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METAL WEEKEND 2019 at Zepp DiverCity Tokyo 2019.9.15.

2018年9月21日~24日の4日間に渡ってZEPP DIVERCITY TOKYO開催されたワードレコーズ主催による"METAL WEEKEND"が、今年は『BURRN!』35周年記念イベントという形で、今年も9/14(土)、9/15(日)の2日間に渡ってZEPP DIVERCITY TOKYOで行なわれ、初日はLOUDNESS、二日目はHAMMERFALLがヘッドライナーということで、私は2日目に足を運びました。

そして東京テレポート駅に着いてみると、なんだか様子がおかしい。メタルTシャツを着た人間もちらほら目につくものの、むしろメタルとは全く縁のなさそうなウェイな若者たちで駅のホームが埋め尽くされている。

若者が来ていたTシャツを見て気付いたが、今日はULTRA JAPAN 2019の日でもあったのだ。恥ずかしながら(?)一度行ったこともあるのですが、そういえばあのイベントもこの時期のお台場だった。

駅からしばらくウェイの群れに紛れて進み、ダイバーシティ東京 プラザの前でウェイと分岐…のつもりだったが、ダイバーシティ東京 プラザの内部も、ULTRA JAPANを途中抜けしているウェイに占拠されており、肩身の狭い思いで(?)、駅からの動線的に一番奥にあるZepp DiverCity Tokyoへ。

手前のフードコートで軽く腹ごしらえでもしようかと思っていたが、フードコートはウェイに完全制圧されており、とても無理。

素直にそのまま会場入りすると、直前に発表されたオープニング・アクトのNEMOPHILAなるガールズ・メタル・バンドがプレイしている。ちょうど最後の曲が始まるタイミングで、1曲しか聴いていないので感想を述べる資格もないのですが、元気でよろしい、という感じでした。

METAL SOULS

若井望(G)と、ロニー・ロメロ(Vo)のペアということでDESTINIAなのかと思いきや"METAL SOULS"だそうで。要はメタル・クラシックのカヴァーをやるプロジェクトのようです。

1曲目、さて何が来るかと身構えていたら、聴いたことのないギター・リフ。DESTINIAの曲でもないし、なんだろうと思っていたら、ヴォーカルが入ってきたらすぐに分かったQUEENの"We Will Rock You"。

ご存知の通り本来はソロ以外ギターの入っていない曲ですが、大幅にアレンジを変えて、ギター中心にドライブするアップ・テンポのロック・チューンに仕上げている。

オリジナルの魅力を活かすアレンジとは言い難いが、昨今のQUEEN人気にあやかって会場を温めようということなのでしょう。

その後、"The Final Countdown"(EUROPE)、"Fool For Your Loving"(WHITESNAKE)、"Looking For Love"(M.S.G)と、80年代HR/HMファンなら鉄板の名曲を立て続けにプレイ。どれも良い出来でしたが、ロニー・ロメロの声質に一番合っていたのはM.S.Gですかね。

その後、スペシャルゲストとしてヴァイオリニストのAyasaが登場、KANSASでもプレイするのかと思いきやGARY MOOREの"Over The Hills And Far Away"のあのイントロのドラム・ビートが鳴り響いて「そう来たか!」と納得。

ゲイリーの少しくぐもったヴォーカルは、熱唱型のロニー・ロメロにはちょっと歌いづらそうでしたが、今日イチで印象的なパフォーマンスでした。

その後、Ayasa嬢のヴァイオリンをフィーチュアしたまま、DESTINIAの"Judgement Day"と"Metal Souls"をプレイ。往年の名曲でこの会場にいるリアルタイム組のハートをつかんで、そのままDESTINIAの購買につなげる作戦ですねわかります(笑)。

MCは基本ロニー・ロメロがメインで喋ったのですが、メンバー紹介はロニーが「日本語をあまり知らないから」と若井望に振ったのに、なぜか若井望はほぼ英語でメンバー紹介をするという怪奇現象(苦笑)。客席はほぼ日本人だったのですが。

ベースとドラムはロニー・ロメロが現在居住しているスペインのミュージシャンだったのですが、耳慣れないスペイン語の名前を、中途半端に流暢なジャパニーズイングリッシュでコールされたので全く名前が聞き取れませんでした(苦笑)。

