IN FLAMES 「SIREN CHARMS」のチャート成績

ここしばらく新作を出すたびに賛否両論な感があるIN FLAMESのニュー・アルバム、「SIREN CHARMS」の各国におけるチャート・アクションは以下の通り。

スウェーデン:1位
フィンランド:1位
ノルウェー:6位
ドイツ:7位
オーストリア:7位
スイス:9位
カナダ:12位
日本:23位
アメリカ:26位
デンマーク:28位
オーストラリア:33位
イギリス:52位
スペイン:60位
フランス:87位

アメリカでは前々作28位→前作27位→本作26位と、ものすごく地道に順位を上げてきています。
25作先のアルバムでは全米1位に輝くかもしれません(笑)。

個人的には、IN FLAMESだと思って聴かなければいいアルバムだなー、と思いました。
完全に割り切るには思い出が美しすぎて。

でも、前回LOUD PARK 12で観た彼らのパフォーマンスは過去最高に良かったし、KNOTFESTはちょっと楽しみだったりします。

どうでもいいけど、IN FLAMESのアルバムが「Sony」からリリースされる日が来るとは90年代には予想もしませんでしたね。かつてCRADLE OF FILTHが「Sony」に移籍したときほどは驚きませんでしたが。

◆本作収録「Rusted Nail」のPV



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HAMMERFALL「(r)EVOLUTION」のチャート成績

プロデューサーにフレドリック・ノルドストロームを迎え、ジャケットのアートワークにアンドレアス・マーシャルを起用するなど、あからさまに「原点回帰」したHAMMAERFALLの9作目のアルバム、「(r)EVOLUTION」の各国におけるチャート・アクションは以下の通り。

スウェーデン:1位
ドイツ:4位
チェコ:4位
スイス:5位
フィンランド:10位
オーストリア:13位
フランス:67位
ベルギー:84位
オランダ:105位
イギリス:110位(ロック・チャートでは10位)

本国スウェーデンでは2006年の「THRESHOLD」以来のNo.1獲得。とはいえ、その後の2枚も2位ですから、それほど大騒ぎすることではありませんが…。

ドイツでも元々人気がありましたが、4位は過去最高位です。

前々作「NO SACRIFICE, NO VICTORY」が7位だったのに対し、ちょっとイメージを変えた前作「INFECTED」がチャートインすらしないほどコケていたことから、個人的には本作における「原点回帰」の理由は欧州最大のマーケットであるドイツで前作が失敗したことだと推察しています。

「Bushido(武士道)」なんて日本人向け(?)の曲まで作ってくれたのに、日本ではさっぱり売れていない雰囲気なのが残念な所です。
このバンド、なぜか昔から日本ではパッとしないんですよね…。

※ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news/hammerfall-revolution-first-week-chart-positions-revealed/

◆本作のリーダー・トラック「Hector's Hymn」のPV

ちなみに「ヘクター」とはジャケットに描かれている彼のことです。


HR/HMの歴史 2000年代編を本サイトにアップしました

METALGATE本サイトの「Archives」というコーナーに「HR/HMの歴史」というコンテンツがあり、それは今まで1990年代までしか書かれていなかったわけですが、本日2000年代を追加しました(こちら)。

『BURRN!』誌が30周年の振り返りをやっていたのに刺激されて…というのは嘘で、しばらく前からちょっとずつ書いていたのがようやく完成したというだけです。

「BURRN!が伝えてきたHR/HM30年史」、この文章を書く上で何かの参考になるかと思いましたが、お読みいただけば分かる通り、何の役にも立ちませんでした(苦笑)。特に90年代以降については、シーンの捉え方が全然異なるので…。

『BURRN!』誌は、もはやほぼ70年代~80年代に登場したHR/HMアーティスト、およびそれらのバンドに直接的に影響を受けたバンドのみを扱う「クラシック・ロック」マガジン状態ですが、私は「ハードでヘヴィな音楽を好むリスナーがその時代に何を聴いていたか」というポイントに軸足を置いてシーンを見ているので、ピックアップするアルバムなどもBURRN!とは変わってきます(もちろん重複もありますが)。

