMELOTが昨年(実質的には一昨年?)脱退したロイ・カーンの後任シンガーをアナウンスしました。

著名なシンガーを含む800人に及ぶ候補の中から新しいヴォーカリストに抜擢されたのは、スウェーデンのメロディックなプログレッシヴ・メタル・バンドとしてマニアの間では知られているSEVENTH WONDERのヴォーカリストであるトミー・カレヴィック。

RHAPSODY OF FIREのファビオ・リオネをゲスト・シンガーに迎えて行われた最新作のツアーでも、一部公演にゲストとして参加していた人物です。

実際に同じステージに上がったときの感触の良さなどもあって、正式シンガーとしてのオファーを受けたようです。

どちらかというとクセのないクリーンな歌声の持ち主で、私好みのシンガーではありますが、個人的な印象としてはロイ・カーンの圧倒的な個性に比べると、歌唱、ルックスの両面でやや「薄い」ような気がするというのが正直なところ。

とはいえ、ここ数年、カーンの個性に引き摺られて(?)、バンドの音楽性自体がややディープすぎる雰囲気を醸し出していたので、こういう爽やかなヴォーカルによってもう少しとっつきやすい音像になるのであれば、それはそれで悪くないかも。

ただ、これくらいのシンガー(失礼)であれば、彼らの母国であるアメリカにはゴロゴロいるのではないかと思いますが…。なぜ北欧人にこだわったのでしょうか。

まあ実際彼らは北欧での支持も高いので、メンバーに北欧人を迎えることはメタルが盛んな北欧市場におけるマーケティング上の意味があったりするのかもしれませんが。

個人的にはCIRCUS MAXIMUSやPAGANS' MINDと並ぶお気に入りのプログレッシヴ・メタル・バンドであるSEVENTH WONDERがこの人事のせいで活動停止に追い込まれることになったらもったいない、と思ってしまいましたが、Facebookでの声明によるとトミーはSEVENTH WONDERも掛け持ちで続けるつもりのようです。

◆ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=175789

◆トミー・カレヴィックがゲスト・シンガーを務めた昨年のステージの様子 [YouTube]


◆SEVENTH WONDER「Alley Cat」のPV [YouTube]
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QUEENSRYCHEからジェフ・テイト(Vo)が脱退

QUEENSRYCHEからジェフ・テイト(Vo)が脱退、というか、事実上他のメンバーに「追放」されたようです。

4月頃からブラジル公演のバックステージでジェフ・テイトがマイケル・ウィルトン(G)とスコット・ロッケンフィールド(Dr)にナイフを突きつけるなどの暴行を働いた(海外メディアによると、ジェフをバンドから追い出す相談をしていたのを聞いてしまったのだという)、とか、5月の27日に行われたROCKLAHOMAフェスティバルのステージでジェフが観客に対して「お前ら最低だ」と暴言を吐いたなど、キナ臭いニュースが流れていました。

そして5月末には、ジェフを除くメンバーが、現CRIMSON GLORYのヴォーカリストであるトッド・ラ・トーレとRISING WESTなる新バンドを結成したという発表があり、6月の8日、9日にシアトルのハードロック・カフェで初期(「EMPIRE」アルバムまで)のQUEENSRYCHEの楽曲ばかりをプレイするというライヴはあっという間にソールド・アウトになったそうです。

そしてそのショウが地元のコアなファンにも歓迎され、ネットを通じて世界中のメタル・ファンに好評を博したことがバンドをこの「ジェフ解雇」という大きな決断に踏み切らせたのではないかと思われます。

件のブラジル公演の後、弁護士を入れて話し合いをしているという話もあったので、バンド名をめぐる水面下の争いに勝利したのはジェフを除く4名だった、ということなのでしょう。

