DOLL$BOXX / DOLLS APARTMENT (2012)

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リリース当時はノーチェックで、リリースから1年以上経った中途半端なタイミングで聴いたために、このサイト/ブログでは特に触れてこなかったが、ここ5年ほどの間に出会ったアルバムの中で1、2を争うほど気に入っているアルバム。

このバンドはガールズ・ロック・バンドGacharic Spin と、元LIGHT BRINGER、現Fuki Communeのヴォーカリスト、Fukiによるプロジェクトで、かつてGacharic SpinとLIGHT BRINGERが対バンしたときに知り合い、2012年3月のGacharic Spinに、当時の専任ヴォーカリストが体調を壊してツアーに参加できなくなった際にFukiがサポート・ヴォーカルを務めたことが本プロジェクトの誕生につながったという。

Gacharic Spinの音楽というのはHR/HM的な要素を持ちつつもストレートにHR/HMと呼ぶことは難しい(本人たちもHR/HMというジャンルに括られることは望んでいないだろう)が、その男性顔負けにテクニカルでエネルギッシュな演奏、パフォーマンスはHR/HMファンの耳をも納得させるもので、そこにFukiの強力なヴォーカルが乗ることでマジカルなケミストリーが生まれている。

Fukiは本作リリース当時まだLIGHT BRINGERが活動中だったため、メタルではないものをやろうとしていたようだが、Gacharic Spinのメンバーは自分たちのバンドの音楽よりもストレートにカッコいいロックを作ろうと志向していたようで、結果としてかなりHR/HM寄りのハードで勢いのあるサウンドに仕上がっている。

快活さと哀愁を兼ね備えたメロディックな曲調、そしてFukiの声質もあって、パッと聴きはアニソン風のロックに聴こえるのだが、とにかく演奏が充実、主張しまくっていて、その点が圧倒的に「ロック・バンド」を感じさせる。

私は基本的にストレートなHR/HM系のロックにおいては、ベースにはドライブ感を強調する以上の役割を期待していないのだが、本作の中で聴かれる派手なスラッピングを含む動き回るベース・ラインは、目立ちまくるにもかかわらず単なるスタンド・プレイにならず楽曲の魅力を引き立てており、F チョッパーKOGA(B)のセンスには脱帽である。

そしてとにかく楽曲がいい。個人的な感覚ではLIGHT BRINGERやGacharic Spinのキラー・チューンばかりを集めてフュージョンしたかのような、両者の最良のエッセンスがブレンドされている楽曲ばかりだし、そのひたむきな思いが伝わってくる凛としてどこか切なさを秘めた歌メロはマイ琴線を掻き毟らんばかりである。きっと中高生の頃に出会っていたらナニを覚えたサルのように毎日聴き狂っていたことだろう。

特に1曲目から4曲目までの畳み掛けが凄まじい。この畳み掛けの押しの強さを一本調子と感じる人もいることだろうが、この想いとパッションの奔流とでもいうべきサウンドは成熟してしまったミュージシャンには出せないマジックだ。

インタビュー記事などを読むと制作スケジュールはかなりタイトだったようだが、本作に関して言えば変に煮詰める時間がなかったことがむしろ功を奏しているように思える。

そして今さらなぜこのタイミングで本作を取り上げたかというと、本日渋谷のTSUTAYA O-EASTで「WWフェイス」というDOLL$BOXX とGacharic SpinとFuki Communeの対バンイベントがあるからです。

私としてもぜひ観に行きたいイベントだったのですが、チケットが即完してしまったために行くことはかなわず…。その無念の思いをこの文章に叩きつけた次第です(笑)。

またぜひ近いうちにライブをやってくれることを願ってやみません。

◆本作収録「Loud Twin Stars」のMV


◆本作収録「Take My Chance」のMV


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コメント

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Lock On!!

