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VISION DIVINEからファビオ・リオーネが脱退

ファビオ・リオーネ(元RHAPSODY OF FIRE, 現ANGRA)がVISION DIVINEから脱退したことを自身のFacebookページで発表していました。

まあ、2012年の『DESTINATION SET TO NOWHERE』以来新作も出ていなかったし、ライブも2016年12月を最後に行なっていないという実質的に活動休止状態だったので、特に驚きはないというか、むしろまだメンバーだったの? ってくらいの感覚ですが。

これでファビオ・リオーネが所属するパーマネントなバンドはANGRAだけに絞られたということだと思いますが、近年ほぼ活動していないVISION DIVINEを離れたことによって何か活動が変わるかというと、ほぼ何も変わらないと思われます。

少なくとも、RHAPSODY OF FIREを脱退したこととはまったく「重さ」が違う話だと思いますが、一応当サイト/ブログの読者の方にとってはそれなりに関心の高いアーティストだと思いますので、一応取り上げてみました。

しかしファビオ、RHAPSODY OF FIRE脱退後のゲスト仕事っぷりはハンパないですね。昨年2017年だけでSTEEL SEALにALDARIA、ANCESTRAL DAWNにSOULSPELL、COHERERNT SOULS ORCHESTRAにEUROPICAにVENDAVALにENEMY OF REALITYにSAILING TO NOWHARE、そして先日このブログで取り上げたALOGIAと、私が把握できたものだけで10ものプロジェクトにゲスト参加しています。

この人は自国イタリアのみならず、スペインやロシア、ハンガリーやペルーなど、かなりマイナーな国のインディーズというか、いわゆる自主制作盤みたいなアルバムにも数多く参加しているのが特徴で、かつてはJ Storm名義でユーロビートを歌っていたことから考えても、良くも悪くも仕事を選ばない腰の軽い人なのでしょうね。

これなら多分、日本のバンドの仕事でも金額とスケジュールさえ折り合えば参加してくれそうな気がするので、曲には自信あるし、演奏もバッチリなんだけど、良いヴォーカリストが見つからない、あるいは国際的な知名度のあるゲストに参加してほしい…というバンドの方はFacebookとかでコンタクトしてみてはいかがでしょうか(笑)。

しかしYouTubeで「feat Fabio Lione」で検索すると、出るわ出るわ、ライブにおけるゲスト参加を含めたら数えきれないほど。その一部をご紹介してこのエントリーを終わりたいと思います(いずれもオーディエンス映像なので経年によるリンク切れはご容赦ください)。

◆GAMMA RAYのステージでHELLOWEENの「Future World」を歌うファビオ。


◆TARJA(元NIGHTWISH)のステージで「Phantom of the Opera」とデュエットするファビオ。

こういうオペラティックなテノール歌唱ができるのが流石ですね。

◆地元イタリアのイベントでティッタ・タニ(元DGM)とIRON MAIDENの「Wasted Years」をデュエットするファビオ。

DGMの現シンガーのマーク・バジーレもメチャウマですが、ティッタ・タニも素晴らしい歌声ですね。

◆ゲスト参加実績のあるペルーのプログレッシヴ・メタルバンド、FLOR DE LOTOのステージでDEEP PURPLEの「Highway Star」を歌うファビオ。

その気になればこういうロックなスクリームもお手のもの。

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W.A.S.P. / REIDOLIZED - The Soundtrack To The Crimson Idol

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W.A.S.P.の最高傑作とされる1992年の名盤『THE CRIMSON IDOL』のいわゆるリ・レコーディング・アルバム。

『THE CRIMSON IDOL』は、THE WHOの名作ロック・オペラ『TOMMY』からの影響を感じさせる(こういう伊藤政則氏的な物言いが果たしてHR/HMのファンにとって魅力的に聞こえるのかどうか私には疑問なのですが)、ブラッキー・ローレス(Vo, G, Key)の体験をデフォルメして描かれる、ジョナサン・スティールというロック・スターの人生を描いたコンセプト・アルバム。

