NAUTILUZ / LEAVING ALL BEHIND

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メロディック・パワー・メタル・ファンの間で既に輸入盤が大きな話題を集めていた、2009年にペルーの首都リマで結成されたツインGにKeyを加えた6人組のデビュー作。

2010年に発表したEP「Chasing The Light」は本国ペルーのメタル・ファンおよび各国のマニアの注目を集め、本デビュー・アルバムにも再録されて収録されたタイトル曲は人気ゲーム「Rock Band」にも採用されるなど、ペルーのバンドとしては異例の反響を呼んだ。

Voを含むメンバー・チェンジを経て発表された本作で聴かれる音楽性は、先述のEPでSTRATOVARIUSの「Black Diamond」をカヴァーしていたことからも想像がつく通り、Keyをフィーチュアしたクラシカルなメロディック・パワー・メタル。

現ベーシストの兄弟が母国では有名なプロデューサー/エンジニアであったことが幸いしてか、南米のマイナー・バンドにしてはかなり良好なサウンド・プロダクションに支えられ、とてもデビュー作とは思えない完成度の高いサウンドを展開している。

正直な所、このサウンド・プロダクションの良さが一番驚いた。「メタル辺境国」から出てくるバンドの最初の課題は大抵これで、ANGRAだのRHAPSODYだのがデビュー作からそこそこのクオリティだったのはドイツ人の手を借りることができたからである。

これがペルーなんてメタルに限らず豊かとは言い難い国で、自国のスタジオ、自国のスタッフでこのクオリティが出せるとしたら、これは今後本格的に米英・ドイツ・北欧以外の良質なバンドの登場に期待が持てますね。

演奏力もかなり高く、ネオ・クラシカルなプレイが随所で冴えわたり、Voも個性は薄いものの、この手の音楽にマッチしたハイトーン・ヴォイスでメロディックな歌唱を聴かせてくれる。

STRATOVARIUSやEDGUY(というかAVANTASIA)など、先達からの影響は顕著で(#7なんて完全にSTRATOVARIUSの「I Walk To My Own Song」が元ネタだ)個性は薄く、全体的にやや優等生的ではあるが、辺境のマイナー・バンドがデビュー作で優等生的な作品を送り出しているというだけで驚異的というべき。

メンバーの見た目は完全に一般人で、音楽で生計を立てられているわけではないことが容易に想像されるが、アートワークなども含め、非常に完成度高くまとまった好盤。

まだガツン、と来るほどではないが、これはHIBRIA以来の期待株かも。【85点】

◆本作の1stシングル「Under The Moonlight」[YouTube]


◆本作のトレーラー映像 [YouTube]



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BURRN!13年9月号の感想

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表紙および巻頭特集はつい先日来日公演を行なったAEROSMITH。

彼らは偉大で今なおカッコいいバンドだとは思いますが、前回表紙になってからまだ1年も経っていないだけに「また?」という感じも。

とはいえ今日びなかなか取材に応じてくれない大御所もいる中、これだけコンスタントに表紙になるというのは彼らが「親日」であることを証明しているのかもしれません。

インタビューの中心が前回の来日公演の様子を収めたDVDということで、トピックは過去の話が多く、インタビューの内容が薄い分、先月の「KISS A to Z」のようなAEROSMITH関連用語辞典的な記事でページ数を稼いだ感じですね。

その後はVAN HALENの来日公演レポート。実際に観に行った身としては、もうだいぶ前のことような気がしますが、たしかに日付を考えるとギリギリ先月号に間に合わないタイミングですね(苦笑)。

そして唐突にCHILDREN OF BODOMの、ホームであるフィンランドの都市エスポーでの公演レポート。

なんでこのタイミングでCOBにカラー5ページも…? と思ったら来月に来日公演があるからか。チケットもまだまだ売れ残っているようだし、一種の販促協力ですね。

その後出てくるのは「2010年代デビュー新人バンド特集」。一見若いバンドにフォーカスしているようで、単に「若い」ということだけで十把一絡げにした「NAVERまとめ」レベルの雑な企画。プロの編集者がこんな安直な切り口で記事作ったらアカンでしょ。

