DEAD BY APRIL / LET THE WORLD KNOW

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前作のラインナップから、スクリーム・ヴォーカルを担当していたジミー・ストリメル(元NIGHTRAGE)が脱退し、新たに元WHAT TOMORROW BRINGSのクリストファー・アンダーソンを迎えて発表したサード・アルバム。

本作よりリリース元が「UNIVERSAL」から、その傘下レーベルである「Spinefarm」に変わっている。

音楽的な基本線は変わらず、エレクトロ・サウンドをふんだんに使用したアレンジと、ONE DIRECTIONばりのボーイズ・アイドル風の耳ざわりの良い人工的なヴォーカルをフィーチュアした、モダンでキャッチーなヘヴィ・サウンド。

相変わらずソングライティングの水準は高く、どの曲もきちんとフックがあって、「プロの仕事だな」と思わせられるあたりはさすがなのだが、「ヘヴィな要素」というのが骨格というよりはスパイスとしてしか機能していないあたりが微妙に気になる。

ありていに言えば、メタルとしてのカタルシスがないんですよね。極端に言えば、このバンドの音楽が好き、って人はIRON MAIDENやMETALLICAみたいな「典型的なメタル」には全く興味を示さないんじゃないか、という気がするというか。

ついでにもうひと難癖をつけると、デス・メタル上がりだったジミー・ストリメルと違って、新加入したクリストファー・アンダーソン(なんて平凡な名前!)のスクリームは明らかにスクリーモというか、ハードコア畑上がりな感じで、その甲高いスクリームは個人的には気に食わないんですよね。

ひと昔前は「ポップ・メタル」といえばPOISONだのWARRANTだのWHITE LIONだのといった「ヘア・メタル」のことを指したと思いますが、きっと現代において「ポップ・メタル」というと、このバンドやAMARANTHEのようなバンドのサウンドこそがその呼称に相応しいのではないかと思います(まだ世界的にはそれほど売れていませんが…)。

メロディアスで聴きやすく、クオリティの高い音楽だとは思いますが、個人的にはもう少しガツンと来る何かがほしかったな、というのが率直な感想です。【81点】

◆本作収録「As A Butterfly」のPV[YouTube]



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DEMON HUNTERの新作「EXTREMIST」が全米16位に

シアトル出身、2002年にデビューしたクリスチャン・メタル・バンドの7作目のアルバムが全米16位に初登場。前作が36位だったので、かなりのランクアップです。

クリスチャン・メタルといってもSTRYPERのようなサウンドではなく、NU METALやメタルコアの要素が強いモダン・スタイルのメタルですが、「クリスチャン・メタル」というのは音楽性の問題ではなく、バンドの精神性というか、歌詞テーマについてのジャンル名なので、その点を取沙汰するのは野暮というものでしょう。

モダン・スタイルとはいえ、憂いのあるメロディ・ラインがなかなか魅力的なバンドです。チャート成績的には既にSTRYPERを超え、アメリカで「クリスチャン・メタル」と言えばこのバンド、というくらいのポジションを確立しつつあります。

しかし「デーモン・ハンター」なんて、ある意味クリスチャンらしいですが、中二病全開なバンド名ですね(笑)。

※ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news/demon-hunters-extremist-cracks-u-s-top-20/


◆本作収録「The Last One Alive」のリリック・ビデオ


◆本作収録「Artificial Light」のリリック・ビデオ


◆本作収録「I Will Fail You」のPV




LOUD PARK 14の開催が発表に

例年6月~7月に発表されるLOUD PARKの開催ですが、今年はなんと3月のうちに発表されました。

10月18日(土)、19日(日)にさいたまスーパーアリーナで開催され、ヘッドライナーはDREAM THEATERとMANOWARだそうです。

これはきっと前々日にDREAM THEATERがFacebook上でLOUD PARK 14への出演を発表してしまったためでしょうね。
きっと慌ててWebページを作って発表したのだと思います(笑)。

