BATTLE BEAST / UNHOLY SAVIOR

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本サイトでの新譜レビューはやめましたが、特に印象的な新譜についてはこちらのブログで感想書きます。
なお、本サイトでも旧譜のレビューはしばらく(書きたいネタが尽きるまで)続けます。

と、一部誤解されている方がいそうなので一応前書きをした上で本題に入ります。

昨年のLOUD PARKで素晴らしいパフォーマンスを披露し、日本のメタラーの注目度も大きく上がったであろうフィンランドの正統派、BATTLE BEASTのサード・アルバム。

ソリッドでいてキャッチーなギター・リフを軸に、覚えやすいコーラスと、装飾にとどまらないキーボードが楽曲をフック満載に彩るまさにこういうメタルが聴きたかった、こういうメタルが好きなんだよ、と言いたくなる、超80年代型へヴィ・メタル。

デビュー当時にはもう少し往年のACCEPTを思わせる武骨な要素が前面に押し出されていたが、本作ではそうした要素はだいぶ後退し(前作の時点で既に後退していたが)、80年代中期以降のアメリカン・メタルに通じるポップ・センスが目立ってきている。

そのため、アントン(G, Vo)のウド・ダークシュナイダー(元ACCEPT, 現U.D.O)を思わせる「金切声スクリーム」もフィーチュア度も抑えられている。

バラードが#5、#11としっかりと2曲も収められていたり、先行公開された#7「Touch In The Night」が80年代メタルを通り越して80年代ポップに踏み込んでいたりと、これが80年代だったら「売れ線に走った」と硬派なメタル・ファンから非難されたかもしれない。

実際の所は現在でさえ#7「Touch In The Night」が公開されたときには一部のファンの間では物議を醸し、賛否両論があったようだが、アルバム全体を聴けば多少キャッチーになったことについての不満などどうでもよくなるだろう、と思えるだけの説得力が楽曲にある。

前述しましたが、本作はとにかくKeyアレンジが素晴らしくて、中でもパワー・メタリックな#6「Speed And Danger」におけるKeyソロ・パートなんてたまらんですね。今年のベスト・キーボーディストはこのバンドのヤンネ・ビョルクロト氏に決定です。

ボーナス・トラックの#12「Push It To The Limit」と日本盤ボーナス・トラックの#13「Wild Child」はそれぞれカヴァーで、前者は映画『スカーフェイス』のためにジョルジオ・モロダー(ドナ・サマーなどを手掛けたディスコ・サウンドの大御所)が書いた曲で、後者はW.A.S.Pの曲。どちらも80年代ならではの煌びやかさが生かされた好カヴァー。【87点】

◆本作のオフィシャル・サンプラー

こうして20分近くに渡って全曲試聴できるサンプラーが用意されているあたり、本作の楽曲に対する自信を感じますね。

◆本作収録「Madness」のMV



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SECRET SPHERE来日公演 at CLUB ZION 2015.1.11

SECRET SPHEREが来日公演を行なうと聞いたときには、耳を疑いました。Web上で目にしたので、厳密には目を疑う、ですかね。

「Evoken de Valhall PR」なる、何と読むのかも今ひとつ定かでないマイナーなプロモーターの招聘であり、バンドの人気の問題もあって、小さなライブハウスでの公演ですが、この機会を逃したらもう二度と彼らを日本で観ることはできないかもしれない、と思い足を運ぶことにしました。

ただ、この時期仕事が忙しいのでチケットを買わずにいたら、まさかの東京公演ソールドアウト。SECRET SPHEREが売り切れるはずがない、と高をくくっていましたが、いささか会場が狭すぎたか、あるいは前座であるMARY’S BLOODやVIGILANTEの集客力が寄与したのかもしれません。

しかも今回、SECRET SPHEREのメンバーのパスポート紛失「など」の事情によってビザの発行が間に合わず、正規の興行として行なえないため、チケット代不要のファンサービス公演として本公演が行なわれるという前代未聞の事態。