こんなん新しいバンドに興味がない人にはまるっとスルーされるだけ。新しいバンドに興味のない人に興味を持たせることができるような切り口の企画じゃないと、若いバンドにはあまりメリットがない。

しかも若いバンドはそれだけにルックスもいい(少なくとも若々しい)はずなのだから、そういうバンドこそカラーで扱うべきなのにモノクロって。

若いバンドの特集をすることで、かえってこの雑誌が若いバンドに興味が薄いことが判明してしまったような気さえします。

そして続くのはしぶとく戻ってきた「LAメタルの真実」。もはや不定期連載状態ですね。「人気が衰えない」と書いてあるので、やはりこの雑誌を支えているのはLAメタル世代の人たちなのかもしれません。

今回のお題は元RATTのベーシスト、フォアン・クルーシェ。やたらとボリュームの多いインタビューの内容はそれなりに刺激的で、興味のある人にはなかなか面白いだろうと思われるが、毎回思うのはこの企画の面白さってのは「週刊大衆」とか「週刊朝日」の記事みたいな面白さであって、下世話だなというのが個人的な感想です。

モノクロインタビューされているアーティストで最も面白いのはやはりというか、ティモ・トルキ。この雑誌が「天才ティモ・トルキ」などと書くと皮肉にしか見えませんね(笑)。

AVANTASIAやHELLOWEENなど、他のアーティストとの類似を指摘されるとやや毒のある物言いで否定したり、自分が思ったように行かなかったからといってSYMFONIAのことを「なかったこと」にしたり、自己啓発セミナーだのセラピーだのを受けた割にはまったく成長していないティモの物言いが面白くも哀しい。

SYMFONIAのアルバムは日本ではまあまあ売れたものの、フィンランドでは328枚しか売れなかった、とか、PROJECT STRATOは来年動く、とか、娘をシンガーとしてデビューさせるためにポップ・ソングを書いている、なんていう話は興味深かったですね。

一方で新作が全米2位に輝いたFIVE FINGER DEATH PUNCHまでモノクロ2ページの扱いでいいのか、って気はしますが。

名盤「MOOD SWINGS」のリメイク・アルバムを発表するHAREM SCAREMのインタビューは、かつて気に入っていると言っていた「VOICE OF REASON」を「今は気に入っていない」と否定してみたり、それでいて新曲は「VOICE OF REASON」に通じる雰囲気を指摘されてみたりと、個人的にはやっぱり「周りの要望」に応えてやったことなのかな、という印象を受けました。

CYNTIAのインタビューは、インタビューの文字色から藤木氏のウキウキした気持ちが伝わってきますね(笑)。まあむさくるしいオッサンより女の子にインタビューするほうが楽しいですよね、絶対。

センター見開きのカレンダーポスターはもはやこの雑誌のアイドルと化してきたCHTHONICのドリス・イエ。やはり彼女はぽってりした下唇がセクシーでいいですね。

時々読むとはなしに読んでいるシャリー・フォグリオさんのコラムが、これまでの「自分が知ってる裏話」的なものから単なるジェイムズ・ロメンゾ(B/元WHITE LION、PRIDE&GLORY、MEGADETH)へのインタビューになっていたのは、ついにネタが尽きたのでしょうか。

ジェイムズ・ロメンゾというミュージシャン自身は割と好きなベーシストだが、「なぜ今彼のインタビュー?」という無理くり感は否めず。一時期はミュージシャンをやめてFedExの配達の仕事までしていた、なんて下りは生々しくてある意味面白かったですけどね。

後半力が入っているのはマイケル・モンローと先月来日公演を行なったAVANTASIAの記事。当然ながら個人的な興味としてはAVANTASIAに一点集中ですが。

AVANTASIAについては、ライヴ・レポートはもとより、マイケル・キスクのインタビューが印象的かな。カラー10ページでの扱いは、このプロジェクトの日本でのセールスに対してはなかなか好待遇なのではないかと思います。

今月のレビューを見ると、個人的にマスト・バイと言うほど心惹かれるタイトルはないのですが、購入済みのNAUTILUZ、そしてREINXEED、そして元VERSAILLESの楽器隊によるJUPITERのアルバムあたりはメロスパーとして押さえておきたいところ。

