EDU FALASCHI & NORTHTALE来日公演 at 新宿BLAZE 2023.9.17
元ANGRA~ALMAHのエドゥ・ファラスキのソロ・プロジェクトであるEDU FALASCHIと、NORTHTALEの来日公演を観てきました。
本来は2月に予定されていたはずがビザの関係で延期になり、この時期に行われることになったのですが、何しろHELLOWEEN来日公演の翌日、当初はスルーするつもりでした。
しかし、先日発売されたEDU FALASCHIのニュー・アルバム"ELDORADO"がかなり良かったので、勢いでチケット購入してしまいました。40代の中年になっても若気の至りが止まりません。
当然前日はHELLOWEENで完全燃焼、その疲労で爆睡して昼近くにのこのこ起きて、そこからWOWOWの録画を観ながらライブレポートを書いたりしていた上に、ちょっと想定外のプチトラブルがあって現地到着が遅れる。
幸か不幸か、いや当事者にとっては確実に不幸なのですが、ロストバゲージなどがあった関係で開演が遅れているということで、サポート・アクトであるILLUSION FORCEが終わったくらいの遅刻で済む。
ILLUSION FORCEも良いバンドなので観たかったですが、きっと12月のSECRET SPHERE & SERENITYの時にも観られると思うので、良しとしましょう(?)。
(バンド用の)メイクをしてなかったのでその場では気づきませんでしたが、チケットのもぎりをやっていたのはANCIENT MYTHのVoの方でしたね。
◆Allegiance Reign
2019年にEvoken Fest 2019のExtra Showで観たことがある「戦国バトル・メタル・バンド」。この日はかなりバタバタだったようで、サウンドチェックでリハーサルしてました(しかも照明の指示をステージ中にMCでやってました/苦笑)。
「日本のRHAPSODY OF FIRE」と呼んでもいい音楽性で、本物の甲冑に身を包んだその出で立ちは、少々出オチ感があるものの、なかなかインパクトがあります。
勇壮でシンフォニックなメタル・サウンドと、自虐的な笑いを取りに行くMCのコンビネーションで徐々にオーディエンスのハートをつかんでいき、後半はかなり盛り上がっていました。
バンド・コンセプトも楽曲もしっかりしているし、20年前ならキングレコードからメジャー・デビューできたんじゃないですかね。
ちょっとだけ難を言うとしたら、戦国色(?)の強い曲の方がインパクトがあるのですが、メタルとしてカッコいいのは戦国色の薄い、「モロにラプソ」な曲である、という点ですかね(苦笑)。
あと、先日無職になって落ち武者になってしまった上に、マーチャンダイズのTシャツを誤発注して在庫をダブつかせてしまったという踏んだり蹴ったりなギタリストさんはなかなかお上手だし時代劇声(?)の良いキャラなのですが、この音楽をやる上ではもう一人ギターがいた方がいいと思います。
◆NORTHTALE
これまた2019年のEvoken Festで観た北欧風(?)多国籍メロディック・パワー・メタル・バンド。
ただ、当時はVoが元TWILIGHT FORCE、現FINAL STRIKEのクリスチャン・エリクソンでしたが、現在はブラジルのメロディック・パワー・メタル・バンド、TRAUMERの日系人ヴォーカリスト、ギルエルメ・ヒロセにメンバー・チェンジしています。
スタジオ・アルバムで聴く分にはクリスチャン・エリクソンに遜色ない感じでしたが、クリスチャンはフロントマンとしてかなり華があったので、ライブでは見劣りするのでは…と思っていましたが、これが意外なほど(と言っては失礼ですが)素晴らしい。
まず歌が上手い。声もよく出ているし、音程も安定していて、とても丁寧に歌っている印象。
フロントマンとしてのパフォーマンスも堂々としたもの…というか、このパフォーマンス、オーディエンスの煽り方は完全にティモ・コティペルト(STRATOVARIUS)のクローン(笑)。当然、オーディエンスは盛り上がります。
ビル・ハドソン(G)の今時珍しいくらい「俺様はギター・ヒーローだ!」という主張を感じる弾きっぷりも個人的には好感度高く、この手のバンドにしては珍しく、バンド・メンバーのキャラがちゃんと立っているのが良い。
