CHARLIE SHRED / CHARLIE SHRED

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日本では5月23日に、REINXEEDの「WELCOME TO THE THEATER」、PELLEKの「BAG OF TRICKS」と同時にリリースされた、トミー・レインエクシード関連作品(と十把一絡げにすると失礼かもしれないが)のひとつ。

このCHARLIE SHRED(速弾きチャーリー? 奇妙なバンド名である)は、REINXEEDにサイド・ギタリストとして在籍しているキャリー・サンドベリ(Vo, G)と、過去に在籍していたマティアス・ヨハンソン(G)によって2008年に結成されたバンド。

その彼らがプロデューサーおよびドラマーにトミー・レインエクシードを迎え、発表したのがこのデビュー・アルバムである。

そんな「REINXEED人脈」によるバンドながら、楽曲は自分たちで書いており、その音楽性はトミー・レインエクシードがこれまでクリエイトしてきたサウンドとはいささか距離があるもの。

明らかにジェイムズ・ヘットフィールド(METALLICA)を意識した歌い回しを聞かせるキャリー・サンドベリの歌声が、いかにも北欧にありがちなマイルド系ハイトーン・ヴォイス(嫌いじゃない、というかむしろ好き/笑)であり、必ずしもメロディ志向ではない楽曲の中でさえ北欧人ならではのメロディ・センスが垣間見えることもあって、なんとなくメロディック・パワー・メタル的に聞こえる瞬間もある。

しかし、このバンドの基本は、本人たちが影響を口にする通りMETALLICA、IRON MAIDENといったもっとオーセンティックなへヴィ・メタル・バンドであり、REINXEEDのようなシンフォニックなメロディック・パワー・メタルとは一線を画する、よりシンプルなリフ志向のへヴィ・メタル・サウンドである。

REINXEEDですらB級と感じている私なので、その関連商品的な印象の本作に対してもB級な印象を抱いており、実際本作に収められた音楽はA級とはとても呼べないものだが、そのまっすぐでひたむきなメタル愛が感じられるサウンドは存外心地よい。

リフ・ワークはありがちだが、それだけに安心感があるし、先述したとおり、私好みのシンガーの歌うメロディにも北欧ならではのフックがあり、ジェイムズ・ヘットフィールドの物真似っぷりも微笑ましい。

所々METALLICAへの憧憬があまりにも露骨過ぎて、正直プロフェッショナルな印象は受けないし、このバンドが世界的な成功を収めるとは思えない。しかし、なかなか好感が持てる音ではあって、もし地元のライヴハウスにこんなバンドが出演していたら、時々足を運んでビールでも飲みながら観たいな、と思えるような愛嬌がある。

正直あんまり期待していなかったというか、ぶっちゃけつまらなそうと思っていた(そんなCD買うなよ、って話ですが/笑)にもかかわらず、少なくとも本作を聴いて損をしたとは思わなかったな。

しかし、関わり方はまちまちとはいえ、自分が関わったアルバムを3枚同時に発売させるとは、トミー・レインエクシードはよく働くなぁ(笑)【79点】

◆本作のティザー映像 [YouTube]



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PELLEK / BAG OF TRICKS

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ノルウェーの国営テレビで放送されているタレント・オーディション番組「The X Factor」の現地版で、2009年に番組の最終ラウンドであるTOP12に残ったペル・フレドリック・ペルケイ・アシュリーという若者のペルケイ名義によるソロ・デビュー・アルバム。

彼は番組の中で北欧やドイツのパワー・メタル・ソングを歌って勝ち上がった、いわゆるフィンランドのアリ・コイヴネン、アメリカのジェイムズ・ダービン、スウェーデンのエリク・グロンウォールなどと同様の所謂「メタル・アイドル」。

TOP12という微妙な成績だったことや、彼の選曲がマニアック過ぎたこともあってか、上記のメタル・アイドルたちのように大手メジャーからデビューし、大ヒットを飛ばすようなことはなかったが、YouTubeなどでは注目を集め、先日日本デビューを果たしたイギリスのDAMNATION ANGELSにフルタイムのメンバーとして加入、そしてアメリカのTHE ANABASISやフランスのTHE LOST ROCKERSといったプロジェクトへの参加を果たしている。

そして彼の才能とタレント性に目をつけたクリスチャン・リレグレン(GOLDEN RESURRECTION)が、自身が運営する「Doolittle Group」との契約をもちかけ、創作面でのパートナーであるトミー・レインエクシード(G:REINXEED)にプロデュースさせて制作したのが本作。