クロスレビュー・トップながら、今一つ評価が微妙なAVENGED SEVENFOLDについては、個人的には前作の時点でやや微妙だったのであまり期待はしていないものの、一応チェックしてみたいと思います。

あまり期待していないけどチェックしてみたい、という意味ではQUEENSRYCHEのアルバムと、HAREM SCAREMのリ・レコーディング盤ですね。

TURISASはどうしようかなあ…。興味深いバンドだとは思うんだけど、彼らのアルバムを聴いて心底良いと思ったことはないんですよね、正直。

それならむしろ前々作、前作と安定して良かったSIRENIAや、ジェイムズ・ラブリエのソロ・アルバムのほうが楽しめそうな予感。

まあ、あとは実際にショップに足を運んだときの気分で決めたいと思います。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011309

SUMMER SONIC 2013 東京 1日目 8/10 感想

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サマーソニック2013 東京初日、行ってきました。サマソニは2010年以来です。

METALLICAがトリを務めることもさることながら、BULLET FOR MY VALENTINEも出るし、さらに初来日となるVOLBEATなんて注目のメタル・バンドまで登場するということで、メタラーとしてこれは行かねば、と。

しかし折悪しくこの日は会場である幕張メッセ/マリンスタジアムのある千葉は今年最高の気温を記録、SUMMER SONIC史上最高の猛暑を記録するというハードな環境、しかもMETALLICAもBFMVもVOLBEATも野外のマリンステージという、メタラーにとってはかなり厳しい状況になっていました。

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私は決して汗っかきではないのですが、チケットをリストバンドに交換する列に並んでいるだけでもう汗だくでした。

海浜幕張駅に10時半ごろ到着し、11時ちょい前にマリンステージに到着。LOUD PARKのMCでもおなじみのサッシャ氏がVOLBEATを紹介していました。

VOLBEAT

デンマーク出身の、ロカビリーの要素を取り入れたメタル・バンド。本国デンマークではチャート1位の常連(4作連続)で、欧州全域で高い人気を誇り、最新作「OUTLAW GENTLEMAN & SHADY LADIES」はアメリカでも9位に入る大成功を収めている。

しかしなぜか日本では認知度が低く、そんな全米TOP10バンドが一番手扱い。とはいえ灼熱地獄の中アリーナ前方は結構埋まっていて、注目している人はやっぱりそれなりにいるんだな、という感じ。

最初1階スタンドで観ようと思いましたが、あまりの日差しの強さにわずか5分で照り焼きにされる気分をバーチャルし、慌てて日陰になっている2階スタンドへと逃げ出しました。

音楽的には、別にものすごくロカビリーっぽいわけではなく、基本的にはMETALLICAがキャッチーになったかのようなサウンドが基本。パフォーマンス含めて普通にカッコいいHR/HMバンドという印象。

ロカビリー色が比較的強い楽曲も、陽気なMOTORHEADみたいな感じで楽しい。一方で北欧出身らしい叙情性を垣間見せる曲もあり、なかなか音楽的な懐の深さを感じるが、こういうジャンル分けが難しいサウンドは日本では売りにくいかも。

自分たちの楽曲の浸透度が充分ではないことをわきまえていたのか、いつもやっているのかは不明ながら、途中QUEENの「We Will Rock You」を合唱させたり、クライマックスでSLAYERの「Raining Blood」のイントロをプレイしてみたり、うまく盛り上げていましたね。期待通り、良いバンドでした。


ONE OK ROCK

VOLBEATが終わると、朝食兼用の昼食をとるためにいったんスタジアムの外へ。

あらかじめサイトで飲食ブースをチェックして、うまそうだな、と思っていた「火と木」という店で「豚丼たまご乗せ」を購入。正直サイトの写真とはかなり異なる印象のものだったが(苦笑)、まあ豚肉だから疲労には効くはず(?)。

普段はちょっと薄くて水っぽいと感じるさっぱり系のバドワイザーが最高にうまいと感じる暑さでした。

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LOUD PARKのオフィシャルバーも出店していました。