基本的な私の考えとして、「ハードでヘヴィな、刺激的な音」に対するニーズというのは、常に世の中に一定の割合で存在していて、そのニーズを持ったリスナーが狭義のHR/HMに興味を持つか、異なるジャンルのヘヴィ・ミュージックに興味を持つ人が増えるかでトレンドが移り変わっているだけ、というものがあります。

そして私の願いとしては、「ハードでヘヴィな、刺激的な音」を求めるリスナーの一人でも多くに、私の好きなタイプのHR/HMの魅力を知ってもらいたい、ということに尽きるため、こんなサイトを運営してきたわけです。私にとってはNU METALが好きな人も、V系バンドが好きな人も、ハードコアが好きな人も、BABYMETALが好きな人も、全て「潜在顧客」という意識でやっているわけですね。

あと私の書いている歴史観(というほど大袈裟なものではありませんが)の特徴として、基本的には「売れたもの/シーンへの影響が大きいもの」を中心に語っているので、メインストリーム寄りだということはあります。

「売れたけど、時代性とは無縁のもの」とか「音楽的な価値は高いけど、カルト的な名盤」みたいなものは基本、無視しています。これについては、10年・20年のタームで見たときに歴史的な意味を持ってくることもないわけではないので私の主観に基く判断にならざるを得ませんが。

そういう意味で、ポスト・ハードコア/ポスト・メタル的なサウンドについて切り捨てることになってしまったのはちょっと心残りではありますね。少なくとも2000年代の段階では、メインストリームに影響を与える動きになっていたと思えませんでしたし、特筆するほどの(数百万枚/全米TOP10クラスの)大ヒットもなかったので、ちょっとトピックとして挿入しづらかったのです。私自身が苦手な音で、あまり造詣が深くないというのもありますが…。

なぜ2010年代になってすぐ書かなかったのか、というと、歴史というものは、ある程度時間が経ってからでないと評価がしづらいからですね。当時それほど重要だと思っていなかった動きが、後から考えると大きな意味を持っていたりとか、当時大ヒットしたバンド/アルバムが、実は単なる瞬間風速的な現象で、その後大して歴史に爪痕を残すことなく消えていった、なんてのはよくある話で。

まあ、そういう意味では4年ほど時間を置いたところで、あくまで2014年の状況から評価された歴史記述にしかなっていないというのも事実なので、「今後修正されうる文章」ではあるのですが。

しかし、あらためて2010年代を振り返ってみると、2000年から2006年くらいまでは、90年代地に墜ちていたメタルの尊厳がどんどん回復してきたという手応えがあったのに、2008年くらいをピークに、ちょっと伸び悩んでいる印象です。

まあ、この音楽ジャンルの細分化が進み、音楽以外も含めた趣味嗜好の拡散も進んだこの時代においては、これくらいが伸びしろ的に限界なのかもしれません。

本文中で、2000年代後半から、80年代のHR/HMブームを体験した層が再び懐メロ感覚でHR/HMを聴くようになったことがマーケット的には大きい、ということを書きましたが、その40代から50代の層も、さすがに60代が近づくと体力的な問題から、ライブなどから足が遠のくと思われ(そもそも彼らが観たいと思うようなバンドもその頃には大半が引退しているでしょう)、その後は新規層の開拓が飛躍的に進まない限り、ビジネス的には相当厳しいことになるでしょう。とりあえず確実に『BURRN!』は月刊誌としては休刊ですね(苦笑)。

私のようなオールド・ファッションなHR/HMのファンにとって2000年代というのは、90年代に比べるとHR/HMの状況が良くなった、と感じられる時期でしたが、こうしてもう少し広い視野からヘヴィ・ミュージック・シーン全体を見渡してみると、果たしてここでピックアップされたバンドの中に、HR/HMを聴かない人たちでも「名前くらいは知っている」バンドがどれだけいるか? と考えると、実は90年代以上に厳しい状況なのかもしれません。