しかしいかんせんチケットがない、という状況に当たって私が下した判断は「名古屋遠征」。大阪・名古屋に関しては、前売りチケットを買っていない人でも先着100名まで無料で入場可能とのことだったので、それに賭けてみることにした。

まあ、万が一入れなかったら、ちょっと観光でもして、うまいものでも食べて帰ってくればいいかなと。名古屋は手羽先にきしめんにひつまぶし、名古屋コーチンに海老フライに味噌カツ、味噌煮込みうどんにあんかけスパゲティと、やたらと名物料理がありますからね(個人的に八丁味噌はちょっと苦手なのですが)。

名古屋であれば出張などもだいたい日帰りで行っているし、過去にCHILDREN OF BODOMの名古屋公演を観に遠征した実績もある(そのときは名古屋公演のみ中止になり、前座だったSOILWORKのみ観て帰るという衝撃の事態になったのですが…)。

そんなわけで、この日はちょっと仕事があったのですが、それを終わらせて東京駅へ行き、新幹線で一路名古屋へ。

3バンドも出演する長丁場ということもあり、エスカ(名古屋駅の地下街ですね)で名古屋コーチンの親子丼を摂取し、会場であるCLUB ZIONなるライブハウスへ。

最寄の地下鉄の駅からすぐ近くなのですが、なにぶん土地勘がないのでプチ迷子になりつつ、1バンド目の開演ちょっと前に会場に到着。それでも楽勝で入場することができました。

入ってみると、かなり狭い部類のライブハウスで、ステージとフロアの距離がめっちゃ近い。そのため、ライブ中、メンバーと目が合いすぎて困る(?)という状態でした(笑)。

ADRASTEA

1バンド目は日本のバンド。失礼ながら全然知らないバンドでしたが、地元のバンドなのでしょうか。女性ヴォーカルをフィーチュアしたシンフォニック系のメロディック・パワー・メタル・バンドです。

正直な所、現時点においては大学のサークルバンドに毛が生えた程度という印象でしたが、やっている音楽の方向性は私好みで、クラシカルな中にも日本人らしい歌謡曲的なセンスが垣間見えるメロディも光っていましたし、パフォーマンスも破綻なく一生懸命な感じで、好感が持てました。

サウンドがイマイチだったこともあって、速いパートでは音がダンゴになってしまいがちだったため、あまり速くない曲、疾走していないパートのほうが印象に残ったかも。

あと印象に残ったのは、ギタリストの方のパフォーマンスですね。とても楽しそうにギターをプレイしていて、微笑ましい気持ちになりました(笑)。


EGO FALL

2バンド目は、中国は内モンゴル自治区のバンドだというEGO FALL。中国が近代化したといってもそんなのは北京や上海などの大都市だけだろう…と思っていたら、辺境にもメタルコア・バンドが存在するくらいになっていたんですね。

中国のHR/HMバンドというと、90年代には唐朝(TANG DYNASTY)というバンドが日本盤をリリースしたりしていましたが、映画『グローバル・メタル』でその唐朝のメンバーが、いかに当時の中国でメタルを、バンドをやることが大変だったか、という話をしていました。

しかしそれも今や昔の話であるようで、長髪のドレッドヘアに唇ピアスといった出で立ちが内モンゴル自治区でさえ許されるとは、時代は変わりましたね。

昔のモンゴル帝国の将兵を描いたかのような、凄いセンスのバックドロップで狭いステージを飾り、馬頭琴の物悲しい響きで彼らのステージが幕を開ける。小学校の教科書に「スーホの白い馬」というモンゴルの話が載っていた関係で、存在自体はだいぶ前から知っていたが、実物を見るのは初めてだ(SEではなく、メンバーによる実演)。

さらにはホーミー(独特の喉の鳴らし方をする、モンゴル独自の歌唱法)まで始まり、気分はすっかりエキゾチック・モンゴリア。いや、同じ東アジアの民である日本人的にはむしろ郷愁めいた感覚さえ刺激されたりもするのですが。