ジェフはジェフで、ブラジル公演以降「バンドにクリス・デガーモが再加入したら素晴らしいね」と発言して「初期志向」をアピール(?)してみたり、「次のソロ・アルバムは本当のハード・ロック・アルバムになるよ」と、「HR/HM志向」をアピール(?)してみたり、「バンドは来年さらに活発に活動するよ」とバンド活動に意欲を示してみたり、しまいには娘まで引っ張り出して言い訳をしてみたりと、彼なりにファンの理解と支持を集め、バンドの主導権を維持しようと蠢いていましたが、その意図は叶わなかったようです。

長らくQUEENSRYCHEというバンドの中心人物はジェフ・テイトだと思われてきましたが、彼もまたマイク・ポートノイ(元DREAM THEATER)同様、他のメンバーにとっては「ジャイアン」だったということなのでしょうか。

近年メタル市場自体は一時期に比べてだいぶ上向いているにもかかわらず、彼らのレコード・セールスは著しく低迷していただけに、ジェフ以外のメンバーとしては起死回生を図ろうとしたのかもしれません。

後任は当然というかトッド・ラ・トーレで、彼はバンドの20年来の大ファンで、かつて彼らがフロリダ(CRIMSON GLORYの活動拠点)でサイン会を行なった際、「WARINIG」のLPにサインをしてもらいに行ったほど彼らに入れ込んでいたというだけあって、まさに夢が叶ったという状況のようです。

まあ、CRIMSON GLORYはぶっちゃけQUEENSRYCHEのフォロワーですから、本家がフォロワーのシンガーをリクルートした、という映画「ロック・スター」みたいな話が今回の構図ですね。

ということは、結局RISING WESTというプロジェクトは消滅し、RISING WESTとしてソングライティングを進めていたというマテリアルはそのままこの新生QUEEENSRYCHEに引き継がれるということなのでしょうか。

初期のメイン・ソングライターであったクリス・デガーモを欠く彼らが、今後どのようなサウンドを聴かせてくれるのかはいささか不透明(主にクオリティの面で)ですが、少なくともジェフ体制のままでいるよりも私個人の彼らに対する期待値は大きく上昇しましたね。

ちなみに現時点でトッド・ラ・トーレはCRIMSON GLORYから脱退はせず、両バンドを並行して活動していくつもりのようです。

◆ニュースソース
http://legacy.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=175707

◆RISING WEST名義で出演したライヴにおける「Queen Of The Reich」[YouTube]

うーん、見事なジェフのそっくりさん。全盛期はともかく、今のジェフより力強いな。

しかし、彼のYouTubeチャンネルを見てみたら、YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE「I Am A Viking」のカラオケ音源もあり、これがまた結構ジェフ・スコット・ソートに似ている。

ひょっとしてこの人は「ジェフ」という名前のシンガーの物真似名人なのか?(笑)

STRATOVARIUSの新ドラマーが決定

昨年脱退を表明したヨルグ・マイケルの後任ドラマーをオーディションしていたSTRATOVARIUSが、後任ドラマーを発表しました。

ヨルグ・マイケルの後任という大役に選ばれたのはRolf Pilve(ロルフ・ピルヴ)なる24歳の青年。

まだ24歳ながら、かなりのバンド/プロジェクトに関わってきた人物のようで、STRATOVARIUSと比較的近いESSENCE OF SORROWのようなパワー・メタル系や、STATUS MINORやAMOTH、RIVERSIONのようなプログレ・メタル系などはもちろん、SOLUTION.45やCODE FOR SILENCE、MEGIDDONのようなメロディック・デス・メタル、RANDOM EYESやBEYOND THE DREAMのようなゴシック寄りのバンド、THE MAGNIFICENTのようなメロディアス・ハード、果てはDIVISION OF SPOILSのようなブルデス/グラインド・コアもこなし、"Cleatvore"なる芸名でSIGHTLESSという白塗り悪魔崇拝系ブラック・メタルのメンバーまでやっていた、かつてのヨルグ・マイケルも真っ青な渡り鳥(というか掛け持ちの鬼?)ドラマー。