Gacharic Spinをはじめて聴いたとき「これはメタルやな」って思ってましたね。
他界したArmmy氏は日本のHR/HM界にとって、ある種の救世主だと期待していただけに本当に残念でなりません。
その苦境を乗り越えた現在のGacharic Spinも素晴らしいですが、やはりArmmy氏の歌声を茶の間に響かせてほしかったです。
現在はパフォーマーの導入などで、時代に合わせたデコレーションを施しての活動ですが、おっしゃるとおりF チョッパーKOGA氏の世界観は強烈ですよね。
いや、しかしですよ!まさか、このサイトでGacharic Spinが登場するとは思いませんでした。あらためて管理人さんの器の大きさ感じました笑

>学生気分39RETURNS さん

Armmy在籍時のガチャピンは聴いたことがないのです…。

今のガチャピンもなかなか楽しい音楽をやっていると思いますが、DOLL$BOXXはともかくさすがにガチャピン自体をこのブログで取り上げるのはさすがにちょっと違うな、と思っているあたり、器は決して大きくありません(笑)。

昨晩のライヴ

こんばんは。

昨日のライヴ、行って来ました。
ドールズボックスはヘヴィメタルそのもので本当に素晴らしかったです。
ここ2年以上、ガチャピンのライヴに通っていますが、そのきっかけはadoreさんでした。
3年ほど前に海外サイトの『日本の女性メタルバンド特集』を取り上げられたと思いますが、その時、FチョッパーKOGAについて一言触れていたのがきっかけでした。
(ただ、その記事が見つからないので、違っていたらすみません...)
ガチャピンとドールズボックスは作曲上の中心人物が同じメンバーなので、今ではどちらも同じように好きです。
ドールズボックスは今年の夏に何かあるとMCで言ってました。ライヴか作品か、何かあるようです。楽しみです。


私自身LIGHT BRINGER経由でDOLL$BOXX、 Gacharic Spinを知ったクチです。

ただガチャピンに関してはドラゴンボールのエンディングテーマを聞くまで全く関心がありませんでした。

ガチャピン経由でDOLL$BOXXのPVを見て、この音源を購入しなかったことに少なからず後悔しましたが、こうして活動を再開してくれたのは嬉しい限りです。

偶然ですが、先週怪盗ジョーカーのエンディングテーマを見ながら「Fukiもこんなんやってるならガチャピンとまたやればいいのに」と妻に話していたらその通りになりました。

新譜、期待しています。

>udometalさん

なんと、行かれたとは羨ましい…。
私はチケットサイトがつながったときには既に完売でした。

ガチャピンが紹介されていたという海外サイトの『日本の女性メタルバンド特集』、たぶんブログ記事ではなく、Twitterでリツイートして、このベース凄い、的なコメントをつけた記憶があります。

Web上の評判を見る限りライブはとても良かったようですし、夏に何かあることを匂わせてくれたようで、期待してしまいますね。


>Ario✠cHさん

日本でこの手のHR/HM色のあるバンドが注目されるきっかけって、アニメのタイアップであることが多いですよね。

デビュー・アルバムが良すぎただけに新作を聴くのはちょっと怖いですが、もちろん出たら聴いてみたいですし、やはりライブを観てみたいですね。

No title

babymetalもここ経由で知ったのですが、
またヘンなものを教えてもらいましたw

google play musicにアルバムがあるのでそれを聴いたり、
youtubeにあるgacharic spinの教則ビデオを見て笑い転げたりして、この週末は終わってしまいました。

まさか!このサイトでガチャリックスピンを取り上げで頂けるとは(^ ^)私自身、ガチャピンからドル箱を知った口です。ベース、ギター、ドラムが教則本を出すほどテクが凄いのもロック、メタル好きな人を惹きつける魅力でしょう。

>おもしろい さん

彼女らはBABYMETALほど「ヘン」ではないと思いますが…(笑)。

もしそんな週末が楽しい週末だったと思っていただけるのであれば、出会いのきっかけを作れて幸いです(笑)。

>しんさん

今回取り上げたのはあくまでDOLL$BOXXであってGacharic Spinではありませんが(笑)、彼女らの演奏力はイマドキの(?)ガールズ・バンドの中でピカイチですよね。聴いていて気持ちが良いです。