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INDUCTION “INDUCTION” (2019) アルバム・レビュー

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ギタリストのマーティン・ベックを中心に、2014年にチェコで結成されたメロディック・パワー・メタル・バンドのデビュー・アルバム。

2015年と2016年にはデモを発表しており、本作には2016年のデモに収められていた楽曲も収録され、4年間近い制作期間を経て発表されている。

中心人物でありメイン・コンポーザーであるマーティン・ベックには悪いが、少なくとも日本において(そして恐らく彼らの主戦場である欧州でも)、このバンドの最大の注目ポイントはセカンド・ギタリストとしてカイ・ハンセン(HELLOWEEN, GAMMA RAY)の息子であるティム・ハンセンが参加していることだろう。

そして、ヴォーカルのニック・ホレマンは現在ドイツのSINBREED、オランダのPOWERLIZEDのメンバーでもあり、過去にはVICIOUS RUMORSの”CONCUSSION PROTOCOL”(2016)でも歌っていた経歴を持つオランダ人で、ドラマーのショーン・ブランデンブルクもPOWERLIZEDのメンバーなので、そういう意味では「バンド」というよりはマーティン・ベックを中心とした多国籍プロジェクトと言えるかもしれない。

弱冠20歳のティム・ハンセンはこのバンドにおける作曲面の貢献は小さいようだが、本作の音楽性はカイ・ハンセンの息子がいるバンド、と聞いてファンが期待するサウンドに近く、GAMMA RAYにシンフォニックな要素をプラスしたような感じ。シンガーの声質もあってEDGUYっぽく聴こえる瞬間もある。

ジャケットのアートワークもGAMMA RAYっぽいし、そもそもバンド名がGAMMA RAYの曲だ(笑)。

そして#6” Mirror Make Believe(My Enemy)”ではカイ・ハンセンがヴォーカルでゲスト参加しており、親子の関係が良好であることを感じさせる(笑)。

楽曲は、ややフック不足だが総じて良く出来ており、レーベルのサポートを受けない自主制作にもかかわらずサウンド・プロダクションも悪くなく、この手のメロディック・パワー・メタルのファンであれば安心して楽しめる仕上がり。

このクオリティがあって、しかもカイ・ハンセンの息子がいる、というトピックがあってなお国内盤がリリースされないとは、かつてあれほどの人気を誇った「ジャーマン・メタル」ブランドはもう日本では失墜してしまったんですね…(前回STORMWARRIORのアルバムをレビューした際にも同じようなことを書いたばかりですが…/苦笑)。

蛇足ながら、中心人物のマーティン・ベック氏はリッチー・ブラックモアを敬愛し、RAINBOW、JUDAS PRIEST、ARCH ENEMY、CHILDREN OF BODOMなどのメロディックなメタル・バンドに影響を受けているそうですが、本作を聴く限りメインの影響源はドイツのパワー・メタル・バンド。

そういうギタリストをこれまで何人か見てきたような気がすることを踏まえると、人はやはりあまりに直接的な影響源については触れたがらないものなのでしょうか(苦笑)。【81点】



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