TRAUMER / AVALON

traumer02.jpg

ビクター・エンターテインメントのお客様相談窓口にアプローチしてきたというエピソードがネタになっているブラジル出身のメロディック・パワー・メタル・バンドのセカンド・アルバムにして本邦デビュー作。

ヴォーカリストはギルエルメ・ヒロセ、キーボーディストはネルソン・ハマダと、名前で一見してわかる日系人で、特に後者は外見が完全に日本人である。

てっきりビクターへのコンタクトも日系人ならではの日本語で行なわれたのかと思いきや、普通にWeb翻訳サービスを使ったそうで、どうやら日本語が話せるわけではないようだ。まあ、TRIVIUMのキイチだって最初は日本語サッパリ、だったからそんなものでしょう。

2009年にブラジルのサンパウロで結成され、2012年に現在のラインナップが揃い、初音源となるEP『ELEAZAR』を発表、2014年にファースト・フル・アルバム『THE GREAT METAL STORM』をリリースし、マニアの間では既に注目される存在だったようだ。

レコード会社が今回「売り」にしているのは件のお客様相談窓口への突撃エピソードに加え、ボーナス・トラックとしてSTRATOVARIUSの「Father Time」、HELLOWEENの「Eagle Fly Free」、ANGRAの「Carry On」という、このメロパワ界隈における超有名クラシックばかり臆面もなく3曲もカヴァーしていることである。

正直、これらの楽曲のカヴァーは自分たちの曲の印象を薄くしてしまう上に、演奏力がオリジナルのバンドより劣っていることを浮き彫りにしてしまっており、諸刃の剣といった観もあるが、非常に素直なカヴァー(もはやコピー)なので、オリジナルのファンであれば素直に楽しめることだろう。

バンド自体のスタイルが、このSTRATOVARIUS、HELLOWEEN、ANGRAという3つのバンドのどれに近いかというとそれは明らかにSTRATOVARIUSで、所々パクリ寸前なメロディを散見させつつ、アルバム全編に渡って非常にピュアなメロディック・パワー・メタルを聴かせてくれる。

現時点では全く無個性だし、まだまだ洗練されていないものの、演奏力・サウンドともこの手のサウンドのマニア的には及第点なレベルに達しているし、私のようなこの手のキレイめメロディック・メタル・サウンドをこよなく愛する向きには充分楽しめるクオリティを有している。

正直、彼らが「一線級」に昇格するためにはまだまだメロディ、パワーともに物足りなさが否めないが、最近活況とは言い難いこのジャンルにおける数少ない「光るものがある」バンドであることは確かで、最近あまりこの手の新しいバンドと契約していないビクターが契約に踏み切ったのも、自分たちが日本に広めたメロディック・パワー・メタルの正統的な継承者としてのポテンシャルを評価したからだろう。

というわけで私も点数は期待料込みで。STRATOVARIUSタイプのサウンドが趣味でない方にとってはマイナス3点て所かも。【81点】

◆本作の試聴用ムービー


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

軽い気持ちで試聴したのですが帯のエピソードを読んで即レジに持って行きました。私的にはVoの北欧声にやられました。ミドルの曲がキャッチーなのもポイント高かったですね。ボーナスのカバーは歌いこみかたが半端ない感じですね。確かにまだまだですが、次作が楽しみなバンドです。

>大介山さん

エピソード一発でCD買わせてしまうのですから、やっぱりネタ作りは大事ですね(笑)。

おっしゃる通りVoの声もですが、全体的に北欧っぽさが強くて、ANGRA的なブラジルらしさは皆無ですね。

好きなタイプのバンドであることは間違いないので、成長を期待したい所です。

No title

ボートラに惹かれて聴いたのですがすごくよかったですw
そのまま即1stも購入しましたが、こちらも北欧感満載で大満足でしたw

>oredakenoaitanさん

南米産にもかかわらず、北欧系メロパワ好きの琴線をくすぐるバンドですよね。