真面目な話、HR/HMが今後飛躍的に発展する可能性というのは、現在の発展途上国エリア以外には見出せない…というのが私の個人的な見解です。まあ、発展はせずとも、絶滅しないでくれればいい、という思いも個人的にはありますが。

…とまあ、くだくだと書いてきましたが、久しぶりにまとまった量の文章を書いたので、お楽しみいただけると嬉しいな、と思います。

◆HR/HMの歴史 2000年代編
http://www.metalgate.jp/history5.htm

元ANGRAのアキレス・プリースターがPRIMAL FEARの新ドラマーに

来日公演も好評だったPRIMAL FEARから、先日、「ラルフ・シーパースとの“融和しがたい意見の相違”」によってカナダ人ドラマーのランディ・ブラックが脱退したわけですが、意外と素早く後任が発表されました。

なんと、元ANGRAのアキレス・プリースター。

ANGRA脱退後、マイク・ポートノイ解雇後のDREAM THEATERのオーディションに最終選考まで残っていた、という以外にはさほどパッとした話(まあ、オーディションも落選したわけですからパッとした話ではありませんが…)を聞きませんでしたが、ここに来て一気にメタル・シーンの最前線に帰って来た感じですね。

正直、ランディ・ブラックはかなり強力なドラマーだったので、その穴を埋めるのは生半可なドラマーでは難しいだろうと思っていましたが、アキレスであれば腕前的には何の不安もないですね。

アキレスも素晴らしいドラマーで、このまま埋もれるにほ惜しいと思っていただけに、「いい仕事」が見つかってよかったと思います。

ただ、PRIMAL FEARの音楽というのはANGRAやDREAM THEATERに比べるといたってシンプルなヘヴィ・メタルで、逆にそのシンプルさがいい、というタイプの音楽なので、変拍子とか導入するのはやめてもらいたいですね(笑)。

※ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news/primal-fear-taps-former-angra-drummer-aquiles-priester/

BURRN!14年10月号の感想

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『BURRN!』! 2014年10月号は、30周年記念号ということで、この雑誌の30年の歴史として初となる中綴じ(背表紙あり)仕様による、通常の倍、320ページという大増ページでの特別仕様。

10周年、20周年でやらなかったこういう「特別なこと」をこのタイミングで実施したのは、「40周年はないかもしれない」という意識があったからなのでは…というのは邪推ですかね。まあ、この移り変わりの激しい世の中では10年後がどうなっているかなんて誰もわからないですけどね。

この特別な号の表紙を任されたのはMR.BIG。10周年、15周年、25周年に続いて4回目の周年告知です。

なんかメタル雑誌の特別な記念号ということであれば、METALLICAやIRON MAIDENあたりが適任だと思うのですが、難しいんでしょうかね。

まあ、皮肉な言い方をすれば、国際的にはそれほど存在感のないMR.BIGが表紙をやる、というのも『BURRN!』!らしいと言えるのかもしれません。

このタイミングでMR.BIGが新作を出すというのも、もしやこの『BURRN!』!の30周年に合わせて制作/発表したのではないかという穿った見方をしてしまうわけですが、いずれにせよこの雑誌とMR.BIGの関係というのは「特別なもの」なのでしょう。

当然巻頭はMR.BIGのインタビューなわけですが、パット・トーピー(Dr)の病気の件もあり、こういう状況でファンならぬ者が迂闊なことを言うことはリスクしかないわけで、敬して読み飛ばす。

MOTLEY CRUEのファイナル・ツアーのレポ、そしてスラッシュのバンドを前座に迎えて行なわれたAEROSMITHのLA公演のレポを挟んで、本号の目玉である30周年記念特集、「BURRN!が伝えてきたHR/HM30年史」。