マリンスタジアムに戻ると、アリーナは後方までいっぱいで、スタンドも激混み。さすが人気バンドだけあって盛り上がっている。スタンドの2階席の前の方に座って鑑賞していたが、2階席でも合唱や歓声があちこちで聞こえるなど、なかなかアツい反応。

実は仕事で関わったこともあるバンドなのであまり大きな声では言えないものの、正直バンド名はなんでこんなカッコ悪い名前にしたんだろ? と首をかしげたくなるのですが(苦笑)、メンバーのルックスはいいし、曲も適度にハード&キャッチーで聴きやすい。パフォーマンスだって悪くない。

最近の中高生にとってはこういうバンドが「ロックの入口」になるのかな、なんて思いました。仕事で関わったおかげで曲もわりかし知ってたので、普通に楽しめました。

しかしこの間、私の近くで階段を下りてきた女の子が昏倒。おそらく熱中症で、きっと「ヤバい」と感じて自分で救護エリアに行こうとして途中で意識を失ったと思われます。そばにいた人がスタッフを呼び、担架が来るまでスポーツドリンクを口に含ませたり、冷えピタを貼ってあげたりしてケアしていました。この辺日本人はやっぱり概して親切ですね。

こういう衝撃的な光景を身近に見ただけに、その後は意識的に特に喉の渇きを自覚していなくても定期的な水分補給を心がけるようにしましたね。


マキシマム・ザ・ホルモン

ONE OK ROCKよりはちょっとアリーナの人数自体は減ったような気がしますが、それでもかなりの大盛況。楽曲に合わせての上半身をフルに使ったヘドバンなど、オーディエンスのリアクションはむしろワンオクより大きくて、スタンドから見ていると壮観。

OZZFESTでも観ていたので知っていましたが、やはり彼らのライヴは抜群に面白くて、楽しい。エネルギッシュなパフォーマンスもさることながらMCの煽りとかものすごく巧みなんですよね。

あまりの酷暑に、バンド側からオーディエンスに対して「死なないで」とメッセージされ、本日のテーマは某大ヒットアニメ映画と同じ「生きねば」と設定される(笑)ほどの過酷な暑さの中、バンドの熱演に負けないアツさで盛り上がるオーディエンスも素晴らしかった。

私は引き続き2階スタンドの前方で観ていたのですが、私の前で立って観ていたcoldrainのTシャツを着ていた金髪ショートカットの女の子も本当に楽しそうにノリノリで踊っていて、そんな人たちを見ているだけでもハッピーな気持ちになれましたね。

ただ、だんだん太陽の傾きと共に2階席の前方にも陽が当たるようになってきたので、黙って座っているだけでもたまらなく暑い。ロースト・ヒューマンになってしまいそうだ。この一番暑い時間帯にアリーナで騒いでいる連中は化け物めいた体力だな…と感心してしまいました(苦笑)。


BULLET FOR MY VALENTINE

メタラー的にはひとつの目的になりえるバンドではあるが、マキシマム・ザ・ホルモンが終わると凄い勢いでアリーナから人がいなくなる。残ったのは1割ちょっとくらいか。

私も日差しから逃げるために2階スタンドのさらに高い、日蔭になっている位置へと退避したので、きっととてもアリーナに残っていられない暑さだったのだろう。

開演までにはまた人が集まるかと思いきや、前半部すらろくすっぽ埋まっていない、という程度のVOLBEAT以下なんじゃないかという客入り。これはちょっと観ていていたたまれない。

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開演5分前でこの様子…。さっきまでは球場フィールドの8割近く人で埋まっていたのに…。

とはいえ、VOLBEATのときと違ってスタンド席はかなり埋まっていて、単純に暑すぎてアリーナに行けない、という状況が影響していたのは大きいでしょう。

ただ、スタンド席が埋まっているのはONE OK ROCKやマキシマム・ザ・ホルモンも同様なわけで、そういう意味で「バンドの勢い」を感じることは難しい光景。ぶっちゃけ、BFMVを一番の目当てに今回のサマソニに来ているという人はかなり少数だったのではないかと思われます。

