VOLCANO / JUGGERNAUT

volcano08.jpg

泣きのギターを弾かせたらまさに天才!(天才!)、その酒癖はまさに天災!(天災!)、と言われる(?)屍忌蛇(元GARGOYLE, ANIMETAL)率いるVOLCANOの、このバンドにしては珍しく、約1年という短期間のインターバルで発表されたフル・アルバムとしては通算5作目。

インターバルが短いことから練り込みが甘いのではないか、と危惧される所だが、ところがどっこい、むしろ前作、前々作以上に1曲1曲の構築、楽曲のバラエティとも考えられていて、間に他のプロジェクトを挟まなかったことでかえってVOLCANOとしての「密度」が上がったのではないか、などと思ってしまうような力作である。

映画音楽を思わせるドラマティックなイントロの#1に続く、のっけからNOVの壮絶な絶叫が轟き渡る#2「Sacred Eternity」には名作1stを彷彿させる趣があるし、そのまま引き続きブルータルな#3「Get Mad Child」(このタイトルは、デモの仮タイトルが「玄米茶」だったことに由来しているらしい…)への流れでツカミはバッチリ。

#5「I Miss」の往年のIN FLAMESを彷彿させる「慟哭の」イントロにはグッと来るし、ライナーノーツにある通りRAINBOWの「Spotlight Kid」やALCATRAZZの「Jet To Jet」を彷彿させるリフ(というか、後者は前者の翻案だと思うが)を持つ#7「Blood Soldier」はこのバンドのレパートリーの中では最も正統派寄りの楽曲で、個人的なツボにはドンズバである。

屍忌蛇の愛犬としてファンには知られる安兵衛の吠え声をフィーチュア(?)した#8「Bigger Roar」や#10「Knee Strike」のようなアグレッシヴな曲もいいが、個人的にはVOLCANOとは別にRAINBOWやSCORPIONSスタイルの正統派HR/HMプロジェクトも聴いてみたい、と思わせるほどに本作はメロディが練り込まれている。

#11「Coming Hill」のような、このバンド初のバラード(!)が収録されているあたりも、現在の屍忌蛇が「メロディ・メイキング好調期」にあることを端的に示しているが、それでいてアルバムトータルの印象としては前作「MELT」と同等にソリッドである。

もちろん、屍忌蛇のギター・ソロも相変わらず「歌って」おり、ギター・ソロが単独の楽曲として成立しそうなほどである。1曲で2曲分楽しめる、まさに「一粒で二度おいしい」楽曲ばかりだ。

NOVの、二井原実(LOUDNESS)にヤスリをかけてさらに強靭に磨き上げたかのような歌声も衰え知らずで素晴らしい。日本に上手いシンガーは他にもいれど、ここまで「強い」声を持っているのは彼くらいのものなのではないだろうか。

個人的には1st「VIOLENT」のインパクトが強すぎた(聴いた年齢の問題も大きい)ためにその評価を超えられずにいるが、本作が「VIOLENT」以来の傑作であることは間違いない(そういえばジャケットのアートワークの雰囲気も似ている)。

なお、#4「Shadow」は2005年に発表されたEP「VIPER’S PATH」のディスクユニオン限定特典CD-Rに収録されていた「How Can You Deny The Things That You Don't Even Know」のリメイク。【86点】

◆本作収録「Sacred Eternity」のMV

アカウント含め、全くオフィシャル感のないMVである…。誰かもっと屍忌蛇の才能をプロモートすることのできるスタッフを用意してあげてほしい…。



スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

前作「Melt」よりも気に入りました。中盤から後半にかけての疾走曲連発のカッコよさにメチャクチャシビれます。個人的にはPrimal Fear、MYRATHと並んで今年のベストアルバム候補の一つですね。

是非とも超名盤とされる「Violent」も聴いてみたいのですがいかんせん値段が高騰してて…。いつか買いたいもんです。

あと記事の最後の動画…ホントにMVなんでしょうか?ここまで非公式感に満ち満ちたMV見たの初めてです(笑)

Violentでこのバンドを知りましたが
廃盤かつプレミア付きのため
最近、やっと入手しました。
同時期に入手した今作と交互に聴いていますが
作品のクオリティ的には互角なのでは?
ViolentはVOLCANOのアルバムでは原点にして異質な感じが少しするので
比較し辛いですが
お気に入りは全部です(笑)
一聴しただけでどの曲も好きになりました。
前作は何回か聴いてから好きなった曲もあったので
1年でこれ程の作品を世に出すとは...
最後に屍忌蛇さんのギターと並んでNovさんの声に惚れ惚れします。
こういう声で歌ってみたい!

>翔さん

本作には即効性のあるカッコよさがありますね。PRIMAL FEARにMYRATHをベストアルバム候補に挙げるあたり、趣味が合いますね(笑)。

「VIOLENT」、まあYouTubeにアップされているので聴こうと思えば…ゲフンゲフン。
「超名盤」とまで言い張ってるのはこのサイトくらいかもしれませんが。

MVはちょっと酷いですね。そもそもYouTubeでバンド名やアルバム・タイトルで検索して上位表示されない時点で終わってます。
私がWebプロモーションの基本を指南してあげたいくらいです(苦笑)。

>かつ丼さん

VOLCANOのアルバムは作品ごとに微妙に作風が違うので「VIOLENT」が特段異質という印象はありませんが、一番ジャパメタっぽさが薄いという意味では異質かもですね。

NOVの歌声はカッコいいですよね。
実は結構なハイトーンで歌っているのにハイトーンというよりはエクストリーム・メタルにもマッチしそうなパワフル・ヴォイスに聴こえるあたりが最高です。

No title

歌とギターの対比がいいですね!
歌がFirewindの最初のVoを思い出しました!

>Loki Holstさん

FIREWIND、アポロ加入前のアルバムは長いこと聴き返していなかったので、「どんなヴォーカルだったっけ」と久々にiPodで再生してしまいました(笑)。

No title

前作からスパンが短いこともあってあまり期待せずに聴いたら良い意味で裏切られました。
とにかくメロディがツボにハマり、ニヤニヤが止まらないですね笑
玄米茶や安兵衛くんなどお遊びっぽい(?)要素を取り入れても緊張感を欠くことなく曲が成立しているのは凄いと思います。

国産メタルではBABYMETALとVOLCANOが今年のツートップですね。
私も「VIOLENT」以来の傑作だと思います。

押忍

このバンドの業界ポジションというか、扱いは謎ですよね。屍忌蛇氏とNOV氏にはいつもタマげますが、覚悟して聞かないとCDなのにクタクタになります。
対岸に「疲れないメタル」のベビメタが見えます笑

>元学生メタラーさん

本作を聴くと、制作期間とクオリティの間には必ずしも関係がないということを感じさせられますね。

個人的には安兵衛くんのアレはギリギリな感じですが(笑)。

>学生気分39さん

このバンドというか、屍忌蛇さんの業界ポジションというのは「干されている」の一語に尽きると思います。

それでもその音楽的才能に対して一定のファンが付いているので、こうしてやれているのでしょう。

御茶ノ水・ジャニス

ヴォルケイノの1stについてですが、御茶ノ水にある、ジャニスというレンタルCD店に、在庫があります。

・ジャニス
http://www.janis-cd.com/

距離やメディア(レンタルなので、データ化かMD、CD-R)の形が気にならなければ、立ち寄られてみてはどうでしょう?

ゆうパックや、クロネコヤマト宅急便での返却も受け付けているので、少しは返却が楽ですよ。