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ARCH ENEMY 来日公演 at EX THEATER ROPPONGI 2018.2.21

ARCH ENEMY来日公演、東京2日目に行ってきました。

平日ということで、当然仕事との戦い。働き方改革の流れで早く帰ることが推奨される空気感は生まれているものの、さすがに19時前に仕事を切り上げることは物理的に厳しい。

開演時間直前にパソコンをシャットダウンし、会社を出る。会社からEX THEATER ROPPONGIまでは、直線距離にするとかなり近いのですが、電車を使って行こうとすると結構めんどくさく、そもそも六本木駅からそれほど近いわけではないので、遅刻時間を最小にするためにタクシー使用。

EX THEATER ROPPONGIはフロアに行くまでに地下3階まで降りなくてはならないのが難点。地下2階に下りた時点で、「Ravenous」のあの印象的なイントロが聞こえてくる。

フロアに入ると、最大1700人収容の、昨今のメタル系としては大きめの会場ながらそこそこ人は入っており(8割くらい?)、バッグと上着を抱えた状態であまり前方に行ける感じではなかったので、おとなしく下手後方で鑑賞。

そしてステージに目をやると、たちどころににショウに引き込まれる。

やっぱりカッコいい。プレイされている「Ravenous」のサビの曲名が叫ばれる箇所ではついつい合唱(唱?)、ギター・ソロ後のイントロのフレーズのラストでは皆拳を突き上げる。

こういうクラシックなメタルならではの一体感を得られるライブって、エクストリーム系のバンドだと結構少ないんですよね。

その代わりということなのか、モッシュとか、サークルピットとか、クラウドサーフとか、そういうエクストリーム系ならではの激しいノリはあまり見られず(前方では起きていたのでしょうか?)、オーディエンスは良くも悪くも行儀がいい。

フロントマンが女性だからなのか、結構女性のオーディエンスも多く、かなり年配とお見受けする方も来場されていて、そういう意味ではエクストリーム系のメタル・ファンよりもクラシックなメタルのファンが多かったということなのかもしれません。

まあ、かく言う私自身がそうなのですが。

続く「Stolen Life」のリフ・ワーク、起伏の明確な展開なんかも、明らかにクラシックなメタルが好きな人のツボに入る感じですよね。またまた無条件にカッコいい。唯一の難点は私の右前方に背が高い人が立っていて、上手(かみて)のジェフ・ルーミス(G)が見えないこと(苦笑)。

ジェフ・ルーミスは、ギター・ソロの際にセンターに出てきて、マイケル・アモット(G)と背中合わせでソロをプレイする(その絵がやっぱりメタルのライブならではのカッコよさですよね)ことはあっても、下手(しもて)の方に出張ってくることはなく、マイケル以外のメンバーと絡むこともほとんどないため、ちょっと「お客様」感を感じてしまいました。

マイケル以外のメンバーにとってはまだ「友達の友達」的な感覚なのかな~、などと思ってしまいました。

ウォーレル・デイン(Vo)が昨年末に急死したことでかつて在籍していたNEVERMORE復活の可能性もなくなったので、自分でバンドを立ち上げるのでなければジェフにとってARCH ENEMYは悪くない就職先だと思いますが、ソングライティングに関与せず、必然的にマイケル・アモットがソロのおいしい所を全部プレイする現在の状態だと、いつまでたっても「ジェフ・ルーミスの無駄遣い」と言われてしまうと思うので、ジェフにはもっと自己主張してもらいたいな、と思います。

一方、アリッサ(Vo)は前回LOUD PARK 15で観た時よりバンドに馴染んでいたと思います。冷静に場と自己をコントロールしていた観のある前任のアンジェラよりもエモーショナルな歌唱とパフォーマンスは、その印象的なブルーの髪色もあって、キャラの立った名プレイヤー揃いのこのバンドにあっても確かな存在感を放っており、ヨハン派、アンジェラ派の人から見ても、好き嫌いはあれ、パフォーマンスの質について文句は言わせない迫力がありました。

前述した通り、オーディエンスはおとなしめだったので、「I Can't Hear You(聞こえねーぞ)」という煽りを連発していたのが、我々の盛り上がりに不満を感じていらっしゃるのかな、とちょっとドキドキしましたが(苦笑)。

