LOUD & METAL ATTACK 2014 at 新木場STUDIO COAST 14/5/24

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昨年のLOUD & METAL ATTACKは、NIGHTWISHにTURISASという、単独公演を行なえる人気がある(後者はやや微妙ですが)バンドが2つも揃っていたので、なかなかお得感のあるイベントでした。

しかし、今年のラインナップは、ヘッドライナーがAMORPHISというのはまあいいとして、あとは正直日本のHR/HMファンにとっては全くなじみのないラインナップ。

これまでOUTRAGEやANTHEM、LIV MOONなどが務めた、日本からのスペシャル・ゲストもJupiterという、音楽的には紛うことなきメタルながら、日本人の感覚ではどうしても「V系」というイメージが先行してしまうバンド。

いや、これまで全く観たことがなければJupiterもかなり興味を持てたと思うのですが、私はかつて一度前身バンドであるVersaillesを観たことがあるので、まあある程度想像がつくというか。

というわけで今一つモチベーションは上がらなかったのですが、開催が近づくにつれ、逆に知らないバンドばかりというのも面白いかな、と思って行ってみることにしました。

元々このイベントはフィンランド大使館による見本市的な、文字通りショウケース・ギグなので、客寄せのトリとスペシャル・ゲスト以外は日本で無名のバンド、というのは本来的には正しい形ですし。

というわけで、当日券狙いで会場のある新木場へ。開場時間をとっくに過ぎているタイミングだったこともあり、それらしき人たちも見当たらず、同日開催されていたMET ROCKのシャトルバス誘導の人たちばかりが立っていました(笑)。

会場に着くと、開演時間をとっくに過ぎているので当然ながら、1バンド目の音が漏れ聞こえている。日本語が聞こえるので、おそらくJupiterだろう。てか、昨年も思いましたが、タイムテーブルが事前に公開されないのが不便ですね。


Jupter

1番目からトリ前かどちらかだろうな、と思っていましたが、昨年のLIV MOON同様1番目でした。

彼ら目当てで来たファンにとっては、この30分で観たいバンドが終了と、かなりコストパフォーマンスが悪いイベントだったのではないかと思われます(苦笑)。

まあ、興味のないバンドを長時間見せられた挙句、自分の観たいバンドが30分で終了、というよりは、残った時間を他のことに使える分、ある意味良心的かもしれません(?)。

他のメタル・ファンにとっても、V系を毛嫌いする人はアタマ30分酒を飲んだり物販観たりしていればいいわけで、他のバンドのステージ前に「Jupiter地蔵」が現れなかったという意味でも、Win-Winな出演順だったと言えるでしょう。

私が着いた時点で既に最後の曲でしたが、前方に熱心なファンと思しき人たちが数十人いて、あとは様子見という感じ。フロアの埋まり具合は5~6割といったところでしょうか。

ステージこそ、なぜかFINLAND FEST時代のバックドロップがあるだけの簡素なものですが、メンバーの衣装がとてつもなく派手なので、本日一華やかなステージに見えました。

基本的な印象はVersaillesを観たときとほぼ変わらず、で、ツイン・ギターが二人揃って背面弾きをやったりと、「魅せる」ことにこだわったエンターテインメント性の高いライブで、「様子見」をしていた人たちも何気に楽しめていたのではないかと思います。

ただ、アルバムを聴いたときにも思ったのですが、イケメンホスト風のヴォーカルがどうにも「軽い」んですよね…。歌声も、パフォーマンスも…。

Jupiterが終わると、バーカウンターでドリンクチケットをビールに換える。そして、昨年屋台のキッチンカーが出ていた外のスペースに出てみると、昨年3台いたキッチンカーが1台だけにリストラされており、物寂しい気分に。

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LOUD PARKをはじめ、フェスでよく見るワイルドターキーのあの店です。

とりあえずツマミ的なものを買ってビールを飲みましたが、さっきの「FINLAND FEST」時代からの使い回しのバックドロップといい、「儲かってない感」が半端ないイベントでした…。

