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TNT "XIII"が6月6日国内盤発売

ノルウェーのメロディアス・ハード・ロック・バンド、TNTの、2010年リリースの"A Farewell To Arms"以来約8年ぶりとなるニューアルバム"XIII"(サーティーン)の日本盤がキングレコードから6月6日(水)にリリースされます。

2006年にトニー・ハーネルの後任として加入し、前3作で歌っていたトニー・ミルズ(元SHY, SIAM)が2013年に脱退した後、再びトニー・ハーネルが加入して来日公演を行ない、その後トニー・ハーネルがSKID ROWに加入することになって再脱退、しかし早々にSKID ROWも脱退して元の鞘に収まった…と思いきや再々脱退という、傍から見てると「何やってんの?」というメンバー交代劇を経て、新しいフロントマンに国際的にはほぼ無名のスペイン人シンガー、バオール・バルドー・バルサラが迎えられています。

トレンドに流されて迷走した90年代、サウンドの基本線こそ彼らに期待されるメロディアス・ハード・ロック路線に戻ったものの、名盤"TELL NO TALES"や"INTUITION"時代の輝きは取り戻せなかった2000年代を経て、かつて「北欧メタル」を代表するバンドの一角に数えられたこのバンドに対する期待値というのは極めて低空飛行になってしまっているわけですが、果たして失地回復の一作となるのでしょうか。

先行公開されている音源を聴く限り、シンガーはトニー・ハーネルっぽく歌えそうな実力者だし、楽曲もとりあえずポップな感じに仕上がっているようですが…。





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KAMELOT / THE SHADOW THEORY

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孤高の暗黒騎士団KAMELOTの、トミー・カレヴィック(Vo : SEVENTH WONDER)加入後3作目となる、通算12作目のアルバム。

本作の制作に先立ち、1997年から約20年に渡って在籍してきたドラマーのケイシー・グリロが本業?であるドラムヘッド・メーカーの仕事に専念するために脱退、代わってFIREWINDで知られるヨハン・ニューンツが加入している。

ケイシー・グリロは素晴らしいパワー・メタル・ドラマーだったので、脱退は惜しまれるが、とりあえずこのスタジオ音源を聴く分にはバンド・サウンドのパワー・ダウンは感じられない。とはいえ、ケイシーはステージ・パフォーマンスの面でも「魅せる」ドラマーだったので、ステージでのヨハンのプレイはオーディエンスに注視されることになるだろう。

本作はコンセプト・アルバムではないものの、著名な心理学者であり精神科医であるユングが提唱した、人間の深層心理における「影の側面」をテーマにした作品とのことで、当然ながら明るい内容ではない。

とはいえ、これまでKAMELOTの作品が明るかった試しなどないわけで、もはや「KAMELOT節」とでも呼ぶべき力強くも優美、荘厳にして時に邪悪さも垣間見せる、唯一無二のサウンドに一点の曇りもなく、楽曲のクオリティも含め、前作『HAVEN』を順当に受け継いだ内容と感じられる。

女性シンガーをゲストに迎えるのも、もはや彼らの十八番という感じで、ONCE HUMANのローレン・ハートが#2「Phantom Divine (Shadow Empire)」でクリーン・ヴォイスを、#9「Mindfall Remedy」でグロウルを披露、バラードの#6「In Twilight Hours」では、昨年LOUD PARKで来日したBEYOND THE BLACKのジェニファー・ハーベンがトミーとデュエットしている。

プロデューサーがサシャ・ピート(元HEAVENS GATE, AVANTASIA)である縁か、クワイア部隊としてオリヴァー・ハートマンやクラウディ・ヤンといった、「AVANTASIA組」の面子が参加しているのも、この手の音楽のファンにとってはちょっとしたポイント。

それでいて欧州のバンドほどトラディショナルなシンフォニック・メタルに拘泥するわけではなく、時にモダンな要素も大胆に、しかし世界観に合った形で取り入れてみせるセンスは、アメリカのバンドならではなのかもしれない。

しかし相変わらず隙のない作品を送り出してくれたわけですが、ここまで高いレベルでまとまってしまうと、今後これを繰り返す以外に何ができるんだろう…と(余計なお世話ではありますが)ちょっと心配になってしまいます。【86点】





LOUD PARK 2018 開催見送り

まあ、だいぶ前から薄々そうなんじゃないかと思っていましたし、GW明けに何の発表もなかった時点でもはや確信していましたが、今年、LOUD PARKは開催されないそうです。

