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『BURRN!』19年6月号の感想

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先日、Twitterをチェックしていたら「トレンドワード」(多くの人が話題にしているワード)に「BURRN!」というワードが上がってきました。

かれこれ10年近くTwitterやっていてこんなことは初めてです。

『BURRN!』も公式Twitterアカウントを持っていますが、まあ有効活用されているとは言い難いですし(編集部員の趣味を垂れ流すのは公式アカウントのオフィシャル感を損なうだけなのでマジでやめたほうがいいと思います)、「めたるったー」なる読者投稿企画も、一部の常連読者の承認欲求を満たすためだけに機能している印象しかありません。

てか、Web上に投稿されたテキストをわざわざ印刷物に起こすって、生産性ゼロどころかマイナスじゃないですか?

一部の役所とか古い企業では、Excelで表組みだけ作って、中に入れる数字は電卓で手計算して入力する、みたいなスーパー非効率な仕事をしているというホラーみたいな都市伝説を聞いたことがありますが、それに近いものを感じます。

話が逸れましたが、そんな『BURRN!』がTwitterのトレンドに上がるなんて「すわ、これはついに休刊か」と思ってタップしてみたら、なんのことはない(?)、B'zが表紙になります、というだけの話でした。

元々は洋楽誌というカテゴリーだった『BURRN!』ですが、『BURRN! JAPAN』が復活してからも普通に日本のバンドは載っているし、LOUDNESSにANTHEMと、日本人が表紙になる「布石」は着々と打っていたわけで。

それでもトレンドに上がってきたのは、単純にB'zファンが表紙になることに反応している(最近はB'zが表紙を飾れるようなJ-POP雑誌ってあまりないですからね。『WHATS' IN』とか『CDでーた』とかがご存命の時であればいざ知らず)のと、恐らくオールド・ファンや、狭量なメタル・ヘッズによるものと思われる『BURRN!』が彼らを表紙にすることに対するネガティブな意見がそれなりに盛り上がっていたからですね。

まあ、この雑誌の売上が低下していることは皆薄々感じているであろうこの状況でB'zを表紙にするというのは販売部数の減少に耐えかねてJ-POPアーティストの軍門に下って靴を舐めた、という風に映るであろうことは想像に難くなく、「この雑誌も終わった」と感じる人もいるだろうとは私も思いました。

特にB'zと言えば、批判的な人からは常にHR/HMアーティストの楽曲のパクリがあげつらわれる、「いわくつき」の存在だけに尚更。

私は彼らはパクっているわけではなく、オマージュであるという意見の持ち主であり、そのことはかつてこのブログでも書いたことがあります。

とはいえ、この雑誌を未だに買い続けているような熱心なHR/HMファンにとってB'z、ひいてはJ-POPというのは否定すべき存在であろうことは言うまでもなく(?)、この表紙によってそういうコア読者からの支持を失ってしまうのではないかという危惧が生まれたとしてもおかしくありません。

まして今でもこの雑誌を買い支えている人というのは、どちらかというとそういう「メタル純血主義」みたいな意識の強い人たちなのではないかと思われ、そういう読者に配慮してきたからこそ、この雑誌は保守的な誌面作りをしてきたのではないかと思っています。

それが、これまで一度も掲載したことのないB'zをいきなり表紙にする、というのはかなりの勇断。

これは、令和という新しい時代を迎えるに当たって、ついに編集方針を変更したのか、誌面刷新かと、ちょっと期待して買って読んでみました。

しかし、結果論から言うと、全体としては何も変わっていませんでした。ただ巻頭にB'zのインタビューがあるというだけ。

そのインタビューも、特にB'zのお二人が持っているであろうHR/HMなルーツの話に触れることもなく、新譜と今後のライブに関する当たり障りのないやり取りだけ。まあ、もしかするとそれ以外の話題に触れることはNG、みたいな条件でのインタビューだったのかもしれませんが。

インタビュアーは広瀬編集長ですが、B'zの旧譜を全然聴いていなくても(実際大して聴いていないと思いますが)できるような質問・話しかしておらず、恐らくB'zのファンにとっては物足りない、薄味な内容だったのではないかと思います。

インタビューの後に、メタル・ファンにオススメなB'zのアルバムや楽曲の紹介、音楽面におけるB'zとHR/HMの接点、みたいな記事でも付いていればまだしも、そういった工夫もなく。