猫も杓子もコンセプト・アルバムをリリースする近年はいざ知らず、当時HR/HMバンドがコンセプト・アルバムをリリースするというのは珍しく、本作はQUEENSRYCHEの『OPERATION : MINDCRIME』(1988)、SAVATAGEの『STREETS : A ROCK OPERA』(1991)と共に、このジャンルを代表するコンセプト・アルバムの名盤として、評論家やプレスに絶賛された。

W.A.S.P.というバンドはデビュー当時、下品で野蛮な色物バンド的なイメージで売っていただけに、そんなバンドがコンセプト・アルバムという「知的な」作品を作り上げたことも、当時のHR/HMファンには驚きをもって迎えられたようだ。

前作『THE HEADLESS CHILDREN』の時点でその傾向は顕著になっていたものの、ここまで振り切った作品を作ったのは、本作が元々ブラッキー・ローレスのソロ・アルバムとして制作されていたからである。

レコード会社が「W.A.S.P.名義で出した方が売れる」と考えたことで結果としてW.A.S.P.のアルバムとしてリリースされたわけだが、そういう金儲けしか考えていないレコード会社への憤りというものも本作を制作するモチベーションのひとつだったようだ。

結果論で言えば、実際にブラッキーのソロ・アルバムとしてリリースするよりもW.A.S.P.名義で出した方が短期的にも売れたと思うし、長期的に見ても「W.A.S.P.」というブランドの寿命を延ばすことに大いに貢献することになったと思われるわけだが。

本作が素晴らしいのは、最近世に溢れる「コンセプト・アルバム」の多くが、単に楽曲はコンセプト作以外のアルバムと大差なく、歌詞だけテーマやストーリーを持たせているだけなのに対し、コンセプトを持って取り組んだからこそこういうサウンドになったと思われる所で、その音楽がそれまでの彼らの音楽より(個人的には)はるかに魅力的なものに仕上がっている所だ。

哀愁を帯びたメロディの充実、アルバム全体のみならず楽曲単位でもドラマティックに構成が練られたものが多く、それでいてアルバム全体として単なるテンポとは無関係な、謎の疾走感に満ちていて、長尺の曲やバラードを含むにもかかわらず一気に聴くことができる。

ネガティブな見方をする人は、ブラッキーのパワフルだが狭い音域に由来する歌メロのバリエーションの乏しさや、むやみやたらと手数の多いドラミングをワンパターンと評することもあるようだが、本作についてはそれがアルバムとしての統一性、本作の持つ唯一無二のオーラにつながっていると思う。

と、ここまで書いて、自分が『THE CRIMSON IDOL』のことしか語っておらず、この『REIDOLIZED』のことを何も説明していないことに気が付いた(笑)。

まず、私自身がそう思っているので、本作についてもそう思っている人たちに伝えておきたいのは、名盤の再録というのが往々にしてオリジナルの劣化コピーになりがちなのに対し、本作は少なくともガッカリさせられるようなリメイクにはなっていないということである。

年月によって一番劣化しがちなヴォーカルも衰えはほとんど感じられないし、アルバムに漲っていた緊張感や勢いも意外なほど保たれている(前のめり感やエッジは若干薄まった気もするが気になるほどではないし、トータルで見れば録音機材の進歩によって音質自体は良くなっていると言えるだろう)。

そして今回、オリジナルに6曲の新しいトラックが追加挿入されている。単なるボーナス・トラックではなく、ストーリーを補う、ちゃんとコンセプトに沿ったものである。

6曲と言っても2分に満たない小曲や単なるナレーションも含むので実質的な「新曲」は3曲だが、それらもオリジナルの『THE CRIMSON IDOL』収録曲を超えるものではないにせよ、違和感を与えることのないクオリティを備えていて一安心。

