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UNISONIC / GOTTHARD 来日公演 at SHIBUYA-AX 2012.9.7

今日は担当クライアントの宣伝部の多くが出張に出ていたため、まんまと仕事からの逃走に成功。

とはいえ開演時間10分前に会場に着くのが精いっぱいだったわけだが、2階指定席なので問題はない。
この会場で2階席は2005年のANGRA&NIGHTWISHのカップリング公演以来だ。

ドリンクチケット(というか、メダル? コイン?)をビールに引き換えて、席に着く。
ライヴを観ながら飲むビールは格別ですね。

余談ですが、2階席1列目中央にはキャプテンこと和田誠氏が鎮座していらっしゃいました。挨拶していたのは奥村氏かな?
噂によると昨日は伊藤政則氏が同じ場所に鎮座していたそうです。

昨日は8割くらいの入りだったと聞くが、フロアを見下ろすと本日はほぼ満員。年齢層はかなり高めで30代~40代と思しき人々がメインか。

場内BGMのDRAGONFORCE「Heroes of Our Time」が流れている中、突如謎のニック・メーダー・コールが場内上手(かみて)前方の、スイス国旗を持った人たちを中心に巻き起こる。

しかし思いのほかDRAGONFORCEの曲は長く、開演を待たずしてニック・メーダー・コールは失速して終了する。

そしてようやくDRAGONFORCEの曲が終わる頃、場内が暗転し、前座であるGOTTHARDのショウが始まる。

うーん、音が悪い…。ハイがキツ過ぎる上、音量自体も大きくて耳がキンキンする。このバンドの曲はこんな硬質なサウンドじゃなく、もっとウォームなサウンドの方がハマるのに…。

アルバム「LIP SURVICE」収録の「Dream On」で幕を開けた本日のライヴにおける注目ポイントは、やはり故スティーヴ・リーの後任という大役に抜擢された新ヴォーカリスト、ニック・メーダーだ。

とりあえずデカい。しかもかなりゴツい。

スティーヴをさらにハスキー&ブルージーにしたような歌声自体には違和感はほとんどなく、音楽再現性におけるダメージは小さい。

ただ、LOUD PARK 09で観たスティーヴ在籍時のライヴに比べ、明らかに華がない。ギターを弾いてみたり、ハットを被ってみたり、色々と頑張ってはいたんですけどね。

やっぱりスティーヴは母国のスターならではのオーラがあったし、パフォーマンスが堂々としていてカッコよかった。

それに比べるとニックは、やはり新入りだからかちょっと一歩引いている感じで、その代わりといってはなんだが、リード・ギタリストのレオ・レオーニがやたらとハッスルして存在を主張していた。ただ、残念ながらあまりカッコよくはない…。

途中、亡きスティーヴに捧げられた「One Life, One Soul」では場内にエモーショナルな空気が流れ、みんなさすがにスティーヴの悲報は知っている感じでした(当たり前?)。

後ろの方まで結構盛り上がっていたし、マイクを向けられるとフロア前方を中心にちゃんと歌声も起きていたので、場内の雰囲気は決して悪くなかったが、個人的には決して派手とは思っていないGOTTHARDの曲が、ニックのブルージーな歌声によってさらに地味になってしまっていて、ちょっと退屈な瞬間もありました。

LOUD PARK 09で観たときには「こりゃ今日イチかも」と思ったほど良かったのになー。

まあ、ニックがもう少し大舞台での場数を踏んで、華を身に着けてくれれば解決する問題なのかもしれませんが。

1時間強でGOTTHARDのライヴが終わると、30分ほどのセットチェンジを経て、UNISONICのショウが始まる。

場内BGMのNICKELBACK「Gotta Be Somebody」が終わる前に場内が暗転、おもむろにワーグナーの「ワルキューレの騎行」が流れる。

そしてバンドのテーマ曲と言うべき「Unisonic」でライヴがスタート。サングラスをかけたマイケル・キスク(Vo)が登場すると大歓声が上がる。

そしてサビではGOTTHARDのときの3倍くらい大きなコーラスが巻き起こり、ああ、やっぱり大半のオーディエンスはUNISONIC目当てなんだな、と感じた(単に合唱しやすいサビだから、というのもあるけど)。

しかしこちらもGOTTHARDに輪をかけて音が悪い…。というか、機材もバックドロップも明らかにGOTTHARDよりもショボい(苦笑)。

というのも、日本でこそUNISONICがメインだが、ヨーロッパ・ツアーではGOTTHARDがメイン・アクトで、UNISONICが前座だから、ということなのだろう。

