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ティモ・トルキの新プロジェクト"INFINITE VISIONS"のVoとKeyが発表に

先日このブログでも取り上げたティモ・トルキ(G : 元STRATOVARIUS, REVOLUTION RENAISSANCE他)の新プロジェクト、"INFINITE VISIONS"のヴォーカリストとキーボーディストが発表されました。

今回発表されたヴォーカリストはペルーのパワー・メタル・バンド、ANCESTRAL DAWNNAUTILUZなどの活動で知られる、ホルヘ・セヘルスボル。

先日の発表の時点ではヴォーカリストはマイク・ヴェセーラ(元OBSESSION, LOUDNESS, YNGWIE MALMSTEEN他)と発表されていたのですが、なぜか今回違うヴォーカリストが発表されています。

マイク・ヴェセーラと音楽的にうまくいかなかったのか、契約がまとまらなかったのか。もしかするとアルバムではネーム・バリューのあるマイクが歌って、ツアーはギャラの安そうなホルヘを起用するとか、そういうことなのでしょうか。

正直、マイク・ヴェセーラよりこのホルヘ・セヘルスボルの方がプロジェクト名から想像されるSTRATOVARIUS的なサウンドに適性があると思います。

そしてキーボーディストはETERNITY'S ENDやNORTHTALEでの活動で知られるジミー・ピッツ。

これまた有名とは言い難いものの、STRATOVARIUS的なサウンドへの適性は間違いなさそうな人選です。

ただまあ、どれだけ良さげなメンツを揃えてそれっぽい音楽をやっても、SYMFONIAみたいになぜか満足しきれない、という事態が発生する可能性はあるので、メンバーが誰か、ということはあまり重要じゃない気がするんですけどね。

ライブではこのプロジェクトのメンバーで制作するデビュー・アルバムからの曲だけでなく、STRATOVARIUSやREVOLUTION RENAISSANCE、SYMPHONIA、TIMO TOLKKI’S AVALONの曲もプレイするそうですが、果たして来日することはあるのでしょうか。

※ニュースソース
http://bravewords.com/news/infinite-visions-former-stratovarius-guitarist-timo-tolkki-announces-vocalist-and-keyboardist-for-new-band

◆ホルヘ・セヘルスボルが歌うSTRATOVARIUSの"Paradise"と"Before The Winter"


◆NAUTILUZによるSTRATOVARIUS "Black Diamond"のカバー


◆ジミー・ピッツが参加しているこの動画のソロの掛け合いなんて完全にSTRATOVARIUSですね。


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OZZY OSBOURNE “ORDINARY MAN” アルバム・レビュー

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メタルという音楽ジャンルで一番有名なバンドはMETALLICAだと思いますが、一番有名な「人」にフォーカスするなら、それはオジー・オズボーンでしょう。

そんなメタルの帝王的存在であるオジーの、2010年の”SCREAM”以来約10年ぶりのニュー・アルバム。

本作が誕生したきっかけは、娘ケリー・オズボーンの紹介でゲスト参加した人気ラッパー、ポスト・マローンの楽曲”Take What You Want”で、この曲のプロデューサーだったアンドリュー・ワットなる29歳の人物がオジーと意気投合し、ほぼノリで(?)サクッと短期間で(4日で10曲作り、3週間でレコーディングしたという)制作したのがこのアルバムである。

アンドリュー・ワットはポップ/ヒップホップ畑の人気プロデューサー/ソングライターとして頭角を現した人物だが、実際はハード・ロックが好きで、かつてギタリストとしてグレン・ヒューズ(Vo, B)やジェイソン・ボーナム(Dr)とCALIFORNIA BREEDというバンドを組んでいた過去があったりする。

本作ではアンドリューがギターを担当、GUNS N’ ROSESのダフ・マッケイガンがベース、RED HOT CHILLI PEPPERSのチャド・スミスがドラムという、豪華ではあるがなんだかメタルになりそうもないメンツで制作されたと聞き、実はちょっと不安を覚えていた。もしかしてオジーが、柄にもない売れ線のイマドキロックを歌わされることになっているんじゃないかと。