これだけで通常の『BURRN!』!のページ数を超えるページ数をフルカラーで使って1984年から2014年にいたる『BURRN!』の年間人気投票のダイジェストと、主だった記事で振り返る特集。

まあ、記事のセレクトなども含めて、量が量だけに、編集部的には大変な作業だったのだろうと思いますし、『BURRN!』という雑誌自体を愛してきた、あるいは『BURRN!』がプッシュするアーティストを愛してきた人たちにとっては資料性の高い企画だと思います。

ただ、個人的にはこうして俯瞰してみると、あらためて『BURRN!』という雑誌がいかに狭いターゲットに向けて雑誌を作ってきたのかということが浮き彫りになってしまっているというか…。何も知らない人がこれを読むと「30年間HR/HMはほとんど何も変わらなかった」という印象を抱きかねないと思います。

HR/HMバンドの各年ごとのリリース点数とレコード・セールスの推移などを折れ線グラフなどにして載せてみれば、また違う発見があったと思うのですが。

もう少し俯瞰的にロック・シーンを見てきた人にとっては、「BURRN!が何を伝えなかったか」の方が浮き彫りになってしまっている企画かもしれません。

伊藤政則氏と広瀬編集長の対談は煎じ詰めると毎度同じような切り口での「昔は良かったね」という愚痴にしか聞こえない。

編集部員と、レギュラーのライター(元編集部員)による「この30年、この30枚」は、人が入れ替わってないだけに、長いことこの雑誌を読んでいる読者であれば何度も似たようなセレクトを見せられたような印象が。

まあ、その辺は当事者たちも意識しているのか、意図的に新しめのバンド、新しめのアルバムを挙げようとしている人や、これも恐らく意図的に「変化球」を織り込んできている人もいますが。

「増田勇一氏に訊く日本のHM/HR、30周年の軌跡」については、なんか半分「なぜLOUDNESSをちゃんと扱ってこなかったか」の言い訳に見えるわけですが、結局の所、広瀬編集長の「『BURRN!』の読者層において洋楽至上主義者の割合が非常に高い、という現実がありますね」「日本のバンドを載せないでください、という声は多いですから」という言葉に集約されちゃうんでしょうね。

「日本のバンドを聴かない」というのは、個人の嗜好やポリシーとしてはとやかく言う筋合いの話ではないのでどうぞご自由に、という感じですが、それを自分のものではない(むしろ異なる価値観の人も多く読んでいる)雑誌に対して「載せないでください」とか要求する神経が今一つ理解できないんですよね。

そういうちょっと頭のおかしい、控えめに言って偏狭な人の意見を汲んで日本のバンドを載せなかった、というのも「言い訳」としてどうなんでしょうかね。本気で日本のバンドを扱う意味があると思っていたら、他人のそんな意見に耳を貸さないと思うので、結局編集部としても同じような洋楽偏重な価値観を持っていたからそうしただけ、ということなんじゃないかという気がします。

最近はそういう偏狭な人も年をとって丸くなったのか、あるいは『BURRN!』やHR/HMを「卒業」したからか、そういう声も減ったようで、だいぶ日本のアーティストも載るようになってきたと思いますけどね。

とまあ、そんなこんなで特集が大ボリュームだったおかげで、OPETHとか、普通ならカラーで扱われるべきアーティストがモノクロ2ページで「処理」されてしまっていたりと、割を食ってしまった感じです。

レビューに関しては、今月のマストバイは既に購入済みのRIOT、先行発表曲を聴く限りちょっと不安なIN FLAMES。そしてレビューは間に合っていないものの、24日発売の陰陽座およびGALNERYUSは外せません。

元AS I LAY DYINGのメンバーによるWOVENWAR、酷評されていますが、これまで買い続けてきたMANIGANCE、昨年の来日公演の印象が良かったKISSIN’ DYNAMITEなんかも気になっています。

◆発行元であるシンコー・ミュージックのWebサイト
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=2175011410