B'zのインタビューの後に、彼らのファンにもなじみが深いであろうAEROSMITHのラスヴェガス公演のライブ・レポートという、特に今掲載する必然性のない記事を持ってきていることが言ってみれば「配慮」なのかもしれません。

せめて今回うっかり買ってしまうだろうB'zのファンの興味を引くような特集でも組んでいるならまだしも、特集はこの雑誌の35周年カウントダウン企画「編集長が語るBURRN!の35年間」って、もはや私くらいの年齢の読者の感覚的にはつい先日まで30周年企画を2年くらいに渡ってやってましたよね…? というウンザリ感に満ちたもの。

てか、編集長の思い出話なんて企画でもなんでもない代物が「特集」扱いって、作り手として色々と終わり過ぎなのでは…。

もし、B'zが表紙になったことに憤っているこの雑誌のコア読者(80年代組)の人たちを慮ってこういう懐古的な文章を特集にしたのだとしたら、他にできることがあったんじゃないかと思います。

こういういつもとは違う読者の獲得ができそうな表紙のタイミングでクロスレビューのトップにPOSSESSEDという、過去最高レベルにマイナーなバンドをピックアップしているあたりも、「攻めの姿勢」というよりは、天邪鬼にしか見えないのがこの雑誌の人徳のなさですね。

肝心のB'zはレビューしない、というのはアーティスト側の意向なのか、編集部の意向なのか。

実際、今月めぼしいアーティストのリリースがなく、過去最高級にネタがなかったためにこういう表紙になったのかもしれません。

個人的にはせっかく『Download Festival Japan』のレポートが載っているんだから、SLAYERにしておけばよかったんじゃないのという気もしますが、断られたのでしょうか(さすがにJUDAS PRIESTは2月号で表紙になったばかりなのでインターバル短すぎですし…)。

以前、編集長だったかそれ以外の編集部の誰だったか忘れましたが「読者からなぜ日本のこのバンドを『BURRN!』は扱わないんだ、という問い合わせをもらうことがあるが、バンドや事務所側から『BURRN!』では扱わないでくれ」と言われていることも多い」というような話をしていた記憶があります。

「ハードな音、ヘヴィな音は出しているがバンドのイメージとして古臭いHR/HMだと思われたくない」というアーティストもいるでしょうから、それは理解できなくもないですが、もしかするとB'zもかつてはそういうスタンスだったのかもしれません。

今この雑誌の大広告主である某レコード会社の社長はB'zとゆかりの深い人なので、その人が仲立ちをすることで今回の表紙とインタビューが実現したのかな、などと勝手に妄想していますが、これは結局誰が得したんだろう…という感じです。

近年とみにこの雑誌の表紙がベテランばかりなのは、結局CHILDREN OF BODOMやDRAGONFORCEを表紙にした号は売れ行きが悪かったから、ということなのだろうと思いますが、聞く所によると『ボヘミアン・ラプソディ』人気にあやかってQUEENを表紙にした1月号はいつもより売れ行きがよかったらしいので、やはり表紙の間口は広げるべきだ、と思ったのかもしれません。

ただ、この雑誌の場合QUEENやB'zにつられて買った、ジャンルとしてのHR/HMには興味がない人が、そのまま「面白い雑誌だな」と買い続けてくれることが期待できる内容ではないだけに、むしろ半ば惰性で買っている古参の固定読者に「買うのをやめる理由」を作るだけになってしまいそうな気がします。

まあ、もうこれ以上減りようがないだろう、という所まで固定読者も減っているのかもしれませんが。

あんまりクサしていても仕方がないので良かったと思う所にも触れておくと、GHOST、SAVAGE MESSIAH、MYRATH、BATTLE BEAST、HALESTORM、FROZEN CROWNといった比較的新しめの注目バンドはちゃんとカラーで扱っている、という所でしょうかね。

GHOSTなんかはもっと大きく扱ってもいいくらいだったんじゃないかと思いますが。

あと、『2』になってから初めてなんじゃないかというくらい超久しぶりに『ROCKOMANGA!2』でちょっと笑いました。『Download Festival Japan 2019』に行っていない人には笑えないかもしれませんが…(笑)。


▼終わり5年ほど欠けてますが、平成を振り返るのにピッタリな映像ですね。


▼アマゾンのレビューも、星1つと5つが拮抗する絵にかいたような賛否両論で面白い。

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