これだけ多くの仕事をこなしているというのは腕が立つから、と考えるのが自然で、メジャーな実績はないとはいえ、恐らく充分な実力者なのでしょう。

まあ、ラウリ・ポラー(B)にせよ、マティアス・クピアイネン(G)にせよ、加入当時は無名でしたが、蓋を開けてみたら恐ろしいほどの凄腕だったわけで、今回もきっとその例に漏れないと思われます。

そして実際ティモ・コティペルト(Vo)も「ロルフはさまざまなスタイルのメタルを叩いてきたから、高速なテンポだったりプログレッシヴなパートも問題ない。俺たちが今後どんな曲を作っても、間違いなく彼はそれらを叩くことができるだろう」と語っています。

オーディションには100人以上の応募があり、フィンランドの優秀なドラマーたちはもちろん、名の通った外国人ドラマーも数名含まれていたにもかかわらず、「1番良かった」という評価を勝ち取った驚異のニュー・ドラマーのお披露目ライヴは、7月11日のヘルシンキ公演になるとのこと。

日本でその実力を生で見る機会は(LOUD PARKのようなイベント出演がない限り)次のアルバムが出た後になると思われますが、それまではとりあえず来月発売されるバンド初のライヴDVD、ヨルグ・マイケルさよならツアーの様子を収めた「UNDER FLAMING WINTER SKIES : LIVE IN TAMPERE」を観て次のアルバムを楽しみに待ちましょう。

◆ニュースソース
http://legacy.roadrunnerrecords.com/blabbermouth.net/news.aspx?mode=Article&newsitemID=175691

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Information/A013302.html

◆バンドからのニュードラマー告知映像 [YouTube]

なんとYouTube字幕表示機能による日本語字幕あり。

てか、ヨルグとはスタイル違うけどたしかにこりゃ上手いな。
次のアルバムは昔のスタイルに少し戻りそうで、その辺も含めて楽しみですね。


※来月発売されるDVDからの「Black Diamond」



EUROPE / BEG OF BONES

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2009年の「LAST LOOK AT EDEN」に続く、再結成後4作目となるアルバム。

BURRN!誌のレビューやインタビューを読む限り70年代的なブルーズ色の強いハード・ロック・アルバムであろうと予想はしており、実際その通りの音だった。

正直この手のサウンドは個人的には趣味ではない。が、本作の出来については「なかなか良い」と認めざるをえない。

リフなどは個人的な趣味からすればいささかシンプルすぎるもののグルーヴィであることは確かだし、往年のゲイリー・ムーアを彷彿させるギター・ソロのトーンは絶品だ。

IRON MAIDENやDREAM THEATER、AEROSMITH、MR.BIGなどを手掛けたケヴィン・シャーリーによるサウンド・プロダクションも見事で、このアルバムの音は彼の仕事の中でもベスト・ワークのひとつなのでは。

一歩間違うと単なる地味な懐古趣味になってしまいそうな方向性ながら、骨太なバンド・サウンドと、ジョーイ・テンペスト(Vo)の甘さを失わない歌声がしっかりと求心力を生んでいる。

前々作「SECRET SOCIETY」収録の「Always The Pretenders」や、前作「LAST LOOK AT EDEN」のタイトル曲のようなそれ単体で強い印象を残す楽曲は収録されていないが、上っ面なポーズだけの「70年代志向」とは一線を画す、このバンドが「本物」であることを示す力作ではある。

しかしまあ、EUROPEのアルバムでなければこういう音のアルバムを買ったかというと微妙な所で、そんな「過去のサウンドへの未練」が購入モチベーションになっている人間が現在の彼らのアルバムを買うことを、メンバーは望んでいないんじゃないだろうかという気も。

BURRN!誌のインタビューでもジョーイ・テンペストが「80年代に本気で最後の別れを告げる」と言っていたし、海外のインタビューでもジョン・ノーラムが「80年代は最悪の時代だった」と発言しているので、恐らく私が望む「初期のようなサウンド」に彼らが回帰するとは想像しにくい。

