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THE DARK ELEMENT “SONG OF THE NIGHT SINGS” アルバム・レビュー

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元SONATA ARCTICAのヤニ・リマタイネン(G)と、元NIGHTWISHのアネット・オルゾン(Vo)によるプロジェクトのセカンド・アルバム。

前作からドラマーがヤニ・フルラから、STRATOVARIUSのロルヴ・ピルヴに交代している。

基本的な音楽性は前作と変わらず、アネット・オルゾン在籍時のNIGHTWISHのスタイルを基本に、SONATA ARCTICAが持っていた歌メロのキャッチーさを加味した、21世紀以降のフィンランドのメタルらしいスタイルが追求されている。アネット在籍時のNIGHTWISHが好きだった人なら確実に溜飲が下がることだろう。

メタルといっても、極めてソング・オリエンテッドな音作りがされていてヘヴィさは控えめで、曲によってはポップ・ミュージックを中心にオンエアするラジオ番組に流れても違和感がないほどモダンに洗練されているのがこのプロジェクトの特徴。

前作よりさらに洗練された印象を受けるのはヤニ・リマタイネン本人によるKeyのアレンジ力の向上によるものだろう。時にダンス・ミュージック的でさえあるそのKeyワークはメタル・ファン以外にもアピールする魅力がある。

優れたメロディ・メイカーであるヤニ・リマタイネンと魅力的な歌声を持つアネットのコラボレーションゆえに、作品が高品質になるのは当たり前といえば当たり前なのだが、ヤニ・リマタイネンもアネット・オルゾンもそれぞれSONATA ARCTICAやNIGHTWISHを脱退して以降はあまりその才能を発揮する機会に恵まれていたとはいえないことを思うと、こうしてその才能を発揮するプロジェクトが実現していることは、ファンにとってはもちろん、本人たちにとっても良いことだと思う。

晩秋から冬にかけての、今の時期にピッタリな、北欧ならではの哀愁に満ちた秀曲揃いの素敵な一枚。【87点】


ヤニ君が来ているデニムのベストにX JAPANのワッペンが貼ってありますね。



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VISON DIVINE “WHEN ALL THE HEROES ARE DEAD” アルバム・レビュー

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LABYRINTHのギタリストとしても知られるオラフ・トーセン率いるVISION DIVINEの、前作” DESTINATION SET TO NOWHERE”(2012)以来7年ぶりとなる通算8作目のフル・アルバム。

前作がリリースされてから、2017年にLABYRINTHの” ARCHITECTURE OF A GOD”がリリースされるまで、オラフ・トーセン関連作品のリリースが途絶えていたのでてっきり引退したのかと思っていたが、こうしてLABYRINTHの新作から2年ほどのインターバルでVISION DIVINEの新作も発表されるとは、充電期間(?)を経て再びオラフ・トーセンの創作意欲のギアが入ったようだ。

前作発表後、2016年にドラマーがアレッサンドロ・ビサからYNGWIE MALMSTEENでの活動やARTENTION、AXEL RUDI PELL、RAGE、MASTERPLANなどの活動で知られるマイク・テラーナに交代、また、昨年2018年にはANGRA加入に際して脱退したファビオ・リオーネに代わってDERDIANのヴォーカリストとしても知られるイヴァン・ジャンニーニが加入している。

マイク・テラーナはともかくイヴァン・ジャンニーニについては、失礼ながら「格落ち」な感を抱いてしまったが、加入時に公開された”Angel Of Revange”のMVが思いのほか良い出来でひそかに期待していた。

そして1年弱待たされて発表された本作はその期待に充分応える力作で、プログレッシヴ・メタル色の強いパワー・メタルと形容できるVISION DIVINEのサウンドにイヴァンの歌唱は新たな求心力を宿らせることに成功している。

私がこのバンドの弱点と思っていたサビにおける盛り上がりの弱さは完全に克服されたとは言い難いまでもかなり改善されているし、イヴァンのエモーショナルな歌唱スタイルもその弱さを補い、叙情性を強化する方向に作用しており、ケミストリーという意味ではファビオ・リオーネにミケーレ・ルッピという偉大な前任シンガー以上かもしれない。