THE BLANKO

2バンド目は、頭の片方を剃り上げて、片方が長髪というヘアスタイルと、筋肉質な上半身が印象的なギターボーカルがビジュアル・インパクトの強いトリオ編成のバンド。

音楽的にはHR/HMというより、もっとモダンなヘヴィ・ロックという感じで、手数の多いドラムと、うねりつつもドライブするベースのリズム隊が強力で、なかなか聴いていて気持ちがいい。

ただちょっと、歌声や歌メロについてはルックスに比べてだいぶインパクトが薄いかな…。ショウ運びもちょっと無愛想な感じで、場内の盛り上がりはそこそこ、といった感じ。


ARION

シンフォニックで大仰なイントロBGMに、「おっ、これは好きなタイプのバンドかも?」と期待が高まりました。

出てきたのは、短髪のボーイズ・アイドルみたいなヴォーカリスト、「私ソロにしか興味ありません」という感じの、ギターを高く構えたブロンドのギタリスト、長身のおとなしそうなキーボーディスト、生気に乏しいドラマー、そして唯一メタル・ミュージシャン然としたベーシストの5人組。

音楽的にはシンフォニックなKeyをフィーチュアしたメロディック・メタルという感じで、本日出たバンドの中では一番好みに近かったのだが、ちょっと全体的にまとまりがなく、未熟な感じ。

前に出たTHE BLANKOのリズム隊がかなり良かっただけに、このバンドのドラムの平坦さはちょっと気になったし、ギタリストはソロ・パートではタッピングを多用した速弾きを炸裂してテクニシャンぶりをアピールするものの、リフやバッキングは芸がないこと夥しく、メタルとしての基本的な部分に物足りなさがある。

Keyの装飾は悪くなかったが、やはり基本的な楽曲の骨格があってこその装飾だけに、ちょっと「楽曲のつまらなさをKeyでごまかしている」ように見えてしまった。

ヴォーカルも、客観的にはアイドルタイプのイケメンなのですが、服装とかアクションとかがいちいちダサく、残念な感じ。歌声や歌メロ自体は悪くなかったと思うのですが。

パフォーマンスの面では、長髪を振り乱す激しいヘッドバンギングを披露していたベースのオッサンだけが気を吐いていた感じ。

現状のままでは、競争の激しいフィンランドのメタル・シーンで頭角を現すのは難しいのでは…という感じでした。


STAM1NA

バンド名は「スタミナ」と読むようだ。昨年このイベントに出演して好評を博したMOKOMAのメンバーが運営するレーベルに所属しているバンドで、今回もMOKOMAのメンバーがスタッフとして一緒に来日するなど、縁が深いようだ。

本国フィンランドではアルバムが4作連続でチャートのNo.1に輝くなど、かなりの人気バンドのようで、ようやくここからバンド独自のバックドロップがステージに飾られるようになった(苦笑)。人もさっきまでよりだいぶ増えてきた感じ。

その音楽は、全体的にはスラッシュ・メタル的な攻撃性がありつつ、もっとモダンなヘヴィ・ロック・バンド的なうねりやグルーヴもあり、一方、サビなどでKey奏者が被せてくるサウンドはかなりメロディックで、ギター・ソロもメロディックに構築されているあたり、安易なカテゴライズを許さないサウンドである。

必ずしも具体的なサウンドが似ているというわけではないが、往年のFAITH NO MOREや、同じフィンランドで言えばWALTARIなどに通じるセンスがあるバンドだ。

…などと頭で考えるよりも、フロントの3人が上半身ハダカ(みんなマッチョでいい身体)で扇風機ヘドバンを繰り広げる彼らのサウンドは、まずはカラダで反応すべき音であることはたしかで、フロア前方ではモッシュピットも発生、明らかにこれまでとは違う盛り上がりが生まれた。

なかなかにイケメンなフロントマンのギターボーカルからは、CHILDREN OF BODOMのアレキシ譲りの(?)「アリFuckin’ガトー!」というMCもいただき、トリのAMORPHISを別格とすると、今日イチの盛り上がりを記録しました。