「お客様に満足いただける内容を提供することが困難と判断」した結果だそうですが、それはアーティストのスケジュール面の問題だったのか、予算的な問題だったのか、会場的な問題だったのか、詳細な理由は関係者のみぞ知る、という感じです。

個人的には、目玉となるヘッドライナーが見つからなったとか、Evoken de Valhall ProductionやAliveといった新興の呼び屋にアーティストを取られて、駒が揃わなかったとか、その辺の事情ではないかと推測しています。

年に一度のメタラーの祭典がなくなる。これはですね、「興味がなかったバンドの魅力に気付く機会がなくなる」「自分の周りにはあまりいないメタル好きがたくさんいることを実感する機会がなくなる」という、単に1イベントが行なわれない、という以上に、メタル・マーケットにとって痛い出来事です。

好きなバンドでも、単独公演のために上京するのはちょっと…という地方の方でも、LOUD PARKのようにたくさんのバンドを一度に観られるなら行こうかな、という気になる人もいたことでしょう。

実際にライブを体験することでよりメタルが好きになる、ライブを観たことで(自分にとって)新しいバンド、新しい音楽に興味を持つ人もいたと思われるだけに、つくづく残念です。

個人的には、近年のLOUD PARKはちょっと『BURRN! FESTIVAL』みたいな感じになっていたので、もっと新旧洋邦取り交ぜたラインナップにしてもよかったんじゃないかと思ってます。

そういうバラエティに富んだメンツにするとWeb上でガタガタ言う保守的というか心の狭い人たちがいますが、そういう人はそもそも行かないか、「不満だったけど行ったら楽しめた」となる人なので無視すればいいのです。

実際の所、興味ないバンドが適度にある方が休憩/メシタイムが取りやすいですしね(笑)。

元々『METAL PARK』ではなく『LOUD PARK』という名前である所以は、そういう狭い意味での「メタル」にとらわれず、幅広いうるさい音のバンドが集えるような場というニュアンスだったんじゃないかと思うんですよね。響きとしてはだいぶカッコ悪いと個人的には思っていますが。

まあ、いちメタル・ファンとしては、とにかく来年以降の復活とコンスタントな開催を願うしかありません。

とりあえず、今年来日する(した)メタル・バンドを並べて、自分だけの「妄想LOUD PARK 2018」を考えて終わりたいと思います。

ヘッドライナーについては、今年の来日予定はありませんが、新作を発表したJUDAS PRIESTと、「最後のツアー」を発表したSLAYERを想定しておきます。

【1日目】

JUDAS PRIEST
MASTODON
ANGRA
MACHINE HEAD
SONS OF APOLLO
SEPULTURA
TREAT
THE CROWN
THE DEAD DAISIES
THE AGONIST
BEAST IN BLACK
LOVEBITES

◆EXTREME STAGE

DIMMU BORGIR
SATRYCON
MARDUK
DARK FUNERAL
TAAKE
NAGLFAR


【2日目】

SLAYER
ARCH ENEMY
KAMELOT
AMORPHIS
THE POODLES
AT THE GATES
RAGE
DEATH ANGEL
STRYPER
H.E.A.T
ELUVEITIE
THOUSAND EYES

◆KINGDOM STAGE

RIOT
NOCTURNAL RITES
DESTINIA
DRAGONLAND
CIVIL WAR
ORDEN ORGAN

完全に『BURRN! FESTIVAL』になってしまいました(笑)。

自分で考えておいて「これは観たいアーティスト被り」が生まれる悲しいラインナップだなあ…と思います(笑)。
しかし、そういう経験を経て人は「決断力」という人生にとって大切なものを身に着けていくのです(?)。


※クリエイティブマン LOUD PARK事務局からのお知らせページ

◆LOUD PARKを偲ぶ映像

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SEPULTURA 来日公演 at duo MUSIC EXCHANGE 2018.5.23

諸事情あってブラジルを代表するエクストリーム・メタル・バンド、SEPULTURAのライブを観に行ってきました。

諸事情あってメタルのライブを一度も観たことがないという女性と2人で関係者席での鑑賞です。

オープニング・アクトとしてまずはUNITEDの登場。彼らのライブを観るのはLOUD PARK 15以来ですかね。

華には欠けるものの、ソリッドでストイックなスラッシュ・メタル・サウンドが気持ちいい。
ギター・ソロでツイン・リードのハモりが聴ける曲が多いのがいいですね。

ステージ中央前方では盛んにモッシュなども起きていましたが、前座ゆえに盛り上がりはそこそこ。

その空気に対して「オッサンたち温存しようとすんなよ。温存しようとしてんの見え見えなんだよ。ド平日だけど関係ねえ、今週捨てようぜ」というMCで笑いを取るテクはベテランならでは。