疾走曲の気持ちよさといったらかなりのもので、今ライブでこれだけ気持ちよく疾走感を感じさせてくれるバンドってそんなにいないんじゃないですかね。
曲はちょっとあまりにもSTRATOVAIUSだったりANGRAだったりEDGUYだったり、元ネタが割れすぎですが、この手のバンドは変な個性を出すより「教科書通り」に行ったほうが良いものになるし、そもそもそれらのバンドが既に方向転換していたり、活動休止していたりするので、彼らが古き良きメロスピの後継者として受け止めるべきなのかもしれません。
ちなみに、アルバムではIRON MAIDENの"Judas Be My Guide"をカバーしていましたが、本日のライブでは"Wasted Years"をプレイしていました。
私は後ろの方から見ていたのですが(新宿BLAZEは元映画館なので、後方に傾斜がついていて後ろでも見やすいのです)、フロアはめちゃくちゃ盛り上がってましたし、個人的にも気持ちよくアタマを振れました。これ観れただけで「HELLOWEEN疲れ」を押して来た甲斐がありましたね。
メンバーも手応えを感じていたようで、とても嬉しそうでした。このバンドにはもっと売れてほしいですね。
◆EDU FALASCHI
そして真打ち、EDU FALASCHIのショウがスタートしたわけですが、これがもう完全にANGRAのトリビュート・バンド状態。
何しろ全14曲のセットリスト中、10曲がANGRAの曲。冒頭"Live And Learn"~"Acid Rain"~"Waiting Silence"~"Heroes Of Sand"と、4曲立て続けにANGRAの曲がプレイされた日には、「もしかして今日はANGRAの曲しかプレイしない気ではあるまいか…」とすら危惧してしまいました。
いや、まあ、もちろんANGRAの曲をプレイしてくれることは期待していたわけですが、せっかくEDU FALASCHI名義でリリースした2作のアルバムと1作のEPも優れた出来だったのだし、ここまでANGRAシフトでなくてもよかったのではという気も。
ちょっとサウンドのバランスが悪く、開演当初はエドゥの歌が殆ど聞こえず(これはすぐに改善されましたが)、下手のギターは変な音が出ていて、それが改善された後もなんだかサウンドがアンバランスに大きいままで、ちょっと気になりました。
エドゥの歌は…うーん、「決め」のハイトーンはちゃんと出すんだけど、逆に言うと歌唱そのものはだいぶグダグダ。これは声が出ないのか、セーブしてラフに歌っているのか、どちらなのでしょう?
終盤、亡きアンドレ・マトスを"Rebirth"させるために呼ばれたシャーマン(霊媒師)、と紹介されて登場したSHAMANのティアゴ・ビアンキ(Vo)の方がはるかに情感溢れる歌唱を聞かせてくれました。
まあ、エドゥの歌については全盛期の輝きがないことは「想定内」だったので、期待していたのはバックの演奏。これはもうバッチリでした(先述のバランスの悪さを除く)。
高難度のANGRAの楽曲を涼しい顔でプレイしていく(もっとも、ドラマーとキーボーディストは元々エドゥ在籍時のANGRAのメンバーだったわけで、当然と言えば当然なのですが)様は、往年のANGRAもかくやと思わせるものがありました。
メンバー紹介の際に「世界最高のパワー・メタル・ドラマー」と紹介されたアキレス・プリースターのプレイはパワーも安定感も勢いも完璧に兼ね備えていましたし、同じくメンバー紹介で「6弦の魔術師」と紹介されたロベルト・バローズも、圧巻の速弾きを連発していました。
天上人クラスのテクニシャンであったキコ・ルーレイロのフレーズを難なく弾きこなすばかりか、それ以上の音数を詰め込むことさえたやすく実現してしまうのですから、まさに恐るべき腕前です。
ただまあ、ちょっと弾き過ぎというかプレイに品がないので、キコが脱退してもMEGADETHから声が掛かることはなさそうですが(笑)。
なんだかんだ言って、終盤"Spread Your Fire"で「Fire!」して、ラストを"Nova Era"で絞められてしまうと「楽しかったです」と小並感なセリフしか出てこないんですけどね(笑)。
EVP主催のライブでは毎回そうですが、複数バンドのライブ(と、その間の転換)の時間立ちっぱなしで脚が棒になりました(苦笑)。