まあ、実際最新作の出来はいささか微妙で、そういう意味で私の期待値もそれほど大きくなかったのは事実ですが、こうも落差があからさまだといささか寂しい。

ただ、パフォーマンス自体は決して悪くなかった。以前LOUD PARKで観たときに比べると格段にステージ運びに安定感と風格が増していて、個人的な趣味からするとONE OK ROCKやマキシマム・ザ・ホルモンよりも感性にフィットする音楽ではありました。

アリーナは前方しか埋まっていないとはいえ、このクソ暑いなか盛んにサークルピットやモッシュピットができていて盛り上がっていたし(テコンドーモッシュとかはた迷惑なことをやっている人も目についた)、いいライヴだったんじゃないかと思います。

ただ、やっぱりこのバンドがもう一段上に行くには、ちょっと歌唱の説得力が致命的に不足していると感じたこともまた事実。


coldrain

BULLET FOR MY VALENTINEが終わった後、2つの選択肢があった。このままこのMARINE STAGEにとどまってFALL OUT BOYやLINKIN PARKを観る。

あるいは、RAINBOW STAGEに移動して、coldrainとBABYMETALを観る。

会社の後輩(基本的にはアニメのサントラやアニソン、ボカロ曲ばかり聴いているものの、一番好きなアルバムはDEEP PURPLEの「BURN」であるという不思議な男)のお気に入りであるというFALL OUT BOYにもちょっと興味はあったし、LINKIN PARKは結構好きである。

しかし、この暑さの中このままマリンスタジアムにとどまることは冗談ではなく生命の危機を感じるし、スタンドにずっと座っていたせいで正直尻が痛い(苦笑)。

そして先週ROCK IN JAPAN FES.で観たBABYMETALのライヴはかなり楽しかったし、しかも今回は生バンド演奏だということなので(RIJFでは打ち込み演奏だった)、これは観ておきたい。

ということでメッセへのシャトルバスに乗ってRAINBOW STAGEへ移動。その前にクールダウンのため、かき氷を食べてみたり(あまりの暑さにみるみる溶けて、すぐに「シロップジュース」になってしまいましたが/苦笑)。

メッセに着くと、そこは空調が入っているだけに別世界のように快適。うーん、やっぱり真夏は屋内フェスの方が向いているような。

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同じメッセでもLOUD PARKより俄然イイ雰囲気。

そしてOZZFESTの際には寝坊で観損ねたので気になっていたcoldrainの演奏が始まる。最新作がオリコン上位を記録したというだけあって、かなり人は集まっている。

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セッティング中の様子。ステージの作り込みもLOUD PARKより(以下略)。

印象としては、ハードさを強めてエッジを効かせたONE OK ROCKという感じ。いや、イケメンな若者たちがプレイするちょっとエモいロック、というだけで、ファンの方にとっては「一緒にするな」という感じなのかもしれませんが。

30代のオッサン目線で見ると「イキがってる」感じがちょっと微笑ましいのですが、これもきっとティーンの男の子や女の子にとってはカッコいいと映るのではないかと思います。

4曲ほど聴いた所で、大学時代の友人から会場に着いたとの連絡が。元々METALLICAにしか興味がないという友人だが、暇だったとかで少し早めに来てくれた。

私も少し小腹が空いていたので、RAINBOW STAGEを出て、友人と屋台を覗いて回る。

すると、LOUD PARK 10でメタル・ジェントルマン諸兄のハートを鷲掴みにした焼津まぐろ屋の屋台が。

並んでみると、紛れもないあのMEGUMI似のおねいさんが。相変わらず目のやり場に困るほどバックリと胸元の開いたコスチューム(?)をお召しで、髪には黄色い花を飾っていらっしゃいました。

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おねいさんの写真も盗撮しましたが、肖像権の問題があるので掲載はしません(笑)。

まぐろステーキ丼とビールを購入し、友人とカンパイ。

全然coldrainと関係ない話ばかりですみません(苦笑)。


BABYMETAL

実はMETALLICAの次に楽しみにしていたと言っても過言ではないかもしれず、そしてその期待を裏切らぬ楽しいライヴでした。

サウンドチェックの段階から、サウンドチェックとは呼び難いほどに派手なプレイを炸裂させていた「神バンド」のゴリゴリかつテクニカルな演奏をバックに、年端もいかぬ女の子が歌い踊るステージは、初見の人にはかなりのインパクトだったのではないでしょうか。