音楽的にはそのREINXEEDに通じる、シンフォニックなKeyがフィーチュアされたメロディック・パワー・メタルながら、あれほど大仰ではなく、疾走感も控えめで、よりヴォーカル・オリエンテッドな仕上がり。

そのヴォーカル・オリエンテッドなメロディック・パワー・メタルというスタンスは、日本盤ボーナスとしてSTRATOVARIUSの「Hunting High And Low」をチョイスしたあたりに端的に表れているといえよう。

ペルケイのヨラン・エドマン風な歌声と、このクラシカルかつドラマティックなサウンドとの相性は悪くなく、正直ペルケイの歌唱に漂うナルシズムがちょっと鼻についてしまった私でも充分に楽しめる仕上がり。

歌メロに漂う哀愁、そしてその優美といってもいい美旋律を支えるアレンジもなかなかどうして堂に入っていて、ガツンと来るようなインパクトはないものの、どの曲にも耳を引くフックがちゃんとある。

速い曲だけではなく聴かせるタイプの曲も魅力的なあたり、このペルケイという男は単なるアイドル崩れなどではなく、なかなかどうしてソングライティングの才能があるかも。

トミー・レインエクシードのギター・ワークも、REINXEEDほど弾きまくってはいないが、むしろREINXEEDよりも繊細なフレージングを披露していて、GOLDEN RESURRECTIONを聴いたときにも思ったが、この人はむしろ脇役をやっているときのほうがいい仕事をするタイプなのかもしれない。彼の手によるオーケストレーションも非常に効果的に楽曲を引き立てているし。

タイトル曲#11はヴォーカリストのソロ・アルバムにもかかわらず、トミー・レインエクシードが一人で書いてプレイしたインストゥルメンタル曲で、6年前に書いた曲だそうだが、アルバムの雰囲気にマッチした佳曲である。

なお、本作には#3にオリヴァー・ハートマン(元AT VANCE, HARTMANN)、#5のバラードにアマンダ・サマーヴィル、#9には最近KAMELOTに加入したことで話題を集めたトミー・カレヴィック(SEVENTH WONDER)らがゲスト参加し、ペルケイとデュエットしている(なお、#8で聴かれる女性ヴォーカルは、ペルケイのフィアンセであるMarit嬢によるもの)。【83点】

◆本作収録「Fugue State」のPV [YouTube]



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REINXEED / WELCOME TO THE THEATER

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ハイペースのリリースを続けるREINXEEDの、企画盤である「SWEDISH HITZ GOES METAL」を除いて5作目となるフル・アルバム。

ジャケットのアートワークの雰囲気がこれまでとは変わっていて、これまで直球メロスピ一辺倒でやってきた彼ら(というかトミー“レインエクシード”ヨハンソン)にも遂に変化の時が訪れたのか、と思って聴いてみたが、パッと聴きの印象としてはそれほど変わっておらず、ファンにとってはひと安心な仕上がり。

とはいえ何も変わっていないかというとそんなこともなく、これまで以上に曲調の幅やアレンジのバリエーションは広がり、トミーがデビュー以来思い描いてきた「映画的なパワー・メタル」というビジョンはこれまで以上に具現化されている。

ただ、「ベタベタのメロスピであること」がマニアの間における評価ポイントであった彼らにとって、この「変化」が必ずしも好意的に受け止められるとは限らない。

前々作あたりから、単純かつ軽薄な疾走メロスピからの脱却を模索しているかのような印象はあったが、それでもピュア・メロディック・パワー・メタルとしての完成度は確実に上がっていたと思う。

それに対して本作における曲調の幅の広げ方は「新しい魅力の提示」というよりは、むしろ「ヌルさ」につながっている感がある。

それは本作で聴かれる、陽性のスケール感(#1のオープニングに顕著)をパワー・メタル・サウンドの中で効果的に輝かせられるほど、まだトミーのソングライターとしての懐がまだ充分に深くないということなんだろうと思いますが…。

「SWEDISH HITZ GOES METAL」は本国でそこそこ注目されたようだし、トミーに対し、母国の人気バンドであるSABATONから加入要請があるなど(断ったそうですが)、だんだん成功の芽が見えてきて状況が明るくなってきたことがサウンドにも影響を与えているのでしょうか。

目指している所はわかるのだが、未だサウンドから抜けないB級感(サウンド・プロダクション自体はだいぶマシになったと思います)が、恐らくトミー本人が目指す境地にクオリティを到達させていないのがもどかしい一作。【81点】

◆本作のティザー映像 [YouTube]



喜多村英梨 / RE;STORY

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オリコン初登場5位を記録した、人気声優キタエリこと喜多村英梨のアルバム。

