DGM / THE PASSAGE

dgm09.jpg

もはやイタリアのプログレッシヴ・メタル代表と言っても過言ではないであろう実力派、DGMの通算9作目となるフル・アルバム。

現Voであるマーク・バジル加入後はそれまで多かったメンバー・チェンジもなく、バンドとして安定・充実した状態にあることを示す好盤に仕上がっている。

これまで通り、プログレッシヴ・メタルとしては比較的コンパクトに引き締まった楽曲をキレッキレの演奏で聴かせるという基本線は変わっていないが、本作の発売に先駆けてMVが公開された#3「Animal」に象徴されるように、全体的にキャッチーさが増しているのが本作の特徴。

これまでSYMPHONY Xを思わせる緊張感を漂わせる曲調の中、サビではメロディックにその緊張を解放する、というタイプの楽曲が多かった彼らだが、本作ではその緊張感を失うことなく楽曲全体として歌モノとしてのクオリティが上がっている。本作より配給がメロディック系のバンドを多く抱えることで知られる『Frontiers Records』に変わったことが影響しているのだろうか?

一昔前の「メタル原理主義者」みたいな人には「売れ線に走った」と言われかねない変化ではあるが、多少メロディがキャッチーになったところで売れたりするわけではない昨今、そんなことに目くじら立てる人もいないだろう。少なくとも私はより聴きやすくなって楽しめる。

リフ・ワークはこれまで同様かなりヘヴィで攻撃的だし、アルバム冒頭から組曲、という構成(パッと見は#1「The Secret (Part I)」と#2「The Secret (Part II)」のみが組曲だが、#1のイントロがアウトロに使われていることから考えると#3「Animal」までが一つの組曲のようだ)も挑戦的で、決して売れ線を狙ったアルバムではない。

#4「Ghosts Of Insanity」には欧州では根強い支持のあるプログレッシヴ・パワー・メタル・バンドEVERGRAYのトム・エングルンド(Vo)、#10「Dogma」にはSYMPHONY Xのマイケル・ロメオ(G)がゲスト参加、後者は私のようなメロディック・スピード・メタル・フリークであれば必聴の疾走チューンに仕上がっている。

既に本作のツアーに伴う来日公演が11月に決定しているが、前回(私は行けませんでしたが)に引き続き小規模なライブハウスでの、バンドの実力とキャリアに対して申し訳ない規模の公演となっているのが残念。こういうバンドこそLOUD PARKに出てほしいのですが…。【86点】

◆本作収録「Animal」のMV


◆本作収録「Fallen」のMV


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

DGMのライブ、前回行きましたが
箱がマジ高校の軽音サークルでも使わねえレベルの音の悪さ、
舞台の照明が直に客席に入り、目も痛く。
登場時のカーテンはスタッフが手で直接布を引っ張って開閉。
そんな中でもマークバジルの絶唱は聞き取れて
G.vsKey.のテク合戦も見ごたえあったし最高だったけど、
今回もあの音響じゃ行くかどうか悩む・・・。

>名無しのメタラーさん

狭い上に音響も悪いんじゃアーティストに失礼ですよね…。
彼らのベスト・パフォーマンスを引き出す会場を用意してほしいのですが。

前回とは違うライブハウスですが、規模感は同じみたいなのであまり期待はできませんね…。

No title

上記で書いた者です。
バスドラドコドコ以外はノイズみたいなもんでした。
演奏のシャープさに関してはHM界5本指に入ると思います。もったいない。

プロモーター変わんねーかな・・・。

(ちなみに以前私はココのプロモータのライブ
(ロー〇ンド・グラポウ率いるMASTE〇PLAN)が
観客30人というのを目の当たりにしたことがあります。
それでも笑顔で全力でやってくれたメンバーに感謝感激。
せっかく好きなHMバンド引っ張ってくれるのに・・・)

>名無しのメタラーさん

DGMほどの演奏力があってもノイズになってしまうというのはひどいですね。

Evoken de Valhall Production、普通のプロモーターが呼ばないようなバンドを呼んでくれるのはありがたいのですが…。

しかしMASTERPLANが30人というのはキツいですね。まったく収益が出てないどころか確実に赤字ですよね。

このプロモーターに招聘されたがために日本にネガティブな印象を抱くアーティストが出てこなければいいのですが。

#1イントロのシンセで完全にやられてしまいました!

散りばめられた変調が、いい緊張とドラマチックさを感じさせますし、キャッチーな曲が多く聴きやすいです。

まだライブ観たことないので、ぜひラウドパーク出ていただきたいです。

>0427さん

ちょっと神秘的で、魅きこまれるイントロですよね。

凝った展開を見せながら、HR/HMとしてコンパクトにまとまっているのが、長尺曲があまり得意ではない私のようなリスナーにピッタリのバンドです。

LOUD PARKに出てくれれば絶対観るのですが、11月に小さなライブハウスで観に行くかどうか、かなり迷います…。

No title

フロンティア移籍の影響でしょうか、前作よりキャッチーで聴きやすくなって最近お気に入りの一枚です。前作も好きなのですが、結構ゴリゴリの曲が多くて聴き疲れしてしまって汗
1曲目からキャッチーなサビメロと長いギターソロでシビれますね!ピアノバラードの小曲も素晴らしいです。

ETERNITY'S ENDの「THE FIRE WITHIN」というアルバムもオススメですよー。
元ELEGYのイアン・パリーが熱い歌声をきかせてくれて、ネオクラ好きは必聴盤です。

>元学生メタラーさん

これまでのDGMは、おっしゃる通りちょっと聴き疲れする感がありましたね。
密度が高すぎるというか、緊張感がありすぎるというか。

今回は基本的にはポップな音楽が好きな軟弱メタラーには好ましい路線です。

ETERNITY'S END、ネット上で1曲試聴して、買うまでもないかな、とパスしてしまいました…。

他にあまり聴くべき新譜がない時期などにトライしてみたいと思います。