7月に7年ぶりのニュー・アルバムが出ることを告知を挟みつつ、40分ほどプレイして終了。

UNITEDのステージが終了して程なく、伊藤政則氏が御降臨されました。

よりによって私の真ん前に着席されたため、基本的にSEPULTURAのライブ中、伊藤政則氏の後頭部しか見てません。

セットチェンジを経てSEPULTURAの17年ぶりという来日公演がスタート。
17年ぶりということは、『BEAST FEAST』以来なんですね。

このバンドの場合、マックス・カヴァレラ(Vo, G)が1996年に脱退してからは、むしろそのマックスが始めたSOULFLYがSEPULTURAのファンを継承するような形になったため、日本では人気が急落。それは必ずしも日本に限ったことではなかったが、特に「ヴォーカリスト=バンドの顔」という意識が強い日本ではその傾向が顕著だった。

かく言う私も現ヴォーカリストのデリック・グリーンが加入して以降のSEPULTURAのアルバムをまともに聴いたことはなく、4曲目の"Territory"がプレイされるまでは「知ってる曲がない」状態。

もっとも、曲を知らないと楽しめないような音楽性でもなければ、そんなレベルのバンドでもないわけで。

700人収容というあまり大きくないハコとはいえ場内はほぼ満員という感じだったし(とはいえあれだけモッシュが起きていたということはギュウギュウではなかったということだと思いますが)、開演前の「SEPULTURAコール」はかなりの熱量で、私がよく行くようなメロディック・メタル系のライブよりもオーディエンスの熱気は段違いに高かったです。

Voのデリック・グリーンがとにかくゴツい。黒人がバスケットボールのユニフォーム着ている時点で既にメタル・ミュージシャンには見えないわけですが、そのガタイのゴツさはバスケ選手というよりも完全にヘビー級のプロボクサー。恐らくフィジカルでの殴り合いになったら最強のミュージシャンは彼なのではないでしょうか。

マックス・カヴァレラの復帰がかなわないのは、コイツとモメるのが怖いからなんじゃないかとさえ思える迫力でした。
いや、時折見せる笑顔などを見ると結構いい人なんじゃないかという気もしたのですが。

ただなあ…そのガタイに対して歌声は割と普通というか想定の範囲内というか。言葉を選ばずに言えばあんまり個性がないんですよね。この手のサウンドのヴォーカルは声にパワーさえあれば充分なのかもしれませんが、なんか物足りない。まあ、この手のジャンルの歌声に個性を求めるのは酷なのかもしれませんが。

時折ただでさえ狭いステージをさらに狭くしているパーカッションを叩き、トライバル感の演出に貢献するものの、前任のマックス・カヴァレラと違ってギターをプレイしないので、ギター・ソロの時に音が薄くなってしまうのは如何ともしがたい。

いや、アンドレアス・キッサーのギターはかなり良かったですよ。一見ラフに、しかしその実、正確かつ強靭なリフを刻むサウンドは変な湿度がなく爽快なまでにザクザクしていましたし、一方でワウをかけて弾くことが多いギター・ソロのトーンにはちゃんと泣きとまでは言わないもののエモーショナルな味わいがあってちゃんと聴かせてくれる。

一緒に観ていた女性も、メタルこそ初体験ながら、ライブ自体は年間40本くらい観ている音楽リテラシーの高い人なので、「ギターいいね」と、そのギター・プレイの魅力はちゃんと伝わっていました。

そしてその彼女をさらに驚かせたのはエロイ・カサグランデのワイルド極まりないドラム。ワイルドに叩いているようでいてリズムは正確、そしてそのアタックの強さは、スラッシュ・メタル・ドラマーの中でも屈指の実力者として知られたイゴール・カヴァレラの穴を埋めるに充分な力量でした。

しかしこの逞しいドラマーが、2007年のLOUD PARKで観たANDRE MATOSのバックでドラムを叩いていた16歳の少年とは…。

あの時は美少年と言ってもいいような華奢な感じだったのに、白人の加齢に伴うトランスフォームは日本人の想像を超えるものがあります(苦笑)。

やはり感銘を受ける所があったのか、同じく関係者席で観ていた某ミュージシャンも、ギタリストであるにも関わらずずっとエア・ドラムをしていました(笑)。と言ってもUNITEDの時からエア・ドラムでしたが。