昨年のMOKOMAのように、ここから人気投票で1バンドLOUD PARKに送り込まれるとしたらきっとこのバンドだったことでしょう。


VON HERTZEN BROTHERS

2007年のFINLAND FESTにも出演していたバンド。こちらも本国フィンランドでは大人気らしいですが、日本での知名度はさっぱり。

人気があるというのは、メンバーのルックスを見て理解できました。カッコいいもん。

いや、必ずしもイケメン揃い、というわけでもないのですが、一人一人ちゃんとキャラが立ってて、佇まいに雰囲気がある。

フロントマンのギターボーカルはどんなに安いTシャツとジーンズを着てもカッコよくなってしまいそうな長身ワイルド系の爽やかイケメンだが、ギタリストは帽子・メガネ・ヒゲがオシャレな、映画俳優っぽい雰囲気。チョンマゲみたいな髪型の寡黙なベーシストもなかなかスタイリッシュでカッコいいし、ドラマーもハゲでデブでヒゲ、というとむさくるしく聴こえるかもしれないが、クマさんみたいな愛嬌があって「愛されるデブ」って感じ(笑)。キーボードの人は奥にいてよく見えませんでしたが…。

音楽的には本日のラインナップの中でHR/HMとは一番距離がある音楽性で、ギター・サウンドはそれなりにハードだし、ドラムのプレイも激しいのだが、そのサウンドが発するムードはHR/HMのようなアッパーなものではなく、むしろ聴いていて気だるくなってくるようなダウナーなもの。

PINK FLOYDなどに通じる、サイケデリックなプログレっぽいフィーリングを感じるサウンドで、楽曲自体はコンパクトで、それなりにキャッチーではあるものの、これが売れるというのは、フィンランド人の根暗はやはり相当なものだな、と(笑)。

日本で売るとしたら、『BURRN!』の読者よりは『ロッキング・オン』とか『ストレンジ・デイズ』みたいな雑誌の読者の方が理解されそうな雰囲気でした。


AMORPHIS

このバンドは、そのキャリアにもかかわらず、ひょっとしたらメンバー個々の演奏力で言ったら本日出演したバンドの中で一番レベルが低いかもしれません。

演奏も割と棒立ちなので、観ていて楽しい、ということもありません。強いて視覚的な見所を言うなら、一般人に「デス声っていうのは、あの特殊マイクで変換して出すんだよ」と言ったら信じてしまいそうな変形マイクを持っているトミ・ヨーツセン(Vo)のマイクの形状くらいでしょうか(笑)。

実の所、目を閉じて聴いていたほうが情感が伝わってくるのですが、だったら家でCD聴いてろ、って話で(笑)。

しかしやっぱり、圧倒的に曲がいいのですよ。フィンランドの伝統に根差しているはずの音楽が、どうしてこうも遠く離れた日本人の心を揺さぶるのか、不思議でなりません。

「ELEGY」収録の人気曲「On Rich And Poor」をプレイしたのが今回のセットリストにおける一番の話題かもしれませんが、個人的には再録アルバム「MAGIC & MEYHEM」を聴いたときに感じたのと同じ(オリジナルと比べての)「モッサリ感」がちょっと気になってしまいました。もうちょっと前のめりに突っ込み気味でプレイしてほしかったな。

とはいえ、あのギターのメロディだけで白飯3杯はいけるわけですが(笑)。

ファースト・アルバムからの真性デス・メタル・ナンバー「Vulgar Necrolatry」がプレイされた後、トミが「お前らまだいるか?」と訊いてきたのは笑いました。たしかに「泣きのAMORPHIS」が好きな人にはトゥー・マッチなブルータリティだったことでしょう(笑)。

ラストの「House Of Sleep」ではサビの合唱を求められましたが、歌詞を憶えていたのはごく一部の人たちだけだったようで、とてもか細いコーラスが巻き起こる…。トミ・ヨーツセンも思わず苦笑していました。すみませんね、日本人は聞いているだけでは英語は覚えられないのですよ。聞き流すだけで英語が喋れるなんて絶対嘘です(笑)。

もちろん聴かないよりはいいと思いますし、4~5語くらいで構成されるシンプルな英語くらいならイケるようになると思いますが、それ以上はちょっと。


まあ、イベントとしては結局AMORPHISに満足させてもらった感が強いので、個人的には最高とは言えませんが、プラス1バンドでもCD買いたい、と思えるバンドに出会えた人にとっては充分元がとれたのではないでしょうか。