「Stolen Life」に続いて最新作の冒頭を飾る怒涛のスラッシュ・チューン、「The Race」がプレイされる。個人的に大好きな曲で、最新作のオープニングということで1曲目にプレイされていたらどうしよう…と思いましたが、実際には「The World Is Yours」だったようでこうして聴くことができました。ええ、思う存分頭を振らせていただきましたとも。

その後も、アリッサ加入後の2作からの楽曲を中心にショウが進んでいく。アンジェラ期の曲はちょいちょい挟まれることはあるが、ヨハン期の曲が皆無なのは、前作発表後にBLACK EARTHの活動を挟んでいたからだろうか。

まあ、ヨハンの方が個性が強く、しかもマニアのこだわりも強いので、アリッサとしてはやりにくい、ということもあるのかもしれませんが。特に欧米ではヨハン期の知名度が低くて、当時の曲をプレイしてもあまりウケない、という事情もあるようですし。

途中、メンバーが全員袖に引っ込んだと思ったら、彼らの日本での所属レコード会社であるトゥルーパー・エンターテインメントの宮本社長が登場。何事かと思いきや、ARCH ENEMYが3月5日発売のBURRN!誌における読者投票のある部門で1位を獲得したので、メンバーとオーディエンスの写真を撮りたい、とのことでした。それ、今このタイミングじゃなきゃダメなん?(苦笑)

写真を撮るということは掲載されるのか、メンバー全員が写る写真ということはベスト・グループに選ばれたのか? 発売は2週間後だから、今日入稿すればギリギリ間に合うか…などと思いつつ、後方だけに写るはずもないメロイック・サインを掲げる(後日談としては、掲載されていなかったし、ベスト・グループではなかったのですが)。

そんなちょっと和気あいあいとした時間を挟みつつも、再開されたショウはそれまで通りの緊張感を保っているのがやはりプロフェッショナル。アリッサの性格によるものだろうが、変にオーディエンスとなれ合うようなコミュニケーションがないのが個人的には肌に合う。メタルはやはり緊張感があってナンボです。友達のバンドのライブを観に行くような気安さのようなものは求めていないのです(あくまで個人の意見です)。

やはりこのバンドの緊張感を支えているのは、ダニエル・アーランドソンの正確無比なドラミングでしょうね。

個人的にはライブでは突っ込み気味、ハシり気味のドラムが好きだったりするのですが、バンドがタイトな演奏をする上ではドラムが正確であることが絶対条件なので、このバンドのプロフェッショナルなパフォーマンスは彼のドラムあってこそでしょう。

最新作でバンド史上初めて収録されたノーマル歌唱によるバラード系の「Reason To Believe」もちゃんとプレイされ、アリッサの確かな歌唱力をあらためて示していました。今後もアルバムに1曲くらいは彼女のノーマル歌唱をフィーチュアしてもらいたいものです(あくまで個人の意見です)。

本編ラストは「We Will Rise」。アメリカ市場での認知を獲得し始めた時期の曲なので、彼ら的には思い入れがあるのでしょう。
歌えと言わんばかりのサビですが、私の周囲ではあまり歌っている人は見受けられず、ひょっとしたら割と新しいファンが多かったのかもしれません。

引っ込んですぐに出てきたアンコールは「Avalanche」で始まり、「Snowbound」でマイケルがたっぷりとギターを泣かせた後、私の知る限り、この手のデス・ヴォイスで歌われる楽曲の中で最もベタなサビをもつアンセム・チューン、「Nemesis」で締め。やっぱりこの曲が一番人気なんでしょうかね。One For All, All For One!

LOUD PARKでしょっちゅう来ていたこともあって、多分私が人生で一番多くライブを観ているバンドというのがARCH ENEMYで、何回も見ている分、渇望感というか待望感というか、ライブに行くまでのワクワクというのは正直もうほとんどないのですが、それでも観ると毎回「やっぱりカッコいいな!」と満足させられる、そんなバンドが彼らです。

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LOUDNESS / RISE TO GLORY -8118-

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DEEP PURPLEやALICE COOPER、DEF LEPPARD、FOREIGNERといったクラシック・ロックから、GAMMA RAYやSTRATOVARIUS、ANGRA、DRAGONFORCEといった当サイト/ブログ御用達(?)のパワー・メタル系アーティスト、THE BRAND NEW HEAVIESにINCOGNITOといったアシッドジャズまで、幅広いアーティストが所属するドイツの『ear MUSIC』から世界同時発売される、LOUDNESSの通算27作目のフル・アルバム。