快活な「Never Too Late」、メタリックな「King For A Day」、ちょっとダンサブルな「I’ve Tried」とショウはスムーズに進行。注目のマイケル・キスクのヴォーカルは、低音部こそややコントロールに難儀している節もあったが、高音の伸びは素晴らしく、衰えは全く感じられない。

衣装も今までのように黒いだけの普段着、みたいなカッコではなく、ちゃんとステージ衣装(?)を着ていたし、LOUD PARK 11でのステージと比べてもフロントマンらしくなっていて、ああ、きっと自信を取り戻してきたんだな、となんだか嬉しくなった。

時折見せるロボットみたいなアクションはあまりカッコいいとは思えなかったが…(苦笑)。

「僕は18歳でキャリアを始めて、今は44歳だ。長い年月が流れた。髪の毛は無くなり、体重は増えた」と自虐ネタで笑いを取った後、その長い年月をさかのぼる楽曲がプレイされる。

「March Of Time」だ。当然周囲は大歓声。私も興奮して歌えるはずのない音域で声を枯らしながらサビを絶叫する。

ただ、昨日は私にとって洋楽メタルに目覚めるきっかけとなった私的超名曲「I’m Alive」だったとのことなので、正直あちゃー、外したな、という思いも実は密かにありました(苦笑)。

まあ、昨日はライヴの時間にモロ会議が入っていたのでどのみち無理だったんですけどね…。

大盛り上がりの「March Of Time」の後は、耳慣れない曲。後で知ったが、アルバム「UNISONIC」の欧州盤ボーナス・トラックである「Over The Rainbow」というバラードだ。曲自体はなかなか良かった。

というか、このバンドの曲って、路線としては必ずしも私のストライクゾーンではないものの、何気にどの曲もそれなりにキャラが立っていて、結構いいんだよね。今回のライヴのために聴き返していてあらためて思いました。

ただ、ライヴ映えする曲とそうでない曲は結構明確に分かれていた気もするけど…(「My Sanctuary」と「Souls Alive」は曲としては割と好きだが、ライヴではイマイチだと感じた)。

途中、今時珍しいギター・ソロ・タイムがあり、カイ・ハンセンが速弾き中心の「俺はメタル派!」、マンディ・メイヤーがボトル・ネックを駆使した「俺はハード・ロック派!」といった感じの毛色の異なるソロを披露。

ただ、一番盛り上がったのはやはりカイが「荒城の月」のメロディを弾いたときでしょうか。

ていうか、カイは目立ち過ぎ(笑)。フロントマンばりに動きまくりだし、音もマンディより明らかにデカいし、本編ラストのマイケル曰く「パーティ・ソング」、「Never Change Me」ではサビ前のコーラスを担当していたにもかかわらず、2回目のコーラス前には少し離れた所でよそ見をしていてコーラスをすっぽかす(マイケルが指さしまでしていたのに!/笑)、なんてお茶目まで披露。

バンドに一番最後に加入したにもかかわらずこの目立ちよう…「オメー、新入りのくせに生意気だぞ」と放課後体育館の裏に呼ばれてシメられてもおかしくないレベル(笑)。

アンコールは皆が期待している通り、HELLOWEENクラシックの「Future World」と「I Want Out」の2連発。「Future World」の導入はいつも通りグリーグの「山の魔王の宮殿にて」。

「Future World」の中間部ではマイケル・キスクが愛好するエルヴィス・プレスリーの曲をはじめとするオールディーズな楽曲を遊び的に挟んだりしつつ、「70,000人の」(ジャーマン・ジョークです)オーディエンスとの長いコール&レスポンスが。

「I Want Out」も当然の大盛り上がり&大合唱でしたが、やはり二度目となるとちょっと感動が薄れるかな(←贅沢)。でも、とにかく最後までマイケルのハイトーンは全開で、その高音の伸びには一種のカタルシスさえ感じましたね。「伸びてくれっ!」と思う所でちゃんと伸びていくというか。

終演後、メンバーがカーテンコールをしようとしているときに、カイ・ハンセンは一人フロアに降りてオーディエンスとたわむれている(苦笑)。マジでシメられるぞ、そのうち(笑)。

いや、実際にはメタル(?)がこんなんでいいの? ってほど和気あいあいとしたムードの楽しげなライヴだったのですが。

そしてカーテンコールで並んでみると、案の定というかカイが一番小さい。
それなのにあの存在感、やっぱりなんだかんだ言ってカリスマなんだなあ。

とりあえず今回聴けなかった「I’m Alive」を聴くために、次回の来日にも足を運ばなきゃ…(苦笑)。
それともそれはいつか訪れるかもしれない、KEEPER'S HELLOWEEN「再結成」イベントに期待すべきなのか…?

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