本日のトリを意識しての「The Ecstacy Of Gold」(METALLICAが開演OPに使用しているエンリオ・モリコーネ作曲の『続:夕日のガンマン』のテーマ曲)が流れる中の「…AND JUSTICE FOR BABYMETAL」というモニターのメッセージ、そして影ナレの「LINKIN PARKはこっちじゃないぞ」という煽り、そして途中に映像(スライド?)で挿入された、昨年のSUMMER SONIC 2012の出演エピソードなど、笑える演出も満載で、非常にエンターテインメント性の高いライヴでした。

個人的には「Babymetal Death」や「Catch Me If You Can」のような曲よりも、もう少しキャッチーな歌モノ系の曲を冒頭に集めた方が初見の人に対するツカミは良かったのではないかという気もしましたが、場内、特にPAブースより前のエリアは大盛り上がりでした。

ただ、BABYMETALから入って、真性のメタラーになる人は少なそうかな(苦笑)。


METALLICA

本当はBABYMETALの裏でMOUNTAIN STAGEでプレイしていたCHEAP TRICKも観たかったし、ひょっとすると当サイトの読者のうち何割かの方はBABYMETALを取り上げるよりCHEAP TRICKを取り上げるべき、とお考えの方もいらっしゃると思います。

BABYMETALが終わった時点でちょっとCHEAP TRICKを覗きに行く、という選択肢もあったのですが、METALLICAの場所取りを考えるとさっさとMARINE STAGEに戻るのが得策であるのは明らかだったので、未練を振り切って再度シャトルバス乗り場へ。この辺はこれまでのフェス経験に基づくオトナの判断であると自負しております(ホントかよ)。

そして本命METALLICAですが、やっぱりさすがの満足度でした。当初、暑さでかなり体力を消耗しており、BULLET FOR MY VALENTINEの後は基本的にずっと立ちっぱなしだったこともあって、「途中で眠くなってしまうかも…」と危惧していたが、「Hit The Lights」から「Master Of Puppets」の流れで一気に疲れが吹き飛びましたね。

正直、「Carpe Diem Baby」から「I Disappear」という中盤の、レアだが、それだけに地味な流れの箇所で一瞬睡魔が襲ってきましたが、それは内緒です。

ただ、さすがに足に疲れが来ており、「One」のイントロの戦場SEが鳴っている間、屈伸運動をしていたら斜め前方にいた女の子にこっちを振り返られて「屈伸してるw」と笑われたのは甘酸っぱいひと夏の思い出ということで(苦笑)。

まあとにかくアンコールの「Creeping Death」から間髪入れずの「Battery」で完全KOですよ。この灼熱の夏フェスをやり切った気持ちでいっぱいになりましたね。

METALLICAの面々はアンコールの焦らし方など意外なほどにお茶目なエンターテイナーで、特にジェイムズは(きっとどこでもそうなんだと思いますが)「この人日本が好きなのかも」と思わせてくれるフレンドリーな態度にすごく好感が持てましたね。ラーズは「すぐに戻ってくるぜ!」と言っていましたが、彼らの感覚における「すぐ」っていつなんでしょうね(笑)。

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最後は花火で大団円。いいですね、日本の夏。


チラッとこのブログでも触れましたが、この前の週にはROCK IN JAPAN FES. 2013に行っていました。音楽的にはライヴを観たいと思うほど興味のあるアーティストは出ていなかったのですが、それだけに気楽に、気ままにフラフラできて楽しい思い出になりました。

一方、このサマソニはVOLBEATからMETALLICAまで、観たいバンドばかりが詰まっているという意味で楽しめるフェスでした。実際の所、むしろもう少し隙のあるラインナップの方がラクだったと思えるほどに(笑)。

来年はきっとここまでメタラー的に充実したラインナップは揃わないだろうと思うだけに、やっぱり今年はメタル・イヤーなんだなあと思わずにはいられませんね。

◆SUMMER SONIC 2013公式サイト
http://www.summersonic.com/2013/

HEAVEN SHALL BURN / VETO

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ドイツを代表するメタルコア・バンドの、本国ドイツのチャートで初登場2位を記録した通算7作目のアルバム。

