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KORPIKLAANI, SKYCLAD, SKILTRON 来日公演 at 渋谷ストリームホール 2020.3.1

コロナウィルスの影響であらゆるイベントが中止になるわ、学校が休みになるわ、マスクからティッシュまでいろんなものが店頭からなくなるわ、このままだと2020年は「オリンピック・イヤー」ではなく「コロナ・イヤー」として日本人の記憶に残ってしまうのではないかという状況の中、中止になることなく行われたKORPIKLAANI JAPAN TOUR 2020の東京公演に足を運びました。

何しろ日本で一番人気のあるフォーク・メタル・バンドであるKORPIKLAANIに、フォーク・メタルの「元祖」とされるSKYCLADがまとめて観られるのだ。こんなお得なパッケージ、観に行かない理由はないやろ、と。

いや、このサイト/ブログであまり扱っていないことから推察されるように(?)、私はフォーク・メタルの熱心なファンというわけではありません。

個人的にはアルバムの中に1、2曲、フォーキッシュな曲がある分には「いいアクセントだな」と思うのものの、アルバム全編をフォークな旋律でやられるとちょっと飽きる、というのが正直な所ですが、決して嫌いではないし、あえて観るならこの2バンドでしょう、と。

会場は最近メタル系の公演にもよく使われる渋谷ストリーム。

「渋谷駅直結」が売りだが、改札からの地下通路が長い上、縦方向の移動も多いので肌感覚的には駅からちょっと距離のあるO-EASTあたりとあんまり変わらない(苦笑)。

ちょっと最近野暮用が多くて、本日の開演時間である18時には間に合わず、現地に到着したのは19時過ぎ。オープニング・アクトのAllegiance Reignには間に合わず、SKILTRON からの鑑賞となった。

昨今の外出自粛ムードゆえ、ひょっとするとガラガラなんじゃないかと危惧していましたが、それは完全に杞憂で、パッと見ソールド・アウトなんじゃないかというくらいに入っていました(公称650、MAX700と言われるキャパに対し、600人は入っていたそう)。

SKILTRON

アルゼンチンのフォーク・メタル・バンド。

フォーク・メタルというとメロデス寄りかパワー・メタル寄りかどちらかになるのだが、このバンドは完全に後者で、楽曲の骨格は完全にパワー・メタル。

ただ、バグパイプ奏者が正式メンバーとして存在し、どの曲でも大きな存在感を放っている。

狭いステージだとだいぶ邪魔というか、他のメンバーにぶつかってケガさせそうなバグパイプだが(笑)、そういう意味ではビジュアル的にも目立っていて、バンドのアイデンティティとなっている。

2004年に結成され、2006年にデビュー・アルバムを発表するなど、それなりのキャリアがあるだけあってパフォーマンスも安定していたし、楽曲もバグパイプ抜きでもかなり良質なパワー・メタルで、こうして終わってから感想を書く段になってみると本日一番私の琴線に触れる音楽をプレイしていたのはこのバンドかもしれません。遅刻で後半3曲しか観れなかったのが残念です。

なお、前日の大阪公演および本日の公演では、リーダーであるギタリストのエミリオ・ソウトが「プライベートのトラブル」で急遽帰国したため、ギター・テックだったアリエルなる人物が代打を務めていました。

ヴォーカリストが「12時間で曲を覚えてくれた」と紹介していましたが、せっかく短時間で覚えたのに翌日の公演にはエミリオ氏が戻ってきてしまったそうです(笑)。コロナを忌避して逃げたわけじゃなかったんですね(笑)。


SKYCLAD

ぶっちゃけ、個人的にはこのバンドがお目当てでした。まさか1990年に結成されて以来一度も来日していないこのバンドが、結成30周年にして初来日するとは、全く予想していませんでした。