ただ、イベント名はやっぱり元のFINLAND FESTのほうがいいと思うんですよね。今の「LOUD & METAL ATTACK」って、イベント名なのかどうかもよくわからないし、そもそもダサ過ぎる気が(苦笑)。

日本人はなぜだか北欧に対してオシャレで素敵なイメージを持っているので、「フィンランド」という名前をそのままストレートに押し出したほうがイメージがいいと思うんですよ。

何も知らない人に「FINLAND FEST行くんだ」と言うと「なんだかタイフェスみたいで楽しそう!」と思ってもらえるような気がしますが、「LOUD & METAL ATTACK行くんだ」と言うと、「何このヤバい人…」と思われそうでとても口にできないというか(笑)。

いや別にFINLAND FESTのままでも、メタル聴かない人に言いませんけどね。どうせ中身は単なるメタルのライブなので。

でも、もしライブだけじゃなく、フィンランドのファッションとか家具などカルチャーに関する展示とか、飲食もフェス御用達のキッチンカーじゃなく、フィンランド料理が食べられるとか、そういうイベントだったとしたら、イベントとしての魅力はグッと増すと思うんですけどね。

まあ、日本の自称北欧好きで、IKEAの家具で自宅を固めているような人たちがフィンランドのメタルを気に入るかというと、そうはならないだろうと思いますが…(苦笑)。
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KNOTFEST JAPAN 2014 第3弾アーティスト発表

KNOTFEST JAPAN 2014の第3弾アーティストが発表になりましたが、公式サイトでもったいぶったカウントダウンなどしていたのも納得の強力なラインナップですね。

◆FIVE FINGER DEATH PUNCH
◆LAMB OF GOD
◆IN FLAMES
◆TRIVIUM

アルバム全米TOP10に4作連続で送り込んでいる5FDPに、3作連続のLAMB OF GOD、そしてBURRN!読者にとってはむしろこちらの方が有名かもしれないIN FLAMESにTRIVIUM。

正直、客観的にはLOUD PARKより豪華ですね(苦笑)。
まあ、私にとってはLOUD PARKのほうが魅力的であることは変わりませんが。

しかし幕張メッセでLAMB OF GODとIN FLAMESが出るなんて、LOUD PARK 06を思い出しますねえ。

出演バンドの振り分けは現状以下の通り。

●11月15日(土)
・SLIPKNOT
・LIMP BIZKIT
・LAMB OF GOD

●11月16日(日)
・SLIPKNOT
・KORN
・TRIVIUM
・IN FLAMES
・FIVE FINGER DEATH PUNCH

このブログをご覧になっているような方でも、2日目のメンツは結構魅力的なんじゃないでしょうか。

正直TRIVIUM、IN FLAMESはもう何度か観ているのでそれほど切実に観たいわけでもないですが、FIVE FINGER DEATH PUNCHはあれだけアメリカで人気あるのだから、ライブに何かあるんじゃないかと期待しています。

運営プロモーターが同じH.I.Pだった昨年のOZZFESTを思うと、この後どんなバンドが追加されてくるかについては一抹の不安はありますが(まあ、個人的にはアイドルとかJ-ROCKバンドが出てもそれはそれで楽しめる自信がありますが)、現状でも「日本最大のメタル・フェス」の称号はLOUD PARKよりもこちらに相応しい感は否めませんね。

うーん、10月・11月と立て続けにメタル・フェスに足を運ぶことになってしまうのか…。
サマソニ初日もなかなかだし、悩むところです。

◆KNOTFEST JAPAN 2014公式サイト
http://knotfestjapan.com/

BURRN!14年6月号の感想

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表紙は元PANTERA、現DOWN他のフィリップ・アンセルモ。

彼は私がメタルを聴き始めた頃に最もクールな、シーンを変えた革新者的な存在だったため、彼に対して古さは感じないのですが、やはり20代以下の人にとっては彼が表紙になることも、ここ数号の流れと同じように感じてしまうのでしょうか。

