LOUDNESS / THUNDER IN THE EAST 30th Anniversary Edition

loudness_tite30.jpg

LOUDNESSのワールド・デビュー作となった「THUNDER IN THE EAST」の30周年記念リマスター盤。

とはいえ目当てはリマスター音源そのものではなく初回限定盤に付属する2枚のDVD映像。

彼らの世界進出の経緯を関係者のインタビューと本作に伴う初の全米ツアーのドキュメンタリー映像によって描き出した「A Documentary of THUNDER IN THE EAST」と、同ツアーのライブ映像を集めた「THUNDER IN THE EAST 1985 US TOUR LIVE」。

彼らの基本的なヒストリーというのは当然様々なテキストやインタビューなどで読んで知っていたが、やはり映像で観ると生々しさが違うし、関係者の話も興味深い。

LOUDNESSがアメリカのメジャー・レーベルと契約し、成功(本作が全米73位、次作「LIGHTNING STRIKES」が同64位、これが1980年以降における日本人アーティストのビルボード・アルバム・チャートにおける最高位である)することができたのは、むろん彼らが優れた実力を備えていたことに加え、当時ちょうどHR/HMのブームが起きつつあるタイミングにうまくハマったということが大きい。

そして何より、バンド結成時から世界的な成功を意識して活動していたという高崎晃と樋口宗孝の意識が大きかっただろう。それ以外のバンドは大抵「プロになる」くらいを目的にしていて、「世界進出」については「できたらいいな」くらいの気分だったと思われるからだ。

この時期彼らはMOTLEY CRUEの「THEATER OF PAIN」ツアーの前座として全米をサーキットし、日本人初のマジソン・スクエア・ガーデンでのライブも実現させたわけだが、そのツアーのさなか高崎晃は「(MOTLEY CRUEより)僕らのほうがイイでしょう?」とうそぶいており、こういう向こうっ気の強さは最近の日本人にはないよなぁ、と思いました。

まあ、その割にそのツアーにおける彼らのメイクや衣装は明らかにMOTLEY CRUEに影響受けまくりなわけですが(笑)。

90年代に入ってグランジやPANTERAが流行るとすぐにラフな服装になってヒゲを伸ばし始めたあたりを見ても、高崎さんは結構ミーハー?(笑)

とはいえ90年代、あれだけ不評でもわけのわからないサイケデリック・ヘヴィ・ロック路線を貫き、2000年代に入ってオリジナル・メンバーで実質再結成しても、オールド・ファンが求める「80年代回帰」はせずに、自分が今カッコいい、尖っていると感じるサウンドを追求する姿勢からしてロックというか「商売人」ではないなぁと感じるわけですが、こういう人だからこそ「世界のアキラ・タカサキ」と呼ばれるほどのギター・ヒーローたりえたのかもしれません。

そして他のメンバーもアメリカ人の大観衆を前にして全然気後れしているように見えないですしね。なんとなく昭和の日本人は平成の日本人より概して強気な気がします(いや、私も生まれは昭和ですが、育ちは平成なので…/笑)。

まあ、何だかんだいって同じ日本人としてこうして日本のバンドがアメリカ人のオーディエンスに受けている様子を見るのはネトウヨならずとも胸が熱くなるものがあります。私が学生時代、野茂英雄がメジャー・リーグで活躍したり、中田英寿がセリエAのデビュー戦で2ゴールを決めたときに感じたような高揚感を当時のメタル・ファンは感じていたのではないでしょうか。

ライブ映像は正直かなりクオリティの低い、通常であれば商品にならないようなものも含まれており、同じ曲(特に「Crazy Doctor」)を何度も聴かされる(苦笑)という難点もあるものの、ファンであれば充分楽しめるはず。

とにかく、本作は日本のHR/HMファンであれば聴いておくべき一枚ですし、彼らのファンならずとも日本の音楽ファンとしてこの映像も観ておくべきなんじゃないですかね。 なかなか立派な商品なので、ちょっとお高いですけど!(笑)

◆LOUDNESS 『THUNDER IN THE EAST』30周年公式サイト
http://columbia.jp/loudness/

◆本作のトレーラー映像




スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

最近、アトランィック期のアルバムが廉価で再発され、聞き直してたんですが、2枚ターム位で別バンドかと思うほど音作りが変わっていますね。その時その時のかっこいいと思った音であり曲なんでしょうが、この辺りが新参者のハードルになりますね。私的には聴いてほしいのは「HARRICANE EYES」です。この2枚あとの「SOLDIER ~」で何であんなにシンプルな音に戻ったのか今回聞き直してて一番の疑問です。

>大介山さん

LOUDNESSは結構トレンドに敏感なバンドだったと思います。
90年代後半以降はそうでもないですが…。

「HURRICANE EYES」最高ですよね。
本サイトのレビューをご覧いただけばおわかりになるかと思いますが、私も一番好きです。

もちろん歴史的に一番重要なのは「THUNDER IN THE EAST」ですし、バンドの最高傑作が「撃剣霊化」だという意見も理解できますが。

タイトル

いつも楽しく拝見させていただております。

>これが日本人アーティストのビルボード・アルバム・チャートにおける最高位である

これ、LOUDNESSではなく坂本九だという情報がありますね。
http://the-musicbox.net/japanese_u.s.debut.html

>へべれけさん

坂本九の「Sukiyaki」がシングル・ヒットした話は有名ですが、アルバムも売れていたんですね。
ご指摘ありがとうございました。

タイトル

世界進出を果たした時生まれてもいない僕ですら、今聴いても素直にカッコいいと思える楽曲をリアルタイムで体感したファンはさぞ胸を熱くしたんだろうなぁと思います。
僕もこのリマスター盤には興味あったのですが、THUNDER IN THE EAST自体はすでに持っているし、何より学生の財布では太刀打ちできないので泣く泣く諦めました…

あと全然関係ないですが、高崎さんはなんでライヴのときはカツラかぶってるんでしょうか?
個人的には「THE SUN WILL RISE AGAIN」の裏のアー写の短髪のほうがカッコいいと思うんですけどね。やっぱりメタルヘッズ = 長髪だからかなぁ。

一時期はお坊さんみたいだったくせに(笑)

>翔さん

たしかに学生さんにこのお値段は厳しいですよね。
持っている人に知り合ったり、中古で安く出会ったりできるといいですね。

なぜカツラを被っているかという答えはご本人のみぞ知る、ですが、高崎さんにとってはあのカツラがカッコよくて、かつ地毛でやるには色々負担が大きいからじゃないでしょうか。

あのお坊さん時代は、かつてアイドルグループのメンバーだったとはとても思えませんでしたね(笑)。