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URIAH HEEP 来日公演 at Billboard Live TOKYO 2019.3.20 2nd SHOW

1969年結成という、LED ZEPPELINやDEEP PURPLE、BLACK SABBATHといったHR/HMのオリジネイターとされるレジェンドたちと「同期組」であるブリティッシュ・ハード・ロック・バンド、URIAH HEEPの来日公演がビルボードライブ東京で行なわれると聞いて、最初は何故にこの場所で? と思ってしまったのが正直な所です。

昨年、元KISSのギタリストであるエース・フレーリーの来日公演がここで行なわれていましたが、HR/HM系のライブがこの会場(というか正確にはレストランですが)で行なわれるのは極めて稀。

それこそアメリカのビルボード・チャートでは全盛期でさえTOP40がやっとだったURIAH HEEPが出演するというのは、いささか場違い感が否めませんでした。

ただ、個人的にはだからこそ興味を持ったというのが正直な所。アメリカよりもドイツや北欧で人気が高かったというのも頷ける彼らの音楽性は私好みであるものの、なにぶん世代ではないので、この来日公演が普通にクラブチッタとかクアトロでやっていたら、恐らく私は行かなかったことでしょう。

しかしレストランで、飲食しながら観るHR/HMのライブとはいかなるものかを体験してみるレアな機会と考えるなら乙なもの。

ぶっちゃけスタンディングのライブは年々しんどくなっているし、どうせ飲み食いするなら安くてそこそこの店より高くても美味い店がいい、というタイプでもあるので、そういう意味では悪い話ではない。平日であれば1日2回公演で、遅い回は21:30からというのも仕事終わりに行きやすいし、そもそも東京ミッドタウンであれば渋谷や川崎より会社からも近い。

というわけで仕事終わりにタクシーで駆け付ける。基本的に1人で来ることが想定されていない場所なので(苦笑)、見知らぬ人が座っているテーブルの空いている場所に着席。フィッシュ・アンド・チップスと隅田川ゴールデンエールを注文し、飲みながら開演を待つ。

そして定刻になると、私が下りてきたのと同じ階段からメンバーが登場、歓声と拍手の中ステージに立つ。もちろんレストランだけに席から立ち上がる人はいない(おそらく立ったらウエイターに他の客の邪魔になるので座れと言われることでしょう)。

オープニングは最新アルバム"LIVING IN A DREAM"のオープニング曲でもあった"Gazed By Heaven"。現代に通じる魅力を持つ力強いハード・ロック・ナンバーだ。

実は会場が会場だけに、ハード・ロックな曲はプレイせずにアコースティックなアレンジにしたり、メロウな楽曲中心になったりするのではないか…と予想というか危惧していたが、全然そんなことはない。演奏もステージングも、恐らくクラブチッタでやっていたとしても今観ているものと同じだっただろうと思う(笑)。

2曲目は彼らにとって80年代最大のヒット作である(と言っても全英34位、全米56位)14thアルバム"ABOMINOG"からの"Too Scared To Run"。日本のファンにとってなじみ深い曲とは言い難いように思うが、これまたハード・ロックな曲で、今夜彼らがこの会場をロックする気でいることが伝わってくる。

その後"Living In A Dream"に"Knocking At My Door"と、最新アルバムからの曲が続き、この公演がビルボード・ライブ向けの「懐メログレイテスト・ヒッツ・ショウ」などではなく、あくまで最新アルバムに伴うツアーの一環としてのライブであることが示される。

とはいえ、その後は70年代前半の全盛期からの楽曲ばかりだったのですが(笑)。

私の前方の席に座っていた外人さんが、新しい曲がプレイされるたびに曲名を手帳にメモしていて、こういう人がsetlist.fmに投稿してくれているのかな、などと思ったり(笑)。