アルバムトータルで見たときの楽曲クオリティ、サウンド・プロダクションなど、総合点ではバンド史上最高傑作と言っても過言ではなく、過去の彼らの音楽を気に入っていた向きであれば必聴だろう。

#8 “The King Of The Sky”なんて、このバンドを代表する疾走曲である” La Vita Fugge”を凌駕するほどの煽情力を秘めたスピード・チューン(もっとも” La Vita Fugge”の魅力は楽曲そのものというよりもエンディングにおけるミケーレ・ルッピの人間離れしたハイトーン・スクリームに拠る所が大きかったけれども)。

前述の”Angel Of Revange”が収録されていないことに貧乏性的な感覚での不満はあるものの、これだけのクオリティの楽曲が揃えられるのであれば同曲の収録は必須ではないだろう。

日本盤は同時期にリマスター&ボーナス・トラックを追加されてリイシューされたデビュー・アルバムとの2枚組仕様。

Evoken de Valhall Productionが健在であれば来日も期待できたはずなのだが…。【84点】





MOTLEY CRUEが再結成を発表

ファイナル・ツアーの最終日となった2015年12月31日をもって、どのメンバーも将来MOTLEY CRUEの名義でパフォーマンスを行わないことを契約書で取り交わしたというニッキー・シックス(B)、トミー・リー(Dr)、ヴィンス・ニール(Vo)、ミック・マーズ(G)が、再結成を発表しました。

彼らが再結成するという噂は、先日再結成を果たしたTHE BLACK CROWSのマネージャーであるマーク・ディディアがSirius XM Radioのラジオ番組"The Howard Stern Wrap-Up Show"に出演した際「再結成をするのはTHE BLACK CROWSだけではなく、MOTLEY CRUEを含む大物バンド3組が再結成する」と語ったことに端を発している。

そして現地時間11月15日に「Motley Mann」というユーザーによって立ち上げられたMOTLEY CRUEの再結成を願う署名キャンペーンをバンドの公式Twitterがシェアしたことが、再結成を肯定するものとして受け止められ、さらに話題に。

その署名キャンペーン自体が仕込みだったのではないかと思うほどのタイミングで、そこから殆ど間を置くこともなく、今回その前述の契約書を爆破する、という演出の動画が公開され、再結成が正式にアナウンスされました。

契約ってそんなに簡単に破棄していいものなん? と思ってしまいましたが、ラスト・ツアー当時の『Rolling Stone』誌のインタビューでニッキー・シックスが「例外があるとすれば、それは4人のメンバー全員がその契約を無効とすることに同意した場合だけだ。どんなに金を積まれたとしても俺はまたやりたいとは思わないけどね。大恥をかくだけだよ」(ソース)と語っていたので、4人とも「再結成したい」と思った、ということなのでしょう。

要するにその契約というのは、メンバーの誰か1人、2人だけがMOTLEY CRUEを名乗ってツアーや音源制作などで金儲けすることを相互牽制するものであって、この4人が再結集することを抑止するものではなかったということだと思われます。

この再結成の引き金になったのは今年3月にNetflixで公開された彼らの伝記映画『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝(原題:The Dirt)』がかなりのヒットを記録し、「本物のMOTLEY CRUEを生で観てみたい」という新しい世代のファンが生まれたからだと思います。

単発の再結成ツアーで、あぶく銭を稼ぐだけであれば上記の通りニッキー・シックスもさほど興味を持たなかったのかもしれませんが、若いファン層(つまりこれから末永く彼らに課金してくれる可能性がある世代)を獲得できるということであれば前言撤回という大恥をかいてでもやる価値がある、と考えたのでしょう。

さらに穿った見方をすれば、この再結成ツアー込みで『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝(原題:The Dirt)』という映画が企画されていた、という可能性も大いにありますが。

正式な日程などは発表されていませんが、再結成ツアーはDEF LEPPAED、POISONと一緒に回るとのことで、BON JOVIを別格にすると80年代のいわゆる「ヘア・メタル」バンドで最も商業的に成功した3組が揃い踏みする豪華なものになると言われています。

DEF LEPPAED、POISONにとっても『ザ・ダート: モトリー・クルー自伝(原題:The Dirt)』でファンになった若い世代に自分たちの存在をアピールできるのだとしたら、このツアーに参加する意味は大いにあることでしょう。