むしろ、どうせ拡張するなら『THE CRIMSON IDOL』のリリース当時シングルB面曲に回された「Phantoms In The Mirror」と「The Eulogy」も上手く流れに入れ込めばよかったのに、なぜそうしなかったのだろうか。

また、本作のリリースに合わせて、『THE CRIMSON IDOL』のリリース後、映画化を目指して数百時間分が撮影されたが、結果的にはお蔵入りとなった映像作品が商品化されているのもファンには興味深いポイント。

恐らく元々はちゃんとした「映画」にしようとしていたのではないかと思われるが、恐らくは予算の都合で、「モノローグ的なナレーション入りのイメージ映像集」のようなものに仕上がっている。特筆するような代物ではないが、決してチープではないし、ストーリーの理解補助には充分役立つ映像になっているので、ファンであれば一見の価値はある。

私は近年流行りの「アルバム完全再現ライブ」みたいなものにはあまり魅力を感じず、普通にグレイテスト・ヒッツ的なライブをやってほしいと思うタイプのリスナーですが、本作に関しては完全再現ライブを観てみたいと思いますね。

当サイト/ブログの読者さんで、私の音楽的嗜好に共感しつつ、W.A.S.P.というバンドに対して「LAメタルのバンドでしょ」と思って敬遠している方がいたら、ぜひ聴いてもらいたいアルバムです。

何しろ『THE CRIMSON IDOL』というアルバムはアメリカではチャート・インすらしなかったものの、イギリスでは最高21位を記録、その他ドイツでは最高位こそ35位ながら13週に渡ってチャート・インするロングセラーに、その他中欧・北欧でヒットした(ノルウェーでは11位まで上昇)というアルバムなので、「そういう音のアルバム」だと思っていただければ幸いです。

そしてさらに言うなら、『THE CRIMSON IDOL』はスウェーデンで最も長い歴史を持つ音楽雑誌『Close-Up』が、通算100号発売記念に選出した、1991年から2008年に発表されたHR/HM、パンク/ハードコアなども含むエクストリーム・ミュージックのベスト20アルバムの第14位にも選ばれているという、カルト的な支持を誇る名盤なのです。未聴の方はぜひ一度お試しください。



GALNERYUS "Wings Of Justice" from Blu-ray/DVD「JUST PLAY TO THE SKY ~WHAT COULD WE DO FOR YOU...?~」

本日のYouTube出会い頭「あなたへのおすすめ」映像はこれ。

GALNERYUSの昨年12月に豊洲PITで行われたツアーファイナルを収録したライブBlu-ray/DVD『JUST PLAY TO THE SKY ~WHAT COULD WE DO FOR YOU...?~』からカットされた"WINGS OF JUSTICE"の映像。

いや~圧巻ですね。さすがとしか言いようのないパフォーマンス。

かつてとある音楽ライターが今は存在しない某音楽雑誌で「メタルにありがちな曲の頭からハイトーンで絶叫とか、マジで恥ずかしすぎる」みたいなことを書いていたのを見た時に、この人の音楽レビューは1ミリも参考にならないなと思いましたが、冒頭の小野さんのハイトーン・スクリームからもうエクスタシーもののカッコよさ。

この演奏のテンションこそが彼らの魅力であり、彼らの人気がお茶の間(死語)レベルにならない原因でもあろうことが歯がゆいですね。こんなん普通の人はカラオケで歌えないし、アマチュア・バンドがコピーするには難易度が高すぎますからね(苦笑)。



BLUE MURDER "Valley Of The Kings"のMV(1989)

HMVのメタル担当者によるTwitterアカウント(@HMV_Metal)によると、昨日4月25日はBLUE MURDERのデビュー・アルバム『BLUE MURDER』が29年前にリリースされた日付だそうです。

だから、というわけではなく、むしろ全く無関係だと思いますが、ここ1週間ほど、YouTubeを開くたびに、右側の「次の動画」リストにこのBLUE MURDERの"Valley Of The Kings"のMVが上がってきていました。

