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Unlucky Morpheus / CHANGE OF GENERATION

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元LIGHT BRINGERのFuki(Vo)と現GALNERYUS / THOUSAND EYES のFumiya(Dr)が在籍し、ヴァイオリニストも擁するメロディック・スピード・メタル・バンド、Unlucky Morpheusが結成10周年の節目に発表したフル・アルバム。

元々は東方Project(ゲーム)の音楽のメタル・アレンジをする同人サークルとして誕生したプロジェクトながら、現在はオリジナルを中心に活動しているようなので、もはや「バンド」と言っていいだろう(「同人」という言葉の定義には幅があるが、個人的には制作物が二次創作であるか否か、が同人活動か、一般的な創作活動かを分けると考えている)。

中心人物であるギタリストの紫煉(旧名:平野幸村)はX JAPANをきっかけにANGRA、RHAPSODY、SONATA ARCTICAといったバンドに傾倒したという私に非常に近い音楽遍歴を持っており、それだけにこのバンドの音はズバリ私の琴線ど真ん中のサウンドを叩きつけてくる。

ちょっとゴシックというか、ヴィジュアル系っぽい暗い叙情性を、シンフォニックなアレンジに包んで、クサいメロディが猛然と疾走するそのスタイルは、私が20代前半くらいの頃に求めていた音楽スタイルそのもの(個人的嗜好から女性ヴォーカルは想定していませんでしたが、もちろんFukiの歌声は素晴らしい)。

スピード・チューンを中心に、ヘヴィな曲、美麗なバラード、テクニカルなインストなども織り交ぜ、しかし統一された世界観を感じさせるサウンドの完成度は見事の一言。

過去作品のリメイクや、別プロジェクト(FREEDOM CREATORS)への提供曲の再録も含んだ、まさに集大成的、ある種ベスト・アルバム的な趣さえある密度の濃い作品に仕上がっている。

この手の音楽として、ほぼ完璧と言っても過言ではない仕上がりながら、個人的な思いを言わせてもらうと、天外冬黄ことFukiのヴォーカルは明るいメロディでその魅力が最大化すると思っているので、それは活かしてほしかった。

と言っても、このプロジェクトに明るい曲はもちろん求めていないのだが、現状のように徹頭徹尾マイナー調で責め立てるのではなく、要所要所に明るいメロディを取り入れることで、コントラストによって哀愁がさらに引き立ち、楽曲のスケール感が増すのではないかと期待している。

アルバムタイトルに、過去曲のリメイクである"Change Of Generation"を持ってきたのは、メタルのジェネレーション(世代)を変えてやる、という意気込みを表している、というようなことを先日のDOLL$ FESTAのステージで言っていました。

たしかに現在メタルのオーディエンスというのはアラサーからアラフィフあたりが中心となっており、音楽としてはどう考えても若者向けであるにもかかわらず、若い世代に対する求心力を失っているのは事実。

まあ、それは今でもメタルというジャンルの「顔」として君臨しているのが80年代以前にデビューしたアーティストばかりなので、ある意味やむを得ないことではありますが…。

彼らの音楽が新しい世代のファンの開拓、そして新たなメタル・ヒーローの誕生の呼び水となることを心から期待しつつ、いかに優れた作品を作ろうとも、それにはまず広く聴いてもらわないことには始まらないんだよなあ…と、我々の世代(90年代に思春期・青春を送った世代)を「開拓」したB'zやX JAPANの偉業に思いを馳せてしまう今日この頃です。【90点】




ちなみにこの楽曲のモチーフは『Fate/stay night』で、歌詞にもそのタイトルが密かに織り込まれている。


個人的にFukiの衣装とメイクはこの曲のMVがベストですね(どうでもいい)。

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