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WHITESNAKE “FLESH & BLOOD” アルバム・レビュー

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ある程度以上コンスタントに活動を続けていて、なおかつ「ハード・ロック」と呼ぶにふさわしい音楽性でそれなりの大物感をキープしている存在というのはひょっとするともはやこのWHITESNAKEしかいないのではないか。

いや、何をもって「ハード・ロック」とするかという話になると色々とややこしいことになるのであまり深入りを避けたいが、WHITESNAKEが40年におよぶキャリアを経てなおこれだけハード・ロック然とした作品を創り出していることに対してまずは敬意を表したい。

先行公開された#3 “Shut Up & Kiss Me”を聴いて、これは元WINGERと元NIGHT RANGERのギタリストで両脇を固め、今回は徹底的にゴージャスな80年代アリーナ・ハード・ロック路線で行くのかと思いきや、アルバム全体で聴いてみると必ずしもそういうわけでもなく、大筋ではWHITESNAKEらしいと思える、ブルージーな要素を持った王道路線のハード・ロックが展開されている。

WHITESNAKEらしさ、というものをどの時期の姿に見出すかによって本作がWHITESNAKEらしいかどうかという点については意見が分かれるかもしれず、そういう意味ではダグ・アルドリッチという気真面目なギタリストと作った前2作の方がイメージに忠実な作品だったかもしれない。

ただ、加齢によって艶と伸びを失ったデイヴイッド・カヴァデールの現在のヴォーカル・スタイルを踏まえると、本作の楽曲はデイヴィッドの衰えをうまくカバーしつつ、それでいてキャッチーさとバラエティに富んだ、実に巧みなソングライティングが行なわれていると感じられる。

かつてなら王道とされたこのスタイルが、現在のHR/HMシーンにおいてはむしろ絶滅危惧種的な存在となってしまっているわけだが、少なくともWHITESNAKEはまだ「枯れていない」ことを力強く証明する作品となっている。

本作より正式にメンバーとしてクレジットされているミケーレ・ルッピ(Key : SECRET SPHERE)の卓越したシンガーとしてのコーラス面での貢献がほとんど見えないのは、ファンとしては残念。



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