まあでも一般に、早くから告知をしたほうが認知も高まるはずなので、早く発表するのはいいことなんじゃないですかね。

そしてヘッドライナーも、DREAM THEATERはここ数作全米TOP10の常連であり、曲がりなりにも武道館でプレイするビッグ・アクトですし、MANOWARも、それほど熱心なファンではない人にも「メタルの権化」的な存在として知られるアーティストなので、少なくともMARILYN MANSONやLIMP BIZKIT、そして昨年のSTONE TEMPLE PILOTSのような批判の嵐は起こらないのではないでしょうか。

まあ、MANOWARは最新作では日本盤が出ないほど日本での人気は低下しており、いわば昨年のKING DIAMOND的な「カルト・バンド」としての招聘だと思われますが、長いこと来日してないですし、一度は観てみたい、という人は多いのではないでしょうか。

MANOWARというと、かつては「ギャラが高すぎて呼べない(一説によるとワンステージ2億円)」という話がまことしやかに語られていましたが、さすがに日本盤すら出ないという状況に危機感を覚えて、多少金銭面については譲歩してくれたのでしょうか。

目下最新のオリジナル・スタジオ・アルバムである「THE LORD OF STEEL」は、これまで彼らの大票田であり、チャートTOP10の常連であったドイツでさえ最高19位と振るわなかっただけに、さしもの彼らもちょっと弱気になっているのかもしれませんね。

私がこれまでに体験したライブで最も爆音だと感じたのはLOUD PARK 07でのMACHINE HEADですが、かつて「世界で最もデカい音を出すバンド」としてギネスに載っていた(現在は難聴を促進するとして項目自体が廃止)MANOWARがどれほどの爆音なのか、ちょっと楽しみです(耳栓必須だと思いますが)。

あとはきっと例年の「アモット枠」で、6月にニュー・アルバムを出すARCH ENEMYは出演するのではないかと思われますし、噂ではSONATA ARCTICAなども出演濃厚とのことで、なかなか今年はピュアなメタル・ファンにとって期待できるフェスになりそうです。

まあ、あとは毎年言ってますがSYMPHONY Xを呼んでくれれば僕はもう何も言いません。

◆LOUD PARK 14公式サイト
http://www.loudpark.com/14/

※MANOWAR「Kings Of Metal」のライブ映像[YouTube]

当日はみんなで「Manowar Kill!!」と叫びましょう。

ARCH ENEMYからアンジェラ・ゴソウが脱退

6月に新作「WAR ETERNAL」を発表するARCH ENEMYから、ヴォーカリストのアンジェラ・ゴソウが脱退し、後任にTHE AGONISTのアリッサ・ホワイト-グラズを迎えたそうです。

アンジェラといえば、ARCH ENEMYのギタリストであり中心人物であるマイケル・アモットの妻でもあるだけに、かつてのアレキシ・ライホ(CHILDREN OF BODOM)とキンバリー・ゴス(SINERGY)のように破局が訪れたのか、と思いましたが、バンドの声明によると、アンジェラは今後、これまでにも手掛けていたバンドのマネージメント業務に専念するそうで、ARCH ENEMYには引き続き関わっていく模様。

まあ、アンジェラは太っていないので今でもなお充分に美しいですが、客観的に見ればアラフォーの女性で、口の悪いファンにはオバハン呼ばわりされてもおかしくない年頃。

若くて美しい女性がデス・ヴォイスで歌うというのはギャップがあってエキサイティングですが、いい歳のオバサンがデス声でガナり立てている、というのはいささかティーンエイジャーの憧れを掻き立てない気がするので(笑)、ヴォーカリストとしての力量もルックスも衰えぬうちにフロントマンとして身を引く、というのは、バンドのカッコよさをキープしていく上で潔い決断と言えるでしょう。

後任がアリッサ・ホワイト-グラズということであれば、無名ではなく、かといって有名シンガーがジョイントしたプロジェクトみたいな見え方になるほどメジャーでもなく、程よい人選かもしれません。

アリッサの実力についてはTHE AGONISTで証明されているので心配はありませんし、ルックスもアンジェラとはタイプが違いますが充分にチャーミングで、インパクトのあるブルーの髪はファッションアイコン的な存在になりうるポテンシャルもありそうなので、バンドイメージをリフレッシュすることに大きく貢献することでしょう。