ただ、日本にこのパッケージでそのまま来てくれる可能性は極小でしょうねえ…。かなり高額になるであろうチケット代を払ってこの3組を観に来る方って、日本では結局アラフォー以上の世代に限られると思われるので。

※ツアー休止契約書を爆破する演出をフィーチュアしたMOTLEY CRUEの復帰動画


※ほぼ同タイミングで公開されたDEF LEPPARDの2019年振り返り動画


※POISONは2018年のツアー告知動画が現時点で最後の動画でした


GALNERYUSのYAMA-B時代のMVが公式チャンネルでHD公開

NEWアルバム“INTO THE PURGATORY”も素晴らしかったGALNERYUSの公式YouTubeチャンネルで、前任ヴォーカリストであるYAMA-B時代のMVがバンドのオフィシャルYouTubeチャンネルで公開されていました。

小野正利加入後に飛躍的にメジャー感を増し、人気もひと回り高まった観があるわけですが、デビュー以来のファンとしてはこれらの楽曲、特に最初期のものには強い思い入れがあります。

デビュー作収録の"Struggle For The Freedom Flag"の衣装などは今観ると本人たちには気恥ずかしさもあるでしょうし(この衣装でのライブを観たことがあることは、今となってはちょっとした自慢です/笑)、VoとGのデュオ形態だったことも含め、新しいファンには奇異に映るかもしれませんが、それはそれで「人に歴史あり」という感じで、味わい深いですね。













GALNERYUS “INTO THE PURGATORY” アルバム・レビュー

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FUMIYA(Dr)加入後2作目となる通算12作目のオリジナル・フル・アルバム。

前々作、前作とストーリーを持ったコンセプト・アルバムを発表しており、今回もその続編を描くことも考えていたそうだが、今回は個々の独立した楽曲を集めた通常のアルバム形態になっている。

とはいえ、イントロとなる1曲目、アウトロとなる10曲目のインストの存在が、否応なしにアルバム全体を通して聴かせる構成を印象付けている。

先行公開されていた#6 “The Followers”が彼らとしては異色の、7弦ギターによるヘヴィ・リフと、オペラティックとうか芝居がかった歌い回しとキング・ダイアモンドでも意識しているのかという唐突なハイトーンがフィーチュアされたダークな感触の楽曲で、ちょっと不安を覚えていた。

しかし、蓋を開けてみると、というか再生ボタンを押してみるとその不安は雲散霧消。力強いオープニングの#1 “Purgatory Flame”からザ・ガルネリ節のメロディック・スピード・メタル・チューン#2 “My Hope Is Gone”、そして#3 “Fighting Of Eternity”の流れで順調にノックアウトされる(笑)。

3連の#4 “Glory”、ちょっと70年代ハード・ロック風のリフが印象的な#5 “Never Again”、そして前述の#6 “The Followers”と、中盤は変化球多めでアルバムに起伏を設けつつ、彼らならではの泣きのバラード#8 “Remain Behind”、9分に及ぶフィンランドのバンドからの影響が強く出ている大作#9 “The End Of The Line”で絶頂へと導く。

今回も楽曲のクオリティ、バラエティ共に申し分なく、テクニカルな部分の聴きどころも満載で(特に#3 “Fighting Of Eternity”のKeyソロと#9 “The End Of The Line”のユニゾンは鳥肌もの)、毎回「最高のメタル」を目指そうという姿勢が明確に感じられる彼らの、特にSyu(G)の志の高さには素直に頭が下がる。

“PURGATORY”(煉獄)なんていう、メタル・バンドのアルバム名や歌詞でしか見かけないワード(笑)を使ったアルバム・タイトルや、デス・メタル・バンドが採用してもおかしくないアートワークもいつになくメタメタしく、令和最初のアルバムにおいて自分たちがメタル・バンドであることを堂々と偽ることなく宣言しているかのようで頼もしい。

このレベルに達しないと「次代のジャパニーズ・メタル・シーンを担うポストGALNERYUS」になれないのだとしたら、日本の若いメタル・バンドはあまりにも高いハードルを設定されてしまっている。【87点】





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