本作収録曲以前にもポニーキャニオンやランティスからシングルのリリース経験はあり、キャラクターソングやユニットとしての音源リリースも多数あるが、ソロ名義でのアルバムは本作が初となる。

私がこのアルバムを購入し、ここで取り上げた理由は明快で、Syu(G:GALNERYUS)が#1のタイトル曲に参加しているからである(厳密にはそれだけではないが、その点については蛇足なので追記で書きます)。

本人がインタビューで語る所によると、彼女はメロスピやゴシック・メタル、シンフォニック・メタルなどが好きだそうで、その#1「re;story」はそういう側面を見せる自分の名刺のような曲にすべく作ったとのこと。

とはいえ、さすがに必ずしもメタルと呼べるほどヘヴィなわけではないが、その手の音楽が好きな人であれば「いい雰囲気」を感じられる楽曲に仕上がっている。彼女も聴いているという陰陽座のファンにもアピールするかも。

そしてSyuのソロもコンパクトながら、限られた尺の中で限界まで音数を詰め込まんとする速弾き中心のプレイが、この手のジャンルの楽曲としては異彩を放っている。

それ以外の曲についても、オリエンタルなアレンジを取り入れた#3やジャジーな#6などバラエティに富んだ楽曲を収録しつつも、バンド・サウンドをフィーチュアしたロック調のサウンドが中心となっていて、個人的には結構楽しめた。

全体的にはHR/HMというよりはいわゆるV系ロックの要素が強く、本人のヴォーカル・スタイルもあの手のジャンルのヴォーカリストを意識しているものと思われる。

私の世代だとL’Are-en-CielやJanne Da Arcあたりが想起される音ですが、喜多村英梨本人がよく聴いているというthe GazettEやAlice Nineなど、もっと新しいV系バンドに詳しい人にとってはそれらのバンドからの影響が感じられるのかもしれません。

#8のようなかなりヘヴィと言っていい楽曲を収録する一方、アニメ『まよチキ!』OP曲である#9「Be Starters!」や、オリコン8位を記録したアニメ『パパのいうことを聞きなさい』オープニングテーマ#11「Happy Girl」など、いかにもアイドル声優の歌うアニソンっぽい楽曲も収録、客観的にはそういった曲のほうがクオリティが高いかな…。

いずれにせよ、メロディックなHR/HMやSyuのファンで、こういったアニメ的なものやV系っぽいロック・サウンドに抵抗がなければなかなか楽しめる作品ではないかと思います。

◆本作のリード・トラック「re;story」のPV[YouTube]



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LOUD PARK 12 第3弾アーティスト発表

今週はお盆休みで発表はないかと思っていましたが、発表されました。
追加アーティストは以下の2組。

・SLAYER
・DIR EN GREY

ポジションおよびバンドの実績的に考えてSLAYERがトリ、ってことなんでしょうね。
日本では多分HELLOWEENの方がセールス的な意味での実績は上のような気がしますが。

昨年のLIMP BIZKITのように物議を醸すことはないでしょうけど、相変わらず新鮮味はないですね。
どちらのバンドも2006年の第一回から出演しているバンドですし。

しかしまた随分中途半端なタイミングであっさりトリが発表されたものですね(笑)。
普通のフェスならまず客寄せにドーンとトリを発表するものですが、引っ張った割に「満を持して」感もあまりなく。

まあ、きっとSLAYERを確実に押さえられたのがこのタイミングだったというだけなんでしょうけど。

ここまでトリが決まらなかったというのは、やはり今の日本市場というのは商売的にもおいしくないし、放射能的な意味でもあまり来たくない場所だから、ってことなんでしょうかね。

そう考えると既にトリ3回目となるSLAYERってのは、見た目が恐ろしげなのであまりそういう印象を受けませんが(?)、実は「親日バンド」なのでしょうか(笑)。

SLAYERはまだゲイリー・ホルト(G:EXODUS)が感染症になったというジェフ・ハンネマンの代役やっているんですかね?
だとしたら、その面子のままで来てくれればちょっと興味深いですね(ジェフには申し訳ないですが)。

まあいずれにせよ無事に(?)ヘッドライナーが決まってめでたいことです。

こうして見ると、ネームバリュー的には結構厚みのあるラインナップにはなっているので、この後の発表は初出場となるフレッシュなバンドがどれだけ出てくるかが楽しみですね。

こういう機会じゃないと来日できないようなバンドをぜひたくさん呼んでもらいたいです。

◆LOUD PARK 12 公式サイト
http://www.loudpark.com/12/