個人的には、アリッサはクリーン・ヴォーカルもイケるので、ARCH ENEMYにクリーン・ヴォーカル・パートが導入されるかどうかについても非常に興味があります。

デス声の迫力そのものは現状アンジェラに及んでいないと思いますが、昨年観たKAMELOTのライブでのゲスト・パフォーマンスもとても印象的だったので、個人的にはARCH ENEMYに新たな魅力をもたらしてくれるのではないかと前向きに受け止めています。

いやー、しかしアンジェラの加入当時のニュースも結構衝撃的でしたが、脱退についても何の前触れもない衝撃的なニュースでしたね。

ところでTHE AGONISTはどうするのかしらん、と思って彼らのFacebookページをチェックしてみると、ヴィッキー・サラキスなるニュー・シンガーの加入が告知されていたので、どうやらTHE AGONISTを脱退してARCH ENEMYに移籍するという、完全な「引き抜き」のようです。

ARCH ENEMYとTHE AGONISTが同時にメンバー・チェンジを発表し、どちらも後任が決まっているとなれば、だいぶ前から水面下でこのヘッドハンティングの話は進んでいたと見るべきでしょうね。

となると、新作はアンジェラとアリッサのどちらが歌っているのでしょうかね?
気になる所です。


◆日本の所属レーベルであるトゥルーパー・エンタテインメントの声明
http://www.trooper.co.jp/AE_statement_2014.html

◆THE AGONISTの現時点での最新PV「Panophobia」


◆もう観ることができないアンジェラのライブ・パフォーマンスをフィーチュアしたARCH ENEMYの「Bloodstaind Cross」のPV



MICHAEL SCHENKER’S TEMPLE OF ROCK来日公演 at 中野サンプラザ 2014.3.13

4年ぶりにマイケル・シェンカーを観てきました。前回はM.S.G名義でしたが、今回はMICHAEL SCHENKER’S TEMPLE OF ROCK名義で、メンバーもウェイン・フィンドレイ(Key, G)以外のメンバーは一新されている。

VoはRAINBOWやイングヴェイとの仕事で知られるドゥギー・ホワイト。ベースとドラムは初期SCORPIONSのリズム隊であるフランシス・ブッフホルツとハーマン・ラレベル。

実を言うと今月はGWARを観に行こうと思っていたのですが、ちょうど公演時間のタイミングに仕事の打ち合わせが入ってしまったため、断念。本来はこの公演も興味がありつつ、実際に足を運ぶつもりはなかったのですが、GWARの埋め合わせ(というには全く違う音楽性ですが/笑)として行こうかな、という気になっており、たまたま仕事も抜けられそうだったので行ってみました。

当日券は残少ということで整理券制になっており、整理券をもらっても必ずしも入れるとは限らない、という話でしたが、なんとか無事入ることができました。強風&雨の悪天候の中わざわざ来たのに、もし入れなかったらかなりやさぐれた気分になったことでしょう。

当日券の席は2階席の一番前。ここは通常関係者などの招待客向けに用意されることが多い席なので、招待客が来なかった分をバラしたんでしょうね。

そこまでしているだけあって、会場は満員。マイケルの根強い人気を感じさせます。

METALLICAやVAN HALENなど、平均年齢の高いオーディエンスに合わせたクラシックなBGMが止むと、ほぼ定刻通りにショウがスタート。

最新アルバムの楽曲で幕を開けるが、やはり浸透度がイマイチなのか、その後の盛り上がりを考えると、この時点での盛り上がりはさほどでもない。

しかし、ライブのオープニングを過去の名曲ではなく最新の曲にしているのは、「現役のバンド」であるという意思表示なのでしょう。

新作の曲でも、せめて「Horizon」のようなアップテンポの曲であれば、もう少し盛り上がったのではないかと思うのですが…。

そしてまずはSCORPIONSの「Lovedrive」から「Another Piece Of Meat」が登場。マイケルが参加したSCORPIONSのアルバム「LOVEDRIVE」からの選曲だ。

しかし、これは残念ながらドゥギー・ホワイトのヴォーカルでは厳しかった。ドゥギーといえば「可もなく不可もない、無難なシンガー」というイメージで、本日の印象も全体的にはそのイメージを逸脱しないものだったが、やはり若かりし日のクラウス・マイネ(Vo:SCORPIONS)のあの強烈なシャウトは再現できていなかった。