しかし結果としては杞憂だった。たしかにこれは80年代のオジーのファンが期待するようなメタル・アルバムではないし、イマドキロック的な側面もある。ただ、オジー・オズボーンのあまりにも個性的なヴォーカルが、「オジー・オズボーンのアルバム」としか形容できない仕上がりにしている。

ギター・ソロで参加したスラッシュ(G : GUNS N’ ROSES)やトム・モレロ(G : RAGE AGAINST THE MACHINE)、そして極めつけにはタイトル・トラックをデュエットするエルトン・ジョンというビッグなゲストも、このオジーの存在感の前では完全に「添え物」になってしまっているのだから凄い。

保守的な意味でのメタル調な曲こそないが、それなりにハードでヘヴィなパートもあるし、過去のオジーの(BLACK SABBATHの)楽曲に対するオマージュやリスペクトが感じられるような雰囲気も随所にある。

保守的な意味でのメタルが好きな私にとってはあまり琴線に触れる瞬間はないのだが、2、3回聴いただけでだいたい全ての曲の「キャラ」がつかめたのだから、それはやはり個人の嗜好を超えたハイレベルかつ普遍的なソングライティングということなのだろう。

本作のトラックリストには、#1 “Straight To Hell”(地獄へ直行)、#2 “All My Life”(わが人生の全て)、#3 “Goodbye”(さよなら)、”Under The Graveyard”(墓の下)、#7 “Today Is The End”(今日は終わりの日)と、何やら「死」をイメージさせる曲名が並んでいる。

実際71歳で、パーキンソン病でもあるというオジーの状況を考えるとラスト・アルバムになることを覚悟して作ったのかと勘ぐってしまうが、直近のインタビューでは来月にも新しいアルバムの制作に着手したい、などと言っており、必ずしもラスト・アルバムを意識して制作されているわけではなさそうだ(結果的にそうなる可能性はきっと意識しているだろうとも思うが)。

そういう感傷的というか特別な意味を無視して虚心に本作に向き合うと、先述した通りフックのある曲が揃った質の高いロック・アルバムであるわけだが、やはり80年代に発表された初期の5枚に思い入れを持つ私としてはコレジャナイ感が否めない。

とりあえず「メタル専門誌」が96点とか94点といった超高得点を並べているのを目の当たりにすると、まあオジー本人やレコード会社に対する向き合いなども考えるとやむを得ないのだろうなあとも思いつつ、メタルをろくすっぽ知らない人に「2020年最高レベルのメタル・アルバムってこの程度の出来なんだ」と思われるのは、正直いささか心外である。

そんなわけで、これまで本サイトでレビューしてきた過去作と同じ基準に則ってあえて本作に点数をつけるなら、(老人虐待とか不敬罪などと言われるかもしれませんが/笑)こんな感じです。【76点】






H.E.A.T "H.E.A.T II" アルバム・レビュー

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前作”INTO THE GREAT UNKNOWN”(2017)から、ベスト・アルバムとライブ・アルバムのリリースを挟んでリリースされた通算6作目のオリジナル・アルバム。

前作、前々作はHR/HMにとどまらない、より幅広いロック・サウンドに挑戦した意欲作で、それを演じ切ることができるバンドのポテンシャルもあって、メジャー感のある仕上がりではあったが、正直ファンには賛否両論だった。

その反応を踏まえたのか、本作では彼らに期待される80年代型の王道メロディアス・ハード・ロック路線に徹している。

そしてその決断は大正解で、本作は昨今稀に見るアリーナ型ハード・ロックの名盤に仕上がっている。

彼らの持つメジャー感が最大限に活かされたダイナミックなサウンドはもはや「北欧メロハー」などという狭い枠にはとても収まらない、贔屓目なしに全盛期のBON JOVIやDEF LEPPARDといったバンドに引けを取らないスケール感を放っている。

