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BATTLE BEAST “NO MORE HOLLYWOOD ENDINGS” アルバム・レビュー

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フィンランドの人気メロディック・メタル・バンド、BATTLE BEASTの通算4作目となるフル・アルバム。

音楽的中心人物だったアントン・カバネン(G, Vo 現BEAST IN BLACK)無しで制作した前作”BRINGER OF PAIN”は無事母国フィンランドではチャートのNo.1に輝き、アントン無しでも優れたアルバムを制作できることを証明した高品質のメロディック・メタル作品だった。

そして本作も前作の流れをくむ高品質な作品に仕上がっており、またもや本国フィンランドではチャートのNo.1を獲得するヒットとなり、ドイツでも前作(14位)以上の11位を記録しており、アントン抜きの現体制を支持する層がちゃんと確立していることを証明している。

私をはじめ、日本のメタル・ファンの間ではなんとなく「BEAST IN BLACKの方がアツい」という空気があるような気がするが、『BURRN!』誌の広瀬編集長を含めこちらの方を支持する声も多く、実際音楽面では甲乙つけがたいクオリティを示していると言えるだろう。

ただ、同じく80年代のHR/HMサウンドをベースにしているとはいえ、こちらの方がよりメジャーなアプローチをとっており、初期のようなゴリゴリとしたエッジの効いた曲やギターソロにおける強引なまでの弾きまくり感はなく、そういう「ヘヴィ・サイド」のファンに向けては#10”Golden Horde”のように唐突にパワー・メタル然とした曲(カッコいい)がお義理のように1曲収められているだけ。

ただ、初期の彼らやBEAST IN BLACKと比較しなければ、今どきこれほどヴォーカル・オリエンテッドなメロディック・メタルをイージーリスニング的にならずに聴かせられるバンドは世界を見渡しても希少であり、メタリックな曲においても存在感際立つパワフルな歌唱から、ポップな曲やバラードにおけるロマンティックな歌唱まで、幅広い表現力を示すノーラ・ロウヒモのVoの存在は大きい。これが単に小奇麗に歌えるだけの可愛い女の子だったら、このバンドの個性は消滅していたことでしょう。

とにかく各曲ちゃんと個性が明確で印象的なフックを備えていることは、それ自体高く評価されるべきで、もし全世界の人にBEAST IN BLACKとの聴き比べをさせることができるとしたら、こちらの方が支持される可能性が高いであろう圧倒的なポピュラリティがある。

もっとも現実的にはフィンランドのメタル・バンドにそういう「幅広いオーディエンス」に聴かれる機会はなく、一般的なポピュラリティとは関係のないメタル・コミュニティの中でしか評価されないという問題があるわけですが。#5"Endless Summer"みたいな超ポップな曲は批判の的になっているようですしね…。いい曲なのに。【87点】



前作における"Beyond The Burning Skies"のような、これぞ今のBATTLE BEAST! な名曲。なかなかこのレベルの曲は書けませんよ。


メイデニックなギターのフレーズがドラマティックな印象を醸し出すタイトル曲。


個人的な嗜好としては、こういう曲をもう少し増量してほしい。

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