アルバム・タイトルに付いている「8118」というのは、彼らのデビューが1981年で、現在が2018年、という所から来ているのでしょう。

ここ数年、『THUNDER IN THE EAST』30周年に始まる限定盤の発売や、それに伴うメモリアル的なニュアンスの強いライブを行なってきた関係か、あるいは海外のフェスにおいても求められている楽曲が80年代のクラシックであるということを肌で感じたせいか、本作では1992年の『LOUDNESS』以来、最も80年代的といっていいサウンドが展開されている。

無駄な(?)ヘヴィさはなく、ソリッドでメリハリの効いたギター・リフをメインにしつつ、ヴォーカル・ラインも近年稀にみるメロディ重視の姿勢が感じられ、「高崎さん、本当にやりたいことやってますか?」と逆にこっちが心配になるほど(笑)。

まあ、とはいえ90年代以降のエッセンスも入っているし、80年代回帰な部分については久方ぶりのワールド・ワイド・リリースということで、ファンのニーズに当てに行ったものだとしても、実際それで私は楽しめているのだから文句はないのですが。

高崎晃のギターもギンギンで、本人をして「今世紀に入って一番弾いた」と言わしめる、間奏の域を超えたフラッシーなテクニカル・プレイが満載で、その点においてもファンの留飲を下げることだろう。

先に「無駄なヘヴィさはない」と書きましたが、そう、LOUDNESSは「ラウドネス」であって「ヘヴィネス」ではないのですよ。彼らのライブを体験した人であれば、彼らのライブがエクストリーム・メタル系のバンドと比べてもラウドであることは実感しているはず。

そういう意味で、本作のサウンドは正しく「ラウドネス」であり、個人的にはやはりこのサウンドこそがこのバンドに求められているものだと思うし、追求すべき音だとも思う。正直90年代以降のこのバンドの音って、若いバンドに張り合って無理しているようにも映りましたからね。

惜しむらくは「Crazy Docter」や「Crazy Night」のようなキラー・チューンに欠けることで、本作に満足しきれない要素があるとすれば、そこかなぁ。まあ、デビューから40年近いキャリアを重ねている人たちに全盛期と同じマジックを求めちゃいけないのかもしれないんですが。

随所に「おお、このリフ・パターンは…」「この展開は…」と往年の名曲を想起させる瞬間があったりして、私のように80年代のサウンドにしか思い入れのないファンが聴いても楽しめる作品に仕上がっていることは間違いないんですけどね。【84点】

◆本作収録『Soul On Fire』のMV


EPICA vs ATTACK ON TITAN SONGS

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オランダの人気シンフォニック・メタル・バンド、EPICAが、日本の人気アニメ(コミック)『進撃の巨人』の楽曲をカヴァーした企画EP。

なぜにEPICAが日本のアニメ楽曲をカヴァーしたのか、その辺の経緯が不明だが、オリジナルのLINKED HORIZON(SOUND HORIZONがタイアップ曲をプレイする際に使用する名義)のサウンドにはシンフォニック・メタルからの影響が明確に感じられるので、音楽的な親和性はある。

とはいえ、LINKED HORIZON/SOUND HORIZONの主宰であるRevoのクリエイトする楽曲に比べるとEPICAの音楽というのは重厚さの強いもので、果たしてどこまでマッチするのか、好奇心半分で聴いてみた。

結論から言うと、さすがにキャリア・実力とも申し分ないポテンシャルを持つバンドだけに、オリジナルの魅力を生かしつつ、バンドのカラーもちゃんと示した、どちらのファンも気分を害することはないであろう優れたカヴァーに仕上がっている。

収録曲はEPICAの楽曲に比べるとキャッチーで、メタル的な要素についてもどちらかというとEPICAのスタイルよりメロディック・パワー・メタル的な要素が強いのだが、普段はあまりプレイしないそういうタイプの楽曲も違和感なくこなしており、個人的な嗜好からするとEPICAのオリジナルより魅力的に響く瞬間さえあったりする。

紅白歌合戦でも歌われた、近年のアニメソングで最大級のヒット曲である#1「Crimson Bow And Arrow(紅蓮の弓矢)」に関しては、やはりあの「イェーガー!」のキメがなくなっているのが物足りなく(笑)、個人的には#2「Wings Of Freedom(自由の翼)」の方が満足度は高かった。

もちろんシモーネの美声が堪能できるバラードの#3「If Inside These Walls Was A House…(もしこの壁の中が一軒の家だとしたら)」も素晴らしい。