続いて初期M.S.G時代の曲が連発され、「Assault Attack」も盛り上がったが、やはり代表曲といえばこれ、の「Armed And Ready」から「Into The Arena」の流れで一気に場内のボルテージが上がる。私の周りで座って観ていた人もここで立ち上がりヘッドバンギングを始めた。

個人的には、お世辞にも上手いとは言えないオリジナル・シンガー、ゲイリー・バーデンの曲を、個性は薄いが、ちゃんと歌えるシンガーであるドゥギー・ホワイトの歌で聴けるのが今回の楽しみのひとつでしたね(グラハム・ボネット時代の曲についてはいささか迫力負けしていましたが…)。

曲によってやや得手不得手はあるようでしたが、全体的に見ればドゥギー・ホワイトはやはり無難に歌いこなしていたし、ステージ上を活発に動き回ってオーディエンスを煽り、フロントマンとして充分な働きをしていたと思います(ズングリした体型のせいであまりカッコいいとは思えませんでしたが…)。

フランシス・ブッフホルツは時折クネクネナヨナヨしたハード・ロッカーらしからぬ動きを見せつつも全体的にはおとなしく地味め。ただ、マイケルとの相性は悪くなさそうで、このバンドにおけるベーシストというのはこんな感じでいいのかも。

ドラムについては、前回のサイモン・フィリップスと比較するのは酷ですが、ハーマン・ラレベルのドラミングはいささか平坦な印象で、正直物足りない。短髪に赤いTシャツで、そこらのオッサンにしか見えないルックスがロートル感を醸し出しているあたりも含めて、今回唯一の不満点ですかね。まあ、気になるほどダメなわけではないのですが。

その後新曲を中心としたパートを経て、UFOの名曲を中心としたブロックで再びのハイライトを迎える。個人的にはやっぱり「Lights Out」が最高ですね。この曲を歌っているときに気づきましたが、ドゥギー・ホワイトのドラムの前の一段高くなっている所で大股開きで立ち、大げさな身振り手振り付で歌い上げるステージ・パフォーマンスはブルース・ディッキンソンを意識しているようですね。

そして終盤、個人的にはまさかの選曲であるSCORPIONSの「Blackout」と「Rock You Like A Hurricane」という二大代表曲がプレイされて大盛り上がり。

この2曲には全くマイケルは関わっていないのに何故、と思いつつ、まあ、フランシス・ブッフホルツとハーマン・ラレベルの存在が「免罪符」ということでしょうか(苦笑)。「Rock You Like A Hurricane」ではハーマンが客席との掛け合いを担当していました(ハーマンってなかなか良い声の持ち主ですね)。

本編のラストはUFOの「Rock Bottom」。やはりこの曲のソロ・パートは(特にギター弾きにとって)大きな見せ場になっており、それだけでひとつの楽曲のよう。

ここであらためて感じたのは、今回のマイケルは非常にのびのびとしているということ。ステージ・パフォーマンスも含めて余裕が感じられ、ソロも往年のライブ・アルバムで聴かれるような鬼気迫るテンションで迫る、というよりは、エモーションとコントロールされた構成力がバランス良く調和しており、安定感がある。

ひょっとすると、全盛期のような緊張感が減退した、と感じる人もいるかもしれないが、これは「円熟」と評価すべきなのではないですかね。少なくとも個人的には本日のマイケルのプレイは充分に満足のいくものでした。

アンコールは、SCORPIONSの「LOVEDRIVE」収録の名バラード「Holiday」(ドゥギーはさかんにこの曲をオーディエンスに歌わせようとしていたが、認知度がイマイチなのか残念ながらあまり大きな合唱にはならなかった…)と、定番の名曲「Doctor Doctor」で締め。

若いファンをつかめていないことがアリアリな年齢層の高いオーディエンスによる和やかな盛り上がりにロートル感が皆無だったとは言えませんが、何しろUFO、SCORPIONS、M.S.Gという人気バンド3つの代表曲が目白押しで、しかもマイケルのコンディションが良いとあって、期待以上に楽しめました。

そして、ここで聴いた曲のせいで、たまらなくSCORPIONSのライブが観たくなってしまいました(苦笑)。何とかもう一度来日してもらえませんかねえ…。

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