12月のSECRET SPHERE & SERENITYの時もきっとこうなるんでしょうねえ…。今から戦々恐々です(笑)。

本来は2月に予定されていたはずがビザの関係で延期になり、この時期に行われることになったのですが、何しろHELLOWEEN来日公演の翌日、当初はスルーするつもりでした。
しかし、先日発売されたEDU FALASCHIのニュー・アルバム"ELDORADO"がかなり良かったので、勢いでチケット購入してしまいました。40代の中年になっても若気の至りが止まりません。
当然前日はHELLOWEENで完全燃焼、その疲労で爆睡して昼近くにのこのこ起きて、そこからWOWOWの録画を観ながらライブレポートを書いたりしていた上に、ちょっと想定外のプチトラブルがあって現地到着が遅れる。
幸か不幸か、いや当事者にとっては確実に不幸なのですが、ロストバゲージなどがあった関係で開演が遅れているということで、サポート・アクトであるILLUSION FORCEが終わったくらいの遅刻で済む。
ILLUSION FORCEも良いバンドなので観たかったですが、きっと12月のSECRET SPHERE & SERENITYの時にも観られると思うので、良しとしましょう(?)。
(バンド用の)メイクをしてなかったのでその場では気づきませんでしたが、チケットのもぎりをやっていたのはANCIENT MYTHのVoの方でしたね。
◆Allegiance Reign
2019年にEvoken Fest 2019のExtra Showで観たことがある「戦国バトル・メタル・バンド」。この日はかなりバタバタだったようで、サウンドチェックでリハーサルしてました(しかも照明の指示をステージ中にMCでやってました/苦笑)。
「日本のRHAPSODY OF FIRE」と呼んでもいい音楽性で、本物の甲冑に身を包んだその出で立ちは、少々出オチ感があるものの、なかなかインパクトがあります。
勇壮でシンフォニックなメタル・サウンドと、自虐的な笑いを取りに行くMCのコンビネーションで徐々にオーディエンスのハートをつかんでいき、後半はかなり盛り上がっていました。
バンド・コンセプトも楽曲もしっかりしているし、20年前ならキングレコードからメジャー・デビューできたんじゃないですかね。
ちょっとだけ難を言うとしたら、戦国色(?)の強い曲の方がインパクトがあるのですが、メタルとしてカッコいいのは戦国色の薄い、「モロにラプソ」な曲である、という点ですかね(苦笑)。
あと、先日無職になって落ち武者になってしまった上に、マーチャンダイズのTシャツを誤発注して在庫をダブつかせてしまったという踏んだり蹴ったりなギタリストさんはなかなかお上手だし時代劇声(?)の良いキャラなのですが、この音楽をやる上ではもう一人ギターがいた方がいいと思います。
◆NORTHTALE
これまた2019年のEvoken Festで観た北欧風(?)多国籍メロディック・パワー・メタル・バンド。
ただ、当時はVoが元TWILIGHT FORCE、現FINAL STRIKEのクリスチャン・エリクソンでしたが、現在はブラジルのメロディック・パワー・メタル・バンド、TRAUMERの日系人ヴォーカリスト、ギルエルメ・ヒロセにメンバー・チェンジしています。
スタジオ・アルバムで聴く分にはクリスチャン・エリクソンに遜色ない感じでしたが、クリスチャンはフロントマンとしてかなり華があったので、ライブでは見劣りするのでは…と思っていましたが、これが意外なほど(と言っては失礼ですが)素晴らしい。
まず歌が上手い。声もよく出ているし、音程も安定していて、とても丁寧に歌っている印象。
フロントマンとしてのパフォーマンスも堂々としたもの…というか、このパフォーマンス、オーディエンスの煽り方は完全にティモ・コティペルト(STRATOVARIUS)のクローン(笑)。当然、オーディエンスは盛り上がります。
ビル・ハドソン(G)の今時珍しいくらい「俺様はギター・ヒーローだ!」という主張を感じる弾きっぷりも個人的には好感度高く、この手のバンドにしては珍しく、バンド・メンバーのキャラがちゃんと立っているのが良い。
疾走曲の気持ちよさといったらかなりのもので、今ライブでこれだけ気持ちよく疾走感を感じさせてくれるバンドってそんなにいないんじゃないですかね。