このEP発売を記念したスペシャル・コンサートとしての来日公演も実現し、TSUTAYA O-EASTがほぼほぼ満員になっていたというから、ここ日本においてはNIGHTWISH、WITHIN TEMPTATIONに続く人気女性Voシンフォニック・メタル・バンドの地位を固めたと言えるだろう。

本作をきっかけにEPICAは新しいファン層を獲得し、LINKED HORIZON/SOUND HORIZONのファンにとっては「洋楽メタル・アーティストにカヴァーされた」ことで箔がついたと誇らしく思えるのであれば、企画者の狙いやバンド選択の経緯はどうあれ、Win-Winな結果になったと言えるのかもしれない。

VOLCANO / IRREGULAR

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最近ハイペースでのリリースが続いている印象の、屍忌蛇(G)率いるVOLCANOによるカヴァー・アルバム。

屍忌蛇と言えば知る人ぞ知る(?)カヴァーの達人で、これまで『STAND PROUD!』(1998)、『DUAL WORLD』(2014)という、クラシックなメタルのファンであればたまらないカヴァー・アルバムをリリースしてきているわけですが、なぜにVOLCANOでカヴァー・アルバムを作る必要があったのか。

まあ、『STAND PROUD!』や『DUAL WORLD』みたいにゲストを集めて作るよりラクに作れる、というのはあるのかもしれません。

そして、ベタと言ってもいいほどに有名曲を集めていた『STAND PROUD!』や『DUAL WORLD』と違い、割と渋めなアーティストや、有名バンドでもマイナーな楽曲が含まれているのが本作の特徴。

選曲はメンバーがそれぞれ持ち寄ったそうで、屍忌蛇の選曲が#1「1789」、#4「Don’t Tell Me You Love Me」、#8「I’ll See The Light Tonight」。NOVの選曲が#2「Invaders」、#10「Home Sweet Home」、AKIRAの選曲が#3「Headhunter」、#6「Hard Blow」、#7「Bring Me The Night」、SHUNの選曲が#5「Rise And Fall」、#9「I’ll Kill You」となっている。

メンバーで候補曲を持ち寄るなんて、大学でバンドサークルに入っていた時の「選曲会」を思い出してちょっと懐かしい気持ちになりました。AKIRAさんの選曲が一番ガチなメタラーを感じさせますね。

正直、IRON MAIDENが「Invaders」なのと、HELLOWEENが「Rise And Fall」なのは理解に苦しみましたが、前者はメイデン自体あまりプレイすることなく、カヴァーもほとんどされていないから、後者はあまり明るい曲をプレイしないVOLCANOがカヴァーしたら面白そう、という意図で選んだそうで、それなりに「狙い」はある模様。

どちらの楽曲も、オリジナルよりアグレッシヴな印象になり、屍忌蛇の一人ツイン・リードも冴え渡っていて、なかなか楽しめる仕上がりです(しかしそれでも「Invaders」のサビは、歴史に残るメタル・アルバムのオープニング・チューンとしては弱いと思う)。

SILVER MOUNTAINの「1789」は、かつてGALNERYUSもカヴァーしていましたが、やはりSILVER MOUNTAINで1曲カヴァーするならこの曲なんですかね? まあB級感というか、ぶっちゃけアマチュアっぽい曲ですが(コーラスとか…)、間奏部のフランス国歌を含め、インパクトはありますけどね。

そのシャウトの強力さゆえに、あまり器用なシンガーという印象のないNOVさんですが、NIGHT RANGERの#4「Don’t Tell Me You Love Me」やMOTLEY CRUEの#10「Home Sweet Home」といったポップな曲も(イカツくはなっていますが/笑)ソツなく歌いこなしていて、確かな歌唱力をあらためて証明している。

個人的には、オリジナルへの愛着もあり、YNGWIE MALMSTEENの#8「I’ll See The Light Tonight」からXの#9「I’ll Kill You」という、「I’ll」で始まる2曲(この曲タイトル並びはわざと?)の流れがハイライトでしたね。

いずれのカヴァーも、オリジナルよりアグレッシヴでありつつ泣きの要素も増量された屍忌蛇らしいというかVOLCANOらしい仕上がりで、個人的には期待値を超える満足感を得られました。

どうでもいいですが、KROKUSの#3「Headhunter」って、ネタ元は絶対にJUDAS PRIESTの「Exciter」ですよね。