まあ、PANTERAに限らずですね、私は90年代以降に出てきたものに対しては「古さ」をあまり感じないのですが、それは単純に世代的なものであって、やはり今のティーンエイジャーさんなどにとっては、NIRVANAとかPANTERAも「古臭い音」に感じられるのかもしれません。

何しろもう20年前ですからね。私がロックを本格的に聴き始めたのは92年なわけですが、その時点から20年前のアルバムというと、例えばDEEP PURPLEの名盤「MACHINE HEAD」だったりするわけですね。

私は「ハード・ロックを聴くならまずはDEEP PURPLE」みたいな、雑誌とか本に載っている評論家の文章を真に受けて聴いてみて、「なんだこの古臭い音…」と感じた記憶があるので、もし今の中高生がNIRVANAやPANTERA、あるいはもうちょっと遡ってGUNS N’ ROSESなどを聴いて、私がかつてDEEP PURPLEを聴いたときに感じたような古臭さを感じるのであれば、これは結構埋め難い感性の壁というか、ジェネレーション・ギャップを感じてしまうことを告白せざるを得ません。

ただ、70年代から90年代の20年間と、90年代から10年代の20年では、特に音作りや録音技術の進歩の幅がだいぶ違うと思うので、「90年代の音」がそこまで古臭く感じるとは思えないのですが、どうなんでしょうね?

コメント乞食をする気は毛頭ないのですが、純粋な興味として若い方に訊いてみたい気がします。大学生くらいの方はともかく、中高生の方はほとんどこのサイトやブログを読んでいないような気もしますが(笑)。

いきなり話が思いっきり横道にそれましたが、冒頭はPANTERAの「史上最もヘヴィなチャートNo.1アルバム『FAR BEYOND DRIVEN』リリース20周年に際して当時を振り返るスペシャル・インタビュー」という、ここしばらくの流れを汲んだ懐古企画。

インタビューを読んでいて感じたのは、やはりフィリップ・アンセルモという人は、そのハードコアなイメージ、ストリート風なルックスからは想像もつかないほどの音楽オタクで、PANTERAというバンドはメンバー全員音楽に対して非常にストイックだったからこそ、あそこまで革新的なメタル・サウンドを生み出すことができたんだな、と。

私は当時「モダン・ヘヴィネス」などと呼ばれた「PANTERAのようなサウンド」は正直苦手でしたが、PANTERA自体はカッコいいと思っていました。

メタル・バンドに(スキンヘッドではない)坊主頭を「アリ」にしたのは間違いなくフィリップ・アンセルモの功績(?)ですね。

その後、前半にEDGUYがカラー6ページ、EPICAがカラー2ページで扱われていることについては、「やっと欧州メタルに光が当たるようになってきた」という気がします。

来月に来日公演を控え、Voのゲイリー・シェローンのソロ・プロジェクトHURTSMILEのリリースも控えているEXTREMEはカラー7ページと、かなり手厚い扱い。EXTREMEも観たいのですが、前回の来日公演を観に行ってるし、この時期は来日ラッシュなのでパスせざるを得ないのが残念です。

創刊30周年カウントダウン記念対談企画の今回のゲストは、いつか来るだろうと思っていたマーティ・フリードマン。新作「INFERNO」が出るタイミングに合わせての登場です。

内容は、マーティのこれまでのインタビューなどをちゃんとチェックしていた人であれば(彼のインタビューを読む機会は海外在住のミュージシャンに比較すると圧倒的に多いだけに)なんとなく聞いたことのある話が中心ながら、日本人であれば興味深く読める内容になっている。

マーティはもはや日本人以上に日本の文化や精神風土を理解していると言っても過言ではないと思いますが、それでもV系やマキシマム・ザ・ホルモンがBURRN!の読者にも気に入ってもらえる、と思っているあたり、やはり理解しきれていない部分もあるんだな、と思いました(いや、もちろん気に入っている人もいるはずですが、進んで聴きたくないと思っている人の方が多いのではないかという気がします)。

その後は、ここ30年の間にリリースされた偉大なデビュー・アルバム30選、などという割とありがちな企画が続き、その後LOUD PARK 14へのヘッドライナー出演が決まったMANOWAR特集で、彼らのケレン味に満ちた発言の数々で笑うことができる(笑)。

