LAメタルの現実 PART 2
繰り返しますが、エントリーのタイトルはB!誌が延々とやっている企画のパロディです。
『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』の開催でにわかに注目が集まる(?)L.A.メタル界隈ですが、そのイベント以外にも個人的にちょっと興味を引かれるニュースが最近いくつかありました。
◆QUIET RIOTに『アメリカン・アイドル』出身のジェイムズ・ダービンが加入
シングル「Cum On Feel The Noise」およびアルバム『METAL HEALTH 』の大ヒットによってL.A.メタル勃興の嚆矢となったQUIET RIOTは、何度かのリユニオンと度重なるメンバー・チェンジを経て、オリジナル・シンガーであったケヴィン・ダブロウが2007年に死去して以降もドラマーのフランキー・バネリを中心に細々と活動を続けていました。
2013年から2016年まではジジィ・パール(元LOVE/HATE、L.A. GUNSやRATTにも一時在籍)がこのバンドのフロントマンを務めていたわけですが、昨年末、ショーン・ニコルズという、元GUNS N' ROSESのドラマー、スティーヴン・アドラー率いるADLER'S APPETITEに在籍していたことがあるというヴォーカリストに交代し、この4月に『ROAD RAGE』という新作を発表することになっていました。
しかし先日、昨年末に加入したばかりだというのにそのショーン・ニコルズから、人気番組『アメリカン・アイドル』でファイナリスト(4位)になったことで話題になったジェイムズ・ダービンが加入、そしてレコーディングが終わっていた新作『ROAD RAGE』をジェイムズ・ダービンのヴォーカルで録り直すということで、リリースを夏まで延期するというニュースが発表されました。
ジェイムズ・ダービンもデビュー直後こそ多少話題になりましたが、その後は正直鳴かず飛ばずに近い状態とはいえ、なぜQUIET RIOTなどという、彼とは全く世代の違う、言っちゃ悪いですが落ち目のバンドに加入することになったのでしょうか。
まあ、QUIET RIOT側としては、オリジナル・シンガーがもはやこの世にいない現状においては、あとはフロントマンに求めるのは実力と話題性だけだと思いますので、ジェイムズ・ダービンみたいな有名人が加入してくれるという話はウェルカムでしょう。ショーン・ニコルズが本当に「一緒にライヴを行った後に上手くいっていないと感じ、クリエイティブな面などでも相違があったため」脱退したのか、ジェイムズ・ダービンが加入することになったためにクビにされたのか、その辺がやや気になる所です。
そんなわけでわずか数ヶ月でQUIET RIOTを去ることになったショーン・ニコルズ氏が加入したのが、元RATTのボビー・ブロッツァーが「RATT」というバンド名の使用権をウォーレン・デ・マルティーニを中心とした他のメンバーと争って裁判で負けたBOBBY BLOTZER'S RATT EXPERIENCEというのが何とも…。
スティーヴン・アドラーのADLER'S APPETITE、フランキー・バネリのQUIET RIOT、そしてボビー・ブロッツァーのBOBBY BLOTZER'S RATT EXPERIENCEと、それぞれのドラマーが昔在籍していた知名度のあるバンドのいわば「トリビュート・バンド」御用達のヴォーカリストって感じです(QUIET RIOTは一応「本家」ですが、もはやスティーヴン・アドラーやボビー・ブロッツァーのバンドと実態は変わらないでしょう)。
そういう意味ではQUIET RIOTにおける「前任シンガー」だったジジィ・パールもL.A.GUNSにRATT、QUIET RIOTと(しかもADLER'S APPETITEにも参加していた時期がある)、「そういうキャリア」の持ち主だったので、この人の人生もそういうものなんだろうなあ、と思うと、島倉千代子の「人生いろいろ」という曲名が頭をよぎります(笑)。
この手の「トリビュート・バンド」もアメリカでは田舎をドサ回りすればとりあえず食えるからこういう「昔の名前で出ています」的な活動が続いているのでしょうが、日本だとフロントマンが重視されるので、絶対来日できないんですよね…。ジジィ・パールが歌っていた時代のそれらのバンドはもちろん、ジョン・サイクスが歌っていたTHIN LIZZYなんかも欧米では結構お客さんを集めていたようですが、(1996年から2009年まで13年間もやっていたにもかかわらず)結局日本には来なかったですし(まあ、新作を作っていない、という事情もありますが)。