彼らの音楽コンセプトはモンゴルの民族音楽とメタルコアの融合のようで、必ずしも両者の要素がなじんでいるわけではなかったりもするが、非常に興味深い音楽性である。

メンバーはみな剽悍な騎馬民族の末裔に相応しい強面な感じで、ステージにも迫力がある。フロントマンのヴォーカリストはなかなか愛嬌のあるイケメン好青年で、うまく会場を盛り上げており、恐らく事前に彼らの音楽を知っていた人などほとんどいなかったと思われるが、場内の反応はかなり好意的で、メンバーも嬉しそう。

正直世界レベルかというと微妙な所ですが、個人的には非常に楽しめましたし、本日来ていたお客さんの大半は彼らに好感を抱いたのではないでしょうか。

たどたどしい英語で「俺たちは民族のために戦う。モンゴルの精神を広めるために戦う」と、およそ日本のバンドからは聞くことのできない熱いMCを聞いたときはグッときましたね。

どうでもいいことですが、前日に観たTREATが「Skies Of Mongolia」という曲をプレイしていたことを思い出し、奇妙な符合を感じました。


SECRET SPHERE

そしてお目当て、SECRET SPHEREの登場。

正直な所、彼らに対しては期待半分・不安半分でした。イタリアのマイナー・バンドというのがどれくらいのレベルのものなのか、想像がつかなかったからです。

しかし、その不安はショウが開始してすぐに吹き飛びました。まず意外だったのは、メンバーが皆、非常にプロフェッショナルなミュージシャン然としていたこと。

正直、SECRET SPHEREのメンバーが、バンド活動だけでご飯が食べられるとはとても思えません。欧州のHR/HMバンドには、往々にして「昼間は普通の仕事してるんだろうな…」という感じの人たちが混じっていたりします。

しかし、目の前にいるメンバーたちにはそういった「生活感」は一切なく、このバンドだけではないにしろ、ちゃんと音楽で生計を立てているミュージシャン、というオーラが漂っていました(実際はどうか知りませんが)。

小さいハコで観ると、バンドのスケールも小さく見えがちなものですが、彼らの存在感は前に出た2バンドとはレベルが違うと言わざるをえない、圧倒的なものでした。メンバーが皆大柄なため、ライブハウスのステージは狭苦しいことおびただしいのですが、そういう物理的な話以前に、バンドのポテンシャルがステージに収まりきっていないという感じがしましたね。真面目な話、LOUD PARKの大ステージでも決してステージ負けしないと思います。

特にフロントマンであるミケーレ・ルッピ(元VISION DIVINE)の存在感は圧倒的。恐らく本日の来場者の中には、SECRET SPHEREのことはよく知らないけど、ミケーレ・ルッピが観られるなら行ってみるか、くらいのことを考えている人さえいるのではないかと思うほどにミケーレ・ルッピのヴォーカリストとしての評価は高いわけですが、単に歌が上手いだけではなく、フロントマンとしてのパフォーマンスが堂々としていることに驚きました。

その大柄な体躯にこのライブハウスのステージは明らかに狭すぎるはずでしたが、それでも上手にスペースを使ってパフォーマンスするあたり、ライブ慣れしているのを感じましたね。ミケーレがフロアの方に身を乗り出してくるたびに彼の腕にペタペタとタッチを繰り返す女性がいたのが微妙に気になりましたが、ミケーレはそんなことで集中力を乱すようなレベルのシンガーではありませんでした。プロです。

メンバー全員が相当なテクニシャンで、演奏力はバッチリ。その大仰な楽曲の世界観を一切損なうことのないスケール感に満ちたプレイに、たちまち会場は一体となって盛り上がりました。前の2バンドに対しては「観客側で盛り上げてやろう」というような雰囲気もありましたが、彼らがプレイしているときは皆自然に引き込まれ、心の底から盛り上がれていたと思います。

特に私のフェイバリット・アルバムであり、日本で15,000枚売れたと言われる人気作「A TIME NEVER COME」からの「Legend」~「Under The Flag Of Mary Read」の流れにおける盛り上がりはかなりのものでしたね。