今月号はモノクロのインタビューにも結構面白いものが多かった。マイケル・アモット(ARCH ENEMY)のもうひとつのバンドであるSPIRITUAL BEGGERSのインタビューがモノクロ2ページであることには、「やっぱり売れてないんだな…」と思いつつ、海外のメタル・ファンの間でもJUDAS PRIESTの「TURBO」やIRON MAIDENの「SOMEWHERE IN TIME」は当初「シンセ・ギターやキーボードを使っている」という理由で毛嫌いされていたことが語られています。

また、シャーリー・ダンジェロ(B)の「無人島の一枚」がアンダース・ヨハンソン(Dr:HAMMERFALL)およびイェンス・ヨハンソン(Key:STRATOVARIUS)の父親であるヤン・ヨハンソンの「JAZZ PA SVENSKA」というピアノ・ジャズのアルバムであるということにはちょっと驚きましたね。

あと、元IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラードが現在在籍し、先日来日公演を行なったTHE RESISTANCEのインタビューも、イエスパーのファンには興味深い内容。

イエスパーが現在音楽出版社に雇われて、いわゆる「プロ作曲家」として活動していて、母国の有名アーティストへの楽曲提供のほか、映画音楽なども書いているという話は初耳でした。いわゆるオーケストラものから、ラブソングやバラード、ラップやハウスのようなサウンドまで手掛けているというから驚きです。

数年のうちにはソロ・アルバムも出るだろうとのことで、イエスパーのファンとしては楽しみですね。

なお、イエスパーの「無人島の一枚」は、本人が「退屈な答え」と言っていますが、QUEENSRYCHEの「OPERATION : MINDCRIME」という、意外と普通なものでした。

そのTHE RESISTANCEと一緒に来日公演を行なったDARK TRANQUILLITYのミカエル・スタンネ(Vo)は10代の、バンドがスタートしたばかりの頃に最も重要なアルバムの1枚としてHELLOWEENの「WALLS OF JERICHO」を挙げており、このバンドの初期のサウンドを考えると納得のいくチョイスでした。

その2バンドの来日公演レポートも後半にカラーで掲載されているのですが、なんでライブ・レポートとページを離しているのでしょう?

来日公演レポートは他にもROYAL HUNT、KILLSWITCH ENGAGE、SPIRITUAL BEGGERS、THRASH DOMINATIONと、最近の来日公演の多さを反映して数多く掲載されており、行った人、行きたかった人にとっては読み応えがあることでしょう。

個人的にはROYAL HUNTのライブレポートの写真を見て、一時期だいぶムサいオッサンになっていたD.C.クーパーが、ちょっとフロントマンらしさを取り戻しているように見えて安心しました(笑)。

ただ、先日のアンドレ・アンダーセンのインタビューを真に受けるなら、これが最後ということになるわけですが…。

ディスク・レビューについては、今月はやや目玉に欠ける印象で、クロスレビューのトップはNIGHT RANGER。

NIGHT RANGER、好きなんですけどね。ただ、新作を聴きたいかと言われると、個人的にはそうでもないのが正直な所…。聴けばそれなりに楽しめそうではあるのですが。

強力なマスト・バイは見当たらず、TIMO TOLKKI’S AVALONのセカンドは買いますが、藤木氏のレビューを読む限りパッとしない雰囲気です(苦笑)。

広瀬編集長による90点越えタイトル、OUTLOUDと、RUBICON CROSSは、前者は前作がなかなか良かったし、C.J.スネアが歌うRUBICON CROSSはモロにFIREHOUSEとのことで気になるのですが、ちょっと保留・要検討という感じかな。

メロスパー的には最近「当たり」が多い印象の(?)SPIRITUAL BEASTが送るEVERTALEがちょっと気になりますね。

でも、それらを買うくらいなら、久々にプッシュされてる感じのLOUDNESSのユニバーサル移籍第一弾アルバム「THE SUN WILL RISE AGAIN」の方を優先してしまいそう。

まあ、そんなリリースの小粒感が、未だかつて見たことのないワードレコーズによる表4広告につながっているのかもしれません。普通、表4にこんなチラシみたいなデザインの広告は入れないものですが…(苦笑)。