件の『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』も、ヴィンス・ニールやトム・キーファー、セバスチャン・バックという「フロントマン」は呼んでも、この手のトリビュート・バンド的な人たちは呼ばないですもんね。日本人はやはり「歌手」重視の国民なのだと思います。
まあ、いち日本人として考えて、サザンオールスターズやミスチルやラルクが「ヴォーカリスト替えて活動を続けます」といってもファンがついてくる気がしないですもんね。メジャー・バンドで曲りなりにもそれをやったのってWANDSくらいですが、やっぱり長続きしませんでしたね。
※ニュースソース
http://amass.jp/85582/
◆W.A.S.P.が『THE CRIMSON IDOL』25周年ツアーを発表
W.A.S.P.が1992年に発表した5thアルバム『THE CRIMSON IDOL』は欧州で高い人気を持つクラシック・アルバムということもあり、同作の発表から四半世紀、25周年を迎えた今年、DVD映像作品の制作と共にリレコーディングされ、ヨーロッパでアニバーサリー・ツアーが行なわれるそうです。
正直、リレコーディングものに満足できた試しがほとんどない(というかむしろ失望させられることが多い)ので、再録盤には期待していないのですが、「完全再現+グレイテスト・ヒッツ」というライブには(近年ありがちな企画ながら)ちょっと心惹かれます。
日本でも同作は結構評価高かったと思うのですが、近年の彼らの人気を考えると単独での来日は難しいですかねえ…。
てか、今ちょっと調べてみたら近年のライブではランディ・ブラック(元ANNIHILATOR, PRIMAL FEAR)がドラム叩いてるのか。となると、それも含めて観てみたいですね。
※ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news/wasp-announces-re-idolized-the-25th-anniversary-of-the-crimson-idol-european-tour/
『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』の開催でにわかに注目が集まる(?)L.A.メタル界隈ですが、そのイベント以外にも個人的にちょっと興味を引かれるニュースが最近いくつかありました。
◆QUIET RIOTに『アメリカン・アイドル』出身のジェイムズ・ダービンが加入
シングル「Cum On Feel The Noise」およびアルバム『METAL HEALTH 』の大ヒットによってL.A.メタル勃興の嚆矢となったQUIET RIOTは、何度かのリユニオンと度重なるメンバー・チェンジを経て、オリジナル・シンガーであったケヴィン・ダブロウが2007年に死去して以降もドラマーのフランキー・バネリを中心に細々と活動を続けていました。
2013年から2016年まではジジィ・パール(元LOVE/HATE、L.A. GUNSやRATTにも一時在籍)がこのバンドのフロントマンを務めていたわけですが、昨年末、ショーン・ニコルズという、元GUNS N' ROSESのドラマー、スティーヴン・アドラー率いるADLER'S APPETITEに在籍していたことがあるというヴォーカリストに交代し、この4月に『ROAD RAGE』という新作を発表することになっていました。
しかし先日、昨年末に加入したばかりだというのにそのショーン・ニコルズから、人気番組『アメリカン・アイドル』でファイナリスト(4位)になったことで話題になったジェイムズ・ダービンが加入、そしてレコーディングが終わっていた新作『ROAD RAGE』をジェイムズ・ダービンのヴォーカルで録り直すということで、リリースを夏まで延期するというニュースが発表されました。
ジェイムズ・ダービンもデビュー直後こそ多少話題になりましたが、その後は正直鳴かず飛ばずに近い状態とはいえ、なぜQUIET RIOTなどという、彼とは全く世代の違う、言っちゃ悪いですが落ち目のバンドに加入することになったのでしょうか。