これは収益度外視で(?)興行するEVPだから実現できたと言えるでしょう。

ケルト風のトラディショナルなフォーク要素と、メタル・サウンドを大胆に融合する、現在「フォーク・メタル」と呼ばれるジャンルの始祖というべき存在であり、中心人物であるスティーブ・ラムゼイはNWOBHMの名バンドとして知られるSATANのメンバーだったこともあり、このフォーク・メタルの界隈ではレジェンドと呼べる存在だ。

とはいえ、KORPIKLAANIやELUVEITIEのようなフォーク・メタルの人気バンドが、このバンドなしに存在しなかったかというとそういう感じはなく、むしろちょっと「早すぎた存在」とでもいうべきかもしれない。

このバンドが日本で一番知名度があったのは、ビクターから日本盤が出ていた90年代前半でしょう(それでも知れたものですが…)。

しかし私がこのバンドに出会ったのは、日本盤が出なかった1996年の"IRRATIONAL ANTHEMS"アルバムが欧州のメタル・マニアの間では大評判になっている、という輸入盤店の手書きポップを見て(実際、デジパックに欧州のメタル雑誌で軒並み高得点を獲得している、というステッカーが貼ってあった)興味を持って聴いてみたのがきっかけ。

実際のところ、彼らの牧歌的なフォーク・サウンドとメタル・サウンドの融合は個性的だと思いつつもハマることはなかったのですが、後に「フォーク・メタル」というジャンルが確立した後に振り返ってみると、まさしく彼らのサウンドは先駆者だったと思い(とはいえ、いわゆるメロデスの流れを汲むフォーク・メタル・バンドがSKYCLADに直接影響を受けていたかというとやや疑問ですが)、リスペクトの感情は芽生えていた。

そしてこうしてそのレジェンドを目の当たりにしてみると、まずVoは短髪にポロシャツ(普通の半袖シャツだったかも。私の距離ではよく見えなかった)姿と、「普通のオッサン」だし、フォーク要素の要であるフィドル(ヴァイオリン)奏者は太ったオバさんで、ロック/メタル・ミュージシャンらしさは皆無(彼女の名誉のために補足しておくと、彼女は常時ニコニコと笑顔で、大変感じのいい女性でした)。

いや、弦楽器隊は結構それっぽい人たちなのだが、一番よく動き回るのがそのオバさんなので、どうしても印象が「メタル・バンド」というよりは「地元のトラッド同好会の皆さん」という感じに…。いや、音楽性を考えるとそれはそれでアリのような気もしますが。

ステージの途中、Voが「モッシュしろ」というまさかの(?)煽りをし、それを真に受けた10人ほどがモッシュを始めた。

私は別にモッシュを否定するほど偏狭な人間ではないのですが、それはあくまで自分に被害が及ばなければ、という前提で、今回は不運にも私の至近距離でモッシュピットが発生したため、ピットから飛び出してくる輩をかわしたり、押し戻したりすることに神経を使ってしまい、音楽に対する集中力を削がれたのが残念。

前に出たSKILTRONに比べるとやはり楽曲は私の琴線に触れないのですが、さすが30年もやっているだけあってパフォーマンスにはそれなりの説得力があり、観て損をした気分にはなりませんでした。


KORPIKLAANI

前述した通り、恐らく日本で一番人気のある「フォーク・メタル」バンドは彼らであろう。

あえて2番手を挙げるならTURISASでしょうか。個人的にはELUVEITIEやEQUILIBRIUM辺りの方が音楽的には好みなのですが、やはり日本だとキャラが立ったバンドの方が受けるのでしょう。

もちろん私もリアルタイムで"Wooden Pints"の衝撃的(笑撃的?)なMVを体験した世代なので、彼らの存在は常に意識していたし、3rdくらいまではアルバムもチェックしていました。