ましてやこのサウンドで本国では充分な成功(初登場2位)を収めているだけになおさら。

彼らが一番輝いていたのが80年代であることは衆目の一致する所だと思いますが、狂騒とでもいうべき大成功の渦中にいた当事者としてはまた別の感想があるんでしょうね。

そういうわけで80年代を愛する私にとってはそろそろこのバンドに別れを告げるべき時が来ているのかもしれないが、BURRN!誌におけるインタビューでジョーイが「(純粋で正直なロック・アルバムを作り上げたので)今度はまた別のタイプのアルバムを作る必要が出てきたね」と発言していることに対してつい期待してしまう、それくらい私はEUROPEが好きなのです(苦笑)。

◆本作のリーダー・トラック「Not Supposed To Sing The Blues」のPV [YouTube]



BURRN!12年7月号の感想

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表紙はベスト・アルバムをリリースしたCHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホ。

この号はそのCHILDREN OF BODOMと、先日韓国公演がキャンセルになったことを受けて緊急追加公演が行われたARCH ENEMYの大特集で、この2バンドのファンであればなかなか読み応えのある号になっている。

COBのインタビューで、彼らがなぜキーボードを入れたのかという問いに対し、「当時AMORPHISが俺たちにとって一番のヒーローで、彼らの音楽にはキーボード・パートがあったから」と答えていて、意外とピュアな理由だったんだなあと思いました。

まあ、デビュー当時若いバンドでしたから、そういう自分たちのヒーローからの影響がダイレクトに出るというのも無理はないのかもしれませんね。
もっとも、COBの音楽はデビュー当時からAMORPHISにはちっとも似ていませんが…(笑)。

新メンバーを迎えたARCH ENEMYのライヴ・レポートとインタビューも色々な意味で興味深いが、一番強烈な印象を残すのはアンジェラ(Vo)のバキバキに割れた恐るべき腹筋か(笑)。
いや、まあ女性があのヴォーカル・スタイルで世界をツアーするには並々ならぬ鍛錬が必要であろうことは想像に難くないですが。

なお、今月号では、先月号ではなくなっていた「特集」が復活しています。
「DVDで観てみよう! 80’s METAL WORLD」と題した80年代モノのDVD特集で、まあカタログめいた内容ではありますが、ないよりはいいですね。

ここで紹介されているDVDの中では、ALCATRAZZ、DIO、EUROPE、IRON MAIDEN、JUDAS PRIEST、OZZY OSBOURNE、YNGWIE MALMSTEENのものを所有していますが、どれもHR/HMが輝いていた時代を伝える内容でオススメです。

ちなみに、復活というと、異動になった藤木氏の文章がこのDVD特集内と、DREAM THEATERおよびALDIOUSのライヴ・レポートで復活しています。

この人の「対象の良い所、悪い所」を明確にする文章は特徴的で、「ん、この文章は藤木氏っぽいな」と思ったらやっぱり藤木氏だった…という感じです。

今月のレビューを見ると、あまり食指の動くアルバムは多くないですね。
レビューされている作品で個人的マスト・バイはCIRCUS MAXIMUSくらいかな。

どうでもいいけど今月号にあるインタビュー・ページで「フィンランドのメロディック・プログ・メタル・バンド」と紹介されているのが悲しい。彼らはノルウェーのバンドなのに…。

彼らほどの高いポテンシャルを持ったバンドでさえリリース元がメジャー配給のないルビコンになってしまうあたり、いかに日本においてプログレッシヴ・メタルの人気がないかを如実に伝えていますね。

あとは時間があればANIMETAL USAのセカンドや、10年来のメロスピ・ファンであれば懐かしのHOLY KNIGHTS、そしてSOILWORLのビヨーン“スピード”ストリッド(Vo)と、ARCH ENEMYのシャーリー・ダンジェロ(B)が参加しているTHE NIGHT FLIGHT ORCHESTRAのアルバムはちょっと聴いてみたいかな。

それから、レビューはされていませんが、6月27日に発売されるLUCA TURILLI’S RHAPSODYの新譜が今月最大のマスト・アイテムですね。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011207