SIRENIA / THE 13TH FLOOR

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ノルウェーのゴシック・メタル・バンド、SIRENIAの本邦デビュー作。

バンドといっても、その実態はやはりノルウェーのゴシック・メタル・バンドであるTRISTANIAの中心人物だったモルテン・ヴェラン(Vo, G, Key)によるソロ・プロジェクト的なもの。

01年の結成以来既に4作目となるが、メンバーは常に流動的で、本作も実際はVo以外のG, Key , B, Drパート全てをモルテン自身が手掛け、ブックレットにクレジットされているギタリストとドラマーについては「ライヴ・ギター」、「ライヴ・ドラムス」と記載されており、いわゆる単なるツアー・メンバーであることが窺える。

前作「NINE DESTINIES AND A DOWNFALL」はドイツのチャートで54位に食い込むスマッシュ・ヒットを記録したそうで、モルテンさんは印税総取りで大儲けですね(笑)。

欧州では先行して発売されている本作もドイツで87位、スイスで67位にチャート・インしたそう。

個人的にはBURRN!誌における伊藤政則氏のレビュー中にあった「WITHIN TEMPTATIONの北欧版」という形容に興味を持ち、Castle Of Paganにおいてもかなり高く評価されていたので、購入してみた。

本作の印象を決定づけているのは、本作より加入したスペイン出身の女性ヴォーカリスト、アイリンの歌声だろう。

彼女の音楽活動のスタートはCHARMなる女性3人のアイドル・ユニットだったそうで、その後アン・リンという名前でソロ活動も行っていたとか。

イギリスの有名なアイドル発掘番組『The X Factor』で第4週まで勝ち残った実績があるそうで、その番組中ではいわゆるポップス的な楽曲に加え、EVANESSENCEの曲なども歌っていたということだから、元々この手の音楽は嫌いではなかったのでしょう。

そんな彼女の歌声はやっぱりどこかアイドルっぽいもので、正直クラシックの声楽を学んだとことがあるという割には「フツー」の歌唱である。

ただ、そのアイドルっぽい甘い歌声が聴きやすさを生んでおり、とっつきやすさは抜群。

所々かなりへヴィなリフや、デス声などもちりばめられているが、楽曲全体の印象はWITHIN TEMPTATIONなどと比べてもかなりキャッチーである。

ライナーノーツで奥村裕司氏に「やや平板」で「素人くさい」などと書かれてしまっている(たぶん、アイドル系の歌が嫌いなのでしょう)アイリンの歌唱は、たしかに細めだが、それは可憐さと紙一重であり、この北欧風ゴシックの哀愁を帯びた曲調にはなかなかマッチしていると思う。

プログラミングを多用した演奏にメタルならではの「旨味」がなく、そのせいか音は悪くないのに音像全体にダイナミクスが足りない印象があるのが残念だが、その辺もある意味アイドルっぽくていいのかもしれない(苦笑)。

モルテン・ヴェラン氏には、ぜひゴシック・メタル界の小室哲哉を目指してもらいたいですね(笑)。【82点】


◆SIRENIAのMySpace
http://www.myspace.com/sirenia
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