こういう偶然をとらえてエントリーを書く、セレンディピティに富んだブログ運営というのが最近の更新スタイルの裏テーマだったりするので、本日はこのMVをネタにしてみます。

ひょっとすると21世紀になってからHR/HMを聴き始めた人には「元TYGERS OF PANG TANG~THIN LIZZY~WHITESNAKEのギタリスト」という教科書的な知識はあっても、ジョン・サイクス(G, Vo)という人物に馴染みのない人も多いのかもしれませんが、80年代組、そして私のような90年代組の人くらいまでにはかなりメジャーな人物です。

WHITESNAKEの大ヒット・アルバム『WHITESNAKE』に多大な貢献をしながら、リリース前に解雇され、その成功を味わうことができなかったジョン・サイクスが恐らくリベンジの意志を持って結成したこのBLUE MURDERは、ドラムにカーマイン・アピス、ベースにトニー・フランクリンという、HR/HMの枠を超えて一流と目されるミュージシャンを集めた強力ユニット。

ボブ・ロックをプロデューサーに迎えて制作されたこのファースト・アルバムは作曲に演奏にその高いミュージシャンシップが存分に発揮された名盤ですが、残念ながらアメリカではさっぱり売れませんでした(ここ日本ではかなり売れたようです)。

この"Valley Of The Kings"なんかは、恐らくWHITESNAKEの"Still Of The Night"の柳の下のドジョウを狙った楽曲だと思いますが、"Still Of The Night"はやっぱりあのエロいビデオで売れたんじゃないですかね。決してポップな曲ではないですもん。

でもまあ、こういう重厚なブリティッシュHR/HM然としたサウンドは現在絶滅してしまったと言っても過言ではないので、リリース30周年を迎える来年あたり、殿の覚醒を期待したいと思います…いや無理かな(もはや信じられない)。



『Rock Candy』からのリマスター盤はオリジナルよりかなり明確に音が良いのでオススメです。

ALOGIA feat.マーク・ボールズ "Semendria"のMV

東欧メタル・マニアの間では有名な(というか、東欧のメタルを聴いている人はそもそもマニアしかいないわけで、つまり一般のHR/HMファンの間では有名ではないということなのですが)セルビアのバンド、ALOGIAの新曲MV。

昨年の暮れに公開されていた"Visantia"という曲のMVではファビオ・リオーネ(元RHAPSODY OF FIRE, 現ANGRA)が参加していて一部で話題になりましたが(本当にごく一部ですが…)、今回はマーク・ボールズ(元YNGWIE MALMSTEEN'S RISING FORCE, RING OF FIRE)がゲスト参加しています。ヴォーカリストの人は納得しているのでしょうか。

音楽的には基本的にメロディック・パワー・メタルですが、プログレッシヴ・メタル的なパートがちょいちょい挟まれ、フルートや謎の縦笛が入っているあたり、フォーク・メタル的な要素もあって、ドイツや北欧の、完成されているが故に型にはまったメタル・バンドとは一味違った趣があります。

バンド全体の総合力としてワールド・クラスかというと微妙な所ですが、元々ドイツや北欧のバンドもB級感こそがむしろ魅力になっていたことを思うとこのバンドもなかなか魅力的と言うことができ、この曲もかなりカッコよくて結構気に入ってます。

東欧の(国際的には)マイナー・バンドの楽曲にマーク・ボールズがゲスト参加できるというのがインターネットの発達の恩恵というものでしょうね。どう考えてもマークがはるばるバルカン半島のセルビアに行ったとは思えないので。

でも実際かなりのクオリティに達しているので、この曲を含むのであろう次のアルバムあたりで日本デビューしてもおかしくないのではないでしょうか。

その時にはきっとこのバンドの読み方が「アロギア」なのか「アロジア」なのか、はたまた音引きが入って「アローギア」や「アロージア」なのかが明らかになることでしょう(笑)。


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