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RAGEがメンバー・チェンジ、再びツイン・ギター体制に

ドイツのベテラン・メタル・バンド、RAGEがメンバー・チェンジを発表しました。

2015年にヴィクター・スモールスキの後任として加入したマルコス・ロドリゲスが脱退し、ステファン・ウェーバー(元AXXIS)にジーン・ボーマン(ANGELIC, RAGE & RUINS)という二人のギタリストを新たに加入させたことを発表しました。

ピーター”ピーヴィー”ワグナー(Vo, B)には、"BLACK IN MIND"(1995)や"END OF ALL DAYS"(1996)時代の4人組編成に戻ろうという意志があったようで、"BLACK IN MIND"収録曲だった"The Price Of War"のリメイクをMV公開しています。

まあ、マンニ・シュミットとのREFUGEでの活動もありましたし、トリオ編成に飽きていたのかもしれませんね。

あるいは今年1月にリリースされた現時点での最新作"WINGS OF RAGE"で"END OF ALL DAYS"収録の"Higher Than The Sky"をリメイクしたことが何かきっかけになったりしているのでしょうか。

RAGEはラインナップが変わって多少スタイルが変わっても、常にRAGEらしさをキープした優れた作品を送り出してきたバンドなので、今回のメンバー・チェンジもまた何か新しい一面を見せてくれる機会になるのかもしれません。

現在はコロナ禍によってライブ活動を行なうことはできないため、来年リリース予定のニュー・アルバムに向けて作業を行っているようです。



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BONFIRE “BYTE THE BULLET” (2017) アルバム・レビュー

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せっかく前エントリーで“TEMPLE OF LIES”を2年越しでレビューしたので、ついでにその前作にあたる本作もレビューしてしまおうかと思います。

前身バンドの結成は1972年にまでさかのぼり、BONFIRE名義でデビューしたのも1986年と、結構なキャリアを誇るドイツの中堅HR/HMバンドの、通算14作目に当たるオリジナル・アルバム。

本作の前作にあたる"GLORIOUS"(2015)は、かつてACCEPTの"EAT THE HEAT"(1989)で歌っていたことで知られるデヴィッド・リースを迎えていたが定着せず、JADED HEARTをはじめ、ZENOやSILENT FORCE、BLOODBOUNDなど数多くのバンドにおける活動で知られるマイケル・ボーマンを迎えるもこれまた定着せず、変にキャリアと知名度がある人材に懲りたのか、MASTERS OF DISGUISEなるほぼ無名のパワー・メタル・バンドで歌っていたアレックス・シュタールを迎えて制作したのが本作である。

本作のオープニングを飾る#1 "Power Train"はまんま”Hellion~Electric Eye”で、次作“TEMPLE OF LIES”のオープニング・ナンバーがかなり露骨に"Painkiller"だったことを考えると、よっぽどJUDAS PRIESTが好きなんだろうなあ、という感じ(笑)。

続く#2 "Stand Up 4 Rock"も疾走感のあるメタリックな曲で、この序盤の流れに本作のメタリックな印象が象徴されている。

クラシックの名曲をつなげてアレンジした#11 “InstuMetal”などもある意味非常に「メタルっぽい」アプローチで、何が彼らを今さら古典的なメタルに走らせたのか。

これが生きのいい若いヴォーカリストの加入効果だとしたら、歌なしのこういう曲までやらせてしまうとは凄い影響力ですね。アンチエイジング効果というやつですかね(笑)。

とはいえバラードなどには従来のメジャー感のあるアリーナ系ハード・ロック・サウンドの名残が顕著だし、歌メロのキャッチーさにはかつてのスタイルが生きているので、従来のアメリカン・テイストなBONFIREが好きだった人も楽しめるはず。

全体的にはベテランらしいクオリティの高さで、80年代型のメタルが好きな人なら楽しめる佳作だが、楽曲単位でもアルバム単位でも、若干の冗長さが感じられるのが惜しい。

#14 “Sweet Obsession”は彼らの代表作である”FIREWORKS”収録曲のリメイクだが、この曲は前作"GLORIOUS"でもセルフ・カヴァーしていたので、仕上がりに納得いっていなかったのでしょうか(笑)。【84点】





BONFIRE “TEMPLE OF LIES” (2018) アルバム・レビュー

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前エントリーでこのバンドの最新作“FISTFUL OF FIRE”を取り上げた時に気づいたのですが、2018年の年間ベストを選んだ際、本作を選出して、「レビューは忘れてたのでそのうち」などと書いておいて、再び忘れてしまっておりました(笑)。

ということで今さらレビューしてみる本作は、ヴォーカリストとしてアレックス・シュタール(元MASTERS OF DISGUISE)加入後第2弾となる通算15作目となるオリジナル・アルバム。

ピアノを絡めた期待感を煽るイントロ#1の時点で傑作の予感がしたが、それを裏切らない充実したアルバムである。

JUDAS PRIESTの”Painkiller”に着想を得たことは間違いない、このバンド史上最も攻撃的な印象の#2タイトル曲はBONFIREにメロディアス・ハード的なイメージを持っている人間(私もそうでした)に強烈な平手打ちを加える一撃(サビはメロディアスだが)。

一方で、続く#3 “On The Wings Of An Angel”は哀愁系メロディアス・ハードの秀曲で、欧州系メロディアス・ハードをこのバンドに期待する向きを満足させる1曲。

#4 “Feed The Fire (Like The Bonfire)”は、わざわざバンド名を入れた楽曲になっているだけあって、ライブでオーディエンスと盛り上がれそうなアンセム・タイプのミドル・テンポ。

MVになった#5 “Stand Or Fall”はソリッドなリフとキャッチーな歌メロが絶妙に絡み合う、これぞメタルの醍醐味的なキラーでしょう。こういう曲が入っているアルバムはそれだけで名盤の風格が出るというもの。

そして80年代のバンドならではというバラードの#6 “Comin’ Home”が出てきた時点で、メロディアス系HMバンドの名盤に必要な楽曲の要素はコンプリートされている。

さらに80年代ポップ・フィーリングを全開にしたハード・ポップ路線の名曲#8 “Fly Away”というダメ押しのキラー・チューンまで備えているのだから、本作は本当に充実している。

一部レゲエ調のビートを取り入れた#9 “Love The Way You Hate Me”のようなちょっと変わった曲も織り交ぜつつ、ラスト10曲目はクライマックス感のあるビッグなコーラスがフィーチュアされた楽曲で締めるなど、アルバム全編に渡って隙がない(7曲目にだけ言及しなかったが、それも哀愁がかったマイナー調の魅力的な曲だ)。

ドイツのチャートでも29位を記録するなど、80年代の全盛期には及ばぬにせよかなりの成果を収め、バンド後期の代表作と呼ばれるであろう傑作である。【87点】