GTR / GTR (1986)

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レビューのアウトテイク放出企画その2。

元YES~ASIAのギタリスト、スティーヴ・ハウと、元GENESISのギタリスト、スティーヴ・ハケットが結成したプロジェクトのアルバム。

他のメンバーはマックス・ベーコン(Vo:元BRONZ)、フィル・スポルディング(B)、ジョナサン・ムーヴァー(Dr:元MARILLION)で、プロデューサーはASIAでスティーヴ・ハウの同僚だったジェフリー・ダウンズ(Key)である。

だからというか、本作で聴ける音楽性はYESやGENESISのようなプログレッシヴ・ロックではなく、極めてASIA的なポップさを備えたメロディックなものである。

Voを務めるマックス・ベーコンのクリアで伸びやかな歌声がまたこのメロディアスでスケール感のある音楽によくマッチしている。

一部のモダンなアレンジには「Owner Of The Lonely Heart」の大ヒットを生んだ90125YESに対する意識も感じられ、ハッキリ言って柳の下のドジョウを狙ったことが見え見えの商業的なサウンドであるが、そのクオリティは高く、聴きやすい仕上がり。

ただ、聴きやすいといってもそれはシンプルであるということではなく、よく聴けばサウンドの端々にテクニシャンならではの小技が潜んでいるし、曲によっては一筋縄ではいかないコード進行も駆使されている(なんと本作の日本盤解説では全曲のコード進行が解説されている!)。

ギターが2人いることの利点を生かし、当時主流であったシンセサイザーを中心にした音作りを極力排しているところは「こだわり」なのだろう。全体的にはコンパクトながら、両スティーヴによるギターの掛け合いは随所で堪能することができる。

個人的にはやはりポップな曲よりも緊張感のあるインストゥルメンタルの#9から、テクニカルでいてリリカルな#10につながる、本作中で最もプログレッシヴな流れが一番グッと来たな。

残念ながらこのプロジェクトは全米11位を獲得したにもかかわらず本作一枚で分解してしまったが、曲によってはハード・ロック的な骨太さを感じさせるし、メロディアス・ハード系のファンであれば聴いてみても損はない。もちろんASIAのファンであれば確実に楽しめる作品だ。

◆本作収録「When The Heart Rules The Mind」のMV



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コメント

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マイナーだが好きです

まさかこんなマイナーなプログレもどき作品がレビューされるとは(;^_^A。

カンサスのパワー、エマーソン、レイク&パウエル、エイジアのアストラとかと一緒によく聴いていました。

マイナーだけど大好きな作品です。

>ゆうていさん

だいぶ前に中古で格安で入手して、意外と良かったので勢いでレビューを書いたものの、「今のご時世にこれをレビューする意味があるのか?」と自問してお蔵入りにした文章です(苦笑)。

たしかにKANSASの「POWER」やEMERSON LAKE & POWELLに通じるものがある80年代ならではのアルバムですね。

No title

ハケットもソロ作品だとかなりポップなのとか出していましたしハウはエイジアだし、意外と二人ともポップな音楽作れるんですよね...!
プログレ勢が80年台に出したポップな作品、実はポップなだけに終わらず結構曲としてのクオリティー高くていいんですよね...

>へたれ学生さん

まあ、やっぱりプログレ界隈の人は作曲スキルが高いんでしょうね。
その気になればポップな曲を作ることなんてお茶の子さいさいなのでしょう。