NOVERIA "AEQUILIBRIUM"(2019)アルバム・レビュー

前エントリーで新作"THE GATES OF THE UNDERWORLD"を紹介したNOVERIAの、その前作にあたるサード・アルバム。
日本盤がリリースされなかったこともあり、リリース当時にはスルーしていた作品ですが、リリースからかなり時間が経ったタイミングでYouTubeに本作収録の"Stronger Than Before"をリコメンドされ、そのカッコよさにノックアウトされてアルバム全体をチェックしました。
そしてアルバムを聴いての感想としては、リアルタイムで聴いていたら年間ベスト10に選出してたな、というものでした。
基本的にはメンバーが在籍しているDGM直系のプログレッシヴ・パワー・メタルで、その点では最新作と変わらないのですが、よりプログレッシヴな要素やシンフォニックな要素が増している最新作に比べるとよりコンパクトかつソリッドな作風で、「10分超えの大作」みたいな形容にワクワクよりもウンザリ感を感じてしまうようなメタラー諸兄にとっては本作の方が取っつきやすいかも。
アップテンポからミドルテンポまで、どの曲も曲構成がプログレッシヴ系にありがちなテクニカル・オナニーではなく、ちゃんとドラマティックな雰囲気を醸し出してくれる辺りがツボなのですが、アルバム全体もエクストリームと言っていいほどにアグレッシヴな#1 "Waves"で幕を開け、内省的な深みのあるバラード#11 "Darkest Days"で幕を閉じるアルバム構成自体もドラマティックでポイント高いです。
ヘヴィなアグレッションと、テクニカルな要素と、叙情的なメロディのコンビネーションは、何故この時点で日本盤が出なかったのか理解に苦しむハイレベルさですね。いやまあDGMですらそれほど売れているとは思えないのでやむを得ないと言えばやむを得ないのですが。
最新作を気に入った方はぜひ本作もさかのぼって聴いてもらいたい、充実のアルバムです。【87点】
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