曲はちょっとあまりにもSTRATOVAIUSだったりANGRAだったりEDGUYだったり、元ネタが割れすぎですが、この手のバンドは変な個性を出すより「教科書通り」に行ったほうが良いものになるし、そもそもそれらのバンドが既に方向転換していたり、活動休止していたりするので、彼らが古き良きメロスピの後継者として受け止めるべきなのかもしれません。
ちなみに、アルバムではIRON MAIDENの"Judas Be My Guide"をカバーしていましたが、本日のライブでは"Wasted Years"をプレイしていました。
私は後ろの方から見ていたのですが(新宿BLAZEは元映画館なので、後方に傾斜がついていて後ろでも見やすいのです)、フロアはめちゃくちゃ盛り上がってましたし、個人的にも気持ちよくアタマを振れました。これ観れただけで「HELLOWEEN疲れ」を押して来た甲斐がありましたね。
メンバーも手応えを感じていたようで、とても嬉しそうでした。このバンドにはもっと売れてほしいですね。
◆EDU FALASCHI
そして真打ち、EDU FALASCHIのショウがスタートしたわけですが、これがもう完全にANGRAのトリビュート・バンド状態。
何しろ全14曲のセットリスト中、10曲がANGRAの曲。冒頭"Live And Learn"~"Acid Rain"~"Waiting Silence"~"Heroes Of Sand"と、4曲立て続けにANGRAの曲がプレイされた日には、「もしかして今日はANGRAの曲しかプレイしない気ではあるまいか…」とすら危惧してしまいました。
いや、まあ、もちろんANGRAの曲をプレイしてくれることは期待していたわけですが、せっかくEDU FALASCHI名義でリリースした2作のアルバムと1作のEPも優れた出来だったのだし、ここまでANGRAシフトでなくてもよかったのではという気も。
ちょっとサウンドのバランスが悪く、開演当初はエドゥの歌が殆ど聞こえず(これはすぐに改善されましたが)、下手のギターは変な音が出ていて、それが改善された後もなんだかサウンドがアンバランスに大きいままで、ちょっと気になりました。
エドゥの歌は…うーん、「決め」のハイトーンはちゃんと出すんだけど、逆に言うと歌唱そのものはだいぶグダグダ。これは声が出ないのか、セーブしてラフに歌っているのか、どちらなのでしょう?
終盤、亡きアンドレ・マトスを"Rebirth"させるために呼ばれたシャーマン(霊媒師)、と紹介されて登場したSHAMANのティアゴ・ビアンキ(Vo)の方がはるかに情感溢れる歌唱を聞かせてくれました。
まあ、エドゥの歌については全盛期の輝きがないことは「想定内」だったので、期待していたのはバックの演奏。これはもうバッチリでした(先述のバランスの悪さを除く)。
高難度のANGRAの楽曲を涼しい顔でプレイしていく(もっとも、ドラマーとキーボーディストは元々エドゥ在籍時のANGRAのメンバーだったわけで、当然と言えば当然なのですが)様は、往年のANGRAもかくやと思わせるものがありました。
メンバー紹介の際に「世界最高のパワー・メタル・ドラマー」と紹介されたアキレス・プリースターのプレイはパワーも安定感も勢いも完璧に兼ね備えていましたし、同じくメンバー紹介で「6弦の魔術師」と紹介されたロベルト・バローズも、圧巻の速弾きを連発していました。
天上人クラスのテクニシャンであったキコ・ルーレイロのフレーズを難なく弾きこなすばかりか、それ以上の音数を詰め込むことさえたやすく実現してしまうのですから、まさに恐るべき腕前です。
ただまあ、ちょっと弾き過ぎというかプレイに品がないので、キコが脱退してもMEGADETHから声が掛かることはなさそうですが(笑)。
なんだかんだ言って、終盤"Spread Your Fire"で「Fire!」して、ラストを"Nova Era"で絞められてしまうと「楽しかったです」と小並感なセリフしか出てこないんですけどね(笑)。
EVP主催のライブでは毎回そうですが、複数バンドのライブ(と、その間の転換)の時間立ちっぱなしで脚が棒になりました(苦笑)。
12月のSECRET SPHERE & SERENITYの時もきっとこうなるんでしょうねえ…。今から戦々恐々です(笑)。

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