そして新旧織り交ぜた本編ラストでプレイされたスラッシュ・メタル史上屈指の名曲、「Arise」の殺傷力はやはり尋常ではなく、私も思わず「着席ヘッドバング」というシュールな行動をせずにいられませんでした。

「Arise」を終えてステージに引っ込んだ後の「SEPULTURAコール」もかなりのアツさで、デリック・グリーンが「Absolutely Amazing!」と言っていたのもまんざら社交辞令じゃなかったのかもしれません。

アンコール1曲目に「Slave New World」がプレイされた後、日本に戻ってこれた喜びと、本日の盛況に対する感謝の意を表した後、「日本のファンのために特別なことをするよ」とアナウンス。

アンドレアス・キッサーが「俺たちの前に素晴らしいプレイをしてくれたUNITEDのシンガー、マサを呼ぶよ」というと、袖からUNITEDの湯浅正俊が現れる。

「日本のメタル・ゴッド、マサ・イトーに捧げるよ」と言って何を始めるかと思いきや、コールされたのは「ウルトラセブンの歌」。

最新作『MACHINE MESSIAH』の日本盤ボーナス・トラックだったようですね。だいぶ前だけど彼らと同じブラジル出身のハードコア・バンドR.D.P.(Ratos De Porao)もカヴァーしてましたが、ブラジルではウルトラセブンが人気なのでしょうか(それともそのR.D.P.のっバージョンをカヴァーしたという感じなのでしょうか)。

湯浅氏がオーディエンスに「お前ら歌えるよな? 俺もコレ(スマホの画面)見ながらだけど」と言って笑いを取りつつ、ハードコア・バージョンの「Urtra Seven No Uta」をプレイ。

とりあえずオーディエンスは「セブン♪セブン♪セブンセブンセブン♪」の箇所だけ合唱(笑)。

なお、同行していた女性の感想は「(UNITEDの)ヴォーカルの人、喋っている時はすごくいい声なのに、どうして歌う時は変な声で歌うのかな? これがデス声ってやつ?」

…違います。

捧げられた当人である伊藤政則氏はこの曲が終わるとそそくさと退出して行かれました。

その後最新作からの曲が1曲プレイされ、締めはもちろん彼らの音楽的評価を格段に高めた名盤『ROOTS』からの「Ratamahatta」と「Roots Bloody Roots」。

私は「Arise」のようなストレートなスラッシュ・ナンバーの方が好みですが、これらの曲に個性とインパクトがあることは認めざるを得ない。

いや~、でもやはり流石でしたね。ぶっちゃけ座ってエクストリーム・メタルの知らない曲を聴いたら寝てしまうんじゃないかと危惧していましたが、全然眠くなりませんでした。

ぶっちゃけ招待された時は「SEPULTURAかあ…。ここ20年くらい聴いてないしなあ…」とやや後ろ向きな気分でしたが、オーディエンスの盛り上がりのアツさも含め、予想外に良いライブでした。やはり国際的に成功しているキャリアの長いバンドのライブは観て後悔することはありませんね。

◆最新アルバムからの「Phantom Self」のMV


◆スラッシュ・メタル史上に残る名曲「Arise」のMV


MELODIUS DEITE "EPISODE 3: THE ARCHANGELS AND THE OLYMPIANS"が5月23日国内盤発売

MELODIUS名義で2008年にリリースしたデビュー作がマニアの間で話題になっていたタイのメロディック・パワー・メタル・バンドのサード・アルバムにして日本デビュー作"EPISODE 3: THE ARCHANGELS AND THE OLYMPIANS"の日本盤がスピリチュアル・ビーストから5月23日(水)に発売されます。

バンド名のセンスがアレなのは国民性の違いということなのかどうかわかりませんが、Lean Van Ranna というブラジル出身のヴォーカリスト(この人のバンダナのセンスもちょっと…)以外のメンバーは我々日本人のような見た目で、ジャケ絵の微妙なクオリティ含め、日本のインディーズ系メロディック・メタル・バンドみたいな印象です。

シンフォニック・パワー・メタル系のそのサウンドはおさおさ日本や欧州のバンドに劣らない説得力がありますし、演奏も上手いので安心して聴いていられますね。ヴォーカリストはパワフルながらちょっと音程が怪しい感じですが(苦笑)。

でもまあ東南アジアの国からもこういうバンドが登場しているというあたり、こういうメタルに普遍的な魅力があるんだと感じさせられますね。これからはアジアやアフリカからも良いバンドがどんどん出てきそうです。