WHITESNAKE / SLIP OF THE TANGUE (1989)

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レビューのアウトテイク放出企画その3。ストックはまだあるけどとりあえず今回はこの辺でやめておきます。

前作「WHITESNAKE(邦題「白蛇の紋章~サーペンス・アルバス~」)がアメリカだけで800万枚を超えるメガヒットを記録したWHITESNAKEの通算8枚目のアルバム。

前作における大成功の音楽面の主軸だったジョン・サイクスはアルバムの発売を待たず解雇され、前作のツアーにはエイドリアン・ヴァンデンバーグ(G:元VANDENBERG)とヴィヴィアン・キャンベル(G:元DIO)が参加していた。

しかし、エイドリアンはより技術を高めるために使用していたピッキングのトレーニングマシンせいで腱鞘炎になり、ヴィヴィアンはバンドに対する貢献が足りないという理由で解雇され、レコーディングは延期されていた。

そして89年3月2日、元ALCATRAZZ~DAVID LEE ROTHのスティーヴ・ヴァイが加入するという、ある意味衝撃的な人事のもとに制作されたのが本作。

スティーヴ・ヴァイとWHITHSNAKEの相性については多くのファンが疑問を抱いており、スティーヴは彼なりにエイドリアンのスタイルを模したと思しきプレイも披露しているが、やはり前作以上にフラッシーでブライトなテイストがアルバム全編を覆い、正直ヴァイにサウンドを乗っ取られてしまった感は否めない。

特に前作で大ヒットした過去の楽曲のリメイク「Here I Go Again」の柳の下のドジョウを狙った#3「Fool For Your Loving」を収録してしまったのが敗因で、この曲のせいで現在のサウンドが過去と全く違うことが際立ってしまった感がある。

とはいえ、初期の彼らにさほど思い入れがなく、WHITESNAKE初体験が前作であるという私のようなファンにとってはそれほど本作のサウンドに違和感はなく、これはこれでカッコいいハード・ロックだと思える。特に#6「Wings Of The Storm」なんて最高にカッコいいじゃん。

ただ実際本作は前作と違って商業的には今ひとつ(とはいえ全米10位)だったため、初期ファンの不評もあいまって「駄作」「黒歴史」呼ばわりされることも少なくないのが実情。

確かに前作ほど良いか、と言われるとそんなことはないのだが、クオリティの高いハード・ロック・アルバムであることは間違いない。古参のファンには批判されたスティーヴ・ヴァイの弾きまくりも私にとっては聴き所。

まあ、このアルバムの収録曲を(「Fool For Your Loving」を除いて)今年のLOUD PARKでプレイするかというと、多分しないと思うんですけどね(苦笑)。

◆本作収録バージョンの「Fool For Your Loving」のMV


◆オリジナルバージョンの「Fool For Your Loving」のMV


◆本作収録「The Deeper The Love」のMV


◆本作収録「Now You're Gone」のMV


◆個人的に好きな「Wings Of The Storm」



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コメント

非公開コメント

ヴァイ在籍の90年来日武道館公演を、急用によりチケット無駄にしてしまったのを思い出しました(泣)
結果的に、デヴィッドとヴァイの共演が観られた、唯一の機会だっただけに、今思い返しても、見逃したのは本当に残念です(>_<)

No title

最初に聴いたのがGreatest Hitsな自分としては、オリジナルバージョンより89年バージョンのFool For Your Lovingのほうが好きですね。

過小評価されてますよね...

このアルバムは曲も結構良く、演奏も(特にヴァイのソロ)も素晴らしいアルバムなのに失敗作扱いされていますよね。個人的には、このあとに出すエイドリアンやダグ・アルドリッチとのアルバムより良い出来だと思います。
「Wings Of The Storm」や「Sailing Ships 」とか良い曲が多いですが、前作がキラーチューン揃いの名盤なので、リリースしたタイミングが悪かったという感じですかね?
ここで取り上げてもらって嬉しいです。ありがとうございます。

ロックスター

改めて聴くと良いですね、再聴戦しようと重います。
それにしても何故デビカバ氏には、これほど有能なギタリストが集まるんですかね?先だってのダグアルド氏の解雇記事にしても待遇悪そうなのに…自分を出すことさえ我慢できれば、勤め先としてはやはり魅力的なのでしょうか。
そういえばそんな映画ありましたね「ロックスター」でしたっけ?

まとめてお返事

>happychildsさん
チケット取ったのに仕事などで行けなかった経験、私も何度かありますが、無念ですよね。
辛い記憶を呼び起こしてしまったようですみませんでした(笑)。


>名無しのメタラーさん
そう、大抵は最初に触れたものの方を好きになるもんですよね。
このバージョンがオールド・ファンに批判されたのも、単にそういうことだと思います。


>なっつさん
私も再結成後のどのアルバムよりカッコいいアルバムだと思います。
過小評価されているのは前作との比較だったり、さらに過去との比較だったり、おっしゃる通りタイミングの問題だったのでしょう。


>学生気分39さん
なんだかんだ言って「WHITESNAKE聴こうかな」と思った時に手が伸びるのはこのアルバムではありませんが、たまに聞くとカッコいいと思える作品です。

テクニカルなギタリストが求められていて、かつキャリアに箔がつくだけのブランド力があるバンドって実はこのバンドくらいなのかもしれません。

待遇は良くないと言ってもさすがに食べるには困らないでしょうし、それなりの規模のオーディエンスの前でプレイできるという意味ではギタリストの勤め先としては悪くないのではないでしょうか。

No title

今、おもえばこれも懐かしいアルバムですね。
発売された当時、賛否ありましたね。
「サーペンスアルバス」が個人的には完璧な内容だったので、このアルバムを最初に聴いた時は正直なところイマイチでした。
だけど今、聴くと悪い内容ではないですね。
90年の来日公演は体調が悪く残念ながら観に行くことが出来なかったのを今でも覚えています。

ライナーは伊藤政則氏と酒井康氏という当時の
ビッグ2(笑)
伊藤氏は今でも活躍していますが、今になって酒井氏の名前を見ると時の流れを感じますよ(笑)
酒井氏は90年5月号のライヴレポートで、このアルバムをボロクソに叩いていましたよ(笑い)
ライナーでは大絶賛していたくせに(爆笑)

>ランディさん

でもやっぱり80年代の「黄金時代」にHR/HMを聴いていた人にとって「BURRN!」といえば酒井康、という印象で、「広瀬?誰それ?」くらいの印象のようです。

ライナーノーツは完全なお世辞、レビューについては最近はレコード会社のご機嫌をうかがっている観がありますが、まだ本作の発表時は辛口だった頃ですよね。

いずれにせよライブレポートなんかは「どうせ関係者は読んでないだろ」くらいの認識で本音が出てしまったんでしょうね(苦笑)。