アンコールのラストは、KISSのカヴァーで(私は大阪公演の様子をTwitter等で観ていたので、KISSのカヴァーをする、と言われたときに特に驚きませんでしたが、会場は「え?」という感じでキョトンとした空間になりました/笑)、「Detroit Rock City」をもじった「Nagoya Rock City」でした。歌う前に「ナゴヤ」のアクセントをオーディエンスに確認しているあたり、ミケーレの律儀な性格を感じさせられましたね(笑)。

アルド・ロノビレ(G)のタッピングの腕前は匠の領域で、様々な楽曲でフィーチュアされているタッピング・ソロのパートでは思わず指板に眼が釘付けでしたし、もう一人のサウスポーのリズム・ギタリスト、マルコ・パストリーノがそこらの専任シンガー顔負けに歌が上手く(このバンドの前任シンガーだったロベルト“ラモン”メッシーナより上手いかも…?)、コーラス・ワークもバッチリだったことも特筆すべきポイントでした。

全体的には新しめの曲が多く、私の聴きたい曲はあまりプレイされなかった(「The Brave」は聴きたかった…)わけですが、それでもこのレベルのライブを見せてくれれば文句はありません。

というか、無料にもかかわらず、この200人も入ればギュウギュウになってしまいそうなライブハウスさえ満員にならないというのがけしからんですね。まあ、おかげで快適に近くで観ることができたわけですが…。

普段私はあまりグッズとか買わない主義なのですが、これだけのライブを見せてもらったので、来日してくれたことに対する御礼のつもりでSECRET SPHEREのTシャツと、EGO FALLのCDを買って会場を後にしました。

終演時間によっては、近隣のビジネスホテルに泊まることも考えていましたが、幸い終電まで1時間近くあったので、途中の地下鉄でSMAP混雑(どうやらこの日名古屋でSMAPのコンサートがあったらしいです)に巻き込まれながら、そのまま新幹線で帰りました。

交通費とグッズ代等で3万円以上になってしまいましたが、まったく後悔のない素晴らしいライブでした。

3月に出るという名盤2nd「A TIME NEVER COME」の再録盤を携えて、今年のLOUD PARKへの出演を実現させることを切に希望します。

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KAWASAKI ROCK CITY Vol.3 at CLUB CITTA’ 2015.1.10

もはや新春恒例イベントとなりつつある「カワサキ・ロック・シティ」。80年代型のクラシックなHR/HMバンドが複数出演するフェスティバル形式のイベントという意味では、「日本のROCKLAHOMA」と言っても過言ではないでしょう(規模はだいぶ落ちますが)。

クラブチッタというスペースが限られた空間なので、フェスという印象は受けませんが、サイン会があったり、ディスクユニオンの出張販売があったりと、「単なる来日公演」よりはイベント性を持たせようという意図が感じられました。

かつては武道館を埋めたEUROPEが出演するとあって混雑を予想していたら、意外なほどに空いていてちょっとビックリ。1バンド目であるCRASHDIETの時点では6割強くらいしか入っていなかったのではないでしょうか。

CRASHDIET

北欧の新世代グラム・メタル・バンドの代表格といえるバンド。初代ヴォーカリストの自殺といったセンセーショナルな話題もあって、母国スウェーデンではチャート上位の常連だが、来日はこれが初となる。

2013年には「LOUD & METAL ATTACK」での来日が予定されていたのですが、直前にマネージャーが急死して事務的な手続きができなくなり、急遽来日中止になるといった不運もあり、今回はその不戦敗(?)の雪辱を晴らすチャンスになるはずでした…。

が、本日のステージは彼らにとってなかなか厳しいものでした。

とにかく盛り上がらない。一応曲が終わるとパラパラと拍手は起こるものの、すぐに静かになってしまう。

本国の人気バンドである彼らにはこの静寂は戸惑い以外の何物でもなかったようで、ステージ上で困惑しているのが見て取れました。

本日のオーディエンスの大半はEUROPEおよびTREATを観に来ていたと思われるかなり高めの年齢層だったこともあり、彼らの場内認知率はかなり低かったと推察されます。