これまでYouTubeなどで彼らの音楽に触れたことはあって、「なかなかカッコいいな」とは思っていたものの、ちょっと調べてみると彼らはアティテュード的にはメタルというよりもハードコアに近いスタンスのバンド(実際本作もiTunesに取り込んでみるとジャンルは「Punk」と登録されていた)だと知ってちょっと腰が引けていた。

しかも、基本的に私が好きなメタルコアというのはサビがクリーン・ヴォーカルによるメロディックなエモいコーラスというヤツなのだが、このバンドは基本的にスクリーム・ヴォーカル・オンリー。

そんな私が本作に手を伸ばしたのはBLIND GUARDIANの初期の名曲「Valhalla」のカヴァーが収録されており、そこにBLIND GUARDIANのハンズィ・キアシュ本人がゲスト参加しているという話を聴いて興味を持っていたのと、Web上で目にする評判がすこぶる良かったこと、そして普段ハウリング・ブルからリリースされたアルバムをあまり入荷しない行きつけのCD屋に本作がたまたま入荷されていたという複合的な理由による。

そして結果的には「当たり」だった。本作のジャケットはジョン・コリアという画家が1898年に描いた「LADY GODIVA(夫であるマーシア伯レオフリックの圧政を諌めるために一糸まとわぬ姿で馬に乗り街を行進したという逸話を持つ11世紀イギリスの女性)」をモチーフにしているが、そのモチーフを歌詞にも採用した「Godiva」が本作のオープニング・チューンであり、この曲はライナーノーツの解説を信じるのであれば「HEAVEN SHALL BURN史上最もメロディアスな曲」だそうで、この楽曲で聴くことができるツイン・リードの叙情性にはなかなかグッと来るものがある。

とはいえ全体的にはドイツのバンドらしい厳格と言っていいほどに鋭角的で剛直なアグレッションが全編を貫いており、過去作と比較してメロディ志向が強まっているとしても、そのサウンドは未だストイックなまでに攻撃的である。

とてもメンバー全員30代とは思えないほどの、しかしよく聴けばそれだけのキャリアを重ねていればこその強靭で骨太なエクストリーム・サウンドと言えるだろう。

本作に興味を持つきっかけになったBLIND GUARDIANの「Valhalla」のカヴァーも、アグレッションを増していてカッコいい。ハードコア寄りのファンにとっては異質な曲に響くかもしれないが、このメタル色の強い作風のなかではそれほど浮き上がって聴こえない。

日本盤の初回限定盤には、自称(というかオビタタキ)「ベスト選曲」による昨年のライヴ音源がまるっとボーナス・ディスクとして付属しており、こちらも熱くてカッコいいサウンドなのだが、ここで聴ける過去の曲と比較すると、やはり叙情性という点において本作に収録されている楽曲は彼らのキャリアの中でも最もメタルっぽい(というかメロデスっぽい)サウンドであることは間違いないようだ。

日本盤ボーナス・トラックとしてKILLING JOKEの「Europian Super State」が収録されているが、こういうちょっとテクノ/インダストリアルっぽい楽曲をカヴァーするセンスも含めて、やっぱりアメリカのメタルコア・バンドとは異なるドイツっぽいセンスを感じる。

デビューから10年以上のキャリアを重ね、本国のチャートで2位に入るような大御所になってもメンバーは「バンドを楽しむために」普通の仕事に就いているという(そのためか見た目は「フツーのオジサン」っぽいメンバーが多い)。その辺の地に足のついたアティテュードも含め、質実剛健でドイツっぽい感じ。

メロデスは好きだけど、メタルコアはちょっと…っていう感じの方にもオススメできる、なかなかの好盤だと思います。【85点】

◆本作収録「Hunters Will Be Hunted」のPV [YouTube]


◆本作収録「Godiva」のリリック・ビデオ [YouTube]



DERDIAN / LIMBO

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イタリアの大都市、ミラノ出身のシンフォニック系メロディック・パワー・メタル・バンドの4作目となるフル・アルバム。