まず1曲目のタイトルが”Rock Your Body”ってのがいい。DEF LEPPARDの名盤 ”PYROMANIA(邦題「炎のターゲット」)”の1曲目は”Rock! Rock! (Till You Drop)”だし、BON JOVIの名盤 ”SLIPPERY WHEN WET(邦題「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」)”の1曲目は”Let It Rock”と、この手のロック名盤の1曲目はロック・アンセムと相場が決まっているのだ(?)。

それでいて北欧に多い「ヘア・メタル・リバイバル」みたいなバンドと違って懐古趣味やパロディ的なニュアンスは皆無で、「70年代だろうが80年代だろうが90年代だろうが2020年だろうが、カッコいいロックってのはこういうもんだろ」と、何の衒いも疑いもなく真っ向から叩きつけてくるかのようなすがすがしさがある。

90年代、NIRVANAの登場以降、ロックはすっかり「陰キャの音楽」になってしまっており、いかに枚数は売れようと、「クラスの地味な奴ら」が聴く音楽で、スクールカースト上位にいるパリピな連中が聴くのはR&BやHIP-HOP、EDMだった。

しかし、このアルバムで鳴っている音は、まさに「クラスの真ん中にいる人気者の音」なのである。

いや、実際にパリピがこのアルバムを聴くとは思えないが(苦笑)、とにかくこのアルバムには楽曲や演奏の質が高いだけのHR/HMアルバムとは一線を画す力強く華やかなオーラがある。

それは過去の彼らのアルバムにさえなかったもので、そういう意味では80年代以来、ほぼ30数年ぶりに世の中に出てきた奇跡のサウンドだ。

これを外部ソングライターの手を借りることもなく、プロデュースもメンバー(ギタリストのデイヴ・ダロンとキーボーディストのヨナ・ティー)の手によるもの、というのが素晴らしい。

まるでセカンド・アルバムかのようなアルバム・タイトルも、このサウンドを聴けば合点がいく。そう、彼らはネクスト・レヴェルに達し、セカンドステージに入ったのだ。

『BURRN!』誌のクロスレビューで、レビューした3人全員が90点以上をつけたのも納得である。

来月行なわれる来日公演が、現在猛威を振るうコロナウィルスの影響で中止にならないことを願うばかりである。【90点】


昨年9月にこの曲を聴いた時点で、本作が傑作であることを予感しましたね。コーラス・アレンジがちょっと往年のTREATを彷彿させます。







2020年2月後半の注目タイトル

今月はこれから個人的に楽しみにしているタイトルが短期間に次々と国内盤リリースされます。

ただでさえ遅れ気味なレビューはとても追いつかないと思うので(苦笑)、こういう形でコンパクトに紹介してみます。

H.E.A.T "H.E.A.T II" (2月19日発売)

スウェーデンのメロディアス・ハード・ロック・バンドのニュー・アルバム。昨年から小出しにリリースされている楽曲がどれもこれも秀逸で、この手のメジャー感あるアリーナ系メロハー久々の大当たりなんじゃないかと期待してます。




DIRTY SHIRLEY "DIRTY SHIRLEY" (2月19日発売)

ジョージ・リンチ(G : 元DOKKEN, LYNCH MOB)と、このブログでも一度取り上げたクロアチア出身の若手実力派シンガー、ディノ・イェルシッチ(ANIMAL DRIVE)によるプロジェクト。某B!誌のH編集長がこのディノ・イェルシッチを「とんでもない逸材」と絶賛し91点を献上しています。




BLACK SWAN "SHAKE THE WORLD" (2月19日発売)

ロビン・マッコーリー(Vo)、レブ・ビーチ(G)、ジェフ・ピルソン(B)という、いずれも「大スターとは言えないが、80年代HR/HMファンであればみんな知ってる」絶妙な知名度の実力者が揃ったいぶし銀(?)バンド。




SERENITY "THE LAST KNIGHT" (2月21日発売)

オーストリアのシンフォニック・メタル・バンドの7作目。毎度叙情的でドラマティックなサウンドがお気に入りです。




VOLCANO "GODSPEED" (2月21日)発売

我らが屍忌蛇アニキ率いるVOLCANOの8作目。最近機会があって初期のGARGOYLEを聴き返したんですけど、やっぱこの人の泣きメロフレーズ作りの才能は天才的ですよ。



ヘヴィ・メタル50周年?