まあ、MCなんぞどうでもいいんですが、楽曲もパフォーマンスもいいのに、若井望のギターが「泣かない」んですよねえ…。まあ作曲もデザインも英語も空手もできて、ギターのテクニックも充分でルックスも華があるのですから、そこまで求めるのは酷というものかもしれませんが。


BEAST IN BLACK

5月にSUOMI FEAST 2019で観たばかり。9月にも来ると知っていたら5月はパスしたのに…などと思っていたのですが、いやいや、これはこの日演奏された9曲なんかじゃとても満足できないでしょ。

とにかく曲良し、演奏良し、パフォーマンス良しの三拍子揃ったステージで、終始盛り上がりっぱなし。

ライブにおける曲・演奏・パフォーマンスというのは、どれかひとつ飛び抜けたものがあるバンドは他の2つは「そこそこ」でもライブとしては楽しめるのですが、このバンドはどれも素晴らしいのだから楽しめないはずがない。

私くらい無駄にライブ鑑賞の数を重ねると、変に目や耳が肥えてしまって、学生時代に観たライブのように単純に感動できないこともあるし、下手するとちょっと冷めた目で観ていることもあったりするのですが、お金を払ったのに楽しまないのは損だし、アーティストや心から楽しんでいるファンの人たちに申し訳ないからとりあえず盛り上がろう! みたいな気分の時もあるというのが正直な所です。

しかしやはりこれだけ非の打ち所がないライブを観ると、感性の衰えた(スレた?)アラフォーでもやっぱり理屈なしにアガるのです。

いや~、これは20曲近くプレイしてくれたSuomi Feastに行ってなかったら「なんで俺は行かなかったんだ…俺のバカバカ!」と自分を責めることになっていたに違いありません。

まったくこの夜の内容のレポートにはなっていませんが、たまにはこういうのもいいでしょう。なんなら「超良かった」のワンセンテンスでも充分だったと思うくらいです(笑)。

ただ、あえて今夜ならではのエピソードをひとつ挙げるなら、彼らがプレイするちょっと前にMETAL SOULSがプレイするEUROPEの"The Final Countdown"を聴いてたがゆえに、本日2曲目にプレイされた"Eternal Fire"の元ネタがこの会場にいる全ての人に気付かれてしまったということですね(笑)。


MYRATH

「アフリカ大陸のメタル・バンド」という言葉から想像されるクオリティを完全に凌駕する、チュニジアのプログレッシヴ・メタル・バンド。ライブを観るのはLOUD PARK 16以来だ。

ステージはよくあるバンドのロゴとか新作のアートワークの垂れ幕がぶら下がっている工夫のないしつらえではなく、ステージ後ろにイスラムっぽい建物が描かれた垂れ幕がかかっており、そのセンターで切れ込みが入っていて、そこから人(主にダンサー)が出入りすることができるようになっているという、ある種演劇のステージのようなもの。

そして彼らの音楽を聴き、MVを観たことがある人であればご存知の通り、彼らの音楽は(プログレッシヴ・メタルなのに)コンパクトにもかかわらず、非常に物語性豊かなもので、スタジオ盤の印象を全く損なうことのない精度の高い演奏がオーディエンスをたちまちアラビアン・ナイトの世界にいざなう。

まあ、この世界観に入り込めない人にとっては「全曲"Gate Of Babylon"にしか聴こえない」という感じなのかもしれませんが…。

要所要所に登場するセクシーなベリーダンサー(1人しかいないのが残念。これが6人、せめて4人いればさらに凄いインパクトだったと思うのですが、まあ予算もあることですし仕方ないでしょう)のダンスも、今回は衣装のバリエーションも豊かに彼らの音楽世界に色を添え、オーディエンスの視線をステージに釘付けにする。

「全曲"Gate Of Babylon"にしか聴こえない」人も、きっと彼女のダンスは楽しんだに違いありません(笑)。

入場時に、最新作"SHEHILI"の日本盤ボーナス・トラックだった"Monster In My Closet"の日本語バージョンの歌詞と「一緒に歌ってください!」というメッセージが印刷された紙が渡されたのだが、なかなか素人が簡単に歌えるような楽曲でもなく、合唱は小さめ(苦笑)。とはいえこのライブにかける意気込みが伝わってきて、ザヘル(Vo)がやや怪しいながらもわざわざ日本語で歌い上げてくれたことは胸が熱くなりました。