まあ、QUIET RIOT側としては、オリジナル・シンガーがもはやこの世にいない現状においては、あとはフロントマンに求めるのは実力と話題性だけだと思いますので、ジェイムズ・ダービンみたいな有名人が加入してくれるという話はウェルカムでしょう。ショーン・ニコルズが本当に「一緒にライヴを行った後に上手くいっていないと感じ、クリエイティブな面などでも相違があったため」脱退したのか、ジェイムズ・ダービンが加入することになったためにクビにされたのか、その辺がやや気になる所です。
そんなわけでわずか数ヶ月でQUIET RIOTを去ることになったショーン・ニコルズ氏が加入したのが、元RATTのボビー・ブロッツァーが「RATT」というバンド名の使用権をウォーレン・デ・マルティーニを中心とした他のメンバーと争って裁判で負けたBOBBY BLOTZER'S RATT EXPERIENCEというのが何とも…。
スティーヴン・アドラーのADLER'S APPETITE、フランキー・バネリのQUIET RIOT、そしてボビー・ブロッツァーのBOBBY BLOTZER'S RATT EXPERIENCEと、それぞれのドラマーが昔在籍していた知名度のあるバンドのいわば「トリビュート・バンド」御用達のヴォーカリストって感じです(QUIET RIOTは一応「本家」ですが、もはやスティーヴン・アドラーやボビー・ブロッツァーのバンドと実態は変わらないでしょう)。
そういう意味ではQUIET RIOTにおける「前任シンガー」だったジジィ・パールもL.A.GUNSにRATT、QUIET RIOTと(しかもADLER'S APPETITEにも参加していた時期がある)、「そういうキャリア」の持ち主だったので、この人の人生もそういうものなんだろうなあ、と思うと、島倉千代子の「人生いろいろ」という曲名が頭をよぎります(笑)。
この手の「トリビュート・バンド」もアメリカでは田舎をドサ回りすればとりあえず食えるからこういう「昔の名前で出ています」的な活動が続いているのでしょうが、日本だとフロントマンが重視されるので、絶対来日できないんですよね…。ジジィ・パールが歌っていた時代のそれらのバンドはもちろん、ジョン・サイクスが歌っていたTHIN LIZZYなんかも欧米では結構お客さんを集めていたようですが、(1996年から2009年まで13年間もやっていたにもかかわらず)結局日本には来なかったですし(まあ、新作を作っていない、という事情もありますが)。
件の『L.A. METAL SUMMIT in TOKYO』も、ヴィンス・ニールやトム・キーファー、セバスチャン・バックという「フロントマン」は呼んでも、この手のトリビュート・バンド的な人たちは呼ばないですもんね。日本人はやはり「歌手」重視の国民なのだと思います。
まあ、いち日本人として考えて、サザンオールスターズやミスチルやラルクが「ヴォーカリスト替えて活動を続けます」といってもファンがついてくる気がしないですもんね。メジャー・バンドで曲りなりにもそれをやったのってWANDSくらいですが、やっぱり長続きしませんでしたね。
※ニュースソース
http://amass.jp/85582/
◆W.A.S.P.が『THE CRIMSON IDOL』25周年ツアーを発表
W.A.S.P.が1992年に発表した5thアルバム『THE CRIMSON IDOL』は欧州で高い人気を持つクラシック・アルバムということもあり、同作の発表から四半世紀、25周年を迎えた今年、DVD映像作品の制作と共にリレコーディングされ、ヨーロッパでアニバーサリー・ツアーが行なわれるそうです。
正直、リレコーディングものに満足できた試しがほとんどない(というかむしろ失望させられることが多い)ので、再録盤には期待していないのですが、「完全再現+グレイテスト・ヒッツ」というライブには(近年ありがちな企画ながら)ちょっと心惹かれます。
日本でも同作は結構評価高かったと思うのですが、近年の彼らの人気を考えると単独での来日は難しいですかねえ…。
てか、今ちょっと調べてみたら近年のライブではランディ・ブラック(元ANNIHILATOR, PRIMAL FEAR)がドラム叩いてるのか。となると、それも含めて観てみたいですね。
※ニュースソース
http://www.blabbermouth.net/news/wasp-announces-re-idolized-the-25th-anniversary-of-the-crimson-idol-european-tour/
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