「ヘヴィ・メタルが生まれた日はいつか」

この問いに対して万人が同意する絶対的な答えは恐らく存在しないでしょう。

「この時には間違いなく始まっていた」と言えるタイミングは「NWOBHMが始まった時」と言えるわけですが、何をもってNWOBHMの始まりとするのか、という新たな問題が発生してきます。

一番確実な、遅い(新しい)タイミングを選ぶなら、NWOBHMの象徴であるIRON MAIDENのデビュー・アルバム "IRON MAIDEN"と、JUDAS PRIESTのアグレッシヴな面がフィーチュアされた代表作"BRITISH STEEL"がリリースされた1980年4月14日でしょう。この時点でまだヘヴィ・メタルが生まれていない、という人はさすがに皆無だと思うので。

個人的には、JUDAS PRIESTが音楽的に現在「ヘヴィ・メタル」とされているサウンドに近いものをかなり明確に打ち出し、レザーのコスチュームに身を包み、ステージでハーレーに乗る演出を始めた"KILLING MACHINE"がリリースされた1978年9月9日というのも有力な候補になりえるのではないかと思っています。

しかしあえて一番古い日付になる説を探るなら、BLACK SABBATHがデビューしたタイミング、でしょう。

「ヘヴィ・メタルの元祖はどのバンドか」という問いに対しては、一部の強引な、あるいはトリッキーな意見を除き、たいていJUDAS PREISTかBLACK SABBATHの名前に答えが集約されます。

ヘヴィ・メタルのイメージやサウンド・フォームを直接的に創ったのはJUDAS PRIESTだと思いますが、JUDAS PRIESTはデビュー当時においては必ずしもヘヴィ・メタル的ではなかったので、そういう意味でJUDAS PRIESTのデビュー時をもって「ヘヴィ・メタルの誕生日」とする説はあまり聞かないような気がします。

一方、BLACK SABBATHのデビュー・アルバムは、全体的にはヘヴィ・ブルーズ・ロックといった趣ながら、やはり冒頭を飾るバンド名を冠したタイトル曲"Black Sabbath"の圧倒的なインパクトによって、「これはヘヴィ・メタル(的)だ」と言われたらなんとなく納得してしまいそうな雰囲気があります。

実際、ヘヴィなギター・リフをメインにした、オカルト風の楽曲というと、「それはヘヴィ・メタルやないか」と言いたくなることはたしかです。

そういう意味でBLACK SABBATHのデビュー・アルバムがリリースされた1970年2月13日というのは、ヘヴィ・メタルの(少なくともインスピレーション的な意味での)誕生日と言ってもいいかもしれません。

いや、そしたらBLACK SABBATHが結成された日とか初ライブの日でもいいんじゃないの、という意見も出そうですが、せっかく「13日の金曜日」というそれらしい日(1970年の2月13日は金曜日)を選んでデビューしたわけですから、ここはそれを大切にしましょう。

そう考えると本日でもうヘヴィ・メタルが生まれてから半世紀。感慨深いものがありますね。

なお、ヘヴィ・メタルの誕生日かどうかはさておき、BLACK SABBATHのデビュー50周年に関しては、普段内容の薄い記事が多い(失礼)BARKSのこのコラムはトリビアが多くてなかなか面白かったです。

【コラム】祝・50周年!ブラック・サバスって、何が凄いの?

Rolling Stoneのこの記事も興味深い。

ブラック・サバス50周年、革命的なデビューアルバム制作秘話