唯一のオリジナル・メンバーであるミック・ボックス(G)は、71歳の立派な「お爺ちゃん」だけあって、髪の毛などは真っ白で年齢を感じさせないと言ったら嘘になりますが、老け込んだ感じはなく、未だに「現役のロック・ギタリスト」感は充分。

ヴォーカルのバーニー・ショウも、デヴィッド・バイロンやジョン・ロートンといった過去の名シンガーほどに評価されている感じはないものの、その安定感のある歌唱とステージングは、さすがこのバンドにおける歴代最長のフロントマンらしい存在感に溢れていて、この人がいたからこのバンドは続けられたんだろうな、という気がしました。

リズム隊がヴォーカルおよびメロディ楽器(ギター&キーボード)より若い(と言ってもドラムのラッセル・ギルブロックは54歳らしいので、決して凄く若い、というわけではないですが/苦笑)だけあって、結成50年という年月を感じさせないパワフルさがパフォーマンスから漲っていました。これで本日2回目のステージですからね。

日本でもヒットしたサード・アルバム"LOOK AT YOURSELF(邦題:『対自核』)"からの"Look At Yourself"と"July Morning"がやはり一番受けていた感じで、私の近くで熱心に声援を送っていた女性は"Look At Yourself"の時に「座ってなんかいられない!」と言わんばかりに一番後ろの壁の、他の人に邪魔にならない場所に移動して立って声援を送っていました。

個人的にも最初に聴いた彼らの曲は、GAMMA RAYがカヴァーしていた"Look At Yourself"だったので、この曲がハイライトだったと言えるでしょう。

アンコールとして演奏されたのは"Sunrise"と、彼ら最大のヒット曲(全米39位)である"Easy Livin'"だったのですが、後者の際には「我らの友人で、JUDAS PRIESTのメンバーだ」と紹介されたリッチー・フォークナー(G)が登場、ゲストとして演奏に参加していました。

翌日行なわれるDownload Festival Japan 2019のために来日していることは承知していたものの、まさかここでJUDAS PRIESTのメンバーが現れるとは。宿泊は幕張のホテルじゃないんですかね?

リッチーがURIAH HEEPのファンだったのか、今後5月から6月にかけて行われるJUDAS PRIESTの北米ツアーのサポートがURIAH HEEPなので、「ご挨拶」感覚なのかは不明ですが、彼が参加したのはこの回だけだったようなので、どうやら私は「当たり」を引いたようです(笑)。

ただ、きっとプレイするだろうと思っていた"Lady In Black"をプレイしなかったのは意外だったし、個人的には"Rainbow Demon"をやるくらいなら、BLIND GUARDIANがカヴァーしていたので親しみがある"The Wizard"をプレイしてほしかったというのが正直な所。

とはいえ、1日2回公演のためか、1ステージ1時間強のコンパクトなセットリストだったので、「あれもやってほしい、これもやってほしい」という要望に応えるのは難しいのでしょう。

体験してみての結論から言うと、個人的にはやはりHR/HMというのは「食事のBGM」には適さないように思うし(消化不良を起こしそう/笑)、やる側のみならず、聴く側も頭を振ったり拳を突き上げたりと、アクティブに動きたくなる音楽なので、こういう会場は不向きだなあ、と思ったのが正直な所です。

NIGHT RANGERとかFIREHOUSEあたりがアコースティック・セットで出演します、とかであればハマりそうな気がしますが、そういう「企画公演」でないとちょっと無理があるかなと。

とはいえ、ちゃんとお客さんは入っていたし、こういう形でHR/HMを楽しみたい、という人が一定数いるのであれば、これはこれでHR/HMにおける新たなビジネスの在り方になり得ると思うので、今後どんどんマネタイズが難しくなる音楽ビジネスにおける新しい方法論の示唆があるのかもしれません。

HR/HMのライブとして物足りない部分はあったものの、なかなか珍しい体験ができたという意味では、チケット代(と、飲食代)に対して元は充分取れたかな、と思っています。



1973年の武道館公演の映像という凄い代物がアップされていました。


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