ただ、厳しいことを言わせてもらうと、EUROPEやTREATのファンなんて母国スウェーデンでも同様に高齢化しているはずで、そういうオーディエンスに「自分たちのファンであること」を前提としたコミュニケーションをしようとしたバンド側の戦略ミスですね。

フロントマンであるサイモン・クルーズの、やる気があるのかないのかわからない、ちょっと斜に構えた態度もあまり好感を持たれなかったのではないでしょうか。ルックスはカート・コバーン、歌声はセバスチャン・バック風でカッコいいといえばカッコいいんですけどね。

さらに厳しいことを言わせてもらうと、この手のバンドにそういうことを言うのは野暮というものですが、演奏が下手でした…。アルバムこそ聴いていないものの、YouTubeで何曲かチェックしたMVなどを観ると曲自体はまあまあカッコいいのに、演奏が下手すぎてその魅力が引き出されていなかったように思います。特にギター、こんなに下手くそなギターを聴いたのは久しぶりでした…。

まあでも結局、プロモーターが事前に「日本人は英語が苦手だし、君たちの知名度も低い。新人バンドだと思ってプレイしたほうがいい」とアドバイスしなかったことが今回の悲劇の原因じゃないですかね。

噂によると翌日の公演はヴォーカリストのサイモン・クルーズが「体調不良」で出演せず、ギタリストとベーシストが歌ってステージをこなしたそうで、サイモンの「体調不良」の原因が本日の冷遇だったとしたら、ちょっと胸が痛みます…。


TREAT

個人的にはこのTREATが本日の目的でした。噂によると今回のツアーが終わると解散する、という話だったので…。

そして実際、素晴らしいライブでした。とても先ほどまでと同じ会場とは思えないほどの盛り上がりで、その盛り上がりは、少なくとも私の周りだけに関していえば後に出たEUROPE以上だったと断言できます。

正直な所、TREATはそれほど活発に活動しているとは言い難く、かなりロートルなパフォーマンスを見せられることも覚悟していました。

実際、メンバーのルックスに関して言えば経年劣化著しく、かつて「日本の44MAGNUM」と呼ばれた頃の華やかさの面影は既になく…。

しかし、パフォーマンスに関していえば思いのほか現役感があり、その原動力は(見た目こそ老けこんでいましたが)ロバート・アーンルンドの安定感のある歌唱と、キャリアを感じさせるフロントマンぶりでした。

そして、TREAT解散後に最も活発にミュージシャンとして活動していたジェイミー・ボーガー(Dr:元TALISMAN)の無駄に派手な動きの多い「見せるドラミング」もサウンドにロックらしいフィーリングを与えており、「Sole Survivor」のアウトロで披露されたちょっとしたドラム・ソロの後にはオーディエンスに向かって半ケツ出し(元々お尻の部分が大きく開いている衣装だった)まで見せつけ、「北欧のトミー・リー」と呼びたくなりました(笑)。

そして何より曲がいい。どの曲をとっても魅力的なメロディが満ち溢れていて、あらためて彼らのソングライティング能力の高さを痛感させられました。きっとEUROPEの「The Final Countdown」しか知らずに来ました、みたいな人でさえ彼らの楽曲の素晴らしさは一発で伝わったと思いますし、「TREATはよく知らないけど、昔のEUROPEは好きでした」みたいな人にとっては「あれ? TREATの方が良いのでは?」と思わせてしまうほどだったと思います。

アンダース・ヴィクストロムのギターはちょっとトラブっていたようですし、キーボードの音量が全体的に控えめだったような気がしますが、楽曲の圧倒的なパワーがそういう細かいことを一切気にさせませんでしたね。

「Conspiracy」が終わって、メンバーがいったん楽器を置いたとき、トリ以外アンコールは無いものと思っていたので、「おいおい、まさか『World Of Promises』なし? そりゃないぜ」と思いましたが、メンバーはすぐステージに戻ってくる。