しかし彼らの最大の持ち味である「お祭り感」「宴感」みたいなものが私の肌には合わなかったので、サイトやブログではスルーしていたというのが事実です。

とはいえライブでは楽しめそうな音楽だと思っていたのでこうして足を運んだわけです。

彼らのライブを素面で観るのは失礼だろうと思い(?)、彼らのステージの前にドリンクカウンターへ行き、ドリンクチケットをハイネケンに換えてアルコールを摂取。

メンバーが登場した際の歓声は間違いなく今日イチで、彼らの人気の高さを感じさせる。やはり私のようにSKYCLADがファースト・プライオリティだった人は少数派だった模様。

もっとも、メンバーの佇まいというか、衣装などを含めたアピアランスはやはりメイン・アクトに相応しいもので、バンドとしての華も間違いなく今日イチ。

そして彼らのライブにおけるオープニングの定番、"Hunting Song"でショウがスタートすると、先ほどSKYCLADでモッシュしていた人たちを中心にたちまちピットが形成される。

以前、ALESTORMのライブを観て「フォーク・メタルはモッシュ・ミュージックである」ということを理解していたので、あらかじめこの事態を警戒してさっきより後ろの方で観ていたのだが、ピットも後方になり、かつ大型化していたので結局私の間近(苦笑)。

ただ今回はピットから飛び出してくる輩を受け止めたり押し返したりしてサバいてくれる坊主頭の屈強な兄さんがいたので、守備はその方に任せて鑑賞することができました(笑)。

こういう「モッシュ・ガーディアン」みたいな人、今まで見た限り必ず何人か現れるのですが、この人たちは「今日もモッシュから周りの人を守るぞ」というモチベーションでライブに来ているのでしょうか。

話が逸れましたが、序盤は彼らのイメージ通りの「酒盛りソング」を中心にプレイされ、モッシュも大いに盛り上がっていたのですが、中盤になってここ2作からの楽曲が中心になるとやや鎮静化。

それは曲がまだ浸透していないというよりは、単純にそれらがモッシュ向きの曲ではないということが理由と思われる。

哀愁のメロディを中心に「聴かせる」タイプの楽曲が多い近作の曲は、音楽の方向性としてはむしろ「酒盛り系」の曲より私好みではあったのだが、こういう曲を歌うにはヨンネ・ヤルヴェラの歌唱力はいささか物足りない。

そういう曲ではアコーディオンやヴァイオリンはいい働きをしていて、これ、ブルース・ディッキンソンみたいなヴォーカルが歌ったらめっちゃイイんだろうなあ…などと思いながら聴いていました(苦笑)。

そういう微妙な時間帯を終えたのは、最新シングル"Jägermeister"。

「ドイツの養命酒」と呼ばれるお酒の銘柄の名前を冠したこの曲は久々の(?)酒盛りソングで、まだ浸透しているはずはないものの、シンプルに盛り上がる。

そして本編ラストは前述の名曲(迷曲?いや、迷なのはMVだけか)、"Wooden Pints"で、モッシュ勢も大はしゃぎ。

アンコールを求めるコールは最初「コルピ!コルピ!」だったのが程なくして「ウォッカ!ウォッカ!」に変わる(このバンドの代表曲の一つが"Vodka"なのである)。

そして、このバンドのイメージを決定づけていると言っても過言ではない「酒ソング」、"Beer, Beer"、そしてリクエスト(?)通りの"Vodka"がプレイされ、最後のお祭り騒ぎでライブは終了。

他の公演ではアンコールでプレイされているもう一つの「酒ソング」、"Tequila"がプレイされなかったのは時間の都合でしょうか。


どのバンドもそれぞれ見所があって、フォーク・メタルの大ファンならぬ私のような人でも楽しめる公演でした。

何より、このコロナ騒ぎの中、来日してくれた3バンドたちには感謝の気持ちしかありません。

特にKORPIKLAANIに関しては大阪公演に先んじて下記のツイートがちょっとバズっていたことで来た人、結構いるんじゃないですかね。日本のメタル・ファンを力づけてくれてありがとう、という気持ちでいっぱいです。とりあえずこのツイート見た日、プレミアムモルツ飲みました(笑)。



korpiklaani2020.jpg
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