ギタリストのエンリコ・ピストレーゼを中心に1998年に結成され、当初はMETALLICAやMEGADETHなどのコピーをしていたというが、オリジナル曲を書き始め、2001年にファースト・デモ「REVENGE」を発表する頃には既にメロディック・パワー・メタルに路線を定めていた。

2005年にデビュー・アルバムとなる「NEW ERA PT.1」を発表。この時点で輸入盤を買いあさるようなマニアからは注目を集め、日本デビューも達成。2007年に発表されたセカンド、「NEW ERA PT.2 – WAR OF THE GODS」はアメリカの名門プログ・メタル・レーベル「Magna Carta」からワールドワイドで発売された。

三部作の最終章となった2010年の「NEW ERA PT.3 – THE APOCALYPSE」は、日本盤こそリリースされなかったが、この時期絶滅危惧種となっていた「クサメタル」の佳作として、その筋では高く評価されていた。

ただ、残念ながら商業的には振るわなかったようで、世界的な不況の影響もあってか「Magna Carta」との契約を失い、ヴォーカリストのジョー・カジアネッリも脱退してしまった(それ以外のパートも数多くのメンバー・チェンジを経ている)。

しかし、新ヴォーカリストにHOLY SMOKERSなるIRON MAIDENのカヴァー・バンドで歌っていた人物を迎え、完結した「NEW ERA」三部作に続く新たな作品として本作「LIMBO」が発表された。

アルバム・タイトルの「LIMBO」とは「地獄のそばにあるという地域、キリスト教の救いを受けないで死んだ人々や、洗礼を受けずに死んだ児童などの霊魂がとどまると言われる場所」だそうで、今年の1月に発売されたカプコンのゲームソフト、「DmC Devil May Cry」をプレイした人にはおなじみのワードであろう。

新たなテーマのもとに制作されたとはいえ、基本的な音楽性は変わっておらず、シンフォニックなKeyアレンジを特徴とするメロディック・パワー・メタルが展開されている。

イタリアのこの手のバンドで国際的な知名度を得ているのがRHAPSODY OF FIREだけであるため、基本的には「ROFフォロワー」として語られるバンドであろうが、あれほど濃密にシンフォニックではなく、同じイタリアのHIGHLORDやSECRET SPHERE、SKYLARKあたりの印象に近い。

シンフォニック・アレンジといっても「派手めなKeyアレンジ」の域を超えず、むしろ基本にあるのはティモ・トルキ在籍時のSTRATOVARIUSのような、もっとシンプルなメロディック・パワー・メタル・サウンドであるように思われる。

とはいえ、時にデス声やブラスト・ビートも挟み込むアグレッションや、プログレッシヴ・メタル的な雰囲気をスパイス的に交えつつ、クサいメロディが大仰に展開していく劇的なサウンドは、なかなかマニアの琴線に触れるものがあるだろう。

ただ、前任者よりは安定感があるとはいえ、Aクラスとは言い難いVoといい、現代のメタル・シーンにおいては決して高度とは言えない演奏力、厚みに欠けるアレンジ、ややチープなサウンド・プロダクションなど、全体的にはB級(C級?)と言わざるを得ない完成度であることもまた事実。

15年前だったら掘り出し物だと喜べただろうし、せめて10年前であればまあまあ楽しめたと思うが、正直な所、2013年にこのクオリティは個人的にはちとキツい。逆にこういうB級感あふれるクサいメタル・サウンドを愛好する人にとってはたまらない一枚かもしれないが…。

日本盤ボーナス・トラックはかつて同じイタリア出身のHIGHLORDもカヴァーしていた、ジャパニーズ・メタル・バンドMAKE UPによるテレビアニメ「聖闘士星矢」の主題歌、「PEGASUS FNATASY(ペガサス幻想)」のカヴァー。

英語バージョンの歌詞で歌っていたHIGHLORDと異なり、何の縁か、MinstreliXやDREAMSTORIAで活動する日本人ヴォーカリスト、Leo Figaroがオリジナルの日本語バージョンで歌っている。まあ、オマケという感じです。【79点】

◆本作収録「Light Of Hate」のPV[YouTube]


◆本作のティザー映像 [YouTube]