◆発行元であるシンコーミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011406

LOUD PARK 14 第3弾アーティストが発表に

LOUD PARK 14 第3弾アーティストが発表になりました。そのメンツは以下の通り。

◆WITHIN TEMPTATION


◆KREATOR


◆AMARANTHE


いやー、今年は私ごときのためにフェスを開いていただきましてどうもありがとうございます……てな妄言を口にしたくなるほど観たいバンドばかりです。

WITHIN TEMPTATIONはLOUD PARK 06以来ですが、最新作も本年度ベスト・アルバム候補のお気に入りですし、メッチャ楽しみです。

KREATORも現在のスラッシュ・バンドでは一番好きかもしれないバンドなので嬉しいですね~。DEATH ANGELといい、クラブチッタ(THRASH DOMINATION)の「囲い込み」はなくなったということなのでしょうか。

まだ第3弾なので何とも言えませんが、ARCH ENEMYとWITHIN TEMPTATIONが「トリ前」なのでしょうかね?
さらにこのクラスより上のバンドが来るとしたら、DREAM THEATERはともかくMANOWARの立つ瀬がなくなってしまいそうな気が(苦笑)。

毎年「SYMPHONY X」を出せ、と言っている私ですが、ここまで私好みのバンドで固めてくれるなら、今年は見逃してやってもいいぜ、という気分になってしまいそうです(見逃すも何も相手にされていませんが/笑)。

マジでこのままでは「いつメシを食えばいいのかわからないですよ」状態。嬉しい悲鳴とはこのことですねえ。

個人的にはこういう「トリのメジャー感はほどほどでも、トリ以下が分厚いフェス」を望んでいたので、近年では最高レベルに満足度の高いLOUD PARKになりそうです。

もしこれで集客に苦戦するということであれば、こういうサイト/ブログをやっている身としてはいろいろと覚悟しないといけないかもしれません。

◆LOUD PARK 14公式サイト
http://www.loudpark.com/14/

H.E.A.T / TEARING DOWN THE WALLS

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母国のスター・シンガー、エリク・グロンウォール(Vo)加入後の2作目となる、スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンドの通算4作目。

前作までのラインナップから、ツイン・ギターの片割れであったハットの似合うイケメン・ギタリストのデイヴ・ダロンが脱退し、エリック・リヴァース一人のシングル・ギター体制になっている。

前作同様、EUROPEの近作を手掛けたトビアス・リンデルをプロデューサーに迎えて発表された本作は、前作の仕上がりが素晴らしかったことで膨らんだ期待を裏切らないスケール感溢れるロック・アルバムである。

正直なところ、日本における彼らのファンが期待する「北欧メロディアス・ハード」としての純度は前作の方が上である。本作には、ブルージーというか、アメリカの土の臭いがする#2をはじめ、いわゆる「Keyをフィーチュアしたメロディアス・ハード」の類型から外れた曲も数多く収録されている(もっとも、前作もそんな狭い類型には収まっていなかったが)。

しかし、それがまた様になっているのだ。北欧のバンドでアメリカンなサウンドに挑んだバンドは80年代から数多いが、彼らほどナチュラルにアメリカ的なメジャー感を発散することができたバンドはほとんど皆無なのではないか。

もちろん、それらの(ひと昔前の感覚で)アメリカンな曲も含め、メロディとフックに富み、楽曲として上質であるからこそこういう好意的な評価ができるのだが。

彼らは祖国の大先輩EUROPEに憧れ、マネージメントもEUROPEと同じ『Hegenburg』に所属しているわけだが、正直そのEUROPEの全盛期でさえここまでのスケール感、メジャー感はなかったのではないか。

このバンドが売れないんだとしたら、大衆向けHR/HM(いわゆるアリーナ・ロック)の将来は限りなく暗い。【86点】

◆本作収録「Mannequin Show」のPV

私の世代の日本人にはサザンオールスターズの「愛の言霊」にしか聴こえないわけですが。

◆本作収録「A Shot At Redemption」

BON JOVIがやりそうな曲だなー。