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GYZE "ASIAN CHAOS" アルバム・レビュー

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「UNIVERSAL Music Japan/Virgin Music」から、セカンド・アルバムのリリース元だったビクター・エンタテインメントに復帰してリリースされたGYZEの通算4作目となるフル・アルバム。

前作からバンドのラインナップに変更があり、Ryoji(Vo, G)のギターの師匠筋であるSHINKAIがマニピュレーター兼ギタリストとして加入、そして(メンタル的な?)体調不良によってバンド活動が困難になったRyojiの弟、Shujiに替わり、サポートメンバーとしてHannyaがドラムをプレイしている。

前作"NORTHERN HELL SONG"の時点で、(彼らの出身地である北海道という)ルーツへのこだわりを見せていたが、本作では北海道というローカルなレベルではなく、日本を代表せんとする気概を見せるかの如く、「和」の要素を強く打ち出した作風となっており、楽曲名にも「ASIAN」「EASTERN」「JAPANESE」といった単語が頻繁にちりばめられている(ヒロシマまで持ち出すのには多少あざとさも感じないではないが/苦笑)。

海外でのライブ活動なども積極的に行なっている彼らゆえ、日本のバンドとしての「勝ち筋」は北海道などという、欧米人に認知されていない狭いエリアにこだわるよりも、わかりやすく「日本」を押し出すことだと感じたのかもしれない。

千歳神社の雅楽会による雅楽の楽器をフィーチュアしたオープニング#1"Far Eastern Land"に始まる本作は、真の意味で「日本のフォーク・メタル」とでも言うべきサウンドであり、それでいて元々彼らが持っていた優れた叙情センスを持つメロディック・デス・メタルとしてのクオリティを完全にキープ、いやさらに磨き上げている所が素晴らしい。

個人的に、先輩格のギタリストを迎えた、という話を聞いて、なんだかかつてローペ・ラトヴァラを迎えたCHILDREN OF BODOMみたいだなあ…とか、フォーク・メタル的な路線にシフトしてきたことについては、CHILDREN OF BODOMのフォロワーだったNORTHERのメンバーから、フォーク・メタル・バンドであるENSIFERUMのフロントマンになったペトリ・リンドロスを思わせるなあ…などと、未だに彼らをCHILDREN OF BODOMに結び付ける発想ばかりが浮かんでしまったのだが、日本のバンドとしてのアイデンティティにこだわった本作を聴くと、もはやCHILDREN OF BODOMとの比較は無意味と考えるべきだろう。

「和」の要素の配合度合いや、アグレッションの強弱によって、金太郎飴状態になってしまいがちなこの手のサウンドにちゃんとメリハリがついており、どちらかといえばメロウな#6 "Camellia"のような楽曲が、単なる箸休めではなくアルバム中でもトップクラスに印象的な楽曲に仕上がっている辺りが本作の充実を象徴している。

新世代ジャパニーズ・メタルの代表的存在として、メロディック・デス・メタルのファンのみならず、幅広いメタル・ファンに聴いてもらいたいサウンド。哀愁派の方ならきっとビシビシ琴線に触れてきますぜ。

早速曲名に「REIWA(令和)」をフィーチュアした#8 "The Rising Dragon - Reiwa-"には、DRAGONFORCEのマーク・ハドソン(Vo)が日本語歌唱でゲスト参加。【88点】



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