「もっと聴きたいか?…なんて焦らしてる時間がない。やる!(YES!)」というロバートのMCにちょっと笑いつつ、最新作に収録されていた印象的なナンバー「Skies Of Mongolia」を挟んで、最大の目当てだった「World Of Promises」がプレイされる。もうこれで1万円分の元は取ったと納得できる、素晴らしいショウでした。「キング・オブ・北欧メロディアス・ハード」。彼らにこの称号を送りたいと思います。


EUROPE

先に出たTREATが素晴らしかったため、食われてしまうんじゃないの? という危惧をしていましたが、案の定、序盤の新しい曲の反応は薄め。

3曲目の「Superstitious」でようやく少しオーディエンスの反応が熱を帯び始めるが(特に中間部でWHITESNAKEの「Here I Go Again」の一節をプレイしたとき)、個人的にはスタジオ・バージョンのあの印象的なコーラスを省き、チューニングを下げた現在のアレンジはこの曲のホープフルな魅力を大きく損なっており、現在の彼らがプレイすべき曲ではないように感じました。

続く「Scream Of Anger」でようやく完全にオーディエンスを掌握し、その後は新旧の曲を巧みにブレンドし、貫禄のステージを展開。何だかんだ言って、演奏やパフォーマンスの質自体はTREATよりもはるかに高かったと思います。正直あまり好みではない新しめの曲も、「Love Is Not The Enemy」や「The Beast」のような勢いのある曲であれば、ライブでは楽しめました。

そして相変わらずジョン・ノーラムのギターのトーンは絶品。ゲイリー・ムーアのフォロワーからスタートして、トーンの面で本人並みの説得力を獲得したのはこの人だけなのではないでしょうか。ステージではほとんど全く動いてくれませんが…。

中間にDEEP PURPLEの「Woman From Tokyo」を挿入した「Rock The Night」で本編を終え、アンコールは近年の定番である再結成前後それぞれの代表曲である「Last Look At Eden」と「The Final Countdown」で終了。

まあ、ショウの質は高かったのですが、前日にセカンド「WINGS OF TOMORROW」の完全再現を行なっており、個人的にはむしろそれを観たかったので、通常セットリストである本日に完全に満足することは難しかったですね。せめて「Stormwind」と「Dreamer」だけでもプレイしてくれれば成仏できたのですが…。

とはいえTREAT7000円、EUROPE3000円くらいの金額配分だったと考えれば、充分にお得なイベントだったと思えますね。来年は誰が出演するのでしょうか。

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このブログについて(改訂版)

その昔「METALGATE BLOG」という名称で書いていたブログです(当時のブログの説明はこちら)。

「METALGATE BLOG」の頃は、自分の興味の範囲の中ではありますが、ある程度網羅性や速報性など、読者がいることを想定した文章を書いていました。

ただ正直な所、実生活との兼ね合いの中でそういう書き方でブログを続けることが難しくなってきており、またMETALGATEという、「METALGATE BLOG」の母体であるサイトも、諸事情により更新終了へ向かうことにしたので、「METALGATE BLOG」については2014年末をもって一旦終了、という形をとらせていただきました。

とはいえメタルを愛する心には何らの変わりもなく、これまで10年に渡ってHR/HMについてWeb上で語ってきたこともあり、今後も何かしら物申したくなることもあろうかと思い、形を変えて続けることにしました。

これからはMETALGATEというサイトの管理人としてではなく、一介のメタル好きとして、何かどうしても書きたいと思ったことがあったときにのみ、気まぐれに駄文を綴っていこうと思います。

過去の「METALGATE BLOG」にはニュースサイト的な性格が多少あったと思いますが、そういう性格は全くなくなると思いますし、『BURRN!』誌の感想も書きません。これまで以上のマイペース(というかスローペースですかね)かつ独り言めいた文章になり、更新頻度もガタ落ちすることでしょう。たぶん月に一度も書かない、なんてことも普通にあると思います。

なのでこれからは定期的に読んでもらうというよりは、年に一回訪れた方が「あ、何回か更新されてるな」と思っていただくくらいのユルさで、モチベーションがゼロになるまでダラダラとまったりやっていこうかと思ってます。