個人的な感覚では"Believer"をラストに持ってきたほうがよかったんじゃないかという気がしましたが。まあ、その辺はバンドのこだわりなのでしょう。

BEAST IN BLACKのように無邪気に盛り上がる、というタイプのライブではありませんでしたが、これはこれで非常に楽しめる、印象深いステージでした。

日本でも、国際的にも、BEAST IN BLACKの方が人気が高いと思われるのにMYRATHの方が出番が後なのは、BEAST IN BLACKを後にすると、「BEAST IN BLACKから来る」オーディエンスが多発する可能性があったからではないかと思っているのですが、さてどうでしょう。


HAMMERFALL

先月最新アルバム"DOMINION"をリリースしたばかりのHAMMERFALL。彼らを観るのもLOUD PARK 15以来ということで、失われたもの(LOUD PARK)の大きさをあらためて噛み締める。

それまでワードレコーズの新譜リーダートラック紹介の様相を呈していた場内BGMが、HAMMERFALLの前だけメロハー/AOR大会になったのは何故でしょう。

HAMMERFALLのショウは、最新作のオープニング・ナンバーである"Never Forgive, Never Forget"でスタート。最新作のオープニング曲でライブを始めるというのは非常にオーソドックスな選択だ。

「決して許さない、決して忘れない」という曲名はなんだか後ろ向きな印象だが、イングヴェイにも「お前は憶えてないだろうが、俺は決して忘れない」なんて曲があるし、スウェーデン人は意外と根に持つタイプなのかもしれない(笑)。

この曲はとりあえず速いのでカッコいいのだが、サビに爆発力がないので、きっと次のアルバムのツアーではセットリストから外れるでしょう(笑)。

彼らもなんだかんだ20年選手だけあってプレイすべき曲はいっぱいあるので、本日も新作からの曲が特に多いというわけではなく、キャリア全体からのグレイテスト・ヒッツ的なショウになっており、その辺はファンの求めるものを提供しているということなのだろう。

こうして代表曲を聴くと、あまりそういう面がフォーカスされることはない気がするが、彼らの楽曲のメロディの良さ、そしてフックラインの巧みさは際立っており、それが受けている国とそうでない国は割と明確に分かれているものの、受けている国における人気の高さがよく理解できる。

BATTLE BEASTの時も思ったのだが、やっぱり弦楽器隊が曲のキメに合わせてシンクロしたアクションをするのは気持ちいいですね。私が学生時代(1996年、オルタナ/メロコア全盛期でした)、バンドサークルの先輩には「ダサ過ぎる」と言われましたが、これをダサいと感じる人とは一緒にライブを観られませんね。やっぱりメタルはこうでなきゃ。

そして今夜特筆すべきは、ヨアキム・カンス(Vo)のフロントマンぶり。オーディエンスの煽り方、イジり方は完全にトップ・バンドのそれで、STRATOVARIUSのティモ・コティペルトなどにも通じるが、地位が人を作るというか、正直歌唱者としての生来のポテンシャルという意味では今夜のラインナップで一番下だと思われるヨアキム・カンスだが、フロントマンとしてはピカイチでした。

いや、歌声自体もかなりコンディションが良かった感じで、インタビューで言っていた「俺は今でも成長している」という発言が、単なるインタビューにありがちな常套句ではなく、事実であることを証明していたと思う。

ステージ全体として、オーソドックス過ぎるほどにオーソドックスなピュア・メタル・ショウなのだが、北欧と中欧限定とはいえ、これでチャートの上位に食い込み、数千人・数万人のオーディエンスが集まる国があるというのはある意味感動的。

「新しさ」は1ミリもないが、安心して観られるし、とても楽しい。それで何か問題があるのだろうか?


帰り道もULTRA帰りのウェイたちと一緒になったわけですが、私のような90年代以降にメタルを好きになった人間はともかく、今夜この会場にもたくさんいたと思われる、メタルというジャンルが誕生し、全盛を迎えた80年代リアルタイムのメタル・ファンは当時なりのウェイだったのではないかと思われ、どうしてメタルは今でもこれだけ素晴らしいアーティストがいるのに、ウェイな若者を取り込むことができなかったんだろうなあ…などと思ってしまう1日でした。

そしてさらに思ったのは、現状の高齢化した日本のメタル・マーケットに対しては、LOUD PARKのような規模のフェスティバルより、会場的にも時間的にもこれくらいのイベントの方がちょうどいいのかもしれない、ということでした(三連休の最終日にはやらない、というスケジューリング含めて)。

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